Taulさんの映画レビュー・感想・評価 - 97ページ目

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ボビー・フィッシャーを探して(1993年製作の映画)

4.0

BS録画で初鑑賞。子どもを優しく見つめて心の声を聞く、まずはそこではと言わんばかりの映像と音楽。大人達の葛藤も実に丁寧に描かれ痛い程。ぶれない母親の強さ。消えた天才棋士を絡める語り口が見事で、彼の人生>>続きを読む

カフェ・ソサエティ(2016年製作の映画)

3.0

煌めく2人の女と2つの都市を迷いながらも渡り成長する青年。ハリウッド黄金期LAと禁酒法廃止後NY。その美しい再現とK・スチュワートをこれでもかと綺麗に撮る。ユダヤ人家族のエピソードもアレン調。バランス>>続きを読む

夜明け告げるルーのうた(2017年製作の映画)

3.0

湯浅監督の長編は初。人魚との交流と少年の成長かと思いきや、ポスト311色が強くなり、様々な愛と生と死を謳い上げる一大スペクタクルがやってくる。自由に弾けるアニメの力と歌の魅力。祖父の邂逅には泣いた。た>>続きを読む

セールスマン(2016年製作の映画)

4.0

ある夫婦の災難から、愛と憎悪のあり方、男と女の違い、イラン社会の属性などが浮かび上がる濃密なドラマが展開。劇中劇の使い方も巧みだ。猜疑と自問自答が頭の中を駆け巡る。もはや一つのジャンルのようなアスガー>>続きを読む

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス(2017年製作の映画)

3.0

レーザーIMAX3D字幕。ジェームズ・ガンのやりきった感じに圧倒される。

最高のアバンに迎えられあの銀河野郎の世界へ。新時代のスターウォーズともいわれた映画の2作目。追われる立場、二手に分かれる、急
>>続きを読む

キングコング:髑髏島の巨神(2017年製作の映画)

3.0

レーザーIMAX3D字幕。怪獣プロレスの極致であり容赦なき戦争ゲーム。コング、サミュエル、怪獣、コング、サミュエル、怪獣、コングと果てしなく続く映像&戦闘の破壊力。感覚が麻痺しドラマや面白さを味わう余>>続きを読む

マグニフィセント・セブン(2016年製作の映画)

2.0

7人をマイノリティに、悪役を白人資本家に、女性を村人の中心にすえる素晴らしい現代風チャレンジ。オリジナルを忘れさせるが、それらは設定で終わりキャラの魅力やカタルシスは弱い。戦いは派手も西部劇の味わいは>>続きを読む

君の名は。(2016年製作の映画)

4.0

美しい風景と僕らの日常、そして時と魂の交差。あの新海誠の世界だがポエムは控え目で物語る。ぎこちなさはあるがやがて映画は壮大なスケールの中、鎮魂と希望の鐘を鳴らし始める。忘れかけていた繋がりとちぎれそう>>続きを読む

LOGAN ローガン(2017年製作の映画)

3.0

やはり壮絶。でもこの痛みと怒りはウルヴァリンの物語としては当然か。X-MENのテーマと西部劇の一つの伝統に帰結していく素晴らしさ。戦いが終わった村に残された少年のように男が残した罪と矜持を噛み締める。>>続きを読む

光をくれた人(2016年製作の映画)

3.0

灯台の島に暮らす夫婦の愛と罪。役者、風景、台詞、物語もみな端正な雰囲気。その出来過ぎ感や古い女性像からも文芸ものの味わい。編集で大分切ったらしいが確かに心情変化の表現が足りない感じも。でもこういう話し>>続きを読む

夜に生きる(2015年製作の映画)

3.0

原作に忠実なのだろうか。禁酒法時代の人間模様をしっかり描く重厚さと駆け足のダイジェストさ両方感じるつくり。締まったショットの連なりが生む緊張感は流石ベンアフ。物悲しい木偶の坊である自分の魅力も知ってい>>続きを読む

SING/シング(2016年製作の映画)

5.0

吹替版。すみません舐めてました。開幕のあの曲で心掴まれ、全ての生きもの達の夢と冒険と歌の世界へ。怒涛のエピソードの連続に、笑って応援して泣いて歌ってまた泣いて。吹替も不安だったけどピッタリで原曲とのミ>>続きを読む

美しい星(2017年製作の映画)

3.0

原作未読。ある壊れかけた家族が宇宙人として目覚める不思議な話。いろんな見方ができテーマも多く掴みきれない面白さ。覚醒シーンが印象的でその後の橋本愛がまさに異次元の美しさに。吉田監督の練り込みが凄いがS>>続きを読む

怪物はささやく(2016年製作の映画)

3.0

重病の母を持つ孤独な少年と空想の怪物。よくある物語論の映画だが怪物や展開の奇抜さでなく王道感のある演出と映像表現で勝負。少年役も目つきがよく好演。人物、現実、空想の交錯のインパクトには欠けるが、じっく>>続きを読む

スノーデン(2016年製作の映画)

2.0

暴露本や『シチズンフォー』からさらに劇映画化。O・ストーン、まとめ的に淡々と描くも時に光る描写力。JGLのなりきりも自然で映像で追うと改めて説得性が。愛のドラマでもあった。重みを増すテロ、情報戦争、監>>続きを読む

パッセンジャー(2016年製作の映画)

2.0

ワンアイデアSFをスター映画で。監督はSFに興味が無さそうで全体にそこは雑で、逆にもっと心理をエグってもよかったかも。もやもやするが終盤には涙。小説で読みたいような話だった。男としては煩悩に懺悔しなが>>続きを読む

七人の侍(1954年製作の映画)

5.0

午前十時の映画祭。感動の4Kレストアでの再会。映画のパワーに、その完成度に圧倒される。

『七人の侍』には黒澤作品を制覇し改めて評論や裏話を読んで臨んだ。ただ始まるとあっという間に映画の世界に入り込み
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プロジェクトA(1983年製作の映画)

3.0

BS録画で鑑賞。ほぼ見ないカンフーコメディだが名作という興味もあり見直す。舞台や道具を活かすアクション。自転車チェイスが抜群で、時計台落ちに驚く。NG披露も含めノンフィクション的な楽しさも。サイレント>>続きを読む

レゴバットマン ザ・ムービー(2017年製作の映画)

4.0

吹替版。バットマンのタブーと本質に楽しく切り込む脚本に唸り、ダークナイトはじめ満載のパロディにニヤニヤ。繋がり支えあうという家族愛とブロック魂に泣く。見せ場が多過ぎな感じもあったが見たかったものが一杯>>続きを読む

ダークナイト(2008年製作の映画)

5.0

個人的には劇場で映画を観るという映画熱を呼び戻してくれた作品。

アメコミ映画を大人が楽しめ、大真面目に語ることができるようになったのはこの作品からではないだろうか。カッコよさと深遠さ、ハッタリとディ
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インセプション(2010年製作の映画)

5.0

貴方の心にインセプション。
映画のジャンルを新しくひとつ作ったような面白さ。

私の2010年映画ベスト1位。
私のノーランベスト。

*

2020年8月ノーラン祭りで鑑賞
『インセプション』IMA
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インターステラー(2014年製作の映画)

5.0

時空を超える壮絶な旅。ノーランの愛すべき中二宇宙が大爆発。ジェシカ・チャステインがハンドルを左に切ってからは、全てが昂ぶりに満ち、もう神懸かった面白さだ。

ノーラン&エマ・トーマス夫妻と共に製作に名
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モダン・タイムス(1936年製作の映画)

5.0

『モダン・タイムス』文明、政治、欲望への恐ろしく先見的な批判をクルクル廻ってかき回しながら行うチャップリン。その天才性が爆発している映画。ついでにトーキー批判で初の声を出すシーンがでたらめ語で唄うとい>>続きを読む

チャップリンの黄金狂時代(1925年製作の映画)

5.0

『黄金狂時代』サウンド版を鑑賞。ペーソスや感動は控えめで風刺と喜劇のバランスが絶妙。パントマイムやドタバタを笑いながらもその神がかったパフォーマンスに圧倒される。貧困と富へのメッセージもチクリ。ロケや>>続きを読む

ローガン・ラッキー(2017年製作の映画)

4.0

格好良さも家族愛も分かった上で微妙に外しベタつかないソダーバーグの天才芸。車のギアを時折入れ間違えた感じで映画を転がし遊ぶ。支える素晴らしい脚本と編集。スター達も乗せられる。顛末は古典的で居場所に戻れ>>続きを読む

gifted/ギフテッド(2017年製作の映画)

3.0

キャップネタもあるコメディタッチの前半を楽しみ、飛び道具的な演出もあるドラマチックな後半に泣く。子どもとの暮らしにほんとうに大切なことは何か。設定や最後がどうも説得力に欠け、ベタなまま今一歩踏み込まな>>続きを読む

ジャスティス・リーグ(2017年製作の映画)

3.0

途中何を見てるのか分からなくなったが楽しめた。やはりワンダーウーマンが格好いい。新しい興奮はほぼ無く、驚きのぶつ切り展開もなんとかまとまった感じ。魂を売ったような作風に疑問は残るが今回の事情や集合もの>>続きを読む

タワーリング・インフェルノ(1974年製作の映画)

5.0

お互い火災ものの企画を進行してるのに気が付いたワーナーと20世紀FOXが、「じゃあ一緒にしちゃって世紀のパニック大作をつくろう!」と当時初めて大手が合作した映画。きらめくスター達の人間模様と、炎に包ま>>続きを読む

こころに剣士を(2015年製作の映画)

3.0

実話とフェンシングとドラマの何と上質な融合だ。歴史的事実は控え目に、人と人の交流から生まれる小さな変化を丁寧に描いて心を捉えて離さない。子供の純粋さが大人を動かし、大人が子供達に託す未来。試合では小国>>続きを読む

ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ(2016年製作の映画)

3.0

闇のヒーローを内包したマイケル・キートンの善悪で判断させない勢いのある演技。閃きと根気で成功し鏡の中に消えていく。実話の名人ハンコック監督が全ての人を一面で描かない巧みさ。その味わいは見る者しだいだ。>>続きを読む

はじまりへの旅(2016年製作の映画)

2.0

山で暮らす家族の自分達を見つめ直すロードムービー。何よりヴィゴ・モーテンセンが抑えた演技と存在感で映画を締める。父でありキャプテン。彼らの行動には考えさせられるし何度か目が潤む。ただその主義には困惑も>>続きを読む

ジョン・ウィック:チャプター2(2016年製作の映画)

2.0

殺しのアクションと裏社会に特化した続編の潔さ。NYやローマだけどもう漫画のようなジョンウィックワールドだ。キアヌ自信による見やすいガンフーの披露には拍手。ただちょっと太り気味か。見たいものを見せてくれ>>続きを読む

雨の日は会えない、晴れた日は君を想う(2015年製作の映画)

3.0

事故で妻を亡くした男の心。
創造性に満ちた脚本。主人公を取り巻く人を巧みに出し入れし、リアリティとメタファの間を彷徨いながら、じっくりと人の心を解体して描いていく。共感や分かりやすさに頼らない挑戦と上
>>続きを読む

ありがとう、トニ・エルドマン(2016年製作の映画)

4.0

ドイツの女性監督による長いけど短く感じ、変わった作劇だけどいい余韻が残る162分。こんな空気感は初めてだ。説明を省いて時間をかけたディテールから感じる父娘の絆。いつしか懐かしい気持ちに。エンドロールに>>続きを読む

ハクソー・リッジ(2016年製作の映画)

4.0

信念と受難のマイスター、メル・ギブソンの真骨頂。宗教的で惨い戦争映画だがここまで描きたいことが明確な娯楽作だと心地良いくらいだ。前半は主人公の信条の背景を凝縮し、後半は戦争の悲惨さと不屈の行動が炸裂。>>続きを読む

ザ・マミー/呪われた砂漠の王女(2017年製作の映画)

2.0

トムがおどけてハズして襲われ裸にされ走って頑張る映画。ファンにはいいが面白さに活かせてないもどかしさ。脚本と演出に難ありか。ブテラ王女が魅力的だったのでもっと彼女のドラマにしても良かったかも。ビール片>>続きを読む