BATIさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

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ユダ&ブラック・メシア 裏切りの代償(2020年製作の映画)

4.2

シャカ・キング、デビュー戦とは思えないキレのある画。白い顔の悪魔に魅入られたビルの真実、本心は語られずも誘惑(脅迫)され苦悶するラキース・スタンスフィールドの瞳孔の揺らぎ。正にブラック・ジーザス・クラ>>続きを読む

愛すべき夫妻の秘密(2021年製作の映画)

3.6

シットコムとアカ狩りの1950年代、スキャンダルにより番組が放送を続けられるかの危機に瀕する「アイ・ラブ・ルーシー」の放送されるまでの一週間。背景を知らない人間は相手にせずフルスロットルのアーロン・ソ>>続きを読む

ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

4.4

肉体、愛するもの/モノ、日常、この世の全ては所業無常。自分の殻に凝り固まることと執着を捨てて受け渡すことで世界と人は調和し、人と人は共鳴する。失っていくことを受け入れるまで。見事。

思っていた以上に
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僕を育ててくれたテンダー・バー(2021年製作の映画)

4.0

説教くささのない青春像の作品は久しぶり。映画的な見せ場/落とし所を避けて静かに進む時間。大人たちの人生の陰、若者の成長と小さな挫折。ジョージ・クルーニーの人生を要約しない意図が感じられてて気持ちの良い>>続きを読む

ロスト・ドーター(2021年製作の映画)

4.6

女性が聖女/聖母であることを美徳とされることへの静かなる反逆。避暑地へ訪れたレダに降りかかる気を滅入らせるノイズはどの時間にもある。学業(才能)を選んだ女を街(世界)は放っておいてはくれない。それは母>>続きを読む

決戦は日曜日(2022年製作の映画)

4.4

日本の選挙と政治の「無」についてここまで描いてくれればよい。宮沢りえ演じる候補を馬鹿な女として描きすぎたのは減点だがそれすらもあの人への当て擦り。あとは宮沢りえの器で作品をもたせた。射程圏内にいる人間>>続きを読む

ユンヒへ(2019年製作の映画)

4.2

喫煙シーンが沢山出てきたので「バードピープル」を思い出した。女性たちの現実に息を潜めて暮らす中の息継ぎとしての煙草。尊いものと商品化されないレズビアンたちの物語で好みだった。

時代設定は90年代なの
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スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム(2021年製作の映画)

4.8

このレビューはネタバレを含みます

トムホ・ピーターは辛いことばっかりあったからしんみりした終わり方しないで欲しかったけど、しんみり終わるよね。うん、知ってた。

マルチバースからワンダリングしてきたヴィランたちは移民の象徴であるのだけ
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ダラス・バイヤーズクラブ(2013年製作の映画)

4.8

公開当時に劇場鑑賞しらいたく感銘いたしました。

監督のジャン・マルク=ヴァレが亡くなったとのことです。どうか安らかに。

ただ悪より救いたまえ(2019年製作の映画)

4.6

一つの生命を護りたい者、ただ一人の男を殺したい者。人を手にかけた者は追われるのが運命。因果律は刃を携えてやってくる。追うものもまた銃弾を臓腑に浴びるのも定め。許されざる者ふたりは心臓が脈打つことを止め>>続きを読む

マトリックス レザレクションズ(2021年製作の映画)

4.6

20年越しにラナ・ウォシャウスキーが語り直した「マトリックス」。ヴィジュアルは「スキン」にしか過ぎない。社会(バイナリー)に自分(自我)をアジャストさせるな。あるがままの自分でいろ。今年一番のフェミニ>>続きを読む

スクランブル(2017年製作の映画)

3.6

この軽さは評価したい。これくらいの軽妙な映画2ヶ月に一度くらいは観たい。擬似ワイスピ(スコット・イーストウッド出てるので余計ややこしい)で若干男向けの展開だけど女の人も等しく活躍していて良かった。

パワー・オブ・ザ・ドッグ(2021年製作の映画)

4.6

マチズモとミソジニーのアイコンのような男、フィルに私はどうしようもな憐れみと悲しみを感じてしまった。有害な男性性を肯定したいのではない。そう生きるしかなかった人間、生まれる時代が違えば違った在り方があ>>続きを読む

コレクティブ 国家の嘘(2019年製作の映画)

4.6

ライブハウスの火災事故に始まり、収容する病院で起きる院内感染と二次三次被害。希釈された消毒液は正に機能不全な病院と政治腐敗の象徴。嘘のような本当の悪夢。「無関心が人を殺す」は臓腑に響く言霊だったが、そ>>続きを読む

ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ(2021年製作の映画)

3.0

2021年とは思えないくらい「リーサル・ウェポン2」で、「ナチュラル・ボーン・キラーズ」だし、90年代映画で楽しみました。教訓とかないしこのご時世でこんなに「男の部室」映画でいいんだろうかとも思うんだ>>続きを読む

ザ・ビートルズ:Get Back(2021年製作の映画)

5.0

夢のような映像。あの楽曲が生まれる瞬間、解散の言葉が出てきた時のポールの憔悴した顔。噂には聞いていたギスギス感は全編にあるわけでは無く、音楽を作る喜びにあふれる四人の姿が見れてよかった。長年のファンに>>続きを読む

映画 すみっコぐらし 青い月夜のまほうのコ(2021年製作の映画)

-

(未採点とします)

まぁ前作の方が面白いというのは分かるんだけど、出てくるかわいい子たちがみんなやさしいだけで満足でした。キャンプマスターのカワウソさん!

割と「夢」というものについて儚くされど尊
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佐々木、イン、マイマイン(2020年製作の映画)

3.0

あまりハマらず。男に対して視線が甘すぎるせいで「キッズ・リターン」にも「トレインスポッティング」にもなれない。逆に言うとポテンシャルはあった訳で惜しい。だが惜しいと見事の間には大きな隔たりがある。きっ>>続きを読む

サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)(2021年製作の映画)

4.2

Disney+にて『サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)』を。サブタイトルまで副題としてつけなければならなかった1969年の黒人たちの記録。アメリカが月を目指した頃、キング>>続きを読む

G.I.ジョー:漆黒のスネークアイズ(2021年製作の映画)

2.4

このジャンルだから厳しいこと言うのもナンセンスない気もするし、暖かい目で見るべきなのかもしれないけど、これだけ動ける役者集まってて肝心の座長のヘンリー・ゴールディングのアクションパートが冴えないのはや>>続きを読む

スヘルデの戦い(2020年製作の映画)

4.6

すごくよかった...。つらい...。「ハイドリヒを撃て!」、「ダンケルク」ら戦争群像が好きな方は絶対観て下さい。監督は「遊星からの物体X ファーストコンタクト」のマシーズ・ヴァン・ヘイニンゲン・Jrで>>続きを読む

最後の決闘裁判(2021年製作の映画)

5.0

男たちの独善と欲と歪んだ認知!世界において女性の尊厳は蔑ろにされ収獲としてしか扱われない!その審判ですら正義ではなく力という暴力性、すなわち男性性によってのみ下される!真実はあっても神はいない!リドリ>>続きを読む

DUNE/デューン 砂の惑星(2020年製作の映画)

1.8

このレビューはネタバレを含みます

フレメンと合流するまでで160分やって終わるので、リンチ版の半分のところまで。丁寧にやりすぎな分テンポは悪くジマーのスコアも重く一本調子なので退屈になる...。

それを看破するのが誰もが知っている神
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キャッシュトラック(2021年製作の映画)

4.4

ついにガイ・リッチーが「悪魔には悪魔の生き方と死に方しか待っていない」映画を撮った...。血と鉛の味が口の中に込み上げてくる映画を撮った...。命の対価に見合わない現金、勇気の対価に見合わない鉛玉、力>>続きを読む

007/ノー・タイム・トゥ・ダイ(2019年製作の映画)

4.8

このレビューはネタバレを含みます

クレイグボンドは人間味深く終わるのか、コネリーのようなマシーンのようになるのかと想像していましたが、これまで以上に人間臭いボンドとして幕を閉じた。そして人の子の親として死んだ。

ダニエル・クレイグは
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シャン・チー/テン・リングスの伝説(2021年製作の映画)

4.4

割と辛い物語。序盤のフィジカルアクションパートの軽妙さと何が起こるか分からない辺りまでが面白かった。トニー・レオンの正に水も滴る色気、ミシェル・ヨー様の貫禄、若き才気が集まるパワーは感じれて楽しんだ。>>続きを読む

レミニセンス(2021年製作の映画)

3.0

少なく見積もっても20年は「遅い」映画で、とても褒められた作りの映画ではないのだが終盤は泣いてしまった。人間が最も愛するのは自分が幸せだった時の記憶だから。出逢うのも失うのもそれは「財産」。

「チャ
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フリー・ガイ(2021年製作の映画)

4.8

予想以上の大傑作!! ゲーム世界の「殴っても撃っても殺してもよいキャラ」が人となる瞬間。即ちそれはハリウッドの白人優位社会であり、可視化されない人間たちに視点を向けることのメタでもある。「ガイ」がゲー>>続きを読む

モンタナの目撃者(2021年製作の映画)

4.2

テイラー・シェリダンの作品らしく現代西部劇で、脇を固めるキャラ、悪役にそれぞれの人情を見せて描いていて見たいものが見れた作品だった。15年前なら主人公はタフガイだったろう物語は罪と傷を背負った心の壊れ>>続きを読む

まともじゃないのは君も一緒(2020年製作の映画)

4.6

未成年者との関係性にヒヤヒヤしながら観てたけど面白いな!最後まで観てよかった!あの役小泉孝太郎にあてるセンスすごい!

「まとも」≒日本でもあるんだろうな。ちょっとノア・バームバックの映画みたいだった
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MEMORIES(1995年製作の映画)

4.0

当時も劇場で観た。久しぶりに観たけど、銀河の果ての孤独な人間、パンデミック(バイオハザード)、敵の見えない軍国主義、2021年の日本に生きる身としてはどれも存在がより際立っていた。