くるぶしさんの映画レビュー・感想・評価

くるぶし

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ほつれる(2023年製作の映画)

3.8

パートナーに気を遣われることの息苦しさや、紡がれる会話の糸口の見えなさをここまで可視化できるのかと驚いたが、加藤拓也監督と知り納得。
会話劇で引き込ませる展開はお手のものですよね。起承転結の展開が早い
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キリエのうた(2023年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

このテーマをやりきるなら、最低あと倍、6時間ぐらいないと収まらないと思った。
必要ないシーンもあるが(特にナミダメさん強姦シーンは本当に意味がわからない)、足らない情報が多すぎる。マオリがどうしてイッ
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怪物(2023年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

試写会で見ました。

わたしのラストの解釈は「少年たちは虹の橋を渡りました」です。線路への柵が取り払われ自由に羽ばたく2人という…そして、これは本当に最悪のラスト。

少年たちの家族に対する悩みや成長
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若き仕立屋の恋 Long version(2004年製作の映画)

3.6

「若き仕立て屋の恋」ロングバージョン、期間限定劇場公開!ありがとうございます!
隅から隅までカーウァイのエキスが凝縮されていてファンとしては大変満足いたしました。

今の価値観に合わせてしまうと、強者
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his(2020年製作の映画)

2.8

氷魚くんの「エゴイスト」を見るために、hisを再鑑賞。
日常的に垣間見るホモフォビアたちによる精神的いじめの描写はリアリティがあって心臓が痛くなる。当事者にしかわからない痛みをわかりやすく共有してくれ
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別れる決心(2022年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

忘れないうちに個人的な解釈を思い出したら記録していきます。
完全にネタバレなので未見の人は見ちゃダメです。

近年稀に見るブッ刺さり方をしたので試写会と先行上映で2回見ました。個人的解釈なのであしから
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ハケンアニメ!(2022年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

普段アニメをほとんど見ないので、制作現場の状況や宣伝の動きなど“裏側”までこだわって作っているなというのをとても感じました。良質なお仕事ドラマに仕上がっていた。業界人あるあるを体現していた佑氏は輝いて>>続きを読む

トガニ 幼き瞳の告発(2011年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

韓国公開は2011年、日本公開が2012年なので見るまでに10年以上かかってしまった…。

光州で実際に起きた、教師による聾学校生徒への性的虐待事件を生々しく実写化した問題作。
今まで史実を描いた作品
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きっと見つける(2023年製作の映画)

3.2

どの国の親も就職しないで遊んでいるように見える息子をどうにか社会人にしたい、と願っているんだなぁ。
そんな人生迷子の男の子が、リアル迷子になってしまったいっぬを深い山の中から探す実話をもとにした物語。
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花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)

3.0

全部が全部肯定してくる人が苦手なので(尊重してるかのように見せかけて実は見下してる人多いから)、「これは運命だ」と思えない自分には苦痛であった。好きが全部同じなんて、んなわけあるかい!始まり方が崩壊へ>>続きを読む

THE FIRST SLAM DUNK(2022年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

ツイートで若干ネタバレを食らうもほぼまっさらな状態で鑑賞。
湘北メンバーが画面の中で走り出した瞬間に、止まっていた時計の針が動き出したかのようで感無量でした。しかも、まさか、え、山王戦!?という衝撃の
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ある男(2022年製作の映画)

4.5

原作未読。
やぁーーーーーーー大好物でした。期待以上。ストーリーは淡々と進む印象だけれど、その実、階段を着実に1歩1歩上っていくような積み重ねがきちんとある。大小問わず、テーマがころころと姿形を変えて
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犯罪都市(2017年製作の映画)

3.7

マブリー来日!に歓喜したのも束の間…来日中止になってしまいしょんぼり、、、3もすでに撮影はじまっているので、次の機会を待っているよ…

とりあえず2の前に1をおさらいしておきました。
今見返すと大変に
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マイ・ブロークン・マリコ(2022年製作の映画)

3.8

最近は1話1時間越え全16話みたいな韓国ドラマばかりみているので、弊害かもしれないんですが、映画というコンテンツのなにが辛いって起承転結を約2時間に収めることなんですよ。
複雑な物語にすればするほど描
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モガディシュ 脱出までの14日間(2021年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

韓国の南北関係を描いた名作「JSA」が2000年公開ですが、本質的な対立問題は20年以上たっても何も変わらないのだなぁ…と複雑な気持ちになりました。
韓国人は一体どんな気持ちでこの物語を受け止めるので
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ソー:ラブ&サンダー(2022年製作の映画)

3.1

「もっとかっこいいソーが見たかった!」というのが本音。
クリヘムにコメディセンスがあることはもうわかっているので、さらに上乗せしてもスベるだけという残念な使われ方をしていて発狂しそうだった。
タイカ・
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ベイビー・ブローカー(2022年製作の映画)

3.4

このレビューはネタバレを含みます

感想は後ほどゆっくり書きますが、ここまで脚本がすかすかなのは、一体どういうことなのか…自分には「偽善」を箱に詰めてラッピングしたような映画に感じる。

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リトル・フォレスト 春夏秋冬(2018年製作の映画)

3.8

その土地、土壌で作られた素材をどう調理し、目で味わうか。
“食”をテーマにした作品は、「かもめ食堂」からはじまり日本だとたくさん制作されているので韓国を舞台にしたらどうなるのか大変興味深かったです。
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JSA(2000年製作の映画)

4.0

近隣の国が戦争をはじめるという状況を味わうと、この映画の肌触りが変わる…

鬼才パク・チャヌクの監督デビュー作。さすがに20年以上も前の作品のため映像の拙さは確実にあるのだけれど、軍事境界線がいまだ残
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PASSION(2008年製作の映画)

4.0

はだかんぼうで人間は生まれてくるのに、みんながみんな、きったねぇオトナになるんだよーと目の前で叩きつけられたような居心地の悪さは完全に未体験。

卒業制作ということは濱口さんは20代、走り出し、映画監
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僕らの先にある道(2018年製作の映画)

4.0

人生はたらればの連続で、
恋愛もたらればの連続で、
でもどこかで辻褄があうようにできている。

過ぎ去った時間や大切にしたいと願った思いは確かに事実としてあった。キラキラ輝いて、そこにあった。

後悔
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声もなく(2020年製作の映画)

3.8

のどかな夏の田園風景に溶けこむ死体処理と擬似家族の行方。

途中なんどか想像を裏切られる展開があってわくわくした。
不穏な空気と緊張感が最後まで持続する。そしてラスト、糸がぷつりと切れてから結末までの
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ハッピーアワー(2015年製作の映画)

3.9

イチゴ、レモン、ぶどう、オレンジ、4つの飴を一気に口にいれたらどうなるか、という映画。

おいしいんですよ。
味は混ざってもおいしい。
30代を越えてから友人関係となった女同士に突拍子もない異分子が入
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偶然と想像(2021年製作の映画)

4.4

2022映画はじめに選んだ本作。

見終わったあとの幸福感は瞬時に薄れ、なぜかどうにも悲しくなってしまい混乱している。
まぁいいや。混乱してるまま書く。

“偶然と想像”をテーマにした短編3作からなる
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ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

4.3

村上春樹の原作小説の映画化は、企画自体もうないだろうなと諦めていたし、それでいいと思っていた。
まさか短編の要素を抽出+肉付けして長編をつくるとは…。
厳密にいうと縦糸が村上春樹で横糸がチェーホフか。
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ただ悪より救いたまえ(2019年製作の映画)

3.7

引退したかった殺し屋と復讐に燃えるヤクザが国を越えて交戦する壮絶な追いかけっこが、麻薬組織と警察の癒着や、人身売買・臓器売買など裏社会の背景を織り交ぜながら描かれるバイオレンス・アクション。

1本の
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茲山魚譜 チャサンオボ(2019年製作の映画)

3.9

この作品が一編の詩であり、人が何を糧に毎日を営み、学問を活かすべきかという「命の根源」にまつわる物語でした。

島流しにあった学者の先生と、その島で漁師をする青年。年齢、職業、身分や肩書き、なにもかも
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お嬢さん(2016年製作の映画)

4.6

「キワモノは突きつめると芸術になる」という概念はたしかにあるように思う。
が、諸刃の刃といいましょうか、“エロ”と“芸術”の間=冷静と情熱の間、均衡を保つのは難しい。

ただ、この作品はストーリーライ
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エターナルズ(2021年製作の映画)

3.7

人間と宇宙の創造、共存に深く関わるエターナルズ誕生の物語。
壮大な話を最大限に努力してわかりやすくまとめきったのは評価されてよいと思うのですが…
好きか嫌いでいうと、嫌いなタイプの物語でした。“犠牲”
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幼い依頼人(2019年製作の映画)

3.6

「10歳の姉が実の弟を殺害」という前代未聞の事件の真実とは……。

韓国で実際に起きた幼児虐待事件を元に実写化した法廷ドラマ。

見終わったあと、この世の中の絶対的な“悪”とはなんなのだろうと、どうに
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ユ・ヨルの音楽アルバム(2019年製作の映画)

2.9

このレビューはネタバレを含みます

「D.P.」放映開始記念、引き続きチョン・へイン祭り。

「トッケビ」キム・ゴウンちゃんとW主演のラブストーリーは、ストーリー展開が破綻しすぎてついていけませんでした。残念…。
結局なにに対してケンカ
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君の誕生日(2018年製作の映画)

3.7

2014年に韓国で起きたセウォル号事件。304人が亡くなり、そのなかの大多数を占める250人が修学旅行中の高校生だったーーー。

実際に監督が当事件の被害者遺族のケアを経験したことから着想したそうだが
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ディヴァイン・フューリー/使者(2019年製作の映画)

2.8

韓国発エクソシストを題材にしたオカルトムービー。
オカルト系はまったく好んで見ないので、かなり久しぶりです、このB級感。

“悪魔祓い”という行為が仏教徒よりもキリスト教信者の多い韓国でどのように受け
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工作 黒金星と呼ばれた男(2018年製作の映画)

4.2

この手の史実を実写化するときの韓国の気概といったらないよな、ほんと…。
原子力開発を巡り北朝鮮へ潜入捜査をすることになった工作員の末路を描く社会派サスペンス。

極限状態のなかでのヒリヒリする心理戦が
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エクストリーム・ジョブ(2018年製作の映画)

3.8

最初から最後までテンションが落ちずにずーっと見ていて楽しかった。
「ベテラン」然り、アクションとコメディを掛け合わせる韓国の警察ドラマは鉄板だな、と。ガンアクションよりも柔道やムエタイといった身一つで
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甘酸っぱい(2021年製作の映画)

2.5

入院先で出会った看護師ダウンに一目惚れしたクマ男子のチャン・ヒョク。
そんなチャン・ヒョクにダウンは仕事の愚痴をいったり甘えたりとなぜか好意的に接してくれ、いつしか恋仲に。
ペアルックができないことに
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