トラボルタさんの映画レビュー・感想・評価 - 7ページ目

正しい日 間違えた日(2015年製作の映画)

5.0

ホン・サンスお得意の飲み会、煙草、不倫ものだが、まるで純文学を読み終えた後のような恍惚とした状態になった。キム・ミニがラストで映画を見ている時、頬杖をした左手に指輪が光っていた。

よこがお(2019年製作の映画)

5.0

加害者が被害者になり、復讐のために少しずつ狂っていく。人間の嫌な部分が浮き彫りになる、個人的に最高の映画だった。

窓1枚を隔てて他者を見る様子が効果的に使われているが、マスコミを通して様々な事件に触
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ガザ 素顔の日常(2019年製作の映画)

4.0

ガザ地区の素顔ということで、生活している人々の暮らしぶりや文化を知れたらと思い、鑑賞した。しかし、イスラエル国境付近での小競り合いによって身体を欠損してしまったラッパーが登場したあたりから、ガザ地区の>>続きを読む

WANDA/ワンダ(1970年製作の映画)

3.5

映像の質感は良いと思ったが、自分にはまだ早かったという印象。ただ、轟音のラジコン?を2人で見るシーンでは、世界に広がっている広大な空と、自分達の世界から抜け出せない2人の対比が素晴らしかった。ワンダが>>続きを読む

夜の浜辺でひとり(2016年製作の映画)

5.0

キム・ミニ演ずるヨンヒをとても純粋だとして神聖視し、ホン・サンス自らの不倫を正当化するような映画で正直気持ち悪い。しかし、終盤のヨンヒとソングン監督の会話劇における、ソングン監督の台詞はホン・サンス自>>続きを読む

クレアのカメラ(2017年製作の映画)

4.5

毎度お馴染みのホン・サンスズームを用いて、男女の三角関係に仕事が混ざってくる、地獄のような状況から人間性を炙り出している。今回はクレアが良いアクセントとなり、彼女が写真を撮ることによって別人になる、つ>>続きを読む

草の響き(2021年製作の映画)

5.0

・大傑作。何度も見直すことになると思う
・毎日走らないといけないというこだわりの強さ
 →走ることで快方に向かっているのではない
・走ってる時は何も考えなくていいから、めっちゃ気持ちいいの分かる!
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PLAN 75(2022年製作の映画)

4.5

・個人主義と新自由主義の末路のようなディストピア
・ただ、死ぬ権利自体は場合によって認められるべきだと思う。

シェルブールの雨傘(1963年製作の映画)

4.0

・ファッションも内装もめっちゃおしゃれ
・ストーリーはひまわりを想起したが、この時代の定番のドラマチックなものなのだろう。
・開始早々の、上から雨の中の人々が行き交う様子を納めたショットがめちゃくちゃ
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ベイビー・ブローカー(2022年製作の映画)

4.0

・1つ1つのショットを切り取っても、全て絵になる
・イ・ジュヨンはもっとキャラを立てることが出来たはずだが、それをしなかったのは何故だろう。

イントロダクション(2020年製作の映画)

4.0

・ホン・サンスお得意のズームが印象的
・映画の中で演技としての抱擁について語るメタ的構成

恋人たちの予感(1989年製作の映画)

4.5

・メグ・ライアンがオーガズムの真似をした後に、横の席の女性が同じ物を注文したところにこの映画のセンスの良さが詰まっている。
・クリスマスツリーの運び方の対比構造。
・友人関係は、一方が依存されていると
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恋は光(2022年製作の映画)

4.5

・開始早々のショットにインパクトがあり、いきなり引き込まれた。
・西野七瀬可愛すぎてしんどい。
・ハーレムラブコメとしては「街の上で」を思い出したが、オシャレさの代わりに岡山の風景がマッチしていて、こ
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メタモルフォーゼの縁側(2022年製作の映画)

4.0

・走る芦田愛菜
・雪とうららの心情をシンクロさせ、物語に厚みを持たせている
・習字教室の生徒の書く字が雪の心情を分かりやすく表していた。
・古川琴音の心情にフォーカスした作品も観てみたい。
・芦田愛菜
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トスカーナ(2022年製作の映画)

3.0

・扱っているテーマは普遍的
・トスカーナ地方の景色や、美味しそうな料理か出色
・主人公の料理人にとっては自分を省みることが出来て良かったのかもしれないが、弁護士は可哀想すぎないか

やがて海へと届く(2022年製作の映画)

4.5

・純文学的な余白の多い映画のため、鑑賞者を試す映画とも言えると思う
・他者に合わせる(チューニングする)人の喪失
・死んでも廻り廻って好きな人の元に帰る描写が好み
・崖の上で真奈とすみれが話すシーンで
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滑走路(2020年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

・全体的に台詞も芝居も臭い
・翠が勝手に車から降りて来たところに全てが詰まっている。このシーンのために高校生パートがあったとでも言えるぐらいだ。

ハケンアニメ!(2022年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

・細かい所での違和感は拭えなかったが、一部が刺さったので、大傑作
・他の人を巻き込んで自分のこだわりを通そうとして、嫌がられるシーンはとても共感
・柄本祐の「100に届いて、刺さるのは1あれば良い方」
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流浪の月(2022年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

・開いた窓→自由への渇望
・家父長制DV野郎の描き方がテンプレだった
・セックスが出来ない、したくない2人の性への欲求
・結局の所、全ての出来事は当事者しか分からない
・自由であること、自分らしくある
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ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス(2022年製作の映画)

3.5

・初見でも複雑な世界観を理解させる構成の巧みさに脱帽
・内容は通常のヒーロー映画と近く、特筆すべきものがないように感じた
・オープニングのマルチバース上での戦いと、ラストのスカーレットとの戦いでの対比
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