KnightsofOdessaさんの映画レビュー・感想・評価 - 30ページ目

KnightsofOdessa

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女狙撃兵マリュートカ(1956年製作の映画)

2.0

[まさかの"孤島男女"もの] 40点

赤軍と白軍のロミジュリにプロパガンダ混ぜたみたいな説教臭さと、砂漠と海岸で同じ絵面が続く退屈さの映画。砂漠は毎回尾根みたいなとこ歩いてるし、海岸は毎回波打ち際を
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大地のうた(1955年製作の映画)

4.0

No.309[歌わないインド映画の代名詞] 80点

毎回誰かが死ぬことで有名なサタジット・レイの代表作"オプー三部作"の第一篇。ネオレアリズモに影響を受けたインドのパラレル・シネマを代表する三作品で
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裏町の怪老窟(1924年製作の映画)

2.0

[蝋人形は動かない] 40点

パウル・レニ、ドイツ時代最後の作品。後の"蝋人形館"ものという狭すぎるジャンルの開祖的な作品。仰々しい邦題も含めてホラー映画とされることが多いらしいが、蝋人形の元となっ
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ナディア、バタフライ(2020年製作の映画)

4.5

[東京五輪、自らの過去と未来を見つめる場所] 90点

プールサイドの見えないコーチから指示が飛ぶ中、チームメイトと共にプールを全速力で往復するナディア。カメラは彼女と共にプールサイドを滑るように移動
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スウェット(2020年製作の映画)

1.5

[あるインフルエンサーの孤独] 30点

エクササイズのカリスマ・インストラクターでインスタのフォロワーが60万人もいるシルヴィア。デパートの特設ステージで50人くらいの参加者とエクササイズをするイベ
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オン・ザ・ロック(2020年製作の映画)

4.0

[You have your own adventure] 80点

1200本目!夫の浮気を父親と一緒に調べる探偵ごっこ映画。『ビガイルド』しか観たことない私が言うのもなんだが、彼女の映画に付きまと
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スパイの妻(2020年製作の映画)

4.0

[]

初黒沢清。題名だけ聞くと"夫の活動を知らされずにオロオロする妻"みたいなのを思い浮かべるが、そんな終始ヘロヘロしている前世紀的な映画であるはずもなく、目の前の不正義に立ち上がる市井の人々という
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イエローキャット(2020年製作の映画)

3.0

[カザフスタンの"サムライ"は荒野で踊り狂う] 60点

ファニーな柄の黄色いシャツを着た男ケルメクが仕事を求めて荒野にポツンと建つ映画館にやってくる。"何でも出来ます"と職員に伝えた彼は、求められて
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フープ・ドリームス(1994年製作の映画)

-

製作が1987~1991年、公開が1994年、日本でのソフト化が2006年らしいのでそういう感じの時間軸で読みたい&保存したい以下の文章。紀伊國屋盤収録の"両家族のその後"より引用。

・アーサー・エ
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Crystal Swan(英題)(2018年製作の映画)

4.5

[ベラルーシ、それでも叶えたいアメリカンドリーム] 90点

去年泣く泣くベスト20から外した傑作ベラルーシ映画。1996年、ベラルーシは首都ミンスクでDJとして働くヴェーリャには夢があった。それはハ
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ギャンブラー(1971年製作の映画)

4.5

[三流賭博師、人生も三流] 90点

商売道具としてしか見ていなかったであろう女性の尻に敷かれ、つまらない見栄のせいで死んでいく情けない男の話。彼を気に掛けながら置物として使うジュリー・クリスティが完
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マティアス&マキシム(2019年製作の映画)

2.0

[初めてのドランでした] 40点

初ドラン。なので以前のドランは知らん。去年のカンヌコンペは意地でも全部本垢で書きたいという思いに反するように、三回観ても一文字も浮かんでこないという皮肉な展開にPC
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映像研には手を出すな!(2020年製作の映画)

2.5

[伝令部に入りたい、というか伝令部の彼になりたい] 50点

ドラマ版は未見、アニメ版は断片的に、原作は読んだ状態で鑑賞。水崎氏との出会い、部活動承認を端折るために導入した『羅生門』風の奇譚伝聞→生徒
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ザ・ペンシル(2019年製作の映画)

1.0

[ペンは剣よりも強いけど、勝てないときは…] 0点

無実の罪で刑務所に送られた画家の夫を追って辺境の地にやって来たアントニーナ。美術教師として就職した地元の学校では、生徒たちが地元で最凶の暴力漢の弟
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ペリカン・ブラッド(2019年製作の映画)

2.0

[愛に飢えた少女の物語] 40点

ブルガリアの田舎で馬牧場を営むヴィープケが二人目の養女ラケを迎え入れるが、彼女は幼少期に壮絶な体験をしたことで心を閉ざしており、その凶暴性に人々が離れていくが、ヴィ
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Summerland(原題)(2020年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

[あの夏、サマーランドにて] 60点

恋人はアンバー(2020年製作の映画)

4.0

[他人のことじゃない、あなた自身のことだ] 80点

1995年、アイルランドの田舎町。セックスのことしか考えていないような同級生に囲まれながら、女性に話しかけようとしないエディは"ホモ"と呼ばれてか
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エノーラ・ホームズの事件簿(2020年製作の映画)

3.0

[中国題は『天才少女福爾摩斯』] 60点

ホームズ協会みたいなとこが"ホームズはこんないい人じゃありません"とユーモアたっぷり(と思いたい)な記事を出してたのを思い出すが、確かに本作品のシャーロック
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デ・ジャ・ヴュ(1987年製作の映画)

4.9

[あなたの過去(デジャヴュ)は私の現在] 99点

"過去に行く"というより"過去が居る"という形容が正しいように思えるほど簡単に時間を越え、息をするように歴史に介入する。ここまで広い時間軸がある一点
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Unpregnant(原題)(2020年製作の映画)

3.5

[『Never Rarely Sometimes Always』in ミズーリ] 70点

敬虔なカトリックの両親に知られることなく中絶手術を受けるため、幼少期の親友と共にミズーリ州からアルバカーキま
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死ぬ間際(2020年製作の映画)

3.0

["死の天使"が田舎を駆けるロードムービー] 60点

麻薬密売の元締めの手下を殺したことで田舎へと逃げることになった青年ダヴドのロードムービー。これまで自身の過去を描いたドキュメンタリーを数本撮って
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Lost Girls and Love Hotels(原題)(2020年製作の映画)

2.5

[フィフティ・シェイズ・オブ・アースクエイクバード]

Catherine Hanrahan の同名小説を映画化した作品。彼女は東京で英語教師として働いていた経験があり、同小説はその経験を基に書かれて
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TENET テネット(2020年製作の映画)

2.5

[ノーラン版ボンドは小難しい技術自慢] 50点

コロナ前に作った作品にコロナ後の映画界を背負わせるのは少々荷が重すぎるんじゃねぇすかと、塵になっても未だに燃えてる『ムーラン』 とハッタリすらかませな
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The Metamorphosis of Birds(英題)(2020年製作の映画)

1.5

[祖父と祖母と"ヒヤシンス"と] 30点

監督のロンドン留学が始まった時期と重なるようにして、故国ポルトガルは未曾有の経済危機に瀕していた。この困難な時期に実家を離れた監督は、より故国を知りたいと思
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アフタースクール(原題)(2008年製作の映画)

4.0

[氾濫する"他人の記憶"の中で] 80点

紙を破って喜ぶ赤ちゃん、男女の取っ組み合いの大喧嘩、自転車ワザの顔面着地、絞首刑のスナッフフィルム、ピアノを弾く猫、血まみれの戦地、そしてAV。主人公ロバー
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アエリータ(1924年製作の映画)

3.0

[妻を射殺して逃げるように火星へ] 60点

革命直後のソ連で火星遊泳を夢想する青年が実際に火星に行く話。原作がトルストイで、火星の女王がユーリア・ソーンツェワってとこに一番衝撃を受ける。火星のアヴァ
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兄が教えてくれた歌(2015年製作の映画)

4.0

[だだっ広い平原と澄み渡る空の狭間で] 80点

パインリッジのネイティヴ・アメリカン居住地に暮らす二人の兄妹の物語を初期と後期のテレンス・マリックが融合したみたいな語り口で描くクロエ・ジャオの長編デ
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クリスティーン(原題)(2016年製作の映画)

4.5

[全米初公開の…自殺です] 90点

1974年7月15日。テレビ史上最も衝撃的な事件の一つが起こる。生放送中にキャスターが拳銃自殺したのだ。彼女の名前はクリスティーン・チャバック、当時29歳の女性キ
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The Pleasure of Being Robbed(原題)(2008年製作の映画)

5.0

[移ろいゆく世界の観察者たちよ] 100点

超絶大傑作!!!通りを歩く一人の女性に声を掛けるエレノア。ベッカ!イディス!エイミー!と呼びかけても女性は振り返らない。ドーン!と呼んでようやく振り返った
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革命前夜(1964年製作の映画)

4.0

["僕にとってイデオロギーはバカンスだった"] 80点

"革命前夜"という映画が後の五月革命に影響を与え、映画そのものを"革命前夜"にしてしまったという奇妙な経歴の作品。所謂"ブルジョワ的共産主義病
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サイモン・キラー(2012年製作の映画)

3.5

[衝動的行動者、潜在的殺人者] 70点

五年来の恋人ミシェルが浮気していることを知って別れたサイモンは、気分転換にパリにやって来るが、上っ面だけ旅行気分を味わっても全くミシェルを忘れられない日々が続
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ヘンリィ五世(1945年製作の映画)

2.0

No.177[舞台と映画、融合の失敗] 40点

一枚の白い紙が青い空に舞ってるのから始まるってブレッソン『やさしい女』じゃないか!と勝手に興奮していたが、もちろん全然違った。ヘンリー五世時代(劇中劇
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Rozmarné léto(原題)(1968年製作の映画)

3.5

[気まぐれな夏も、ワインを飲んで仲直り] 70点

三人のおじさんズが川辺で戯れる冒頭からメンツェル節が炸裂する長編三作目。キャリアで唯一カンヌ映画祭のコンペに選出された作品だが、例によって例の如く五
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Clifton Hill(原題)(2019年製作の映画)

2.5

[あの少年は誰だった?、カナダの『アンダー・ザ・シルバーレイク』] 50点

7歳のとき、家の近くの森の中で片目を失った少年を見つけたアビーは、そのまま彼が誘拐される現場を目撃する。その記憶は彼女の中
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ムーラン(2020年製作の映画)

1.5

[チャイナマネーへの情けない尻尾振り] 30点

主演の子が中国寄りの発言をする、コロナ禍で劇場公開日が無期限延期になるなどスネに傷ありまくりで、ディズニーにポテンシャルなしと判断されたのか配信スルー
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もう終わりにしよう。(2020年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

[死が不可避であると知る人間が発明した希望、それは愛] 100点

ルーシー、ルシール、ルシア、ルイーザ。そう呼ばれる彼女は何者でもないのだが、同時にすべての人間でもある。なぜなら彼女はジェイクの頭の
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