トラボルタさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

ドキュメント サニーデイ・サービス(2023年製作の映画)

3.5

今のサニーデイのライブバンド感の成り立ちが何となく分かった。ただ、再結成前の話よりも、丸山さん死後の今をよりフォーカスしてほしかった。

私、オルガ・ヘプナロヴァー(2016年製作の映画)

4.0

白黒で描く事で映像から起伏を排除していた。そのことによって、歩道を暴走するシーンでの衝撃を抑え、あくまでオルガにのみ焦点を当てることに成功している。

また、映画にするためにオルガの容姿を魅力的に描い
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ザ・ホエール(2022年製作の映画)

4.0

全てに苦しみ、化け物のようになった主人公にとって、救済は医学でも宗教でもなく文学だった。彼にとって、文学が生計を成り立たせるだけではなく全ての礎であった。

食事シーンをここまで気持ち悪く演出出来る音
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小説家の映画(2022年製作の映画)

5.0

最終盤のホンサンスとキムミニのいちゃいちゃシーンを除けば全部完璧。

新作を書けない作家の主人公と最近映画に出ていない俳優の2人に対して、割り切った作品を作って金を稼いでいる映画監督の対比がきれい。
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aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

5.0

カメラを置く場所が独創的で、映画を何歩も進歩させたのではないだろうか。死を薄っすらと感じさせる父と、成長の真っ只中で恋愛に興味を持つ娘の対比が美しく、残酷だ。

ストーリーには余白が多く、今の時代にこ
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逃げきれた夢(2023年製作の映画)

4.5

画が好みだと思ったら撮影が四宮秀俊だった。

この映画にははっきりとした結論や制作者の主張が入っていないため、悪く言うと何を言いたいのか分からない。ただ、その分リアルで、教え子と喫茶店で会話するシーン
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怪物(2023年製作の映画)

4.5

羅生門形式で物語が進む中で、消防車のサイレンや雨の音を通して時系列を表す演出の巧みさに感服。また、是枝作品の圧倒的な強みである子役の演技指導が神がかっている。

ラストシーンからも分かるように子供だけ
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激突!(1971年製作の映画)

4.0

起承転結の起と結しかないストーリーでも、展開が気になって画面に釘付けになった。何を撮るべきで、何を撮らないべきか25歳にして分かっているスピルバーグの才能が溢れた映画。

JAWS/ジョーズ(1975年製作の映画)

4.5

ストーリー、ショット、音楽のどれを取っても完璧。

サメ視点で海中から足を撮るショットでは、人の顔が映らないことによって匿名性を帯び、恐怖感が倍増される。

海洋恐怖症なのでめっちゃ怖かった。

波紋(2023年製作の映画)

4.5

台詞に頼らずにストーリーを進めていく良作。筒井真理子が新興宗教の集会で見せる笑顔の、目が三日月になっているところで背筋がゾワっとした。

マッドマックス 怒りのデス・ロード(2015年製作の映画)

4.5

頭を空っぽにしてアクションを楽しむことも出来るが、フェミニズムが根底に流れている。

ポリコレを気にしていると面白い映画が作られなくなると主張する人々に見せたい映画No.1

ピアノ・レッスン(1993年製作の映画)

4.5

浜辺でピアノを弾くエイダと踊るフローラ、それを遠くから見つめるベインズというシーンの迫力が出色。空撮と遠景が迫力を持たせている。

エイダとフローラは動作をリンクさせているが、エイダとスチュアートはそ
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見知らぬ乗客(1951年製作の映画)

4.5

画面の右側に悪人が、左側に善人を置く構図が多く、画でストーリーを描いている。例えば客車からガイが出ていく際に、左から右へ移動していくのは今後の展開を暗示している。
テニスの観客がボールを追って顔を左右
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友だちの恋人(1987年製作の映画)

4.5

パリ郊外で友人となったブロンシュとレアを中心に、四角関係を軽快に描いた良作。

登場人物の服装や背景の色彩感覚が素晴らしく、当時のフランスが活き活きと蘇る。登場人物4人共に、バカンスに行く相手を探すた
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午前4時にパリの夜は明ける(2022年製作の映画)

4.0

風景の切り取り方が上手く、絵画のようだった。ストーリーは一見単調だが、それは結末が予測可能であるだけで、丁寧に起承転結の転を繰り返す映画だった。

聖地には蜘蛛が巣を張る(2022年製作の映画)

3.5

売春婦連続殺人犯とそれを追うジャーナリストの話。殺人犯がどこにでもいる中流階級の男性で、コミカルな振る舞いも相まって気づけば彼の立場で物語を追ってしまう構成に、この映画の巧さが詰まっている。

社会の
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AIR/エア(2023年製作の映画)

4.5

クソおもろい

エアジョーダンのデザインをプレゼン時まで映さない焦らしの演出が素晴らしい。

茶飲友達(2022年製作の映画)

5.0

現代社会における寂しさと正しさをどう定義するかという話。

マナは寂しさを癒やすために高齢者専門デリヘルを経営し、他のスタッフやティーガール、客もこのデリヘルによって寂しさから自身を遠ざけている。希望
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ある用務員(2020年製作の映画)

3.0

べいびーワルキューレのコンビ登場シーンが良かった。

最強殺し屋伝説国岡 完全版(2021年製作の映画)

4.5

緩急がついている良作。べいびーワルキューレでもそうだが、阪元裕吾監督映画はキャラが立っていて見やすい。

よく行っていた場所がロケ地になっており、京大のルネ裏や西部講堂横のBOX棟は懐かしかった。

ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー(2023年製作の映画)

5.0

ラストのバトルが前作を超える迫力で、2作目がショボくなるシリーズ物あるあるに当てはまらず良かった。


ここまで誰が観ても面白い映画は少ないので、もっと上映館数が増えるべき。カメラを止めるなのような現
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小さき麦の花(2022年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

貧乏で家族もほぼいない夫と恐らくパーキンソン病?の妻が田舎で望まない結婚をするものの、徐々に心を通わせていく。

田舎と都市、ロバとトラクターのような対比がくっきりしており、良作だ。

ラストシーンで
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ガンジー(1982年製作の映画)

4.5

ガンジーは自己ブランディング能力と、現状の客観視に長けた人なんだと思った。

伝記映画のため、エピソードを繋げていったような見え方にはどうしてもなってしまうが、最後まで惹きつけるのはガンジーの生き様な
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フェイブルマンズ(2022年製作の映画)

3.5

スピルバーグの原点の1つは蓮實重彦御大が大好きなジョン・フォードなんですね。

風が吹くまま(1999年製作の映画)

4.5

テレビプロデューサーがクルド系の村の特殊な葬式を撮るために老婆の死を待つも…

葬式の撮影によってもたらされる村の風習の消費は、キアロスタミが村を撮影することによる消費と同様で、メタ構造になっている。
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コンパートメントNo.6(2021年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

客車のロードムービー。主人公と同乗の客車の男性、途中で乗車する旅人、モスクワに居る恋人の3者との関係を通して、主人公の内面の動きを描いた良作だ。

主人公は同乗の男性とは酒を飲み交わしているが、他の2
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