トラボルタさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

ちひろさん(2023年製作の映画)

4.0

今泉作品には珍しくコメディ要素は少なかったが、結局全員集合させる点など「らしさ」溢れる映画でもあった。

本作のテーマである孤独だが、その本質に迫りながらも物語自体は決して明るさを失わない。まさに、有
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少女は卒業しない(2023年製作の映画)

4.0

好みの画が続き、ルサンチマンを刺激された。卒業式後の時間をアディショナルタイムと呼ぶのは秀逸過ぎ。若干あざとすぎだが、大人が全員経験しており、何かしらの思い出がある高校生活や卒業式のその思い出を蘇らせ>>続きを読む

いとみち(2020年製作の映画)

5.0

高校生の成長映画として、最高傑作だと思う。

いとの母の死因やメイド喫茶の今後等を無駄に説明しない点や、津軽の文化を記録し残す点のような"分かりにくさ"を随所に交えながら、全体として分かりやすい構図に
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別れる決心(2022年製作の映画)

3.5

演出の巧みさが際立っている。特に、取調室のカメラから取調べの様子を見せる演出は、ソレの片目だけを映すことによって事件の不可解さを増幅させていた。

また、ソレが中国語を話す際には字幕がつかないため、序
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マイ・インターン(2015年製作の映画)

4.0

世代間での分断に対する最高の解決方法。ただ、主要な登場人物が全員良い奴なため、現実ではそう上手くいかないよなと思う。

スラムドッグ$ミリオネア(2008年製作の映画)

4.0

取り調べ→クイズ→回想と、二段階の階層があるにも関わらず分かりやすくまとめている。ムンバイマフィアについてのドキュメンタリーをNetflixで観ていたため、より内容が入ってきやすかった。

対峙(2021年製作の映画)

4.5

見終えてどっと疲れが押し寄せる作品。キリスト教の考え方に詳しくないのでこの映画の意図を半分ぐらい理解出来ていないが、答えのない問題に向き合うためのこのような制度が生まれた成り立ちも知りたいと思った。>>続きを読む

アメリカン・ファクトリー(2019年製作の映画)

4.0

米中の文化の違いによる対立を描いていると思いきや、最終的に人間対機械になっており、深いドキュメンタリーだった。中国の仕事への向き合い方は一昔前の日本のようだった。この映画で登場する中国人が何故あそこま>>続きを読む

ケイコ 目を澄ませて(2022年製作の映画)

5.0

音のリズムが心地よく、無駄を削ぎ落とした物語にテンポをもたらしていた。

河川敷が印象に残る。

サマーフィーリング(2016年製作の映画)

4.5

空が綺麗。

人の心が回復していくにはこのぐらいの時間がかかる。

青春群像(1953年製作の映画)

4.0

地元でダラダラしてるだけの5人組がどう現実と向き合うか(或いは向き合わないか)という話。モラルドが電車に乗って町から離れるシーンで、旧友が眠っているところから離れていくような演出は至高。

サンドラが
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イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)

4.5

序盤で近景→遠景のショットが多用されており、イニシェリン島の絶景を印象に残すと共に、物語に奥行きを持たせている。また、回想シーンなどを用いて仲が良かった頃の姿を見せることなく、主役2人の演技によって観>>続きを読む

パーム・スプリングス(2020年製作の映画)

4.0

気軽に見れて面白く、何となく心に残る良作。

結婚はこれまでの楽しい日々を捨てて、ダイナマイトで自分を爆破するぐらいの大事かつ、やってみないと分からないようなものだが、少なくとも一人でいるよりマシだよ
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たかが世界の終わり(2016年製作の映画)

4.5

『いつも』の家族に異質な要素が加わることで、これまでの世界が壊れてしまう話。12年も帰省しなかったルイが急に帰ってきた理由を家族全員が何となく察しているものの、誰もがそれぞれの理由でその告白を聞きたく>>続きを読む

サポート・ザ・ガールズ(2018年製作の映画)

4.5

話にフックがない分、現実味を感じた。屋上のシーンは最高。

映画の90分で彼女達の人生が大きく良くなった訳ではないが、硬直した人間関係や嫌な奴から抜け出すきっかけが生まれているのが素晴らしい。

アフター・ヤン(2021年製作の映画)

5.0

後世に受け継がれていくであろう大傑作。

大きな起承転結は全くないが、美しい画とストーリーで、気付けば映画に没頭している。生と死、存在と不在といった二元論に収まらない世界を提示している。

ワーロック(1959年製作の映画)

4.0

登場人物の心情が一本調子ではなく、楽しめた。

何人か無駄死にでは…

未来惑星ザルドス(1974年製作の映画)

4.5

ストーリーは一部ついていけない所があったものの、タバナクルの内部は悪い夢を見ているかのようで気持ちよかった。

そばかす(2022年製作の映画)

5.0

今年の邦画でトップクラス。

全体的にカメラが登場人物に寄ることがなく客観性を維持していたが、チェロの演奏シーンで初めて佳純をアップで映した。そのシーンでなぜか分からないがぐっときた。

焼肉の喧嘩シ
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パンチドランク・ラブ(2002年製作の映画)

4.0

PTAお得意の少しややこしい主人公の恋愛映画。主人公と7人の姉の関係が、映画制作者と批評家の関係を表しているように感じた。そう考えると、急に暴れたり泣き出したりする主人公はPTAの苦しみを表しているの>>続きを読む

シスター 夏のわかれ道(2021年製作の映画)

4.0

一人っ子政策とジェンダーバイアスの話。登場人物全員に奥行きがあり、良い人であり悪人でもあるという描き方が素晴らしかった。ロシアの人形を見ていた叔母さんが、『女将さん』という記号で呼ばれて我に帰るシーン>>続きを読む

裸足で鳴らしてみせろ(2021年製作の映画)

4.5

目で見れる、手で触れられるものだけを信じるか、感じること、覚えていることまで信じるかという対比構造が面白かった。

最初のバーで飲んでいるシーンの友人4人での会話のリアルさが出色。