近藤真弥さんの映画レビュー・感想・評価 - 15ページ目

近藤真弥

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家族ごっこ(2015年製作の映画)

1.0

映画だからこそ可能な表現が一切ない。テレビでやるならわかるんですが、わざわざ劇場で公開する必要性を感じられない作品でした。

ディストラクション・ベイビーズ(2016年製作の映画)

4.1

この映画は“暴力”そのもの。ゆえにソリッドで無駄がない。終始“暴力”の核に迫ろうとしている。言ってしまえばそれだけ。

しかし感情は掻き立てられ、なにひとつ見逃せないとばかりに凝視してしまう。

そん
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グリーン・インフェルノ(2013年製作の映画)

2.5

とにかくグロい。しかもちょっと笑えるグロさ。この点だけを観ても楽しめるけれど、西洋的価値観が血まみれになっていくという点に着目すると、より深く楽しめると思います。

名もなき塀の中の王(2013年製作の映画)

3.8

暴力にまみれた世界の現実をまざまざと見せつける映画。父と息子が刑務所で再会する感動的なドラマ...になるわけがなく、このふたりも悪人として描かれている。

善良といえるのは、心理カウンセラーのオリバー
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楢山節考(1958年製作の映画)

3.9

歌舞伎を取りいれた演出など、木下恵介のチャレンジングな一面が表れた作品。人の優しさと恐ろしさをひとつの作品でしっかり表現する監督の手腕にあっぱれ。

永遠の人(1961年製作の映画)

3.6

お互いに憎しみあってる男女の話。憎しみだらけでも一緒にいるのは、情だけではないさまざまな要因があることをできるだけそのままとらえている。なので複雑に見える映画かもしれません。もう少し大人になってから観>>続きを読む

アイアムアヒーロー(2015年製作の映画)

2.9

興味深かったのは、ゾンビだらけの世界なのに猟銃を扱うときのルールを遵守する主人公の姿。この真面目さに「なんとも日本的なヒーローだなあ」と思ってしまった。『インサイダーズ』や『アベンジャーズ』シリーズな>>続きを読む

インサイダーズ 内部者たち(2015年製作の映画)

3.5

韓国映画は権力に立ち向かうものが多いけれど、近年はその傾向がより顕著になっていると思います。

この映画もそのひとつ。民主化運動を経ての民主主義が機能していない韓国の世情が反映されている。

シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ(2016年製作の映画)

3.8

あのラストは、キャプテンがアメリカという国を愛するからこそなんだと思います。このあたりは、キャプテンがアメリカを信じられなくなる様子が描かれた、『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』を観てお>>続きを読む

女が階段を上る時(1960年製作の映画)

3.5

高峰秀子の美しさが絶品もの。哀愁漂わせる演技には見ていてゾクッとする妖艶さがある。

太陽(2016年製作の映画)

2.8

序盤は好きなんですが、門脇麦さん演じる結が性暴力を受けてからの展開はあまりにも雑すぎる。そのせいで、男が女を搾取することの暴力性という大事なテーマが台無し。もともと入江監督は雑なところがあったけれども>>続きを読む

ズートピア(2016年製作の映画)

4.5

とにかくすごい映画。お子さんがいる方はぜひ一緒に観てください。

子供が楽しめるファンタジー作品でありながら、差別やステレオタイプに対する批判的な描き方は大人も楽しめると思います。しかも被害者側だけで
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ヒーローマニア 生活(2016年製作の映画)

2.4

小松菜奈さんを見よ!な映画です。

カースト下位にいるであろう人たちが奮闘するという展開は、アダム・サンドラー主演の『ピクセル』を想起させる。僕は嫌いじゃないです、こういうの。

女の園(1954年製作の映画)

4.1

高峰秀子演じる芳江の最後が衝撃的。ただ、いまの日本でも似たようなことがあるんですよね...。

この映画は大学時代にジェンダー/フェミニズムのシンポジウムで観たのが最初なんだけど、確かにジェンダー/フ
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テラフォーマーズ(2016年製作の映画)

1.0

実写版『進撃の巨人』と同じくらい議論を呼びそうな予感...。

ノック・ノック(2015年製作の映画)

3.4

映画はどこまでいっても娯楽でしょ?というイーライ・ロスの考えが透けて見える佳作。キアヌさんをいじりたおしております。あまりにもチープすぎる演出は好みが別れるところだろうけど、こういうB級感嫌いじゃない>>続きを読む

ボーダーライン(2015年製作の映画)

3.8

デル・トロの演技を観るためだけにお金払う価値あり。終始貫かれる緊張感に僕は惹かれたけど、退屈と感じる人もいそうですね。“善悪の境界線”という点は、小栗旬主演のドラマ『BORDER』を想起してしまいまし>>続きを読む

フィフス・ウェイブ(2016年製作の映画)

1.6

クロエさんもいいけど、マイカ・モンロー演じるリンガーが良いなと思った。クロエさんは本作に関して、「私には4人の兄がいて、いつだって家族の中の“女の子”だった。だから子どもの頃から、“女の子”というステ>>続きを読む

スポットライト 世紀のスクープ(2015年製作の映画)

3.8

鬼気迫るマーク・ラファロの演技は素晴らしいし、観客を引きこむ躍動感あふれる展開も秀逸。でも、2015年を代表する作品かといえば...そうじゃない。“良い映画”だけど“すごく良い映画”とは言えない。『キ>>続きを読む

ロブスター(2015年製作の映画)

4.0

本質を突くユーモアは残酷ですらあるけど、それがたまらんのです。大好きな映画。

蜜のあわれ(2016年製作の映画)

4.5

すごく面白い映画。幻想的でユーモアあふれる映像美がほんと素晴らしい。老作家の生と性への執着が漂わせる滑稽さと哀愁は人間の愚かさそのもの。だからこそ“バカだなあ”って一笑に付すことができない。二階堂ふみ>>続きを読む

天使にアイム・ファイン(2016年製作の映画)

-

端的に言って、面白いところがひとつもない。根性論だけの天使さまにも辟易。身に降りかかる災難の原因はすべて自分にあるという典型的な自己責任論。恐ろしいですね~。マズイものを食べないと本当に美味しいものは>>続きを読む

日曜日の人々(1930年製作の映画)

3.3

ナチス台頭前のベルリンが記録された映画。さすがに“いま観ても斬新!”ということはありませんが、勉強として観ておくのはアリだと思います。脚本でビリー・ワイルダーが参加。

ちはやふる 上の句(2016年製作の映画)

3.1

小泉監督って、ひとつのことに腐心する姿を描くのが上手いと思います。そんな監督に『ちはやふる』の映画化を任せたのは慧眼。飛び抜けた良さはないけれど、娯楽作品として楽しめる安定感はあるので、興味がある人は>>続きを読む

ドロメ 男子篇(2016年製作の映画)

2.7

女子篇とノリが違うのは、男性と女性では感性が違うことを表したかったのだろうか?でも、“男の娘”もいる現在においてはさすがに古すぎる描き方じゃないか、と思ってしまったのが正直なところ。

ドロメ 女子篇(2016年製作の映画)

2.7

おバカなノリについていけない人は、ちとキツい映画かもしれません。ホラーということだけど、そこまで怖さを強調するわけではないので、ホラーが苦手な人でも見れます。

リップヴァンウィンクルの花嫁(2016年製作の映画)

4.1

登場人物の共依存性を抽出し、それをセンシティヴな映像美で描いていくという岩井節を味わえる映画です。七海と真白の関係はどうしても『キャロル』を連想しちゃうなあ。七海と真白がウェディングドレス着て車を走ら>>続きを読む

リリーのすべて(2015年製作の映画)

3.3

内容的に、どうしてもグザヴィエ・ドランの『わたしはロランス』と比べてしまうなあ。テンポが良い演出の秀逸さやドラン・スタイルと言われるシンメトリーの独特な使い方など、テーマ以外の部分でも見るべきものがあ>>続きを読む

セーラー服と機関銃 卒業(2016年製作の映画)

3.4

橋本環奈さんの演技はもっと評価されていいと思います。“怒り”を無表情で表現するところなんか、凄みを感じる。どうしてそんな演技できるの?って考えると、アイドルとして注目されるなかで生じた“闇”などを想像>>続きを読む

猫なんかよんでもこない。(2016年製作の映画)

2.4

猫好きにはたまらん映画。人の身勝手さに対する問いかけもある。

トゥルーマン・ショー(1998年製作の映画)

3.6

安易にハッピーエンドって言える内容ではない。虚構から解放されて“自由”を獲得したことは幸せかもしれないけど、劇中でも示唆されているように、虚構だって“本物の感情”をあたえてくれることもある。むしろ、“>>続きを読む

ライチ☆光クラブ(2016年製作の映画)

4.0

『先生を流産させる会』などもそうだけど、内藤監督は世の中のステレオタイプに対する疑問を映画に込めることが多い。

そしてそれは、本作でも変わらない。グロい描写やイケメンの役者云々ばかりが話題になりがち
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海と毒薬(1986年製作の映画)

3.7

社会派として知られる熊井啓監督の代表作。太平洋戦争末期を舞台に、人の尊厳を観客に問いかける。ゆえに観ていて気持ち悪くなるシーンがいくつかあるけれど、それは人が持つ負の側面そのものであり、目を背けてはな>>続きを読む

かぞくのくに(2012年製作の映画)

3.1

安藤サクラさんの演技が絶品。最後のほうで見られる、腕を掴んで放さないシーンでの表情と動きには感情の機微が表れていた。

国の都合に振りまわされる一家族を描いた内容だけど、“マジョリティーという強者に抑
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ディーパンの闘い(2015年製作の映画)

1.0

結論から言うと、酷評という評価すらあたえたくないほどの唾棄すべき映画です。

この映画でオディアールは、ある地域でたくさんの苦難を抱えながら生きている人たちを恣意的に分断している。郊外の不良たちを知ろ
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サウルの息子(2015年製作の映画)

4.4

極限状態にあるとき、人は何にすがるのかを描いた傑作。息子の遺体を埋葬するために奮闘する父親という感動物語ではありません。FPSのようなカメラ・ワークは臨場感たっぷりで、こちらも見所。ラストはいろんな解>>続きを読む