くるぶし

トガニ 幼き瞳の告発のくるぶしのネタバレレビュー・内容・結末

トガニ 幼き瞳の告発(2011年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

韓国公開は2011年、日本公開が2012年なので見るまでに10年以上かかってしまった…。

光州で実際に起きた、教師による聾学校生徒への性的虐待事件を生々しく実写化した問題作。
今まで史実を描いた作品は多々見てきましたが、これは本当にあったことなのかと疑いたくなるほど卑劣で非人道的なストーリー展開に何度も再生ボタンを止めては、「きょうはやめておこう」を繰り返しました…そのぐらい強烈に気持ちが悪い。そして韓国の腐敗した司法含めて、最後まで何も救われないという絶望。虚しさに襲われて、もうメンタルぐちゃぐちゃ。

ただこの作品がすごいのは、作品を見た観客が“このままではいけない”と、うねりを起こし、障がい者への権利と時効を無効にするというトガニ法を制定させたこと。実際の事件の加害者には実刑10年+αがくだされている。

権力や司法が「人として正しくありたい」という心を簡単に捻じ曲げていくのが恐ろしかった。仕事や家族、守るべきものがあればあるほど真っ当に生きることが難しい昨今、自分ならばどうしただろうか。

「事件を埋もれさせてはならない」と小説にした原作者、監督、俳優キャストにはただただ敬意を評したいです。
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