とみやま

プーと大人になった僕のとみやまのネタバレレビュー・内容・結末

プーと大人になった僕(2018年製作の映画)
2.9

このレビューはネタバレを含みます

くまのプーさんの「ねえ、プー。きみはいつまでも「何もしない」でいてね。僕はもう出来ないんだ」っていうラストエピソードから始まるのだけれど、「何もしない」という、プーさんの牧歌的な感動をうまく利用したなって感じは否めない。なんというか、それに尽きる気がする。
なんなら、「何もしないのが最高なものを生み出す」っていう要素を無理やりラストにくっつけてないか?とも思った。
DVDリリースの「グッバイ・クリストファー・ロビン」を観ていると、プーさんとクリストファー・ロビンの関係がイマジナリーフレンドであって、なんというか、そんな単純な関係性であるとは思えないのよね。『TED』みたいに、彼がマスコット的な受け入れ方をされている前提があるわけでもないので、余計、社会的に受け入れられるのは「うむむむ」なんだ…。迂闊にロンドンに登場させると、それこそ「ファンシー」な甘い世界として完結してしまうので、それはないよな、と乗り気になれなかった。

「グッバイ・クリストファー・ロビン」が「くまのプーさん」の影なら、「プーと大人になった僕」は明らかに光の部分。それでいいのかな…とは思うけど、めでたしめでたしなエンディング。まあ、すっきりはしてるけど。

あと、イギリスのどんよりした気候を目立たせた映像になってるんだけど、ところどころホラー映画みたいなんだよなあ。
霧がかかった森の中、プーさんが赤い風船を持って、遠くから、クリストファーロビンを見つめるところ、完全にホラーだよ!ちょっと薄汚れてしまってる分、余計にホラー映画っぽくて笑っちゃった。
とみやま

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