会話の騒々しさ、マヌケさで笑えるけど辛辣。当人にとっての悲劇は他人から見たら喜劇だ。退院して来たパットは、薬を拒絶し、運動して徐々に快方に向かっていると思い込むが、動機が全て妻との復縁なので、信じられ>>続きを読む
カメラマンとして成功している黒人青年が、白人の彼女の実家に行くと……という田舎ホラーという擦られまくったシチュエーションだが、見終わると価値観を転覆させられる。どうみても憧れからくる捻れた羨望。
最初>>続きを読む
自分が想う相手と、その本質が一致しているとは限らない。構成が観客の視点を揺るがす。監督と俳優と神父。憧れの人は一方では最低の状態。観客しか全貌はわからないのだ。
北野武の『その男、凶暴につき』が流れる劇中劇。サイコパスや暴力への批評的表現かもしれないが、それこそどこか空虚で説明的に感じて乗れなかった。どうしても上手い脚本とか意外な展開というやつが肌に合わないも>>続きを読む
役にのめり込むとは?自分という人間から乖離して、コントロールできなくなっていく狂気。そもそも人は常に演じている訳だ。職場でも友人の前でも。大スターになった後にやってくる絶望と虚無。絶頂と同時に深淵を覗>>続きを読む
1つの事件を通して、3つの世界が展開される。犯人の顔写真、3人の顔が合成されたような不自然な写真。あの揺らいだ顔こそがこの世界の本質なのかも。切れ長の一重の男達よ。やるせない。救いがあるパートがあって>>続きを読む
ポール・シュレイダーの女性描写は相変わらず悪辣。マッド・ドッグのプロローグが一番酷いので、それ以外は意外と普通の犯罪モノだったりする。
ここにあるものの大切さ。ジョイスやフォークナーを引き合いに出すまでもなく、身近にいる人達が自分を作ってる。コリンってこんないい役者だったんだ。青春の話だけれど、今の自分にも刺さった。最近、生活の大切さ>>続きを読む
これはKの物語。報われないモノの無償の愛。
主人公の存在が揺らいでしまうという点で今作は、正真正銘のノワール。そもそもハンターであるブレード・ランナーがレプリカントという時点で、冒頭から前作へ回答をし>>続きを読む
レバノンの内戦。母からのまさかの遺言。1+1=1の理由。劇中曲のRadioheadのYou and whose army?とLike Spinning Plates。余りにも過酷。
犬のような扱いの汚職警官が、ひょんな事から脅しを受け、板挟みになる話。どちら側も非情な悪人だし、主人公ですら権力に追従する卑怯な男なので救いがない。
中盤のカーチェイスにVFX駆使しているのが面白い。>>続きを読む
長回し、意味ありげ。でも意外とひねりなかったり。スコットランドの曇天の下の綺麗な風景。そして暗闇の部屋。まるで抽象画。ほとんどセリフがないため。だが、スカーレット・ヨハンソンの肉体はどうにも生々しく、>>続きを読む
たけしは純粋な人。とことんウィットな演出。対照的に暴力描写は乾いている。編集の間がすごい。こちらが思う半歩先に事が起こるので、唖然としてしまう。最小限の言葉で、掻き立てられる感傷。立川談志のいう業の肯>>続きを読む
これまたキム・ギドク編集・脚本で、監督はこれが長編デビュー作らしい。
最初は北の工作員の疑似家族もの、「ニノチカ」的な共産圏コメディかと笑っていると、とんでもなくヘビーな展開になる。隣家のくだらない喧>>続きを読む
きつい。主人公なのに鬼畜過ぎて。韓国人の持つ『恨』という感情、母と息子の絆は日本人が想像している以上に大きいのだね。
最後の誰にも気づかれずに、去りゆく引き際は凄まじい。母は観ていただろうか。でなけれ>>続きを読む
最初から死に場所求めてた男の狂気。フィクサー側の優しさ。義理立てし落とし前つけました。西野の独壇場。暗闇で車から降りての恫喝は今作のハイライト。ちょっと尻すぼみ。静かな幕引きでした。
幼少期の「イグアナス」のドラマーとしてのイギー。フリージャズや現代音楽に触れて、創作楽器でレコーディングするクリエイティヴさ。
MC5との出会い。比較され政治思想に染まらずニヒリスト扱い。ヒッピーのこ>>続きを読む
婚約者に黙って、海辺の別荘でパーティ。イランでは戒律があるため、婚約に対して女性の発言権も弱いのだなぁと。
亡くなった人の尊厳を踏みにじらないようにするために、セピデーは本当の事を打ち明けようとするの>>続きを読む
青春コメディかと思いきや、思わぬスクールカーストを鋭くえぐった密室劇で息を飲む。切実な会話に思わず涙が出る。どんな家庭でも抑圧はあって。みんなそれぞれの方法でそれに反発するのだけれど。学園ドラマはその>>続きを読む
概念を奪う宇宙人。黒沢清の映画は何かを喪失することで人間とは如何に脆いのか問いかけながら展開していくと思うんですけど、ここまで直接的に奪うシーンがあるのでわかりやすくはなってると思う。ただ想像上の逼迫>>続きを読む
露悪的と言えるほどの過剰装飾、食への飽くなき態度。部屋ごとに衣装までもが変化する。最後の食事は凄まじいの一言。こんな復讐譚は観たことない。演劇的なカメラワーク。後のダンブルドアがこれ以上ないぐらい脂ぎ>>続きを読む
労働者への優しい眼差し。現実の狭間で。昔の日本映画みたい。義理人情。母が身を落として、説得しにいくところとか。ネットリテラシーがないと受付すらしてくれない役所の人間たち。親切にしようとする職員は前例を>>続きを読む
ガル・ガドットが美しい。
設定が第一次世界大戦というのも、良かった。美術もさることながら、女性の社会参画すらタブー視された時代にあのコメディ演出は痛快!ローマの休日的なお姫様カルチャー・ギャップもあっ>>続きを読む
ノーランのバランス感覚で戦争映画やるとこうなるよね!
音響最高。トム・ハーディも最高。スピット・ファイアによる戦闘シーンは実物ならではの迫力に満ちている。
白兵戦とボートの話は実話ならではの、理不尽さ>>続きを読む
ヨンドゥ、ありがとうな。
Cat Stevensってみんな好きなんだね。
泣くでしょ。
ジャームッシュは生活という概念の庇護者だ。事物なくして概念はない。淡々と過ぎていく日々にも何らかの楽しみがあって。生きていることには曖昧なものがない。それ故に力強い。瑣末なことに振り回されたり、自己の>>続きを読む
異次元の同調感覚。イヤホン聴いて踊り出したくなるやつ。ここまで、自在に動いて表現できたら最高だよね。シンクロしていく快感に浸れる稀有な体感、新鮮。
ストーリーはアナクロな銀行強盗。イヤホンから漏れる音>>続きを読む
親父がひたすら闇落ちしていく、不穏な映画だが、娘のためを思ってすることが悉く裏目に出て、彼女を傷つけるという痛々しさ。ルーマニアの治安の悪さ、野犬の多さに閉塞感。国外へ脱出することへの憧憬を子どもに託>>続きを読む
率直に言うと、ミステリーの皮を被ったコメディ。割礼されたユダヤ人の本性。
現代的。明け透けもなく全部曝け出すことが良いとされる世界になりつつある。
モラルのない人物に見えるが、実際の人間というのは善悪>>続きを読む
ホワイト・トラッシュ達のリアル。
ジョーの殺し屋としてのスキルとかは全く描かれてなくて、アクションシーンは皆無。どちらかっていうと、家族の内ゲバを描いている。確かに息子はいい奴かもしれないけど、人とし>>続きを読む
中年女性の性的倒錯。
男は、軽蔑し、冷たい言葉を放ち去る。
女は懇願する。男は暗い欲望に火がつく。
元々は優しいはずの男の内面に潜む狂気を引き出す、異常な女。なのに交渉に及ぼうとすると吐いたり、不感>>続きを読む
過保護なステージママかと思いきや、自由奔放に生きる女とその娘の話。ユペール演じる母親は、アーティスト気取りで家に戻ってきて娘を被写体にしたところ、娘が思った以上に注目を集めることに。母は娘により過剰な>>続きを読む
70年代の雰囲気の再現。映画のトーンも、最後のアクションシーン以外は結構渋い。
身体を張ったギャグを連発し、馬鹿丸出しのライアン・ゴスリングに萌える。裏声リアクションが耳に残りました。「ブルーバレンタ>>続きを読む
寓話的、時間配分が独特。この間こそレフンの醍醐味。ルビーが屍姦するシーンは、レフン曰く、ネクロフィリア的趣向は、今日のSNSに浸る傾向と重なる。画像で一方的に配信される情報。そこには血が通っていないが>>続きを読む
百合映画でした。
ゴシックホラーかと思うような、過剰なセットも素晴らしかった。
ジメジメしてない、カラッとしてる。
そこがこの映画のいいところ。
拷問シーンは激しいが、詐欺師のハ・ジョンウは最後まで自>>続きを読む
切ない。なんとなく噛み合わないふたり。
建築家としての理想と現実の折り合いをつけられない男。男を夢想家だと叱咤し、行動を促すバンドの広報をする女。愛してるといいながら、買い物の時の、少しワガママで、雑>>続きを読む