KnightsofOdessaさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

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Till the End of the Night(英題)(2023年製作の映画)

1.5

[トランスフォビア刑事、トランス女性と潜入捜査する] 30点

2023年ベルリン映画祭コンペ部門選出作品。クリストフ・ホーホホイスラー長編六作目。潜入捜査官ロベルトは麻薬売買に使われた闇サイトを調査
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The Unknown Country(原題)(2022年製作の映画)

2.5

[祖母の幻影を求めるマリック風な旅] 50点

モリサ・マルツ長編一作目。ある夜、タナは自分を育ててくれた祖母を亡くした痛みを抱えながら、雪に包まれたミネアポリスを後にする。苛立ちながら車に付いてた車
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We Were Young(英題)(1961年製作の映画)

4.9

[ブルガリア、愛を知る時間もなかった若きパルチザンたちの物語] 99点

超絶大傑作。ビンカ・ジェリャズコヴァ(Binka Zhelyazkova)長編二作目。実は『ほたる』という邦題で1961年に一
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女優は泣かない(2023年製作の映画)

4.0

[] 80点

不倫騒動に巻き込まれて活動自粛していた安藤梨花が活動再開後の初仕事に選んだのは、10年ぶりに地元に帰るドキュメンタリーだった。しかし、適当なマネージャーと適当な製作局のおかげで、来たの
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ナポレオン(2023年製作の映画)

3.0

[] 60点

リドリー・スコット長編最新作。高校時代はかなりのフランス革命好きだったので、それに続くナポレオン戦争~ウィーン会議くらいまでの期間の欧州のことは色々調べていたが、流石に10年近く経つと
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エリザのために(2016年製作の映画)

4.0

[ルーマニア、腐敗の連鎖を可視化する] 80点

傑作。2016年カンヌ映画祭コンペ部門選出作品。同じ年のコンペにはクリスティ・プイウの新作『シエラネバダ』も並んでいたというルーマニア・ニューウェーブ
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Manodrome(原題)(2023年製作の映画)

2.5

[インセル集会に出てみたら…] 50点

2023年ベルリン映画祭コンペ部門選出作品。ジョン・トレンゴーブ長編三作目。仕事を失ったラルフは個人タクシーで日銭を稼ぎながら、鬱屈した感情を心の奥底に仕舞い
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Holly(原題)(2023年製作の映画)

3.0

[ベルギー、その奇跡の子は奇跡の子なのか?] 60点

2023年ヴェネツィア映画祭コンペ部門選出作品。Fien Troch長編五作目。同級生から虐められているホリーには、同級生で自閉症のバート、妹の
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L'ete dernier(原題)(2023年製作の映画)

3.0

[ブレイヤ流"罪と女王"] 60点

2023年カンヌ映画祭コンペ部門選出作品。カトリーヌ・ブレイヤ長編15作目。10年ぶりの新作だが、この10年間の間に起こったことと言えば、#MeToo運動の初期段
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青春(2023年製作の映画)

3.0

[中国、縫製工場の若者たちの生活] 60点

2023年カンヌ映画祭コンペ部門選出作品。ワン・ビンとは非常に相性が悪く、どの作品もだいたい開始10分くらいで寝ちゃって全戦全敗中なので、可能ならばエンカ
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(2023年製作の映画)

3.5

[面従腹背な男たちの戦国ホモソ漫才] 70点

初北野武。文字通り戦国ホモソ漫才である。戦国時代はカリスマたちの悲哀劇という美化が常になされている"コンテンツ"だが、どいつもこいつも自分のことしか考え
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ドミノ(2023年製作の映画)

4.5

[] 90点

大傑作。ロバート・ロドリゲス新作。娘が行方不明になった刑事が謎の最強能力者デルレーンに追われる話。冒頭から娘の写真が合成臭いわ、通報理由が嘘くさいわ、協力してくれる別の能力者ダイアナが
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雪雲(2023年製作の映画)

3.5

[中国、"不在"を抱えた都市への鎮魂歌] 70点

2023年ベルリン映画祭エンカウンターズ部門選出作品。2021年のカンヌ映画祭で短編部門に出品した同名作品を長編化した一作。主人公ハンは10年間の服
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黒衣人(2023年製作の映画)

3.0

[] 60点

どの作品を何回チャレンジしても開始10分で爆睡するのでほぼ諦めてる系映画監督ワン・ビンの新作。今回も10分くらい爆睡しちゃったけど、話を聞く限り大丈夫そうなとこなので流れに任せて書いて
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黄色い繭の殻の中(2023年製作の映画)

2.0

[] 40点

ファム・ティエン・アン長編一作目、カメラドール受賞作。サッカー場から露店への横移動と事故へのパンという長回しOPがあまりにも見事で、その他の都市部でのシーンもどれも良かったのだが、田舎
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サバイバル(2022年製作の映画)

3.0

[植民地主義と人種差別への諦めと絶望] 60点

2023年ベルリン映画祭コンペ部門選出作品。ロルフ・デ・ヒーア長編15作目。近作では盟友デヴィッド・ガルピリルと共にアボリジニの物語を描いてきたが、本
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ポトフ 美食家と料理人(2023年製作の映画)

4.5

[料理は対話、料理は映画] 90点

大傑作。2023年カンヌ映画祭コンペ部門選出作品。2024年アカデミー国際長編映画賞フランス代表。トラン・アン・ユン長編七作目。ライトフィルム様よりご厚意で試写に
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GIFT(2023年製作の映画)

3.0

[]

『悪は存在しない』を観てから観たんで、そっちに引っ張られてしまって十分に楽しめたとは言い難い。同作は森を見上げる移動長回しで始まるが、本作品は鹿の死骸から始まり、鹿関連問題でまとめていた印象が
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About Dry Grasses(英題)(2023年製作の映画)

3.5

[トルコ、幼稚過ぎるカス男の一年] 70点

2023年カンヌ映画祭コンペ部門選出作品。2024年アカデミー国際長編映画賞トルコ代表。ヌリ・ビルゲ・ジェイラン長編九作目。アナトリアの僻地にある学校で美
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サムサラ(2023年製作の映画)

3.0

[ラオスの老女、ザンジバルの少女に転生する] 60点

2023年ベルリン映画祭エンカウンターズ部門選出作品。ロイス・パティーニョ(Lois Patiño)長編三作目。英題"サムサラ"とは輪廻転生を指
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Excursion(英題)(2023年製作の映画)

3.5

[ボスニア、初体験と妊娠をでっちあげた少女の物語] 70点

2024年アカデミー国際長編映画賞ボスニア・ヘルツェゴビナ代表。ウナ・グニャク(Una Gunjak)長編一作目。9年前にボスニア北部の中
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Yannick(原題)(2023年製作の映画)

2.0

[つまらんゲージュツは俺が変えるんだ!] 40点

カンタン・デュピュー長編11作目。昨年から1年に2本というホン・サンスみたいなペースで作品を撮りまくっており、今年も本作品をロカルノ映画祭で上映した
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ある学生(2012年製作の映画)

3.5

[現代カザフスタンに生きるラスコーリニコフ] 70点

ダルジャン・オミルバエフ長編六作目。今回は『罪と罰』を土台としている。主人公は金欠大学生、冒頭では映画撮影の現場で働いている。しかし、主演女優に
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ロイヤルホテル(2023年製作の映画)

2.5

[性差別の蔓延する場末のサルーンにて] 50点

キティ・グリーン長編四作目。彼女は、とある映画祭で審査員をした際に鑑賞した2016年のドキュメンタリー映画『Hotel Coolgardie』に衝撃を
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The Annunciation of Marie(英題)(1991年製作の映画)

5.0

["見えないこと"の反復の中にある"見えること"の神聖さについて] 100点

人生ベスト。俳優アラン・キュニーの残した最初で最後の長編作品。ポール・クローデル「マリアへのお告げ」の映画化作品。キュニ
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The Old Oak(原題)(2023年製作の映画)

3.0

["チャリティではなく連帯"という答え] 60点

2023年カンヌ映画祭コンペ部門選出作品。ケン・ローチは今回で15回目の選出となる。同じコンペには9回目のナンニ・モレッティ、8回目のマルコ・ベロッ
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ゴースト・トロピック(2019年製作の映画)

5.0

[真夜中のブリュッセルを巡るオデュッセイア] 100点

人生ベスト。バス・ドゥヴォス長編三作目。誰もいない夕暮れ時のリビングルームから少しずつ光がなくなっていく印象的な長回しから始まる、ある掃除婦の
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枯れ葉(2023年製作の映画)

3.5

[ある男女の偶然の出会いと偶然の別れ] 70点

2023年カンヌ映画祭コンペ部門選出作品。アキ・カウリスマキ6年ぶりの最新作。1986年製作の『パラダイスの夕暮れ』から『真夜中の虹』『マッチ工場の少
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落下の解剖学(2023年製作の映画)

2.0

[転落に至るまでの結婚生活を解剖する] 40点

2023年カンヌ映画祭コンペ部門選出作品、パルムドール受賞作。ジュスティーヌ・トリエ長編四作目。英題"Anatomy of a Fall"から想像する
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Life Flows Slowly by...(英題)(1988年製作の映画)

5.0

[ブルガリア、パルチザン神話の果てしなき重さ] 100点

人生ベスト。ビンカ・ジェリャズコヴァ(Binka Zhelyazkova)長編一作目。ブルガリア初の女性監督による長編映画。夫で長年の協力者
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The Breaking Ice(英題)(2023年製作の映画)

2.0

[大人になれない大人たちの現実逃避] 40点

2024年アカデミー国際長編映画賞シンガポール代表。今年はチェンの初英語作品『Drift』がサンダンス映画祭で上映され、そのすぐあとのカンヌ映画祭で本作
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汚れなき祈り(2012年製作の映画)

3.5

[ルーマニア、閉鎖的な宗教コミュニティと悪魔祓い事件について] 70点

2012年カンヌ映画祭コンペ部門選出作品。クリスティアン・ムンジウ長編三作目。2005年にモルタヴィアの修道院で起こった修道女
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Alien Visitor(原題)(1997年製作の映画)

3.0

[宇宙人に環境問題について説教される回] 60点

ロルフ・デ・ヒーア長編六作目。焚き火を囲んで座る老婆が二人の少女に昔話を語る。昔々、南十字星の一番暗い五つ目の星イプシロンから誤って地球に送られてき
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Stone Wedding(英題)(1973年製作の映画)

5.0

[白色の"死"と黒色の"希望"] 100点

人生ベスト。ダン・ピツァ(Dan Pița)&ミルチャ・ヴェロイユ(Mircea Veroiu)コンビの長編一作目。ルーマニア映画史に燦然と輝く大傑作。I
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白塔の光(2023年製作の映画)

4.0

[] 80点

2023年ベルリン映画祭コンペ部門選出作品。まだ『福岡』しか見たことないチャン・リュルにわか的に言わせてもらうと、実にチャン・リュルらしい平和な混沌の映画である。主人公はバツイチの料理
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MMXX(原題)(2023年製作の映画)

3.0

[ルーマニア、歴史の岐路に立たされた彷徨える魂…?] 60点

クリスティ・プイウ長編七作目。2020年のトランシルヴァニア映画祭での前作『Malmkrog』の屋外上映イベントにてマスクを付けなかった
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