とみやまさんの映画レビュー・感想・評価 - 9ページ目

とみやま

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プーと大人になった僕(2018年製作の映画)

2.9

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くまのプーさんの「ねえ、プー。きみはいつまでも「何もしない」でいてね。僕はもう出来ないんだ」っていうラストエピソードから始まるのだけれど、「何もしない」という、プーさんの牧歌的な感動をうまく利用したな>>続きを読む

クワイエット・プレイス(2018年製作の映画)

3.7

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「音出したら殺される」ってワンアイデアでこんなにハラハラするって凄い。ホラー映画なんだけど、家族の物語に変化していって、お父さんのシーンは感動した。

音立てそうになると「あっ、それはダメー!」って言
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RAW〜少女のめざめ〜(2016年製作の映画)

3.7

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ベジタリアンの女の子が、獣医学部の新歓の洗礼でウサギの腎臓食べたら、人間の肉も食べちゃいたいわっていう話なのだけれど、きっと、ひとりの女性になっていく話になっているんだろうな。
肉を求めるということが
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グッバイ・クリストファー・ロビン(2017年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

『くまのプーさん』が書かれた過程と、その暗部についての物語。というか『くまのプーさん』という呪いの話だね。てか劇場公開しても良かったよね…?ってくらい観ていて「ほほーう」と唸った。

A・A・ミルンは
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7月22日(2018年製作の映画)

4.3

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質の高い映画で、質が高いゆえに、観ていて具合が悪くなりそうになった。『デトロイト』とか『葛城事件』まではいかないけど、「やめてくんないか!?」って言いたくなるショッキングさよ。というか、やっぱりNet>>続きを読む

ミッション:インポッシブル/フォールアウト(2018年製作の映画)

3.8

このシリーズを全く知らないので、できるだけ情報を入れずに観たらどうなんだろ?という実験スタイルで観に行った。前に日曜洋画劇場でラスト30分だけ観たので、トム・クルーズがイーサン・ハント役、サイモン・ペ>>続きを読む

その夜の侍(2012年製作の映画)

4.1

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「未来のミライ」を観たあとに観る映画じゃ全然ないな!温度差の違いが強烈だな!とか思いながら観ていた。

『葛城事件』もそうだけど、よくもまあ、こんな苦くて息苦しい物語を思いつくよなあ。平凡だと思ってい
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未来のミライ(2018年製作の映画)

3.8

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「未来に行って、未来のミライちゃんに会うんでしょ?」って程に、ぼんやりとしたイメージで観に行ったら、全然違いました。どっちかというと過去の話でたまげました。

エピソード形式で描いて、最後にもの凄いス
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カメラを止めるな!(2017年製作の映画)

4.9

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とにかく前情報知らずに観に行ってよかった。最初は頭を抱えるような感じだと思いきや、どんどん「おおっ!おおっ!」となり、「うおっ!そういうことか!や、やられたあ〜っ!」って感じ。とにかく面白いし、劇場で>>続きを読む

ブリグズビー・ベア(2017年製作の映画)

3.8

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これでいいのか…?と思ったり。

自分が親だと思っていた人が、赤ん坊の頃に自分を誘拐した夫婦でした、ってのは、言っちゃえば世界がひっくり返るような出来事で、ある意味、今まで周りと分かち合えていたと思っ
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オーソン・ウェルズの フェイク(1975年製作の映画)

4.6

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贋作作家エルミアと彼の伝記を書いた作家アーヴィングを追うドキュメンタリー映画。
それでありながら、映画はペテンで嘘で出来てるんだ、というメタ視点によって成り立っている。語りはオーソン・ウェルズ自身。し
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焼肉ドラゴン(2018年製作の映画)

3.9

何年も前に観た、大阪の在日コリアンの高校生が作った「Rock U」という芝居を思い出した。「竹島は誰のもんでもない、竹島は竹島のもんや!あんたもあんたのもんや!」と高らかに、切実に語ったあの激しさって>>続きを読む

パッチギ!(2004年製作の映画)

4.8

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青春映画の金字塔的な作品だと思った。
日本が朝鮮半島を植民地化して搾取した結果、日本にいるしかなくなった彼らは、宙ぶらりんな状態で、朝鮮学校の少年たちは鋭く傷つき、暴力でそれを隠し、制圧しようとする。
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We Love Television?(2017年製作の映画)

4.5

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これはテレビの制作サイドに関わらず、ものづくりをする人全員が観る価値のあるドキュメンタリーなんじゃないかな。
欽ちゃんが視聴率100%男と呼ばれていた伝説は聞いたことがあったけど、このエネルギーを見て
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ゼア・ウィル・ビー・ブラッド(2007年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

2時間以上続く、石油の怪獣と化したダニエルとキリスト教福音派の牧師であるイーライの対立構造。石油が出たからお金が生まれる。そして、その仕事に執着するダニエルは、これでもか!ってくらいバケモノのような孤>>続きを読む

万引き家族(2018年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

家族は、血なのか時間なのか、という問いの延長線上にある。是枝さんの集大成的な作品とよく宣伝されているけど、なるほど、と思った。法的には犯罪だけど、悪であるとか間違ってるとは一概に決めつけられない話なん>>続きを読む

レヴェナント:蘇えりし者(2015年製作の映画)

3.7

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撮影がすごすぎる。ずーっと綺麗な自然の映像がつづくから、ずっと観てられる。でも、ちょっと長いかも。2時間切るくらいの映画だったとしても、それはそれで良いんじゃないかな?とか思ったり。

レオナルド・デ
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わたしは、ダニエル・ブレイク(2016年製作の映画)

4.3

不寛容のかたちが見える物語だ。
ダニエルの困り果てた顔、子どもを安心させるために一人で抱え込むケイティ。見てる自分にはどうにもできなくて、苦しい。物語も結末も、この世界と地続きの延長線上にある。

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ザ・ビッグハウス(2018年製作の映画)

4.0

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アメリカの規模の大きさにため息がでる…。ミシガン大学が所有してるミシガンスタジアムの話だけど、とにかく途方のない大きさ。その周辺に生まれる経済周り、裏方の仕事がとんでもない。裏で動いているのが、白人も>>続きを読む

三度目の殺人(2017年製作の映画)

4.1

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台詞の応酬が面白かった。映画の内容的にかなり地味で、事務所の中とか面会室の場面が多いのに、とても引きこまれる。

あと、宙ぶらりな幕切れ。時折顔を出すキリスト教のイメージは罪や殺人にどう繋がっているん
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グランド・ブダペスト・ホテル(2014年製作の映画)

4.1

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とても綺麗な色合いと、お菓子細工みたいな可愛らしさが洒落ている。あと、画面のシンメトリック具合が、やり過ぎじゃない?ってくらい、すべてがシンメトリック。気になり始めたら「うわ、ここも。ここも!?」って>>続きを読む

マルタの鷹(1941年製作の映画)

2.8

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ミステリーは面白いと思うけど、めっちゃマチズモ!
上演当時のアメリカを考えたら、マチズモな空気感を良しとするのは致し方ないんだと思うんだけど、かなり偏ってはいるかな。ホモソーシャルのハードボイルドなも
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レディ・バード(2017年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

女子高生の痛い話なのかな、と思ってたら、母と娘の話になって、最後の最後は母の話だった。
初めは、まあ普通の映画? くらいに思っていたけれど、大感動してしまった。
「自分は特別なのにどうしてお母さんは私
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デッドプール2(2018年製作の映画)

4.0

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エログロナンセンスなコメディタッチなのは変わらないんだけど、差別と戦うヒーロー映画になってるのがいい。
ミュータントの男の子が虐待されてることに気がついて、代わりに施設の人の脳天を撃つシーンとか、憎し
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アイ, トーニャ 史上最大のスキャンダル(2017年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

ものすごーっく面白いな!『ファーゴ』と『ウルフ・オブ・ウォール・ストリート』を足して割ったような映画で、声に出して笑っちゃうけど、同時に、もの悲しい。あと、話のまとめ方のキレッキレさ。ジェットコースタ>>続きを読む

映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ(2016年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

とても不思議で不安定なバランス感覚で出来上がってる映画だと思う。ずっと息切れしてるみたいだ。最果タヒさんの詩集、ちょっとしか読んだことなかったけど、その鋭さと同じベクトルのオリジナルドラマが出来上がっ>>続きを読む