今そこにいるパートナーが「ここ」にはいないその無常さ。人というものが消えて存在がなくなっていくこと、存在しないことによってその存在が際立ち、求めてしまう哀切さ。それすらも無常。この世から消えることに温>>続きを読む
見事。鬼太郎のオリジンの話の体だが横溝正史作品のようなストーリーテリングで描くテーマは戦中〜戦後〜現代に連なる既得損益と搾取構造への告発。メタとして人命が養分とされる演出に悲鳴をあげそうになった。その>>続きを読む
すごくよかった。これ、監督「フリーソロ」のエリザベス・チャイ・パサリヒィーとジミー・チンだったんですね。あれは良いドキュメンタリ映画だったけど、ここにもその才覚が活きてるのを感じました。これは女の「反>>続きを読む
美術、人員にお金をかけて大作然りとしていないことが粋。安土・桃山時代を舞台としつつ、やっていることは「TAKESHI'S」と同じく北野武の無意識下の精神表層に見えた。これだけ男性同性愛を肉体表現含めて>>続きを読む
VFXが日本ついにここまで来たかという満足感は勿論なんだけど、神木隆之介と浜辺美波の演技と顔を信じて二人にフォーカスした撮影が昭和映画的で良かった。あと水爆批判は後退するものの、本土上陸される被暴力性>>続きを読む
フローリアン・ゼレールの前作「ザ・ファーザー」同様三部作の戯曲の映画化。メンタルイルネスを抱えた息子に優しく接しようとする父、だが。前作と通底して家父長であろうとすることのの暴力性を描く。家族であるこ>>続きを読む
デヴィッド・フィンチャー会心の一撃と言わざる得ない!「この世に正義も運もないと嘯いた」中年(≠大人)の人との関わりを誰よりも欲していた社会との断絶の物語であり、社会≒流通≒システムの人間性の乖離の告発>>続きを読む
面白くないんだけど、面白くなさが続いて逆に面白くなってしまった。「絶対に美味くないであろう牛丼が作られていく」のを見届けているかのような半笑い感と、それでも100%ビーフのような存在感のベンアフ。ロド>>続きを読む
「この規模の」フランチャイズではないオリジナル作品が2023年にハイレベルの美術、最高の撮影かつこの予算をかけて作られたことに一番に感動している。これが私の観たい「映画」。素晴らしかった。
話はこん>>続きを読む
アリ・アスター絶賛も納得の邪悪な話。映像表現も話も終始(良い意味で)ヤバくて笑っちゃった。パペットアニメ+上書きドローイングの手法だから不条理さと狂気がほとばしる。ヤバくて笑っちゃう系なのでそんなに怖>>続きを読む
噂は聴いていたものの話は全く知らずの鑑賞。金持ちのドラ息子の思いつきで使われた偽札がチェーンリアクションで労働者階級の家庭に飛び火して男は職を失い、自由を失い、そして…。冒頭から想像できない方向に話が>>続きを読む
良かった。なぜ本作がこんなに閑散かつ陰惨な方向の暴力描写となり、笑いやカタルシスを避ける作品になったのか考えるとこの数年の世界情勢の変化は影響している気がしている。そして、舞台がイタリアであることで「>>続きを読む
とても面白かった...。この前「ペパーミント・キャンディー」観たばかりだったのですが、光州事件から連なる政治性、そして「暴力≒権力≒マチズモ」についてフィクションを通してどう捉えるかという話をエンター>>続きを読む
解決する目測のたたない環境問題と核兵器と社会不信。希望なき未来に絶望する若者。あらゆる思想と行動を否定し判断停止を選択する若者の姿というのは現代に通じる。あらゆる問題、不幸や悲劇を悪魔の所業にすること>>続きを読む
ほんとに「走れメロス」だった...この長さ必要だったんだなという映画で、チャド・スタエルスキの夢がそのまま映画になっていた。今までもキアヌへのリスペクトはあるシリーズだったけど、本作でキアヌへの愛にな>>続きを読む
すっっっっっごくおもしろかった!!!!ブロムカンプ、こんなに映画作るの上手くなっちゃってどうしたの!!!!本当にこれ「第9地区」や「チャッピー」撮ってた人の映画なのかと思うくらい、王道スポーツ漫画映画>>続きを読む
ビジュアルタッチはファッショナブルだしボンクラ女の話としても「フランシス・ハ」を彷彿させるのだけれども、雇用もなく福祉も充実していないスペインにおける貧困、海外への人材の流出(それも金がなければ出ては>>続きを読む
カミュっぽいと思ったけどドストエフスキーの「罪と罰」にインスパイアされた作品なんですね。虚無を抱えた男が価値となるものを見出すまで、ただその代償は大きく時すでに遅し。犯行シーンの撮影の緻密さにため息が>>続きを読む
ノンバイナリー性の高い作品で良かったです。ヴィゴ・モーテンセンもレア・セドゥもノンバイナリーなキャラに見え、そこに「百合に挟まれたがるおじさん」のごとく割り込み挟まりたがるクリステン・スチュワートは(>>続きを読む
ユーロスペースにてウルリケ・オッティンガー監督作品「アル中女の肖像」(1979年作品)を。これは好き!!!!「人生で一度くらい好きなことだけしていたい。」の代弁台詞に象徴されるように、旅先の分断されて>>続きを読む
共感なんかのために作っていないのが嬉しかった。「君たちはどう生きるか」は宮崎駿の明晰夢だと思っている。そこに付き合えるかどうかが人を選ぶのは仕方がないし、同時に子供が喜ぶかもしれないような敷居にも思え>>続きを読む
映画業界内の理不尽さとセクシズムとパワーハラスメントに苛まれる入社2ヶ月のジェーン。告発するも「5年後君はどうしたい?」の問答。発言する無意味さ、今が未来に繋がると諭す環境は完全に男性優位。上げる声が>>続きを読む
映画はしご二本目はムニア・メドゥールの「裸足になって」とても良かった。「パピチャ」(これも素晴らしい映画)に続いてアルジェリアの女性差別、迫害が描かれる訳ですが、主人公のバレエダンサー、ジェーンが強盗>>続きを読む
13年の時を経て前作に続きイザベル・ファーマンが続投。それがエスターという中年女性もある種のマイノリティであることを浮かび上がらせる。中盤までは凡庸だが折り返し地点から「アメリカの保守的な家庭」が見え>>続きを読む
ようやく観てきた。物凄く面白い訳ではないけどいいと思えるくらいの映画で、長いシリーズの作品だとこのくらいの相撲の取り方がいい気がする。それは作る側にとっても観客にとってもそう。物凄く面白い(というか画>>続きを読む
ちょっとよくわからず。未採点とします。幽玄さ、魂の浮遊をメタ的に描いているのはわかるんですが。長回しのせいかゲームプレイを視聴しているような気分になった。
最高!これはミュージシャンの映画として歴史に残すべき素晴らしい作品!三宅唱の「THE COCKPIT」と同じく、一室から今新しい音楽が生まれようとしているヴァイヴスが確かに存在している。そして70年代>>続きを読む
結ばれないこと、愛を告げないことで恋は終わらずに呪いあるいはシミのように残るというのは「花様年華」とほぼ一緒。両片想い。「触る/触られる」ことが最大の媚薬であり残り香、記憶となるのがなんともフェティッ>>続きを読む
U-NEXTにて。ラヴ・ディアス作品初鑑賞です。228分の長尺も気にならないほどの美しく収められたモノクロの世界。長回しが多いと聞いていたので観る前は若干不安だったものの、どれもそうカメラは動かずに日>>続きを読む
父と娘のリゾートでのひとときは正確に秒針を刻む時計の如く退屈を合わせ鏡のように映す。かつて大人をやろうとした、そして今大人をやろうとしている人々へ捧げられているような映画だった。
中盤まで丹念にに映>>続きを読む
今回初見。ここで試みているのは「男が男をケアする」なのかもしれない。有害の局地であるヤクザな世界にてその毒に蝕まれる男。医者としてだけでなく男を救済しようとする不器用な医者。優しさの言語化ができない男>>続きを読む
戦後を雑草のごとく生き抜こうとしている中年女性たち。そこに擦り寄る金を無心しようとする男たちの「女は楽でいいね。」の度し難き慇懃無礼さ。連帯という言葉も価値観もないままそれぞれの人生を笑い飛ばしながら>>続きを読む
Netflixにて。ネトフリだと4Kで観れます!前々から勧められていた作品だし、「AIR」を観たあとでスポーツビジネスの物語でちゃんとしたものを観たいと思っていたのでようやく観たけど、想像以上によかっ>>続きを読む
「ここにいていい。でもずっとここにいてはいけない」。ここはユートピアではない。今の若い世代の女性そして男性の閉塞感を女性監督によって見事に描き出した作品だった。
この作品の人物たちの精神や自尊心を削>>続きを読む
話は、精神を病んでいるトシェクのその病の根源はトランスジェンダーである故の身体違和からくるもので、自分が男性であると肯定し、自己を表現していくと同時にどこかクィア性のあるシス男性の同級生に関心をもつと>>続きを読む