映画狂人さんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

アイスと雨音(2017年製作の映画)

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「私達は自意識を持った宇宙なんだよ」

74分全編ワンカットで駆け抜ける若き劇団員達の1ヵ月間。
予定していた公演が中止になるという監督自身の経験を元に、現実と虚構が綯い交ぜになり感情が昂っていく過
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真島ミヤビ(2021年製作の映画)

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宮田監督作品を2本続けて鑑賞したがやはり品がありセンスを感じる、芸術や文学に対する愛が映像の端々から伝わって来るからだ。
今作も僅か15分の短編なので物足りなさは残るが、いつか長編を撮った際には化ける
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セヴンティーン(2020年製作の映画)

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多感な思春期の自我の芽生えと他者からの視線、自意識と劣等感の狭間で揺れ動く不安定な魂の揺らぎを芸術的表現を以って僅か9分の短尺に纏め上げた秀作。
世間的評価は低いようだが個人的には好み、優れたアートセ
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雨のやむとき(2019年製作の映画)

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「寝屋川市中1男女殺害事件」をモチーフにしたと思われるPFFアワード2019準グランプリの30分にも満たない短編。
家庭にも学校にも居場所のない少年少女の邂逅を通し、大人の都合に振り回される子供達の胸
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放課後(1973年製作の映画)

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井上陽水の「夢の中へ」で始まる冒頭は期待値を上げる演出であったが、その後はイマイチ盛り上がらず薄味のまま幕切れ。
『高校教師』くらい刺激的な作品を求めていたのもあり少々期待外れな一本ではあったが、思春
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つぐみ(1990年製作の映画)

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吉本ばななのベストセラー小説を、隠れた名作『ノーライフキング』の市川準が映画化した90sライクでノスタルジックな空気感溢れる一夏の青春もの。
市川準の撮る映像には何処か懐かしさや温もりを感じるものが多
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真空地帯(1952年製作の映画)

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軍隊経験者である山本薩夫が戦後間もない時期に製作した初期代表作、軍隊内部の苛烈な虐めや虐待を容赦なく活写する事で「戦争」という無意味な暴力を告発する。
劇中で何回引っ叩いたか分からないくらいのビンタの
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鬼灯さん家のアネキ(2014年製作の映画)

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近年絶好調の今泉力哉によるブレイク前の過去作。
転換期となった『愛がなんだ』や後の『his』へと連綿と受け継がれてゆく
「人を好きになる」
という恋する気持ちを愚直に描く。
人気4コマ漫画の実写化とい
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あの頃。(2021年製作の映画)

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恋愛映画の旗手=今泉力哉がハロプロに青春を捧げた男達の悲喜こもごもを描くオタ活映画。
自分は特にハロプロにハマる事は無かったけれど世代なのでTVを付ければ毎日必ず誰かしら出ていたし、小学校の給食の時間
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his(2020年製作の映画)

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監督が度々紡いできた人間関係に関する普遍的価値観を同性愛者のその先にある人生にまで踏み込んで綴った繊細な人間ドラマ、静かに葛藤するゲイの青年を映画初主演となるTHE BOOMの息子でMEN'S NON>>続きを読む

mellow(2020年製作の映画)

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田中圭扮する花屋の店主がラーメン屋の美人店主に人妻にJCとモテてモテてモテまくる羨ま…けしからん恋愛日常系ドラマ、まぁ田中圭なら仕方ないかと観客に納得させるだけの魅力があるから困る。
恋する女子が次か
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アイネクライネナハトムジーク(2019年製作の映画)

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一人の青年とその周囲の人々の10年間に渡る人生の岐路を描いた人間讃歌、彼に関わる全ての人達が少なからず影響を受けていく様は多くの共演者に愛され慕われた三浦春馬ご本人のよう。
プロット自体は家族や愛をテ
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愛がなんだ(2018年製作の映画)

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恋愛映画の旗手=今泉力哉、最大のヒット作。
映像表現に於ける独自性や強靭なショットこそ見受けられないが、我々の日常の延長線上にあるうだつの上がらない20代後半のリアルをその場の空気感まで閉じ込めるよう
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血ぬられた墓標(1960年製作の映画)

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イタリアンホラーの父=マリオ・バーヴァの本格的デビュー作(本作以前にもノンクレジットで数本の共同監督作はあるものの単独では初)。
古き良き怪奇映画といった趣きで古臭さは否めないものの、撮影監督出身のバ
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