近藤真弥さんの映画レビュー・感想・評価 - 12ページ目

近藤真弥

近藤真弥

映画(744)
ドラマ(28)
アニメ(0)
  • List view
  • Grid view

グリーンルーム(2015年製作の映画)

3.9

パンク対ネオナチという構図にとらわれると、本作の本質は見えてこないと思います。パンクとネオナチの思想に詳しいほど感じると思うけど、劇中でのパンクスがパンク精神を見せることはないし、ネオナチがネオナチ的>>続きを読む

ミッドナイト・イン・パリ(2011年製作の映画)

3.2

ウディ・アレンの作品を観て面白いと感じることは少ないけど、これはまあまあ好きです。過去よりも今を生きることの大切さを描いた内容も◎。

ラ・ラ・ランド(2016年製作の映画)

3.3

カメラワークなどにチャゼル色が出てるけど、基本は映画愛に溢れた王道作品です。ラストのエマさんとゴズリングさんの笑顔に込められた想いを考えると、ホロリとしてしまう。

人生はほろ苦いけど、でも悪くないよ
>>続きを読む

PARKS パークス(2016年製作の映画)

3.1

飛び抜けた個性はないけど、“残す”ことの大切さを描いた良作です。過去に作られた音楽が、今に生きる若者たちへ受け継がれるなんて、音楽も含めた“表現”の面白さですよね。

相棒 劇場版Ⅳ 首都クライシス 人質は50万人!特命係 最後の決断(2017年製作の映画)

4.3

社会派エンタメの最高峰ですよ。いつも以上に世の中に問いかける内容。ラストは民意に任せるような感じだけど、「こういうこと言いだす人に向けたトラップだよなあこれ」という演出もあり、ニヤニヤしてしまいました>>続きを読む

マグニフィセント・セブン(2016年製作の映画)

3.7

西部劇の醍醐味をちゃんとやりつつ、それを現代向けに描いているあたりは職人技と言ってもいいのでは。ガン・アクションのひとつひとつがカッコいいし、物語を盛り上げる的確なカット割りも秀逸。

いまの世相を反
>>続きを読む

乳房よ永遠なれ(1955年製作の映画)

4.8

この映画はもっと語られていいと思いますよ。1955年の日本で、しかも田中絹代によってこんな作品が作られたのは驚き。女性は男性に消費されるだけの存在じゃないと雄弁に語っている。女性の象徴である乳房を失っ>>続きを読む

ハイヒールの男(2014年製作の映画)

3.8

女になりたい男の哀しみを描いた秀作。暗闇の使い方や“赤と白”の強烈なコントラストなど、スタイリッシュな映像は最高です。シャープなアクション・シーンも絶品。

初めて観たときは、男が女になってはいけない
>>続きを読む

バーニング・オーシャン(2016年製作の映画)

1.2

だんだん嫌な予感が膨らんでいく見せ方はそこそこ良かったけど、泥が噴出して以降はただただ退屈でした。パニック映画としてはスリルが足りないのも気になった。あれだけ魅力的な暗闇があるのに、それをまったく活か>>続きを読む

パッセンジャー(2016年製作の映画)

1.3

成長を求めての宇宙開発や、アダムとイブ的な設定など、興味深い要素はたくさんあるのに、どうして凡庸なラヴ・ストーリーにまとめてしまったのか。愛について深く考えることもなければ、目玉のSF的世界観もまった>>続きを読む

沈黙ーサイレンスー(2015年製作の映画)

4.1

バフチン的な意味での“対話”がなき世界だからこそ起きた悲劇、といえる内容だと思います。それを象徴するのは、劇中でたびたび描かれるロドリゴと井上の議論でしょう。共に自らが信じる正しさを持ち、だからこそ井>>続きを読む

21グラム(2003年製作の映画)

3.7

それぞれの人生が交わるまでの緊張感と哀しみに胸が締めつけられる。ストーリーを知ったうえで観るとなおさら。時間軸をバラバラにする手法も見事にハマっており、観客を惹きつける娯楽性として十分に機能している。>>続きを読む

しあわせはどこにある(2014年製作の映画)

3.4

幸せ探しの旅が、グローバル化した世界の表象になってるのがグッときますね。ささやかだけど大事なことを教えてくれると同時に、多様な世界の面白さも伝えている映画です。

素顔の私を見つめて…(2004年製作の映画)

3.6

仕事で再見。人間の機微を描いたビアン映画。なかでも際立つのは、激しいセックス・シーンでしょう。その激しさは観客に見せつけるようでもあり、それ自体が痛烈なメッセージとなっている。随所で見られる笑いも秀逸>>続きを読む

ザ・コンサルタント(2016年製作の映画)

3.3

面白いですよ。登場人物たちのストーリーが徐々に絡み合っていくカタルシスはなかなかのものだし、シャープなアクション・シーンも◎。ただ、テンポの悪い会話が、盛り上がりにブレーキをかけることが多いのはどうか>>続きを読む

光をくれた人(2016年製作の映画)

4.0

飛び道具も派手さもないけど、実力のある役者陣と丁寧な演出だけで、こんなにも面白い映画ができるんだなと。重厚な人間ドラマですが、美しい映像や沈黙を生かした心地よいテンポがあるので、約2時間あっというま。>>続きを読む

少女椿(2016年製作の映画)

1.5

ヴィジュアルはそこそこ良かったです。しかしそれ以上に、編集の拙さと不必要な無駄がありすぎて辛かった。アニメーションも文字通り蛇足で、面白みがなかった。原作があまりに強烈すぎるから、実写化は難しいとわか>>続きを読む

サンバ(2014年製作の映画)

2.5

社会問題を絡めたラヴ・ストーリー。しかしすべての要素が浅いので、コミットするのが難しかった。やろうとしていることはわかるんですけどね。

アップサイド・ダウン:クリエイションレコーズ・ストーリー(2010年製作の映画)

3.5

仕事で再見。壁があるなら、そこに橋を掛けてしまおうというあまりに無鉄砲で理想主義的、しかし可能性と希望に満ちた姿勢だなあとあらためて。イギリスのみならず、世界のポップ・カルチャー史を塗りかえた人たちの>>続きを読む

ゾンビ/米国劇場公開版(1978年製作の映画)

3.6

仕事で再見。ご存知ゾンビ映画の古典です。人間の愚かさを巧みに風刺するセンスが好き。

ワールド・ウォーZ(2013年製作の映画)

1.0

仕事で再見...したけど、何ひとつ面白さを見いだせなかった。

クリミナル 2人の記憶を持つ男(2015年製作の映画)

1.7

傑作ではないし、オチもかなり微妙だけど、それなりに楽しめる映画です。ライアン・レイノルズがほんとにチョイ役で驚きましたが、名優たちの確かな演技力を堪能できたので良しとします。

死んだ人の記憶を移すと
>>続きを読む

欲望(1966年製作の映画)

3.5

スウィンギング・ロンドンで盛り上がるイギリスが背景にある本作は、マイケル・ケイン版『アルフィー』を観た後に観るとより深く楽しめるでしょう。共にスウィンギング・ロンドンの享楽主義的な側面を切り取りつつ、>>続きを読む

ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー(2016年製作の映画)

4.0

すごく面白いですよ。レジスタンスの描き方がとても生々しくて、良質な戦争映画としても観れます。若松孝二的なものを見いだしてしまいました。

ストーンウォール(2015年製作の映画)

1.0

この映画がダメなのは、史実をひとつの背景にしてしまったことでしょう。史実をねじ曲げた云々以前に、その史実が主題として描かれていない。若者の成長物語でしかないですからね。演出も展開も大味で、なにひとつ心>>続きを読む

人魚姫(2016年製作の映画)

2.7

チャウ・シンチー相変わらず 笑。本作も、ベタな笑いと軽妙な会話を前面に出し、自分なりのメッセージも込めるという内容です。そのメッセージは決して斬新じゃないし、正直安っぽいけど、ここまで愚直だと清々しい>>続きを読む

フィッシュマンの涙(2015年製作の映画)

3.9

グッときました。シュールな世界観が突きつける、鋭い社会風刺とドライな笑いに込められた哀しみが良いですね。移り気な大衆の恐ろしさを冷徹に描きつつ、ラストは希望を感じさせてくれる。寓話的な雰囲気も含め、ど>>続きを読む

ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅(2016年製作の映画)

3.5

続編ありきの内容になっていて、単体では際立った魅力がない作品ですね。それでも、綿密に作られた展開はちゃんと楽しませてくれる。深くはないけど、安っぽくもない。

海賊とよばれた男(2016年製作の映画)

1.0

心を圧迫するような演出は生理的に無理。音楽の使い方やカメラ・ワークなど、すべてが観客の感情を煽るために使われているのもつまらないですね。“映像で語る”ということすらしないのかと。ひとつひとつのエピソー>>続きを読む

仮面ライダー平成ジェネレーションズ Dr.パックマン対エグゼイド&ゴースト with レジェンドライダー(2016年製作の映画)

3.3

面白いですよ。生身のアクションが増えて、CGを駆使したアトラクション的な表現が減っていたのもグッド。展開は『仮面ライダー×仮面ライダー フォーゼ&オーズ MOVIE大戦MEGA MAX』が一番近いかも>>続きを読む

A.I. love you(2016年製作の映画)

1.5

どうしたら興味深い設定をここまで無駄使いできるのか知りたい。撮影方法もまったく必然性がないので、こけおどしでしかない。森川葵さんの演技は安定のハイスコアですが。

いたくても いたくても(2015年製作の映画)

2.5

正直、センスだけで成立してる映画。演出やカメラ・ワークといった技術面は粗が目立つ。でも、他にない映画を作りたいという姿勢は良いですね。将来が楽しみな監督さん。

ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち(2015年製作の映画)

3.8

面白いです。背景にナチスの要素を散りばめつつ、ジュブナイル的成長物語としての高い娯楽性を備えている。

ハンズ・オブ・ラヴ 手のひらの勇気(2015年製作の映画)

3.1

エレン・ペイジがすごく良い。性別を超越した存在感がハンパない。そこに佇むだけで場の雰囲気を変えられる役者。

エヴォリューション(2015年製作の映画)

4.1

美しさと恐怖が共生する世界観は、まさに甘美な悪夢。イメージの積み重ねによって紡がれる物語は非論理的に見えるかもしれないけど、それは論理的とされているものから逸脱してるだけであって、作品自体は非論理的じ>>続きを読む