東雲さんの映画レビュー・感想・評価

東雲

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怪物(2023年製作の映画)

4.6

上映中、真夏の蚊柱のような狂気が常に私にまとわりついていた。順をつけるには至るが、完全に善悪をわかつことは私にはできない。主の人物が入れ替わる度に憎悪の矛先が変わっていく。知らないということは罪どころ>>続きを読む

カモン カモン(2021年製作の映画)

4.0

自分が親という立場になったらもう一度観たいと思った作品。
子どもとの向き合い方を主軸に描かれているが、実際のところ大人同士の向き合い方にも通ずるところがある。なんというか、痛いところをついてくるという
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アフター・ヤン(2021年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

音楽と映像美は素晴らしい。
素晴らしいが故に眠気すら感じるほど。
ヤンのメモリに録画されてあったものはどれも美しいものであったが、美しさを感じて自らの意思で記録に残すという行為は完全に人間で、私たちと
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BLUE GIANT(2023年製作の映画)

5.0

震えた。鑑賞後すぐさまパンフレットを買いに走りました。
音楽が好きだからか、原作を読んでいない私でも痺れるくらい感動した。楽器を久々に触ろうかなと思ってしまったくらいに。劇場の音響でタイトルと共に流れ
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グリーンマイル(1999年製作の映画)

4.1

2023年1発目
何故この映画を観ようと思ったのか自分でも覚えていないが、とても良い映画だった。好みでもある。ただ、欲を言えば中盤から終盤にかけて若干の無理矢理を感じたので3時間という長編であるならば
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窓辺にて(2022年製作の映画)

4.2

稲垣吾郎が稲垣吾郎していた映画。
今泉力哉監督の作品に稲垣吾郎!?と思ったけれど『作り物である』ということを一瞬忘れてしまうくらい自然だった。もはや役名も稲垣吾郎でいいでしょと思ったほど。
毎度のこと
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こちらあみ子(2022年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

劇中歌、主題歌ともに青葉市子が担当しているということを知り、「青葉市子の唄を劇場の音響で聴けるんですか...」というありがたみのもと鑑賞。
予告だけ観てきたので完全にやられた。
ほのぼのストーリーかと
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シンドラーのリスト(1993年製作の映画)

4.2

ワクチンの副作用で意識が朦朧としている中、私は何故か無意識に神風やホロコーストに関する動画を漁っていた。
その中で一際目についたのが本作である。
(個人的な意見だが)基本的にホロコーストを題材にした映
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サマーフィルムにのって(2020年製作の映画)

4.5

こ...これはッ...!良作としか言いようがないッ...!
と、冒頭から感覚的に確信したが案の定そうだった。
他の方々がレビューで仰っているように、あんなに時代劇を熱弁しているのに...というのもわか
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くれなずめ(2021年製作の映画)

4.0

正直、中盤まではスコア3すらいかないのでは...というくらい無理だった。私自身がああいう内輪ノリを受け付けない人間なので尚更。おそらく映画館で観ていたら前半の単調さと内輪ノリの嫌悪感で寝てしまっていた>>続きを読む

JUNK HEAD(2017年製作の映画)

3.8

忙しさでレビューするのを忘れていた。
まるで鮮度のないレビューではあるが、
まずこれを1人で7年かけて作ったところに執念というか、凄味を感じる。スタッフロール、同じ名前しか出てこなくて不覚にも笑ってし
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TITANE/チタン(2021年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

直視できないシーンが多く、かなり体力を消耗した。
なんとなくだが、埋め込まれたチタンや車との淫らな行為はあくまでメタファーでしかなく、本当はただ主人公は愛に飢えていただけなのかもしれないと感じた。構っ
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トータル・リコール(1990年製作の映画)

3.7

鑑賞時間は比較的短いながらもしっかりと作り込まれているのでサクッと映画を観たい方にもおすすめできる。ただ、序盤気圧の関係で深海魚のようになってしまったハウザーの身体が何故無事でそのままクエイドとして生>>続きを読む

パンズ・ラビリンス(2006年製作の映画)

2.8

プラットフォーム然り、あなたに触らせて然り、本当にオチが意味不明すぎてスペイン映画は避けていたけど、割と評判が良くてずっと気になっていたパンズ・ラビリンスは一応観ておこうと思い今日鑑賞した。
今作は観
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君は永遠にそいつらより若い(2021年製作の映画)

4.4

散りばめられた哀しみ。
相手の気持ちをわかってあげられない哀しみ。相手の哀しみに気付けない哀しみ。互いに愛し合っているのにそういうことができない哀しみ。愛が与えられない哀しみ。自分がいなくても世界が回
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ハッピー・デス・デイ(2017年製作の映画)

4.0

基本筋が通っているし鑑賞時間も90分程なのでサクッと観れるお手軽ホラーコメディ。最後の最後までいつ終わるのかヒヤヒヤした。シャマランのようなどんでん返し系が好きな人は好きだと思う。

猿楽町で会いましょう(2019年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

かなり生々しい、常にヒリヒリとした映画だった。方向性は違うが、個人的には"ダンサーインザダーク"を初めて観た時と同じくらい観ていて辛かったし、演者と年齢も近いせいか妙にリアリティを感じて一層辛くなった>>続きを読む

グレイテスト・ショーマン(2017年製作の映画)

4.8

久々に大当たりを引いたような感覚。
ミュージカル映画なのでストーリーに滅茶苦茶捻りがあるというわけではないが、演出、挿入歌、全てが素晴らしかった。もう一度観ろと言われても観れるほど良い。
This i
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レ・ミゼラブル(2012年製作の映画)

4.0

ミュージカル自体は嫌いではないが滅多に観ない。しかし幼少期に見た主役がコゼットのアニメのことを不意に思い出し今回鑑賞に至った。結論から言うと素晴らしい作品だった。ただやはりあの大作を2時間余りで表現す>>続きを読む

うみべの女の子(2021年製作の映画)

3.5

映画自体は物凄くドキドキするが、面白いかと聞かれると素直に首を縦には振れない。
浅野いにお作品は書籍でも映像でも何本か観ているが、この作品に関しては原作を読んだ方が良さそうだ。

MIRRORLIAR FILMS Season1(2021年製作の映画)

-

今作は短編9作品の集合体故、トータルでスコアをつけるというのがあまりにも難しいため、スコア無しで書かせてもらう。
個人的に特に面白いと思ったのは『充電人』、『Petto』、『無題』の3作品だ。
9作分
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オールド(2021年製作の映画)

4.2

シャマランへの期待値が高すぎたせいでこのようなスコアになってしまったが、色眼鏡なしで作品を観ることができていたらもう少しスコアは高かったと思う。
おそらく過去作のどんでん返しを観ている方々は多少物足り
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ドニー・ダーコ(2001年製作の映画)

3.8

若かりしジェイク・ギレンホール観たさに鑑賞した映画。私の理解力不足、作中の説明の少なさに加え、完全に前情報無しで観たこともありこの難解な映画の内容についていけず、有志の解説を見てようやく理解できた。な>>続きを読む

エレファント(2003年製作の映画)

3.5

本作の8割以上を占める日常シーンが終盤の僅か数十分の虐殺シーンを引き立たせ、悪夢へと昇華している。が、個人的にはこの日常シーンが長すぎて寝かけたくらいなのでこのスコア。スタッフロールは全然観れるが流石>>続きを読む

アジアの天使(2021年製作の映画)

4.2

冒頭で何度も語られる相互理解の重要さ。
昨今の日韓関係が冷え込んでいる背景も関係があるのだろう。天使の姿が個々で違うのは互いの思い込み、即ち"相手に対する偏見"のメタファーか。まさか天使描写があり、そ
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プラットフォーム(2019年製作の映画)

3.0

世の縮図を描いているような作品で設定は良かったけど伏線全然回収されないし設定に矛盾があるしよく分からない部分が多々ある作品あった。『あなたにさわらせて』もそうだが、やはりスペイン映画はよくわからない。

Arc アーク(2021年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

⚠︎決めつけるような表現が多いですが、あくまでも主観なのであしからず。

死生観を主で語る映画はおそらく初めて観たが、本作以上に私の死生観に近しい作品はおそらく現時点では存在しないのではないか。そう感
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街の上で(2019年製作の映画)

4.9

下北沢、私の愛する街。
その地に縁も所縁もないけれど
その場にいてとても居心地の良い場所。

あの街に住んでいない私の名前はエンドロールにはなかったけど、あの街に住んでいる誰かの人生のエンドロールにエ
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Swallow/スワロウ(2019年製作の映画)

3.8

サイコホラー等でグロテスクなシーンは慣れているはずが、異物を飲み込むシーンは思わず目を瞑ってしまった。主人公のハンターが普段から言いたいことを言えず、夫やその家族にも今の苦しみをわかってもらえず、自信>>続きを読む

ホムンクルス(2021年製作の映画)

3.7

面白かったは面白かったが期待値が高すぎたせいかオチがおざなりに感じた。系統的には好きな映画ではあるが、もう一度観たいとはならない。ただ、あのカメラワーク、映像の色彩、あれを手掛けたのは一体誰なのかとて>>続きを読む

最強のふたり(2011年製作の映画)

4.5

グリーン・ブックにしろこの作品にしろ、どうやら私は人種や性別を超えた友情のようなものに弱いらしい。

シン・エヴァンゲリオン劇場版(2020年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

私はこの作品を見る為だけにアニメ版、旧劇、新劇を一気見した所謂にわかなので、作品自体は好きではあるもののやはりこの日を26年間待ち続けたコアファンのように良いレビューは書けないし、思い入れも特にないの>>続きを読む

クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲(2001年製作の映画)

4.2

幼い頃に観た、しんのすけが東京タワーのような塔を登っていくシーンと「なんだか怖いな」という感情。それだけが頭の中に強烈な印象として残っていた。いつの間にかNetflixで配信されていることに今日気付き>>続きを読む

ミッドナイト・イン・パリ(2011年製作の映画)

4.0

私自身ふとした時に『あの時代に生まれていたらこのロックバンドの全盛期が見れたのかもしれないのに』と思うことがあるように、過去に憧れを抱く懐古厨というのは実際少なくはないようで、SNSでもよく散見される>>続きを読む

リリーのすべて(2015年製作の映画)

4.2

エディ・レッドメインの演技が光る作品。人格(性別)が変わる時良い意味でゾッとした。苦しんだ末に、死の間際アイナー(リリー)が本当の自分になれたシーンは涙腺が刺激された。アイナーからのカミングアウト後の>>続きを読む

トゥルーマン・ショー(1998年製作の映画)

4.6

映画をよく観るようになったきっかけになった作品。ジム・キャリーを起用しておきながら全然コメディーではなく、むしろテーマ的にはシリアスな映画。他の映画にはない斬新な設定に当時度肝を抜かれた。面白い映画を>>続きを読む

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