このレビューはネタバレを含みます
試写会で見ました。
わたしのラストの解釈は「少年たちは虹の橋を渡りました」です。線路への柵が取り払われ自由に羽ばたく2人という…そして、これは本当に最悪のラスト。
少年たちの家族に対する悩みや成長の苦しみを放置したまま、爽やかで明るく希望に満ちたシーンで終わらせたことに怒りすら覚えました。是枝監督の演出力は今作でも遺憾無く発揮されていましたが、だからこそ強引に幕を引いたラストは受け入れられない。
やっぱり、なにも解決していない。わかってない。
加えて、LGBTQを描くのに、少年を主人公にした時点で逃げでしかないでしょう。なぜ彼らは怪物になったのか、ならざるを得なかったのかの説明に「思春期だから」という答えで済ませられてしまう。
ただでさえ親の環境に影響される思春期の子たちは、急に大人を攻撃したり、人を見て平気で嘘もつく。
未熟さからくる危うさと、LGBTQを混同させる描き方をしている。そこは一括りにしてはいけない。乱暴すぎやしませんか…
2部までの大人パートの作り込まれた物語にはハラハラさせられたのに3部で一気に減速。瑛太演じる教師が主役でもよかったのではないかな。
ただ、時系列どおりに映像を並び替えたら、同一人物にはどうしたってならないと思うが。