とみやまさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

とみやま

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燃ゆる女の肖像(2019年製作の映画)

4.3

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エロイーズとマリアンヌの、いつか確実に離ればなれになる関係と、劇中に出てくるオルフェウスの神話が重なり合う展開が切なくてよかった。
オルフェウスが振り向いたのは、妻の面影を思い出のなかに閉じ込めようと
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市民ケーン(1941年製作の映画)

3.6

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映画の技法とか全く分からないけど、見せる演出の手数がとても多くて、何十年前の映画なのに、とてもフレッシュで、楽しかった。ハードルが高いしなあ、と思ってたけど、エンタメ性が高いというか。
「グレート・ギ
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続·ボラット 栄光ナル国家だったカザフスタンのためのアメリカ貢ぎ物計画(2020年製作の映画)

4.3

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サシャ・バロン・コーエンの七変化もすごいけど、モキュメンタリー自体、よくここに行ったなあ、って所ばかりで、とても面白かった。おちょくり方がえげつなくて、とことん相手の本音を引き出していくから、見ていて>>続きを読む

スパイの妻(2020年製作の映画)

4.4

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照明がふんわりとしていて、画面のどこかに明かりが灯っているのが印象的だった。隅々まで作りあげられた1940年がとても優雅で穏やかな肌触りだった。

あと、ところどころで青っぽい照明が出てきて、それが聡
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TENET テネット(2020年製作の映画)

4.3

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すごいややこしくて複雑なことを、なんかすごい映像で、なんかすごいことしてますよ!っていう顔して、なんかすごいことしてる。っていう映画。大きなスクリーンであればあるほど迫力があって、見応えがある気がする>>続きを読む

インターステラー(2014年製作の映画)

4.3

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「2001年 宇宙の旅」っぽいなー、と思ってたら、まるまる「2001年…」が詰め込まれてて、見るからに「これ良くないっすか? 僕が考えた2001年ってこんな感じなんですけど」ってノーランがニコニコして>>続きを読む

インセプション(2010年製作の映画)

4.3

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すごい面白かった。ノーラン映画、基本的には「ちょっと…」派だったけど、見入ってしまった。
5つの世界が存在して、1つは現実と思われる世界、1つは夢の中の世界、1つは夢の中で見た夢の世界、以降、そのまた
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ジェクシー! スマホを変えただけなのに(2019年製作の映画)

3.3

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コメディが成功してるかどうかは微妙(楽しく観られるけど、笑えるかといえば、それほどだった)だけど、普通に面白かった。あと、ジェクシーの発言が、ひたすら下品なワードで埋め尽くされてて、ほんとバカだなあ、>>続きを読む

ダンケルク(2017年製作の映画)

3.6

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面白いけど、いろいろ釈然としない…。
船舶の1週間と海岸の1日と戦闘機の1時間をクロスする構成、絵がスゴイから何となく見られてしまうけど、実はそこまで交わってない気がして。もちろん、海に沈むとこを横断
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透明人間(2019年製作の映画)

4.5

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オープニングから凄い面白そうな空気がぷんぷんしてて(崖に波が打ち付けるタイトル、すごい良い!)、最後までもれなく楽しかった。
なんというか、道具の使い方が秀逸で、プレゼントで出てきた脚立がこんな風に使
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隣る人(2011年製作の映画)

5.0

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小学校、中学校、高校…と学校を離れるにしたがって、自分の力でどうにか成長してきたような気がしているけれど、そこには、自分の生活と成長の軸になってくれる誰か=「隣る人」が居たってことを気付かされるドキュ>>続きを読む

グッド・ボーイズ(2019年製作の映画)

4.2

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全然興味がなかったんだけど、セス・ローゲン製作のコメディって知って、急いで観に行った。映画館で観られてよかった。

小学6年生男子がキスの知識を得るために間違った手段で、間違ったことしかしないのが可笑
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ランボー ラスト・ブラッド(2019年製作の映画)

4.4

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「最後の戦場」の流れで、暴力映画としての側面がうんと強い。理不尽な暴力に耐えて、耐えて、我慢の限界で暴力の行使に出る、という流れは一作目から変わらないけども、ランボーというキャラクターの「負の存在」が>>続きを読む

アポカリプト(2006年製作の映画)

4.6

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すごい面白い!!
物語はとても簡単で、捕虜として捕らえられた主人公が逃げて、追手から生き延びる、ってだけの逃亡譚なんだけれど、面白いところが、とことん張り巡らされていて、娯楽要素が詰まってる。なにより
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ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語(2019年製作の映画)

4.7

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正直、「オルコットの「若草物語」はそこまで興味は無いけど、グレタ・ガーウィグが監督するのは気になる…」くらいなもので、あんまり乗り気じゃなかったけど、仕事帰りになんとなく観たらものすごい良い映画でした>>続きを読む

デッド・ドント・ダイ(2019年製作の映画)

4.2

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仕事帰りで、「あれ、そんなに入ってないぞ…。行ってしまおうかしら…」ってな感じで観に行った。やっぱり映画館で観る映画はいいな…。

ジム・ジャームッシュがゾンビ映画!を撮ったと知って、楽しみにしてたけ
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ドゥ・ザ・ライト・シング(1989年製作の映画)

4.4

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ブルックリンの黒人街の1日を描きながら、イタリア系アメリカ人のサルが経営するピザ屋で働くムーキー中心の生活を描く。一見うまくいっているように見えるけど、根底にある差別主義と排斥的な感情が渦巻く。その蓄>>続きを読む

CLIMAX クライマックス(2018年製作の映画)

3.9

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「劇場版こんな打ち上げはイヤだ」てなもんで、地獄はここにあるぞぉーー!!と言わんばかりに集団的行動の最悪なムーヴメントを投げつけてくる感触がきつかった。時間が経てば経つほど地獄絵図がヒートアップしてい>>続きを読む

6アンダーグラウンド(2019年製作の映画)

3.6

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マイケル・ベイ全開の映画で、とにかく落ち着きがなくて、笑っちゃった。小学校低学年の学級崩壊したクラスみたいに騒がしくて「わぁーい!!」ってずーーーっと騒いで、そわそわしてる感じ。
あと、「気が利いてる
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ブレックファスト・クラブ(1985年製作の映画)

4.7

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普段じゃ絶対に分かり合えないし、話すらしなかったもの同士が、ふとしたきっかけで繋がる瞬間を映画にしたのが素敵だった。
最後の30分くらい、大人にも大人の心境はあるし、子どもには大人の事情で押しつぶされ
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タイラー・レイク -命の奪還-(2020年製作の映画)

4.2

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映画の中盤に出てくる5〜10分くらいワンカットで車の中と外を移動しながら回すアクションシーン、あれどうなってるんだろう。なにこれ!すごい!って調子で観ちゃったけど、とにかくすごかった。タイラー、ジョン>>続きを読む

カイロの紫のバラ(1985年製作の映画)

4.4

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つらい現実から逃げ出して、映画の虚構に逃げ込め!っていう、痛いほどわかる素敵な映画だった。というか、映画館に限らないけど、劇場ってそういう場所でもあるよね。自分の居場所を作ってくれるというか、時として>>続きを読む

スイス・アーミー・マン(2016年製作の映画)

3.7

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「しょうもないぞこれ!」っていうばかばかしさに、「どうですか皆さん、この生命の神秘!ずばーん!」みたいな映像とスローモーションと音楽を組み合わせる面白さは、すごいセンスだなって思った。で、その所々で突>>続きを読む

バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)(2014年製作の映画)

4.3

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ニール・サイモンで卒論作業をしてた時に、〆切前日の夜、「バードマン」は口頭試問の引き出しにできるね、てなことを教授から指摘されて、「ああー、観なきゃなあ」と思いながら観ずにここまで来まして。やっと観た>>続きを読む

ディザスター・アーティスト(2017年製作の映画)

3.7

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俳優の夢を見る青春物語としてとても面白かった。「ザ・ルーム」を観てからだと、余計に面白くて、最後とダイジェストシーン(元のバージョンと完全再現のリメイクの比較)は本当に凄いし、もしかすると一番上がる場>>続きを読む

ザ・ルーム(2003年製作の映画)

1.3

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「ゴミ映画すぎてカルト化した」ってどういうことだ!?って気になってたけど、本当に酷くてびっくりした。なんというか、脚本と演出のすべてが間違っていて、なんで!?のオンパレードだった。みんなで爆笑していて>>続きを読む

ミッドサマー(2019年製作の映画)

4.3

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ホラー映画のジャンルに置くのはちょっとはみ出している気がする。あの、なんというか、怖いわけじゃない。ちょっと怖いところもあるけど、驚かせたりギョッとさせるわけではない。
なんでしょう、とにかく気持ちが
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ラッキー(2017年製作の映画)

4.3

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こじんまりとしていて、それでいて奥行きのある映画だった。88分がとてもちょうどいい。「いやあ、いい映画だなあ」って言いながら、溜め息をついてしまう居心地。
ラッキーが、自分の死期がじりじりと迫ってきて
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エターナル・サンシャイン(2004年製作の映画)

4.4

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恋愛についての映画で、ポスター(これ、日本版らしい)はかなりミスリードだなあと思った。集客のためなんだろうけど、もうちょっと違くてもいいよなあ、と思ってしまった。映画にとってはマイナスだもんね、これ。>>続きを読む

大学は出たけれど(1929年製作の映画)

3.6

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活弁上映で観た。初めてだったけど、見応えあった。語りが映画と舞台上の架け橋になってて、舞台的な笑いがあったり、映画的な感動があったり。面白かった。

処刑山 ナチゾンビVSソビエトゾンビ(2014年製作の映画)

3.5

観るだけで偏差値が100下がるようなゾンビ映画なんだけど、最後にはゾンビたちの愛の物語になって感動的だった。

キャッツ(2019年製作の映画)

2.6

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なんていうんだろ、キャッツの猫人間を観てると、「実は人間の身体ってすごい奇妙な外見なのかも」って思えてくる。謎の生命体が爆誕して、スクリーン越しに遭遇してしまったような居心地の悪さだった。「何でこんな>>続きを読む

ブラックシープ(2006年製作の映画)

4.2

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ゾンビ化した羊が人間を襲ったり食べたりするってアイデアを思いついて、それをマジメにきっちり映画を撮ったのがすごい。えらい。すごい面白かった! 羊人間のビジュアルもインパクトがあって良い。
というか、羊
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ジョジョ・ラビット(2019年製作の映画)

4.7

このレビューはネタバレを含みます

ヒトラーユーゲントに入った10歳のジョジョのイマジナリーフレンドがヒトラーってどんなコメディだ!って思っていたけど、ただのコメディでは終わらなくて、愛についての物語になってくる。
しかもそれは、単純な
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さよならテレビ(2019年製作の映画)

4.4

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大学で、放送作家の先生の授業でテレビ版を観たことがあったけど、かなり違う内容が入っていて面白かった。「んもうっ、面白いなあ!」くらいに面白かった。東海テレビ制作のドキュメンタリーってすごいなあ…。>>続きを読む