BATIさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

BATI

BATI

映画(1270)
ドラマ(20)
アニメ(0)
  • List view
  • Grid view

ヒート(1995年製作の映画)

4.6

このレビューはネタバレを含みます

もう二度と撮れない作品だと思う。流石に今観るとミソジニーが気にはなるが男たちを美しく撮る手腕と長尺の中でデニーロの立ち位置の変わっていく残酷さ、光とスコアの抑制と解放。スコープのコントロールといい芸術>>続きを読む

セブン(1995年製作の映画)

4.6

このレビューはネタバレを含みます

「セブン」は当時としては「最悪のデビュー」戦とされた「エイリアン3」のショックにて、送られてくるあらゆる脚本/オファーには目をくれず失意の時を過ごしたデヴィッド・フィンチャーが逆襲のごとく世に送りだし>>続きを読む

底知れぬ愛の闇(2022年製作の映画)

4.0

2022年に展開される90 年代映画!社会的背景も暗喩もなく、ただ異性への好奇心に奔放な移民の妻アナ・デ・アルマスに翻弄される夫ベン・アフレックの朴訥さと思えば、という仕掛けすら90年代的!楽しい!>>続きを読む

LAMB/ラム(2021年製作の映画)

3.6

収穫される側のことを想像できない人間、とりわけ白人社会の歴史の傲慢さについて糾弾する丁寧に縫い作られた静かな物語であり、そのエゴの先にも二分立できない温もりは生まれ得る。人は想像する力がなければそれを>>続きを読む

セイント・フランシス(2019年製作の映画)

4.6

とても良かった...。女性/母/子に聖母性も神聖さも与えずに寄り添って描いていた。生きることも育てることもたやすくはないからやさしさが必要。

どうしたいのかも正解も分からない。ワーキングプアーもミド
>>続きを読む

スワンソング(2021年製作の映画)

4.4

「スワンソング」とてもよかった。今自分が観たい種の映画だった。まるで「プリシラ」の続編のような映画だった。あのウド・キアがテレンス・スタンプの雰囲気もあったし、「T2 トレインスポッティング」の雰囲気>>続きを読む

ブレット・トレイン(2022年製作の映画)

2.0

この手の映画であの予告でブラピがファニーフェイスやってるなら失うものはないだろうと思って勇んだが、交通整理が中盤過ぎまで全く上手くいっておらず、ガイ・リッチーみたいな形になればいいのだがデヴィッド・リ>>続きを読む

NOPE/ノープ(2022年製作の映画)

4.8

このレビューはネタバレを含みます

映画創生の歴史において言及されなかった黒人を「いなかったことにはさせない」記録としての撮影。いなくなった者も記録されれば忘れられない。それがあのラスト。現時点でジョーダン・ピールの最高傑作。

ジョー
>>続きを読む

13人の命(2022年製作の映画)

4.0

ロン・ハワードならではのサバイバル・サスペンスなだけでなく、そこで生きる人々、自治体、生活、政治が現れ、国を超え立場を超え少年たちの生命を救うために尽力するあり様に胸を打たれた。正に2022年の「タワ>>続きを読む

カーター(2022年製作の映画)

1.2

撮影はすごいけどアクションはいいのか?という。色々設定盛り盛りでフォーカスも効いておらず。ニコ生のゲームプレイ実況を見ている感じにしかならなかった。少なくとも私にとってはこれは映画ではない。「ハードコ>>続きを読む

つめたく冷えた月(1991年製作の映画)

4.4

当時映画館で観た。死体の女に恋をするのは人格がないから。

戦争と女の顔(2019年製作の映画)

4.4

戦場で精神/肉体に傷を負った女二人。取り返しのつかない過ちに対する贖罪と歪んだ支配欲が二人の間を交錯する。闘いが終わったあとも続く苦痛。戻らないかつての自分。観客を追い詰めつつも、描かれ辿り着くクィア>>続きを読む

Mr.ノーバディ(2021年製作の映画)

4.4

結構いいですね。もう心が死んでいる中年のそこで味わえる束の間の幸せ、それがいつか終わる事も予感してるし覚悟もしてる姿は好きだ。終盤かなりヤンチャな展開になるけど、殴る拳の捲れた骨が見えるような映画だっ>>続きを読む

花様年華(2000年製作の映画)

4.6

ウォン・カーウァイはこれが一番好き。4Kレストア上映楽しみにしてる。

ボイリング・ポイント/沸騰(2021年製作の映画)

4.6

「衛生管理員もバイトの新人もサボるスタッフも昔の仲間もアホみたいな客も何もかもがクソだ!この店もこの世界もクソだ!嫌いだ!何よりも俺は俺自身に耐えられないんだ!」ギスギス120%のストレスフルな95分>>続きを読む

ソー:ラブ&サンダー(2022年製作の映画)

2.2

クリスチャン・ベイルは「フォードvsフェラーリ」に並ぶか超えるくらいのキャリア・ハイの演技だったけど、映画自体は出そうとしている料理が多すぎてワイティティの手に負えなくなってるし、雑だし、私はかなり嫌>>続きを読む

レイジング・ファイア(2021年製作の映画)

4.0

「レイジング・ファイア」、「ダークナイト」だし「ヒート」だし、人間かこんな動きがとれるのかというドニー・イェンのアクションも声がもれる程で面白かった。香港警察への不審と怒りもこもってるんでしょうね。

ベイビー・ブローカー(2022年製作の映画)

4.2

多分映画としては上手くはなくて、ヒットする作品ではなく、カンヌで賞取りにいけなかったのも分かるんだけど、これだけの語りたいもの、物語があって、なおかつ是枝裕和が自分の中で更新しなくてはならない価値観に>>続きを読む

トップガン マーヴェリック(2022年製作の映画)

4.8

ここで描かれているパイロットたち≒実演主義の映画制作で、それはもう時代の中で終わろうとしている。でもなぜトム・クルーズ貴方はそれをやろうとしているのですか?という問いについて語らずに答えるのが彼の映画>>続きを読む

ゼロ・グラビティ(2013年製作の映画)

5.0

宇宙空間でのサバイバルの形をした心の旅。セルフケアの話なんですよね。今でもたまにサブスクで観る。早く4KUHDで観たい。

ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス(2022年製作の映画)

4.4

まさにサム・ライミの映画だった‪(笑)。‬見事...。あらゆる監督がMCUの下請けとなって仕事を「優秀に」こなしていっている中、ここまで自分の色を出しつつ完成させる手腕は凄すぎた。それでいてショットの>>続きを読む

パリ13区(2021年製作の映画)

3.6

ジャック・オーディアールにしてはフィリップ・ガレルみたいな構成の映画。でもガレルみたいな病的なものではなく、心の定住を置ける場所/人を持たない様々人/人種が葛藤している、それがパリであり、それが街のエ>>続きを読む

カモン カモン(2021年製作の映画)

4.8

この世界が終わろうとしている今見ることができてよかった。未来を愛することをあきらめない、理解を超えた他者を理解しようとすることをやめないこと。それを今一度手繰り寄せれるような気になれた。感情のコントロ>>続きを読む

TITANE/チタン(2021年製作の映画)

4.8

絶対人におすすめできないけど、よくぞやりぬいた。これは最高と言わざるを得ない。肉を貫き骨を砕き、インモラルと不快感をコールタールを携えながらこんな形でセクシュアリティとダイバーシティを描くとは。本物の>>続きを読む

コーダ あいのうた(2021年製作の映画)

4.0

「コーダ あいのうた」今っぽいようで昔っぽいような映画でよかった。ファンタジーの部分が昔っぽいというか。でも音楽を通して伝わるvibes、人同士のフィードバック(共振)、まさに私がいま求めているタッチ>>続きを読む

ベルファスト(2021年製作の映画)

2.8

合わず。普通に出せばよいのにいちいち握りを炙ったりマヨネーズつけたり、挙句の果てに音楽流してる寿司屋みたいな映画だった。

「その場所を離れられない人々」というテーマは2022年において痛切に響くテー
>>続きを読む

THE BATMAN-ザ・バットマンー(2022年製作の映画)

4.4

このレビューはネタバレを含みます

社会、大人、そして親の積み重ねてきた腐敗と貧富の格差。そのツケを自腹で支払わされ続ける子供たちの物語なんだな...。「七つの大罪」の憤怒を担う訳だ...。
フィンチャーというか「セブン」からの引用は沢
>>続きを読む

私ときどきレッサーパンダ(2022年製作の映画)

4.4

宮崎駿というか「ルパン三世 カリオストロの城」への「オマージュ」なんてこまっしゃくれたもんじゃないラヴレターといえようシーンはあるし、気がつけば怪獣映画になってるので、これは劇場で観たかったという思い>>続きを読む

MEMORIA メモリア(2021年製作の映画)

3.4

音とは空気の振動であり、太古から現在そして未来まで反響し続けている。人の肉体に響く聴こえる音はどこからきたのか。そこには歴史と事実がある。一個人の想像を遥かに超えたところに存在するのはそのアタック音。>>続きを読む

孤狼の血 LEVEL2(2021年製作の映画)

1.6

ジャンルとしての時代性の担保のために今の世に女性虐待演出やるか?と思ってしまって、一億歩譲ってそれで映画は面白いかと言われて首を傾げてしまうので仮面ライダーBLACK SUNが不安になってしまった。一>>続きを読む

ポゼッサー(2020年製作の映画)

4.8

SFテイストの邪悪なエスピオナージュでありつつ、肉体/自我が融解または乖離してそれぞれのホストが誰なのかも曖昧になっていく様は90年代のカルトスリラーのようで、フィルムに収められた映像の歪みが自我のノ>>続きを読む

アンダーウォーター(2020年製作の映画)

3.2

映画館でアレを観て絶望/恍惚に浸りたかった。丁度いい感じの映画でよかった。肌着姿の女性たちもエロ目線で映していなかったのは好感。ゼロ・グラビティにPOVスリラーと色々集めるもジェームズ・キャメロン成分>>続きを読む

タクシードライバー(1976年製作の映画)

5.0

私はトラヴィスが帰還兵なのも振られた後の行動も全部妄想だと思っているんですが、有害性を求めてしまう男性の姿といい、早かった「ファイト・クラブ」ですね。不況や雇用、社会での孤立化は今観る方がひしひしと胸>>続きを読む

ミュンヘン:戦火燃ゆる前に(2021年製作の映画)

3.6

WWⅡ開戦前の英国チェンバレンのとった宥和政策によるナチスドイツとのミュンヘン合意に立ち会ったかつての友である男ふたり。あの時こうしていればが見える2022年の現在だから感じる緊張。運命の糸はギリギリ>>続きを読む