mareさんの映画レビュー・感想・評価 - 40ページ目

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運び屋(2018年製作の映画)

4.5

いや〜あまりにも良すぎた。イーストウッドそんなに観たわけじゃないが、今やゴダールと並び生きる映画史であり今だに最前線でこういう映画をこんなご時世に世に出す姿勢に敬服したいし崇め奉りたい。90歳のドライ>>続きを読む

バジュランギおじさんと、小さな迷子(2015年製作の映画)

4.0

インド映画というものを初めて観たが、なるほどこういうことかと思った。天井知らずの能天気なミュージカルは欠かせない要素で国民性を表していてこれは大前提。バカみたいに嘘をつけずにバカみたいに信心深くバカみ>>続きを読む

グリーンブック(2018年製作の映画)

3.0

上流貴族で世俗とかけ離れた黒人天才ピアニストドンとホットドッグを26個も平らげる大食いドライバートニーが繰り広げるギャップのあるバディものでロードムービー。日本人はこういうの好きだろうな。人種問題とか>>続きを読む

荒野にて(2017年製作の映画)

4.0

普遍的であり永遠のテーマ、生きていくこととは。まだ世を知らない16歳のチャーリーは降りかかる現実を前に生きていかなくちゃいけなくなる。父と2人で質素だが幸せな日々を送っていた彼は当てもなく走り、ふとし>>続きを読む

ハウス・ジャック・ビルト(2018年製作の映画)

4.0

ちょうど公開時期にタイミングを恐ろしいまでに逃しまくりDVD化を待ち続けてようやく観れた。さすがにトリアーの最新作観ずして今年は終われん。復帰作の今回も十分ヤバいことやってて一向に切れ味が衰えないのは>>続きを読む

アメリカン・アニマルズ(2018年製作の映画)

4.0

映像の見せ方やテンポ感は良くてグルーヴィーに楽しく観れた。ただスカッと爽快な話ではないため重さもある。まあ実話ですし当事者も出ますし。人生を変えたくてこういう行為に至るわけだけど、憧れだけでやってしま>>続きを読む

ゲット・アウト(2017年製作の映画)

4.0

なんかパッケージから勝手に話題性のあるB級ホラー映画っぽいなとか思ってたら、まさかのアイズワイドシャット的な不気味さを孕んでいた。思ったより脅かす描写は少なくジワジワと不穏な環境へ追い詰められていく切>>続きを読む

シンプルメン(1992年製作の映画)

4.5

この頃インディーな香りを感じるハルハートリーがツボだ。オブビートながらも感情剥き出しの男女の描き方とか、エリナの先駆けすぎるオン眉のキュートさとかもう雰囲気が全部好き。唐突に投げ込まれるKool Th>>続きを読む

たかが世界の終わり(2016年製作の映画)

3.0

トム・アット・ザ・ファームと同じく戯曲を原作に作られたというが、家族の微妙なすれ違いを描いていて渋い映画だなと思った。今思うと恋のマイアヒってなんで流行ったんだろうな。凝り固まったぎこちない愛の形は果>>続きを読む

Mommy/マミー(2014年製作の映画)

5.0

5作目にしてこんなとてつもない大傑作を放つとはドラン。1:1のアスペクト比でパーソナルな視点で母と息子の愛と試練の物語が展開される。情緒不安定でさまざまな精神障害を抱えながらも不器用に母に尽くすスティ>>続きを読む

トム・アット・ザ・ファーム(2013年製作の映画)

3.0

今までとは打って変わってドランが手掛けるミステリー。テイストも一気に変わるが難易度も一気に上がる。今まではマイノリティな人間ドラマを描いてきたドランだが、彼の映画に対する思想や図式を反映させた実験作と>>続きを読む

父の秘密(2012年製作の映画)

2.0

こういうドライな映画を色々観てるとハネケの影響って想像以上にデカいなと思う。父は秘密どころか結構家でゴロゴロしてます。そして「父、帰る」の父の方がはるかに秘密多いやろと心の中で突っ込んでしまった、ボー>>続きを読む

グッド・タイム(2017年製作の映画)

4.0

Oneohtrix Pornt Neverが音楽をやってるというので観てみた。ダークさと鮮やかな色彩の使い方がなんとなくギャスパーノエの影響を感じたし、こういうクライムものとエレクトロミュージックはビ>>続きを読む

わたしはロランス(2012年製作の映画)

4.0

こんな長編恋愛スペクタクルを僕と同い年の23の頃に手掛けてしまっていることに驚愕するしかない、俺は何をしてるんだとなる。やはりドランは天才だ。毎回ドランの赤裸々すぎる愛の映し方にはボディブローを喰らっ>>続きを読む

ブラウン・バニー(2003年製作の映画)

4.0

異様な静けさが殆どで、カリフォルニアの風景をダメ男の心象風景に投影させたような唯一無二の存在感を放つロードムービー。ある意味とてつもなくて他のどの映画にも観られない確立しきったアイデンティティとギャロ>>続きを読む

こうのとり、たちずさんで(1991年製作の映画)

4.0

テオアンゲロプロスの作品は哲学的とはまた別の詩的な難解さがあるし、スッと理解することはほぼ無いんだけど"こうのとり"というメタファーを用いて国境を越えることの重大さを示しているのは面白い。国境に翻弄さ>>続きを読む

アモーレス・ペロス(1999年製作の映画)

4.0

イニャリトゥのデビュー作にして長編群像劇。愛にまつわる3つのエピソードは密度と重厚感が半端なくてこれが1作目だと思うと本当に恐ろしいことだ。緩急の付け方に加え緻密な奥行きを感じさせる、絶妙に交じりそう>>続きを読む

霧の中の風景(1988年製作の映画)

5.0

なんかとても同じ人間が作ったとは思えない。神様が2人の子どもを俯瞰して見守っているようだ。詩を映像化した世界でありおとぎ話である。ドイツにいる父は果てしなく遠い。夢ではあんなに近いのにと弟は呟く。紆余>>続きを読む

ミーン・ストリート(1973年製作の映画)

4.0

危険な地域で男4人が酒飲んで金は常になくて好き放題暴れて最高じゃんか!ケンカシーン撮らせたらスコセッシの右に出るものはいないんじゃないかと個人的に思う。初期作だけあってまだ若者の映画で渋さよりはスカッ>>続きを読む

アンビリーバブル・トゥルース(1989年製作の映画)

4.5

オシャレとかトレンドとかそういったワードに火をつけそうな、どこか情緒不安定ではあるがスタイリッシュな映画だと思う。オードリーの常識が一切通じないサイコっぷりとキュートさの塩梅が絶妙で、見慣れないヒロイ>>続きを読む

4ヶ月、3週と2日(2007年製作の映画)

4.0

誰も楽しそうな人物が出てこなくて不穏でピリついた空気が流れていて疑心暗鬼が渦巻いていて僕はこういう無機質な映画がやはり好み。このモヤモヤ感が良いんだよ。ハネケとキアロスタミを同居させたような独特なユー>>続きを読む

回路(2000年製作の映画)

4.0

黒沢清の不穏極まりなさが充満してるホラー作。ねっとりとした絶えず気味悪く潜在的に不安感を常に煽ってくるからなかなか怖い。パソコンの画面とかテレビの画面とかからってのがまさしく時代を感じる。フリーホラー>>続きを読む

桐島、部活やめるってよ(2012年製作の映画)

4.0

学校ものの群像劇で「エレファント」や「明日、君がいない」の影響を受けた日本の映画と橋本愛が出てるって理由で観た。AKIRAとかと同じくタイトルの人物が主人公じゃない系ムービー。高校時代、音楽陰キャだっ>>続きを読む

ブロークバック・マウンテン(2005年製作の映画)

4.0

唯一無二の親友としてイニスとジャックはブロークバックマウンテンで出会い、そこから長い歳月を描いた人生の物語。20年もあれば人生本当に色々あるし、永遠と続くであろう平和な暮らしもちょっとした綻びで時には>>続きを読む

her/世界でひとつの彼女(2013年製作の映画)

3.5

ホアキンフェニックスの現実離れした役柄に対しての演技の柔軟さには相変わらず驚かされる。今作は恋愛にコンプレックスを抱いた男に憑依。ホアキンのオタク感と愛に対しての葛藤良かった。ちょっと先の未来で本当に>>続きを読む

少年と自転車(2011年製作の映画)

4.0

ダルデンヌ兄弟はロゼッタとある子供の2作しか観たことがなくて、なんとなく陰鬱で非人間的な質感というイメージがあったが今作は素晴らしいヒューマンドラマだった。辛い展開はあるものの少年の成長とサマンサと徐>>続きを読む

存在のない子供たち(2018年製作の映画)

5.0

あまりに凄い映画を観てしまったので感想がまとまりきらないというか、とりあえず今年のベスト映画であることは間違いない。ゼインの「世話できないなら生むな」という言葉がずっと頭の中を回り続けている。兄から育>>続きを読む

ラブレス(2017年製作の映画)

3.5

家族の愛のテーマを作品ごとに別々の形で掲げてきたズビャギンツェフの5作目はついに愛そのものすら放棄してしまう。タイトル通りではあるが。某シューゲイザーバンドの2ndではない。登場人物が多く色々起きてし>>続きを読む

永遠に僕のもの(2018年製作の映画)

3.5

奪えるものはとことん奪い邪魔なものは殺してしまう美少年のお話。この男の子はどこか世の中を下に見ており、飄々としている感じがこれまたニクいキャラをしていて良い。心の弱みと葛藤とかそういう人間らしさが欠如>>続きを読む

裁かれるは善人のみ(2014年製作の映画)

3.5

重たい負の連鎖がこれでもかと続くから観ていて何度かため息ついちゃったよ、次はこう来るのねと。鬱っちゃ鬱なんだけど展開が矢継ぎ早に起きるのでもうちょい余韻が欲しかった。思ったより真っ当な善人は出てこない

スタンド・バイ・ミー(1986年製作の映画)

4.5

少年の頃の思い出は永遠に色褪せず永遠に不滅なもの。こんな僕も10年前の真夏の日はあんな風に何人も集めてチャリ飛ばして日が暮れるまでひたすら遠くに行くような少年だったなあとしみじみ...

明日、君がいない(2006年製作の映画)

4.5

衝撃作と言っていいし重くのしかかる圧迫感がここまで染み渡る映画はそうそうない。当時19歳の監督が自身の体験を基に製作したとされるが、これが唯一の作品ということもあり神秘的な風格を纏った第一印象があった>>続きを読む

アリス(1988年製作の映画)

4.0

ヤンシュヴァンクマイエルがまさかアマプラに来るとは思わなかった!緻密に作り込まれたワンダーランドはたまらなくクセになるし、アリスの視点で進められるこの冒険は子どもの頃見えていた空想やおぼつかないファン>>続きを読む

ゆれる人魚(2015年製作の映画)

3.0

人魚姉妹は美しいし音楽もいいし映像も綺麗なんだけどなんか惜しい。ファンタジーとミュージカルって図式に慣れないせいかもしれない。ラストは好き

2010年(1984年製作の映画)

3.5

キューブリックの2001年宇宙の旅の一応続編。前作がやはり神がかった歴史的名作であるため比較はできないが、これはこれで結構楽しめた。設定の引き継ぎ方がかなり忠実だったし、前作の謎を解き明かそうとする科>>続きを読む