ボーは多くの(仕組まれた)不条理に見舞われて、どんどん追い詰められていく。作られたスキゾフレニーの世界。原因が無いのに、怒鳴られる、襲われるなど結果だけを外部から浴びせ続けられる。そんな時に逃げ込みた>>続きを読む
たぶん幼稚園か小学生、そのちょうど間くらいの時期に、家のHDDに録画されていて、何度も繰り返し見た思い出がある。とはいえ、面白いものというよりは、怖いものという印象の方が強くて、特に人のいないゴースト>>続きを読む
本作のリメイク元であるダリオ・アルジェントの『サスペリア』は、背景でバレエスクールが焼けるなか、スージー・バニヨンが意味深な微笑みを残して去るという印象的なシーンで締め括られるが、このラストには様々な>>続きを読む
あえて凄く単純化すると、いつも隣に居てくれる人がいないということへのルサンチマンを社会に投影したって仕方ないよ、って話だったと思う。女中心社会と男中心社会の両極に分かりやすく振れながら、それで変わる部>>続きを読む
北欧スウェーデンの冬、音のない寒々しい雪景色と昼と夜の時間の境目があまりないような不思議な季節が、長い時を生きてきたヴァンパイアの生や孤独とリンクして、観進めていくほどに時間感覚が失われていく不思議な>>続きを読む
「作文に書かれている夢は、やっぱり異常だったわ。」このシーンが一番気味が悪い。この人間には心がないとまで言われても、それでもやっぱり渇望を止めない心はあったわけだ。
コント的な誇張が垣間見えてしまう>>続きを読む
音楽がエンリオ・モリコーネだということに驚きながら、いつ物語の鍵を握っていそうな猫が出てくるのかと待っていると、まさかの登場の仕方でびっくり。特段ミステリー的な面白さがあるわけではないけれど、姪っ子は>>続きを読む
オアシスというバンドが伝説となった日、それが1996年というインターネットの黎明期、時代の転換点であったというのは何か出来すぎているかのように思う。
アパートの部屋で、隣にも下の階にも人が住んでいるの>>続きを読む
アルファベット、意味を成さない言葉。寸断された意味。その後の作品の萌芽が間違いなくある。
前情報何もなしで見せられたら、まずクローネンバーグ作品だとは思わないくらい、異形のクリーチャーも登場しなければセンセーショナルな描写もない。とはいえ、身体のぶつかり合いを撮らせればさすがの強烈さで、特>>続きを読む
サングラスを少しずらした女性の顔半分が大きく切り取られたポスターからは、ジョン・カーペンターの傑作『ゼイリブ』を想起せずにはいられない。あの作品ではサングラスが、見えないものが見えることの象徴だったが>>続きを読む
11月、徹子の部屋に岡田茉莉子が出ると聞いて、生まれて初めてなんとなくではなく「これは見よう」と決めて徹子の部屋を見た。その番組中で何度も名前が挙がっていた本作。
岡田茉莉子の17年という時間を感じ>>続きを読む
そんなに人のいない地域に住んで、たまに東京なんかに行くと、すぐに人混みが嫌になって、1日過ごそうものならそれだけで辟易としてしまうのも間違いないのだけれど、それと同時に、自分の全く知らないたくさんの人>>続きを読む
エマ・ストーン演じるベラの顔をアップで捉えたキービジュアルに強く惹かれてしまって、今、大判ポスターで欲しいビジュアルNo.1なのだけれど、これがまた、その想いを裏切ることのないエンターテイメント作品で>>続きを読む
クリスティーヌとジルの交わりよりも、ボブ・ディランの『Knockin'On Heaven's Door』をBGMにドラッグを回して吸う若者たちの姿の方が印象的だった。とにかくパーティーのシーンが良い。>>続きを読む
どんな連続殺人鬼に狙われるよりも、夜道に犬に追いかけられる方が恐ろしい。
とにかくお見事。安心して観れるジャッロ。「消去法で残ったものが、いかに信じがたくとも真実だ」というコナン・ドイルからの引用をこ>>続きを読む
一定のサイクルで、石が川やカップ目掛けて投げ込まれる。まるでこちらに催眠をかけるかのようなその反復的行為は、進んでいないのか、それとも行きつ戻りつしているのか分からない時間に、ナンセンスに追われる白ウ>>続きを読む
全く予想のできなかった展開。そりゃあ心と身体はどうしても繋がっているもんね。
吐き出そうとしても吐き出し尽くせない怒りが、肉体の変容と奇形児を産むという形/メタファーで吐き出される。まるで母親の体内の>>続きを読む
13分間のベルモンドのしゃべくり映画。小さな部屋を縦横無尽に使いながら、決定的な事は言わず、先延ばしのために延々と続く無駄話を面白がる。ベッドに横になったアンヌ・コレットが可愛い。
女が男を小馬鹿にするようなタイトルが、実は逆に男の口車に乗せられた結果だという形で回収されるのが秀逸だし、部屋と洗面所を行き来し続けるという落ち着きの無い、浮わついた雰囲気の中で交わされる、お互いに見>>続きを読む
年末年始に実家に帰省した時に、父に「持って帰って観ろ」とDVDを手渡された本作。
80年代アメリカンコメディど真ん中で、とても久しぶりに明るく楽しい映画を観たという印象。
銀行に強盗しに来るシーンから>>続きを読む
最初のカットから、あまりの映像の綺麗さに驚愕する。あの頃のハーヴェイ・カイテル、ティム・ロス、スティーヴ・ブシェミらがまるでそこにいるようだった。今まではカイテルとロスに目が行きがちだったけど、こう改>>続きを読む
あまりに美しく、精緻に組み上げられた画面というものは作為ではなく、奇跡のように見えてしまうことを知った。神性を帯び、畏怖すら覚えてしまうまでに。この約2時間の映画鑑賞はそういう体験だった。
空間にお>>続きを読む
OPからラース・フォン・トリアー節炸裂という感じで、全8話を観終えても、キングダム病院の構造すらも把握できないし、全体の冗長さも重なり、自分がどこにいるか分からず迷い込み、ゆっくりと首が絞まっていくよ>>続きを読む
「この世界には、たくさんの世界がある。つながっているように見えても、つながっていない世界がある…」
もしも、この台詞に続きがあったとしたら、こう続くと思う。
「それでも、つながったように思える瞬間が確>>続きを読む
タイトルバックへの入り方が秀逸な作品と、いくつかの章やパートに分かれている作品に面白くないものはないという私見に漏れない良作。マハーシャラ・アリを始めとした俳優陣にも安心感があり、終末的な物語のスケー>>続きを読む
映画三部作の中では一番良かったのではないかな。ちょっと謎を残すくらいの方が好み。
最初は杉本哲太、親分が死んだからって綺麗さっぱり足を洗って警察に!?と思ったが、全く別の役なのね。シリーズ1作目『我が>>続きを読む
出てくるヤクザがどうも安いチンピラみたいで違和感が凄い。塚本晋也もああいうトガった人物の役は似合うけれど、何だか浮いてる感じがする。手を貫かれた後に「チクショー!」はないでしょう…
濱マイクシリーズの第一弾、ドラマ版に負けず劣らず良いストーリーだった。湿度を纏った物語の雰囲気が非常に魅力的かつモノクロの画面にマッチしていた。何よりラストシーンが印象的。若くシャープな永瀬正敏も良い>>続きを読む
複雑なことはせず、シンプル。かつ美しい。ダリオ・アルジェントらしい作品。
アルジェント作品を観ると、毎回書いてるような気がするけれど、相変わらずゴブリンの音楽はさすがだし、その素晴らしい音楽の使い方も>>続きを読む
冒頭のプロローグで「これを読むと本当の彼女の姿が分かる。勇ましい武将ジャンヌではなく、ありのままの人間としての彼女。」と語られる。確かに作中ではジャンヌの迷い、敬虔さが、虚飾のない顔のクローズアップに>>続きを読む