ネットさんの映画レビュー・感想・評価 - 7ページ目

リコリス・ピザ(2021年製作の映画)

4.0

PTAのリミックス映画みたいなノリで、全編セルフオマージュ。ずっと見たことある感じ、驚きとか全く無いのだけど、楽しかったのでいいや。良作どまりという感じ。
ウォーターベッドでボロ儲け編は、『パンチ……
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オールド(2021年製作の映画)

3.3

面白い。開始1分で映画のテーマについて話すあたりがもうアメリカ映画って感じで大好物。『スプリット』から撮影監督マイク・ジオラキスと組み始めてるが、要所要所のさりげないショットが決まってる。夜の海の捉え>>続きを読む

ぼくとアールと彼女のさよなら(2015年製作の映画)

3.0

面白くない。そもそも女の子難病ものが好きじゃないというのもあるが。好きな女の子は死んでナイーブな僕はケアされました〜……こういう話を作るのは勝手だけど、需要があり続けるのは心底理解できない。タツキの『>>続きを読む

ギフト(2000年製作の映画)

3.0

あまり印象に残っていない。
『GO』もそうだったけど、ケイティ・ホームズの演技はあざとい。『バットマンビギンズ』の凛とした目を手に入れたのはいつからなのか。

ここ以外のどこかへ(2021年製作の映画)

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家を出て海に行く映画は無数にあれど、この映画で二人は砂浜や波と戯れたりはしない。二人の目の前には柵が立ちはだかる。外に出たはずなのに、陸の外には触れられない。そのまた向こうの柵の奥にある飛行機は飛んで>>続きを読む

淑女と髭(1931年製作の映画)

3.5

メガネを外せば美女ならぬ、ヒゲを剃ればイケメン。「私、確信していますから」「確信を持って生きて行く」という言葉が力強く希望がある。
めちゃ洋風の映画。裕福な男が家でパーティしてるのはアメリカっぽいのだ
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悪魔(1972年製作の映画)

3.5

全然わからない。『夜の第三部分』の方がずいぶんマシだった。冒頭から炎、煙、血、叫び声に満ちた地獄絵図……ロシアといいウクライナといいポーランドといい、なんで共産圏の映画はいつもカオティックなのか。でも>>続きを読む

大学は出たけれど(1929年製作の映画)

3.5

ラストの晴れやかさが超気持ちいい。なんで大雨降らせるの?と思ったけどそういうことか。
障子にデカデカとロイド『スピーディ』のポスター。

灰色の石の中で(1983年製作の映画)

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館内がずっと蒸し暑くて、暑いなあクーラーつかないのかなあと苦しみながら寝落ちしてたら終わってた。冒頭の数カットで「これは圧倒的に苦手なやつだ」と察知したのもデカい。
いつ目を覚ましてもなにが起こってる
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愛されちゃって、マフィア(1988年製作の映画)

3.7

めちゃ面白い。冒頭の殺人シーンのキレキレさに『アウトレイジ』の新幹線暗殺のスマートさを思い出すものの、全体的に編集がモタモタしてる印象はあるし、長い。二人のロマンスが始まるのは上映時間半分くらいも経っ>>続きを読む

東京の宿(1935年製作の映画)

3.5

くたびれた岡田嘉子が魅力的。かわいいとも美人とも違う気がする。風に揺れる触覚(?)と力無い笑顔が絶望を際立たせる。
だだっ広い荒れた道の背景にそびえ立つ工場たちのつるんとした禍々しさ。あの円柱形のドー
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死霊のえじき(1985年製作の映画)

3.7

純粋に面白い。
経営が傾いてた時に社長が変わって経営がさらに悪化していくのを見てる感じ。経営首脳陣が無理解クソ野郎すぎてイライラしてくる。軍人ってこんなに人を働かせるの下手なのか?
人が泣くとはこうい
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知りすぎた少女(1963年製作の映画)

4.0

今まで見てきたバーヴァ映画はなんだったんだと思いたくなるくらい面白い。殺人も謎も軽やかさも編集の遊びもある。旅行映画だし、なによりめちゃくちゃアメリカ映画。そもそも殺人事件起きた場所、『ローマの休日』>>続きを読む

処刑男爵(1972年製作の映画)

3.0

棺桶のトゲ付き蓋の裏についた血の量が好き。この調子だとバーヴァで好きな映画ほとんどないかも。残念。

トップガン マーヴェリック(2022年製作の映画)

4.0

面白い!脚本がめっちゃ丁寧。トムクルはクリストファー・マッカリーと組み始めて本当に良かったねえと思う。比較対象がおかしいけど、ストレンジ先生新作より面白かった。ひたすら役者の存在感だとか丁寧な撮影・編>>続きを読む

夜の第三部分(1972年製作の映画)

3.5

明瞭なのに全然わからん。が、うんざりすることはないし楽しく見れた。なんと言ってもズラウスキー、ひたすら顔顔顔。『ポゼッション』のジャケットで見たような顔。しかもずっと苦痛で歪んでる。やってることがずっ>>続きを読む

明日の世界(2015年製作の映画)

3.5

まだ掴みきれていない。
「三角描いたよ!」「じゃあ私はヘビ少年を描く」「でも昨日はヘビ見てないよ、金色の丸描いたら?」「意味がわからない」「くねくね〜!」のくだり。エミリー3は初代エミリーの記憶を引き
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MADE IN YAMATO(2021年製作の映画)

3.0

ドメスティックな批評言語が背景にある感覚が濃厚。
遊びと本題の並置。遊びはいつ遊びになるか。前半ずっと遊んで後半で本題に入る映画でパッと思いつくのはフーパー『ファンハウス』と三宅唱『きみの鳥はうたえる
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トップガン(1986年製作の映画)

3.0

シネスコでの顔アップは最高だけど、面白い!とはならない。空中戦は何やってるか全然わからないし。トニスコの絶望的な空間把握能力では無理。
友情・努力・勝利、行方不明になった父親の謎……ちょっと少年ジャン
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呪いの館(1966年製作の映画)

3.5

終盤のふしぎ館が好き。部屋のつながりが変ちくりんなのも良いが、空間編集がなんでもありなのが特に良い。階段降りてたと思ったら次のカットでなぜか地面の上で気絶してたり、部屋の向こうに飛ばされたと思ったら次>>続きを読む

決斗!一対三(1952年製作の映画)

3.5

風!!
最後の非暴力説教に関しては、『拳銃王』のあの濃密さには勝てないと思う。

グリード(1924年製作の映画)

5.0

はちゃめちゃに面白い。100分程度でこの物語量この濃度、良い意味で長く感じた。業しかない。そして人間が複雑怪奇。
「二人は見つめ合った」と字幕が言うのに女性が明らかに男を拒否していて、客観的であったと
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紐育の波止場(1928年製作の映画)

4.0

撮影と照明がヤバい。ラストの表情に賭けたような映画。
ミクロからマクロへと広がるカメラワークめちゃ良い。そこにただ世界がある。

ゴジラ対ヘドラ(1971年製作の映画)

3.0

小さいヘドラが融合するのを観察するシーンはなかなかSF的興奮がある。あと、ゴジラがずっと右腕を回してるのはなんなんだろう。
電話繋がらない→割れたガラスの繋ぎに戦慄。
電極板の前で立ちすくむヘドラの不
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ノーマッズ(1985年製作の映画)

3.3

マクティアナンのデビュー作がオカルトホラーなの最高だ!と思って見始めたけど、これはオカルトなのか? 物言わぬ群れというモチーフはカーペンターっぽく、面白さと面白くなさの中間を浮遊する感覚も自分がノれな>>続きを読む

The Recorder Exam(英題)(2011年製作の映画)

3.0

愚直に丁寧なショットを積み重ねる。邦画みたい。めちゃくちゃに古典的。ただひたすら経済的に物語だけがある。

マイノリティ・リポート(2002年製作の映画)

3.5

シンウルトラマンの流れでSF大作映画が見たくなった。
面白い。トニスコ『デジャヴ』に対応する映画。見ることについての映画=映画についての映画。トニスコは映画撮影(カメラ)の映画だが、今作は編集の映画。
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シン・ウルトラマン(2022年製作の映画)

3.7

「面白い、好き」と言えばホントに?と自問し、「つまらない」と言えば楽しんでおいてそれはないでしょうという気分は『シンゴジラ』と同じ。満足度はシンゴジに及ばないが、特撮熱が上がってるので間違いなく楽しか>>続きを読む

アンナの出会い(1978年製作の映画)

3.5

お母さんとの距離の近さ。ずっと無表情なのに、お母さんといる時だけ笑みが絶えない。で、このときのアンナの身体の開きよう。ずっと硬かった身体(真正面or真横)が、この時は斜めを向いており、映画文法的にナチ>>続きを読む

トレマーズ(1990年製作の映画)

3.5

面白い。ずっと作戦が具体的。最後が本当にスカッとする。
カーペンター映画ほどノってないなと思うのは、自分が室内アクションが好きということなのか?

軽蔑(1963年製作の映画)

3.0

ゴダールではかなり見やすい方かと。「リオ・ブラボー上映してるってさ。黒の報酬も!」「興味ないわ」…………同じ映画を好きになれない二人は夫婦になれないってゴダールが言ってたと思うのだけど、実体験なのかな>>続きを読む

ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス(2022年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

世間の絶賛ほどほどノれなかったが、平均的+aくらいの面白さだった。ホラー演出の楽しさと邪悪さが好き。
序盤のNY戦闘、街の人々の姿が差し込まれるから、ちゃんと街中の戦闘という感覚がライミスパイダーマン
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人生の高度計(1933年製作の映画)

3.5

面白かった。
アーズナーの描くパーティーは退廃的。男なんてどーせ浮気するので女も浮気しやるわいという根性。
ガサツ女性といえばキャサリン・ヘップバーンという感じだが、その真価が現れるのは終盤。愛憎入り
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恐れずに(1950年製作の映画)

3.5

とても丁寧。リハビリのプロセスもきちんと撮る。自分を変化させ、他人との関係性をも変化させてしまう外傷と向き合うプロットは『暴行』と共通。そして『暴行』と共通して言えるのは、こんな短くていいの?というこ>>続きを読む