籠さんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

籠

映画(960)
ドラマ(2)
アニメ(0)

めぐりあい(1968年製作の映画)

4.1

久しぶりのラピュタ阿佐ヶ谷
映画館で観るのは初めてでニュープリントでの濃淡のある色彩で酒井和歌子の様々な表情を堪能した。
川崎の駅、工場、南武線、もつ焼、球場、ちょんの間やドリームランドと渋谷の昔を観
>>続きを読む

TENET テネット(2020年製作の映画)

4.1

初日に観てすんなりハイスコアをつけるのは近年記憶にない。順行と逆行を同時進行させながら現在と未来をこの様に繋いだ哀しきラブストーリー。様々な興奮とため息は音と映像だけではなくキャスティングの妙味。特に>>続きを読む

妖怪人間ベラ(2020年製作の映画)

3.9

好調な英勉はホラーでも突き抜けていて7年前の「貞子3D2」とは違い過ぎる狂気を作り上げた。「犬鳴村」の脚本家と「貞子3D2」以来で組んで今回は上手くいったのは、あんなことをさせた森崎ウィンが出ていた「>>続きを読む

思い、思われ、ふり、ふられ(2020年製作の映画)

3.8

噛み合わないかけ違いの人間関係を壮大な感染絵巻寸前までに引っ張る加減をずっと観ていても飽きない世界があったのは主演4人の魅力と場借りだけの神戸の景色と共に見事な雨を降らせた自然界の操りの妙味だった。映>>続きを読む

幸せへのまわり道(2019年製作の映画)

4.0

トム・ハンクスが監督した「幸せの教室」に引っかけたような邦題が相変わらずな配給業界の現状を物語るが監督した2作品どちらも評価しているのは私以外に知り合いでは1人しか知らないし観た人をあまり知らない…>>続きを読む

ぐらんぶる(2019年製作の映画)

3.9

ここでのしつこい繰り返しをこの様に撮ることが映画好きの周辺で知られていないことが逆に幸いなのかもしれないが様々な人間の配置と描写が絶妙なのでずっと笑いっぱなしで要所の締めも見事。恐るべし英勉!実際はプ>>続きを読む

事故物件 恐い間取り(2020年製作の映画)

3.0

殆ど観る気がしない中田秀夫の近年は過去の日活やJホラーを背負うべき見えない重圧から解放されたようである意味テキトーな見せ方でヒットを連発しているのだと勝手に想像する。今回の唯一の見せ場だった江口のりこ>>続きを読む

宇宙でいちばんあかるい屋根(2020年製作の映画)

4.0

日本的なものがふんだんに登場しながら屋根付き建物ばかりの絶妙なロケ地を配し近年の日本映画とは一線を画したファンタジーとなっていて何故だかずっと泣きながら観ていた。作品の諸刃の刃となり得る桃井かおり、吉>>続きを読む

青くて痛くて脆い(2020年製作の映画)

3.8

たばたとあきよしという名前が連呼されると何だか妙な気分になる。岩井映画とは違う表情で魅せる森七菜がポール・マッカートニーと同じ左でベースを弾き横には亡くなったばかりの鈴木常吉がいたりする。好みのジュブ>>続きを読む

温泉あんま芸者(1968年製作の映画)

3.7

ついでに観たら未見だった…石井輝男は乗っている(やる気がある)かどうかが分かりやすい監督だと改めて思う。そんな中でも橘ますみの可憐さが充分に記録されていて登場まで随分と待たされる吉田輝雄の眼力には痺れ>>続きを読む

やくざ刑事(デカ) マリファナ密売組織(1970年製作の映画)

3.7

このシリーズで観たいのは別の作品だったのだが新世界探訪を兼ねて観た。
ここは安心して映画が観れる安全地帯でホッとした。
仮面ライダーのショッカー的なアクションが感じられそこには千葉治郎がいたりしてよみ
>>続きを読む

ブルータル・ジャスティス(2018年製作の映画)

4.3

Dragged Across Concrete
という原題をどう捉えるか?
底辺を這いずり回りながらも打ちっ放しコンクリート建造物のゴールに辿り着くことが出来るのか?
主要3者の背景と対比を音楽(ソ
>>続きを読む

女生きてます 盛り場渡り鳥(1972年製作の映画)

4.0

最初に観たのは7年前だった。

「国鉄車両ばかり観ていると映像を言葉に出来ない圧巻なシーンが夢に出てくる今日この頃…掛札色が濃くなり有名巨匠とはひと味違った小汚い世界での人間模様が繰り広げられた。お母
>>続きを読む

海辺の映画館―キネマの玉手箱(2019年製作の映画)

2.8

監督縁者の集まりとはいえ延々とノれないのはメインの顔ぶれの弱さと輝きを排除した丸みのある女性陣の撮り方か?3人の内の1人がはるさめくんに似ているなと眺めていた。元気かな?とにかく最初からソール・バスみ>>続きを読む

LETO -レト-(2018年製作の映画)

3.8

80年代のあの頃の夏にまさに先輩からルー・リード、イギー・ポップの聴くべきアルバムを教えてもらったことで音楽の幅が広がったことを思い出す。奇しくも最近になってルーのクソ野郎ぶりを知る記事を読んで愕然と>>続きを読む

ブラック アンド ブルー(2019年製作の映画)

3.8

東京にわざわざ電車に乗って映画だけを観に行くというのが面倒になっている中で‪ソニーなのにイオンが配給することでナオミ・ハリス主演の一般的アピールが乏しい映画を近所で観れる妙…経歴伏線によるリーアム・ニ>>続きを読む

ソナチネ(1993年製作の映画)

4.1

上映前に撮影と今回のプリント監修の柳島克己が登壇し「フィルムならではの見え方で観る側の想像力が深まれば」とのこと。
時代も本人も変わり果てた今、それでも変わらないもの、失われたもの、ようやく気づいたも
>>続きを読む

アルプススタンドのはしの方(2020年製作の映画)

3.7

阪神甲子園球場の内野席と外野席の間にあるそそり立つような大観客席を「アルプススタンド」といい、現在では正式名称にもなっている。これは白いシャツを着た生徒たちが観客席を埋め尽くす姿が、雪に覆われたアルプ>>続きを読む

パブリック 図書館の奇跡(2018年製作の映画)

3.8

構成比的には当然カタカナ警察に見張られるやつだが製作は2017年
悲劇への流れしかない展開を奇跡にどう持っていくか?
そこに感動的に登場する自分が慣れ親しんだ名曲が身体に染みついているのは幸せだ。
>>続きを読む

アングスト/不安(1983年製作の映画)

3.7

アングストというよりもウンバハーゲンが相応しい…音楽はウンバハーゲン=ニナ・ハーゲンではなく…なんとクラウス・シュルツが担当していてサントラ単体で楽曲として成立していた。クラフトワークとは違いアナログ>>続きを読む

ライド・ライク・ア・ガール(2019年製作の映画)

3.8

海外の競馬事情は詳しくないしオーストラリアは尚更だが90年にジャパンカップに出走したプティットイルなんて名前が出てくるから記憶する自分の歩みと被る。春の天皇賞をジャパンカップよりも豪華にした伝統のレー>>続きを読む

リトル・ジョー(2019年製作の映画)

3.9

家から1番近い映画館で何故か上映があり観ると目に見えない違和感や同調圧力への抗う気持ちを持続させることが難しくなってきているコロナ禍の今日この頃でのこの内容はタイムリーだった。カンヌでの受賞で箔がつい>>続きを読む

私がモテてどうすんだ(2020年製作の映画)

3.8

この手を1.2K払って観る余裕はないが雨宿りで仕方なく観ると「WAVES ウェイブス」同様にカメラのグルグルが2回ありこっちの方が楽しい!音楽もTMNのタイミングや劇伴も様々なジャンルを駆使しとても良>>続きを読む

WAVES/ウェイブス(2019年製作の映画)

3.8

ガチのキリスト教映画かと思わせるベタな話にアート色がふんだんに盛り込まれていて、車中でカメラがグルグル回る中でのぶっ飛ばす等の各種車両の運転シーンが特に印象深い。画面サイズが変化する2部構成だったが家>>続きを読む

透明人間(2019年製作の映画)

3.9

ここに至る背景を省略し恐怖がひたすら地味に進行しツッコミ警察に向けて幾つもの落とし物を用意しつつ現れないものが最先端のハイテクと共に2重3重の展開していく夫婦の愛憎話なので実はどの様にも解釈できる見え>>続きを読む

許された子どもたち(2019年製作の映画)

3.9

直視し難い半端なき描写が今回も強烈な内藤映画。ジョン・ランボーが弓を射るよりも恐ろしいのはカットを割らないで不快と恐怖を増幅させただけではなく私自身の幼少時の紙一重で無事だった行為の記憶が蘇るからでも>>続きを読む

のぼる小寺さん(2020年製作の映画)

3.9

こてらです。
演じた工藤遥が素晴らしい。ひたすら登る姿の躍動感にドキドキ、キュンキュンさせられる。
小寺さんにインスパイアされたそれぞれはモラトリアムから自身のそれぞれの目標を見出していき、寄せ集めか
>>続きを読む

カセットテープ・ダイアリーズ(2019年製作の映画)

3.9

ブルース・スプリングスティーンとシルヴェスター・スタローンには共通するものを昔から感じていてこのタイミングで同時に観ることになり両方ともにポニーキャニオンが絡んでいるというのは面白い。
ブルース・スプ
>>続きを読む

ランボー ラスト・ブラッド(2019年製作の映画)

3.8

ランボーシリーズとしては「ファースト・ブラッド」を観たのが先行オールナイト初日で、このシリーズをそれ以来で観たのが「ファースト・ブラッド」の敵役ブライアン・デネヒーが亡くなった年という妙な経緯。
大袈
>>続きを読む

一度も撃ってません(2020年製作の映画)

4.1

しばらく+0.2


原田芳雄組等の今迄の歴史がある故にこの映画がこの顔触れで成立していてバーを中心とするアドリブ調なやり取りは見事としか言い様がない。ある程度想定できた緩い世界だが柄本佑のアクション
>>続きを読む

はちどり(2018年製作の映画)

4.0

本日は久しぶりに新文芸坐に行くことを決めていたらTOHOシネマズ池袋のオープン日と知りついでにいくつか観ることにしてこれを観た。

ハミングバードといえば
ジェフ・ベック・グループのメンバーによる大好
>>続きを読む

ワイルド・ローズ(2018年製作の映画)

3.9

全編に漂うペダルスチールの音色とショットが心地よく融合していて目指す聖地ナッシュビルとホームのグラスゴーとの対比への家族の絡め方が絶妙でジェシー・バックリーの歌唱力を知らしめる真のスター誕生映画となっ>>続きを読む

サンダーロード(2018年製作の映画)

3.7

ブルース・スプリングスティーン、母、勲章的?傷痕等に関する映画的に普通に見せたい処は一切排除し、ひたすら映し出されるのは、面識がない場合にこみ上げる変な人への違和感で主役がそれを徹底的に表現していた。>>続きを読む

ペイン・アンド・グローリー(2019年製作の映画)

-

雨宿りを兼ねて久しぶりにレイトショーで観た。有難きプライベートルームとなり居心地が良くて映画どころではなかった…数々の栄光があったとしても痛みしか残らないのか?やはり死ぬまで分からないか死ぬときにはそ>>続きを読む

ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語(2019年製作の映画)

4.0

エマ・ワトソン、フローレンス・ピュー、ローラ・ダーン、メリル・ストリープ、クリス・クーパー等の適材適所に配置した中で当時を描きながら現代の問題視点に繋げた様々な喜怒哀楽の中でシアーシャ・ローナンが躍動>>続きを読む

なぜ君は総理大臣になれないのか(2020年製作の映画)

4.0

1番人気1.8倍の都知事選挙前に未だに試行錯誤を繰り返す熱き男小川淳也の闘いの経緯から強固な現政権以外の野党ドタバタやその元凶の記憶を取り戻せる機会がここにあり家族に泣く。持ち前の強さと共に不運な縁を>>続きを読む