[トランスフォビア刑事、トランス女性と潜入捜査する] 30点
2023年ベルリン映画祭コンペ部門選出作品。クリストフ・ホーホホイスラー長編六作目。潜入捜査官ロベルトは麻薬売買に使われた闇サイトを調査>>続きを読む
[祖母の幻影を求めるマリック風な旅] 50点
モリサ・マルツ長編一作目。ある夜、タナは自分を育ててくれた祖母を亡くした痛みを抱えながら、雪に包まれたミネアポリスを後にする。苛立ちながら車に付いてた車>>続きを読む
[ブルガリア、愛を知る時間もなかった若きパルチザンたちの物語] 99点
超絶大傑作。ビンカ・ジェリャズコヴァ(Binka Zhelyazkova)長編二作目。実は『ほたる』という邦題で1961年に一>>続きを読む
[] 80点
不倫騒動に巻き込まれて活動自粛していた安藤梨花が活動再開後の初仕事に選んだのは、10年ぶりに地元に帰るドキュメンタリーだった。しかし、適当なマネージャーと適当な製作局のおかげで、来たの>>続きを読む
[] 60点
リドリー・スコット長編最新作。高校時代はかなりのフランス革命好きだったので、それに続くナポレオン戦争~ウィーン会議くらいまでの期間の欧州のことは色々調べていたが、流石に10年近く経つと>>続きを読む
[ルーマニア、腐敗の連鎖を可視化する] 80点
傑作。2016年カンヌ映画祭コンペ部門選出作品。同じ年のコンペにはクリスティ・プイウの新作『シエラネバダ』も並んでいたというルーマニア・ニューウェーブ>>続きを読む
[インセル集会に出てみたら…] 50点
2023年ベルリン映画祭コンペ部門選出作品。ジョン・トレンゴーブ長編三作目。仕事を失ったラルフは個人タクシーで日銭を稼ぎながら、鬱屈した感情を心の奥底に仕舞い>>続きを読む
[ベルギー、その奇跡の子は奇跡の子なのか?] 60点
2023年ヴェネツィア映画祭コンペ部門選出作品。Fien Troch長編五作目。同級生から虐められているホリーには、同級生で自閉症のバート、妹の>>続きを読む
[ブレイヤ流"罪と女王"] 60点
2023年カンヌ映画祭コンペ部門選出作品。カトリーヌ・ブレイヤ長編15作目。10年ぶりの新作だが、この10年間の間に起こったことと言えば、#MeToo運動の初期段>>続きを読む
[中国、縫製工場の若者たちの生活] 60点
2023年カンヌ映画祭コンペ部門選出作品。ワン・ビンとは非常に相性が悪く、どの作品もだいたい開始10分くらいで寝ちゃって全戦全敗中なので、可能ならばエンカ>>続きを読む
[面従腹背な男たちの戦国ホモソ漫才] 70点
初北野武。文字通り戦国ホモソ漫才である。戦国時代はカリスマたちの悲哀劇という美化が常になされている"コンテンツ"だが、どいつもこいつも自分のことしか考え>>続きを読む
[] 90点
大傑作。ロバート・ロドリゲス新作。娘が行方不明になった刑事が謎の最強能力者デルレーンに追われる話。冒頭から娘の写真が合成臭いわ、通報理由が嘘くさいわ、協力してくれる別の能力者ダイアナが>>続きを読む
[中国、"不在"を抱えた都市への鎮魂歌] 70点
2023年ベルリン映画祭エンカウンターズ部門選出作品。2021年のカンヌ映画祭で短編部門に出品した同名作品を長編化した一作。主人公ハンは10年間の服>>続きを読む
[] 60点
どの作品を何回チャレンジしても開始10分で爆睡するのでほぼ諦めてる系映画監督ワン・ビンの新作。今回も10分くらい爆睡しちゃったけど、話を聞く限り大丈夫そうなとこなので流れに任せて書いて>>続きを読む
[] 40点
ファム・ティエン・アン長編一作目、カメラドール受賞作。サッカー場から露店への横移動と事故へのパンという長回しOPがあまりにも見事で、その他の都市部でのシーンもどれも良かったのだが、田舎>>続きを読む
[植民地主義と人種差別への諦めと絶望] 60点
2023年ベルリン映画祭コンペ部門選出作品。ロルフ・デ・ヒーア長編15作目。近作では盟友デヴィッド・ガルピリルと共にアボリジニの物語を描いてきたが、本>>続きを読む
[料理は対話、料理は映画] 90点
大傑作。2023年カンヌ映画祭コンペ部門選出作品。2024年アカデミー国際長編映画賞フランス代表。トラン・アン・ユン長編七作目。ライトフィルム様よりご厚意で試写に>>続きを読む
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『悪は存在しない』を観てから観たんで、そっちに引っ張られてしまって十分に楽しめたとは言い難い。同作は森を見上げる移動長回しで始まるが、本作品は鹿の死骸から始まり、鹿関連問題でまとめていた印象が>>続きを読む
[トルコ、幼稚過ぎるカス男の一年] 70点
2023年カンヌ映画祭コンペ部門選出作品。2024年アカデミー国際長編映画賞トルコ代表。ヌリ・ビルゲ・ジェイラン長編九作目。アナトリアの僻地にある学校で美>>続きを読む
[ラオスの老女、ザンジバルの少女に転生する] 60点
2023年ベルリン映画祭エンカウンターズ部門選出作品。ロイス・パティーニョ(Lois Patiño)長編三作目。英題"サムサラ"とは輪廻転生を指>>続きを読む
[ボスニア、初体験と妊娠をでっちあげた少女の物語] 70点
2024年アカデミー国際長編映画賞ボスニア・ヘルツェゴビナ代表。ウナ・グニャク(Una Gunjak)長編一作目。9年前にボスニア北部の中>>続きを読む
[つまらんゲージュツは俺が変えるんだ!] 40点
カンタン・デュピュー長編11作目。昨年から1年に2本というホン・サンスみたいなペースで作品を撮りまくっており、今年も本作品をロカルノ映画祭で上映した>>続きを読む
[現代カザフスタンに生きるラスコーリニコフ] 70点
ダルジャン・オミルバエフ長編六作目。今回は『罪と罰』を土台としている。主人公は金欠大学生、冒頭では映画撮影の現場で働いている。しかし、主演女優に>>続きを読む
[性差別の蔓延する場末のサルーンにて] 50点
キティ・グリーン長編四作目。彼女は、とある映画祭で審査員をした際に鑑賞した2016年のドキュメンタリー映画『Hotel Coolgardie』に衝撃を>>続きを読む
["見えないこと"の反復の中にある"見えること"の神聖さについて] 100点
人生ベスト。俳優アラン・キュニーの残した最初で最後の長編作品。ポール・クローデル「マリアへのお告げ」の映画化作品。キュニ>>続きを読む
["チャリティではなく連帯"という答え] 60点
2023年カンヌ映画祭コンペ部門選出作品。ケン・ローチは今回で15回目の選出となる。同じコンペには9回目のナンニ・モレッティ、8回目のマルコ・ベロッ>>続きを読む
[真夜中のブリュッセルを巡るオデュッセイア] 100点
人生ベスト。バス・ドゥヴォス長編三作目。誰もいない夕暮れ時のリビングルームから少しずつ光がなくなっていく印象的な長回しから始まる、ある掃除婦の>>続きを読む
[ある男女の偶然の出会いと偶然の別れ] 70点
2023年カンヌ映画祭コンペ部門選出作品。アキ・カウリスマキ6年ぶりの最新作。1986年製作の『パラダイスの夕暮れ』から『真夜中の虹』『マッチ工場の少>>続きを読む
[転落に至るまでの結婚生活を解剖する] 40点
2023年カンヌ映画祭コンペ部門選出作品、パルムドール受賞作。ジュスティーヌ・トリエ長編四作目。英題"Anatomy of a Fall"から想像する>>続きを読む
[ブルガリア、パルチザン神話の果てしなき重さ] 100点
人生ベスト。ビンカ・ジェリャズコヴァ(Binka Zhelyazkova)長編一作目。ブルガリア初の女性監督による長編映画。夫で長年の協力者>>続きを読む
[大人になれない大人たちの現実逃避] 40点
2024年アカデミー国際長編映画賞シンガポール代表。今年はチェンの初英語作品『Drift』がサンダンス映画祭で上映され、そのすぐあとのカンヌ映画祭で本作>>続きを読む
[ルーマニア、閉鎖的な宗教コミュニティと悪魔祓い事件について] 70点
2012年カンヌ映画祭コンペ部門選出作品。クリスティアン・ムンジウ長編三作目。2005年にモルタヴィアの修道院で起こった修道女>>続きを読む
[宇宙人に環境問題について説教される回] 60点
ロルフ・デ・ヒーア長編六作目。焚き火を囲んで座る老婆が二人の少女に昔話を語る。昔々、南十字星の一番暗い五つ目の星イプシロンから誤って地球に送られてき>>続きを読む
[白色の"死"と黒色の"希望"] 100点
人生ベスト。ダン・ピツァ(Dan Pița)&ミルチャ・ヴェロイユ(Mircea Veroiu)コンビの長編一作目。ルーマニア映画史に燦然と輝く大傑作。I>>続きを読む
[] 80点
2023年ベルリン映画祭コンペ部門選出作品。まだ『福岡』しか見たことないチャン・リュルにわか的に言わせてもらうと、実にチャン・リュルらしい平和な混沌の映画である。主人公はバツイチの料理>>続きを読む
[ルーマニア、歴史の岐路に立たされた彷徨える魂…?] 60点
クリスティ・プイウ長編七作目。2020年のトランシルヴァニア映画祭での前作『Malmkrog』の屋外上映イベントにてマスクを付けなかった>>続きを読む