悲しい作品だが、意外と佳品だな。前回は、視点が棟本という小説家だったが、今回は、そういうのではないので、いっそう、悲しい。
簡単にあらすじ。
貧民の山口善助の物語。軍に召集され、中国に渡り、軍犬部隊>>続きを読む
「対峙」とテーマが同じで、「対峙」は妙に完成度が高いしなあ。「赦し」の方は妙に緩い感じなのだ。被害者の父親は髭面でいつもうまそうに酒を呑む。辛そうな酒ではなくうまそうな酒なのだ。母親は離婚しているが旧>>続きを読む
うーむ、やはり、山田洋次監督は、特権階級が凄く嫌いなのだ。だったら、そういう人物を取り上げなければいいのに、と思ってしまうが、実際、監督とはいえ、そういう権限はないのだろう。
せっかく、名優、桃井かお>>続きを読む
なにが悲しくこういうド三流映画に松田優作さんが出演しているのだろうと思ってしまう映画だ。まず、いいところだけ書いておく。松田優作さんが主演している。ちょっとエロいシーンがある。見続けることが苦痛という>>続きを読む
意外と面白い。なにせ、途中で主人公、まあ、犯人なんだが、が入れ替わってしまうのだ。それが、スマートなので、テンポがよくなる。
また、警察がものすごくもたついていて、そのことで手に汗握る感じになってしま>>続きを読む
意外と佳品だったりする。戦争映画なので、あまり興味はなかったが、実際は、戦闘シーンはあまりない。主なシーンは、軍隊の中での生活ぶりである。その点では、お仕事映画ともいえる。
視点は、作家の棟本博。軍隊>>続きを読む
緋牡丹シリーズの最後にして、任侠映画の最後でもある。ただ、最後だからといって、有終の美を飾るわけでもない。最後ということは、もう、次がないわけで、緊張感も張り合いもなくなるということでもある。今作は、>>続きを読む
もろに最後のちゃぶ台返しを食らった。いやあ、やられたな、という感じよりも、いまの時代の生々しさが、ヘタなドキュメンタリーを見るよりもより切実に実感させられてしまうのだ。こういう方法もあるんだというとこ>>続きを読む
男はつらいよシリーズの主役はもちろん、寅さんなのだが、この作品で初めて、寅さんの凄味が前面に出てくる。シリーズなので、脇を固めてから、ということもあるのだろうけど。
第5作望郷編で、寅さんの得意技、葬>>続きを読む
アリ地獄のような秋津温泉というのが、よく表現されているとは思うものの、いま見て面白いかどうかというと微妙な気もする。
どういうことかというと、この作品は、ヒロインがいかに可憐で素晴らしいかということで>>続きを読む
バカな人が大活躍する話ではない。かと言って、バカな人をあざけったり、卑下する話でもない。成功したり失敗したり、とにかくそれなりにやらかすのが、妙にしんみりとしてしまう。山田洋次監督はやはり非凡な監督だ>>続きを読む
まあ、こんなもんか、という感じだ。それにしても、かつての風俗産業を扱った映画、ろくなものはないなあ。唯一の例外が新藤兼人監督の「墨東綺譚」くらいか。ただ、この映画は直接、風俗産業を扱っているわけではな>>続きを読む
助っ人としては、鶴田浩二さん(地元やくざの親分で百姓の味方)、若山富三郎さん(熊虎親分)が登場するが、実は、ほとんど何もやっていない。ということで、初めて、緋牡丹お竜、単独の主役作品といえる。なのに、>>続きを読む
この映画のタイトルをもっとわかりやすくすると、「本当はひとりぼっちだけど、ひとりぼっちじゃないと感じ始めたら、それはやばいんじゃないの」という感じだろうか。取っ付きにくいし、わかりやすいストーリーがな>>続きを読む
芸能史や文化史などの貴重な史料ではあるかもしれないが、とりあえず、レビューシーンが長過ぎ。
SKD(松竹歌劇団)や浅草国際劇場のシーンなんて、本当に貴重だな、とは思うけど。
テーマは夢と現実、あるいは>>続きを読む
「狼と豚と人間」は三兄弟で、こっちは兄と弟だが、設定は似ている。兄は家を飛び出し、やくざになって羽振りのいい生活をしている。残された弟は親の介護を押し付けられ、貧乏くじ。ヤングケアラー状態なわけだった>>続きを読む
長回しというのもうまくいくと、すごく臨場感があるものだが、下手をすると、まったくの三文芝居を見せられているようになってしまう。
この作品も戦後すぐで条件があまりよくなかったのかもしれない。でも、赤線地>>続きを読む
毎回同じネタで、ストーリーはあまり関係ないと思っていても、さすがに飽きてくるなあ。カラーになってより情報量が多くなると、さらに飽きてくる。ストーリーが同じなら、いっそのこと、ストーリーはなくてもいいの>>続きを読む
今回の助っ人は、鶴田浩二さん(流れ者)、若山富三郎さん(熊虎親分)、丹波哲郎さん(味方してくれる親分)。なんとなく落ち着いた趣のある雰囲気になっている。最初の頃の任侠ものの雰囲気である。存在感が薄くな>>続きを読む
おばはんののろけ話かよ、勘弁してくれ、と思ったら、まったく違う話なのね。全然いいこともないし、希望の光もなく闇に閉ざされてしまうときに、それでも、やっぱり、人間は光を見るものなのかな。それが映画だとし>>続きを読む
やはり、脚本は当て書きなのだろうかと思わせてくれる。中村雅俊さんらしい、きっちりしたいい終わり方。最初はぎこちない感じだったが、しめるところはきちっとしめる、というところか。俺たちの旅では、浩介で、カ>>続きを読む
ストーリーはとくになく、居酒屋兆治とその主人である藤野英治を中心にした群像劇である。妙にさらっとしているのは、原作が当時、有名だったらしく、映画を見に来る人はたいてい、筋書きを知っているという前提があ>>続きを読む
瀬戸内海の島の庶民の暮らしがよく描かれている。なんといっても伴淳三郎さんが素晴らしい。口は悪くていつも怒鳴っているが情に厚い。視点が島のお医者さん、吉永伊作の目線になっている。島の人びとを俯瞰するため>>続きを読む
二作目にしてコケ芸が多くなっていく。さらに落ち芸である。桟橋から海に落ちるのである。これでは、渥美清さんの話芸、語り芸がまったく生きない。シリーズが三作目で終了したのは、制作側と渥美清さんの間が、あま>>続きを読む
ついに緋牡丹お竜の存在感はゼロになってしまった。ただ、作品的には面白く、とくに、最後の殴り込みではないが、決闘シーンは、任侠映画の中でも、五本の指に入るぐらいの迫力あるシーンとなっている。
例によって>>続きを読む
完全に置いてかれた。ストーリーがわからないと嫌だという人は、二度見するか、ネタバレサイトで予習しておいた方がいいです。とりあえずファムファタールものの作品だ。登場人物は、容疑者にして男を惑わすソン・ソ>>続きを読む
前半(スコア3.9)はパーフェクトですばらしい仕上がりの作品。ところが、後半(スコア1.9)は失速してしまう。山田洋次監督は、よほど特権階級の人間が嫌いらしいのは分かったけど。しかし、これでは、アラカ>>続きを読む
錚々たる女優さんたちが出演していて、ヌードシーン、セックスシーンを見せてくれるわけだが、なぜかあまりエロくない。ありていに言って、ムダだった気がする。なぜそうなるのかというと、観念的でリアルさがあまり>>続きを読む
意外と傑作だ。前半は、キューブリック監督の「現金に体を張れ」の丸パクリだが、ひょっとすると、「現金に体を張れ」よりも面白いかもしれない。
太陽族を根底からひっくり返してしまう映画。太陽族と言えば石原慎>>続きを読む
シリーズ3作のうちに最初なのか。お仕事映画として車掌の仕事を要領よく説明してくれている。主人公の青木吾一は専務車掌である。話はある程度まとまっている。3作目の初詣はコケ芸だらけでつまらないが、今作は、>>続きを読む
相変わらず助っ人が入る。今回は、高倉健さんと長門裕之さん。話は統一性を失いバラバラである。川運搬業者が狂暴そうだけど味があるということぐらいか。長門裕之さんはせっかく助っ人で出てくるが残念ながら出番は>>続きを読む
「おくりびと」と同様のお仕事映画。取り上げられるのはマリッジカウンセラー、結婚相談所の仕事である。不動産会社から出向で結婚相談所「とわえもわ」にやって来た赤羽昭雄氏が主人公。昭和のオヤジという名目だけ>>続きを読む
重い、深い、悲しい。男はつらいよシリーズにも、こんな隠れた(隠しているわけではないけど)名作があるのだ。
今回の冒頭は、かなり悪乗りの寅さんで始まる。見ているこちらもイラっとするぐらいの悪乗りだ。
さ>>続きを読む
昭和の風景が懐かしい。国鉄というのも懐かしい。昔は貧乏くさかったがのんびりしていたなあ。そういうノスタルジー以外で、いま見て、面白いかどうかというと、どうなんだろう。話的には、悪者は出てこないし、悲し>>続きを読む
この手のカルトっぽい映画は、たいていトンデモ映画が多いのだけど、さすが鈴木則文監督、見ごたえがあるとまでは言えないけど、普通の映画に仕上げてきた。普通にちゃんと見れて、いい感じの部分もある。しかも、こ>>続きを読む
wikiネタからだが、公開当時は、えらく評判が悪かったということだ。それと、エデンの東を参考にしたということだ。まあ、そういえば、ストーリー的には、そんな感じかもしれない、という程度だが。
評判が悪い>>続きを読む