tohkoさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

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死刑にいたる病(2022年製作の映画)

3.5

凶悪な殺人鬼が、いかにもな風貌であるとは限らない
残虐性を狡猾に隠し、むしろ人懐っこく微笑む
もしかしたら身近にも、そんな人間がいるのではないかと感じさせる恐怖
そして、その邪悪な存在が知らぬ間に大き
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流浪の月(2022年製作の映画)

4.0

この作品、他人であるオトナと子どもの関わり以外にも親子の関係、DV、ネットの誹謗中傷、様々な問題が絡み合っていて簡潔に感想を書くのが難しい
更に、監督が求めるところと自分の気持ちに、おそらくズレがある
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オードリー・ヘプバーン(2020年製作の映画)

4.0

誰もが羨むムービースターだったのに、本当に普通の人だったという彼女
幼い頃の父親との別離が生涯心に影を落としていたのなら、とても切ない
得られなかった愛を与える愛に昇華させ、ユニセフの活動に尽力した女
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ハケンアニメ!(2022年製作の映画)

4.0

これすごく難しい事をやってるよね
どれだけ命を削ってアニメを作り上げたかを描いても、肝心の作品が全く面白そうじゃなければ、その熱意は説得力を持たない
しかも、劇中アニメだから観客は当然断片的にしか見ら
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とんび(2022年製作の映画)

3.5

ヤスの昭和のオトコ感…暑苦しいw
まあ、でもこの暑苦しさありきの物語なのでね…嫌いじゃない
薬師丸ひろ子さん演じる たえ子が良い
大切な人と直接言葉は交わさず、蛤のお吸い物に、そっと「おめでとう」の気
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ツユクサ(2022年製作の映画)

4.0

航平くんと篠田さん、航平くんと芙美さん、世代を超えた心の交流が可愛らしく微笑ましい
いろいろなことを誤魔化しながら、それでも頑張って生きているオトナたちが愛おしくなる
傷つくことに臆病になり、幸せにな
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シラノ(2021年製作の映画)

3.0

人間は強欲な生き物なので見目麗しくエモいポエムのひとつも書ける人に惹かれるのは当然
ただそんな理想の人が目の前にいても自分には相応しくないと気持ちを抑えたりもする
彼女は少なくとも真実を知るまでは、そ
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梅切らぬバカ(2021年製作の映画)

3.0

2時間前後の作品が多い中、1時間17分は、え、もう終わり?って感覚だし、ここで終わるのか…っていう気持ちにもなった

多様性を受け入れる事は大事
言うのは簡単だけど実際には難しい
大きな括りではなく、
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クレッシェンド 音楽の架け橋(2019年製作の映画)

3.5

紛争で対立している若者たちで作るオーケストラ
長年いだいてきた憎悪が簡単に音楽でどうにかなるなんて事はない
想像していたよりも、ずっと悲劇的な話
それでも、同じ人として悲しみに向き合い、分かりあいたい
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ウエスト・サイド・ストーリー(2021年製作の映画)

4.0

一目惚れで相手の事全然知らないのに、そんなに熱上げちゃう?って部分は置いといてw
音楽も歌もダンスも楽しくて胸躍る!
「トゥナイト」も「アメリカ」も良いけど、私は「マンボ」が好き🎶
60年前の映画化の
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ホテルアイリス(2021年製作の映画)

3.5

ここはこの世かあの世か…それとも異世界か?
彼は生きているのか死んでいるのか?
目に映る全ては妄想か現実か?
疑いだしたらきりがない…
一緒に観た夫とも解釈が違うシーンがあり正解があるのなら解説してほ
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コーダ あいのうた(2021年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

けっこうしんどい話だし、現実にはもっとシビアなんだろう
一般的なヤングケアラーとは違うけど、家族の中で1人だけ耳が聞こえる高校生の彼女は幼い頃から通訳となり家業の手伝いもしている
家族は簡単には彼女を
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ノイズ(2022年製作の映画)

3.0

しっかり捜査してくれよってとこは置いといてw

そこにしか自分の居場所はないという強い思い
ここでは島の話だったけど、会社組織でもあり得る状況かも
たくさんのノイズに皆んなが耳栓をして気付かないふりを
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高津川(2019年製作の映画)

1.5

このレビューはネタバレを含みます

ある意味とても分かりやすい
自然も伝統も大切で守らなければいけないもの
清流日本一と言われる高津川、石見神楽の勇壮な大蛇の舞
田舎は善で都会は悪
田舎では年老いて、あなたを愛する親が待っている
あなた
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ちょっと思い出しただけ(2022年製作の映画)

4.5

めっちゃ好き!
キャラクターの会話が自然でリアルで、且つクスっとしてしまう可笑しみがある
2人の関係が険悪な雰囲気になり意地を張って口にする可愛くない台詞さえ愛おしい
ケーキのろうそくの本数をどうする
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ライフ・ウィズ・ミュージック(2021年製作の映画)

3.0

歌姫Siaの実体験に基づく初監督作品
キャラクターの感情の昂りと共に突如現れる色鮮やかな世界
脳内のイメージを映像化したような不思議な衣装を身に纏ったダンサーが歌い踊る
それはミュージカルとも違ってい
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リトル・ガール(2020年製作の映画)

4.0

ヨーロッパってジェンダーに関して日本よりずっと理解があるものと思っていたけど、そうでもないのかな
サシャは多くを語らないけど、強い意志と悲しみを感じる

サシャは幼い頃から身体と心の性が違う事を訴えて
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パーフェクト・ノーマル・ファミリー(2020年製作の映画)

3.5

誰が悪いわけでもない
大好きな父親の重大な決断に家族のあり方が問われる
これはカミングアウトされた子どもの視点で描かれている作品(監督自身の体験がもととなっている)

それぞれが葛藤を抱え、それでも繋
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悪なき殺人(2019年製作の映画)

4.0

う〜ん、なるほど!な仕上がり
ツレは後味が悪いと言ってたけど、私は面白かったな
ざっくり何が起こったかを見せた後に、それに関わる人物のそれぞれの視点から描いている
物語序盤の予言めいた言葉が後々意味を
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ミュジコフィリア(2021年製作の映画)

3.0

漫画みたいなお話と思ってたら、やっぱり原作は漫画なのね
井之脇海さんと松本穂香さんが演じたキャラクターは、髪を不自然にはねさせてたけど、これは漫画のキャラを意識してなの?(原作未見)
漫画という音のな
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ヴォイス・オブ・ラブ(2020年製作の映画)

3.5

物語序盤に感じた強烈な違和感が徐々に消えていくのを体感してほしい
いわゆる恋愛映画は好みではないけど、もっと大きな愛…1人の男性だけでなく、家族、スタッフ、ファンに対してのそれを感じるような作品で面白
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明け方の若者たち(2021年製作の映画)

3.5

「私と飲んだ方が、楽しいかもよ笑?」
その16文字から始まった、沼のような5年間-。
キャッチコピーの「沼のような」という言葉に違和感を持っていた…観終わるまでは
想像していたのは青春のほろ苦い想い出
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エッシャー通りの赤いポスト(2020年製作の映画)

3.0

個性の強い若者が多く出てくる、だいぶ濃いめの青春群像劇
ワークショップの成果としての作品という事情からかキャストが多く、必然的に上映時間も146分と長め
もう少し短ければ、もっと観やすかったかも

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聖地X(2021年製作の映画)

3.0

ポスタービジュアルと予告動画が、やたらおどろおどろしいから完全にホラー映画だと思ってたんだけど、なんか違うw
ちょっとSFちっく?いやむしろコメディー?
岡田将生くんのポンコツ兄ちゃんっぷりと川口春奈
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ボクたちはみんな大人になれなかった(2021年製作の映画)

3.5

「フツー」じゃ、つまらない
特別な何かにならなければいけないような焦燥感に駆られながら、現実には淡々とした日常を過ごす
その中に忘れられない人がいて、忘れられない言葉があり、その記憶に支えられて今の自
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TOVE/トーベ(2020年製作の映画)

3.0

ムーミンの作者って、こういう人だったんだぁっていう新鮮な驚き
全てが事実ではないのかもしれないけどね
とても多才で自由な人だったみたい
シング・シング・シング♪を聞いたら踊り狂うトーベ・ヤンソンを思い
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トムボーイ(2011年製作の映画)

3.5

これは、あらすじも読まずに観に行くのがイイかも
あ、でも「Tomboy」の意味を知ってたら予想はついちゃうけど
子どもの残酷さとか無邪気さとか…ずっとハラハラしてた
最後ミカエルが、一瞬微笑んだような
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子供はわかってあげない(2020年製作の映画)

4.0

いきなりセメントとかモルタルとかいうアニメが始まり、あれ、私間違った?ってガチで不安になる(これが、けっこう長いw)
ヲタ同士にしか通じない会話で盛り上がるのは身に覚えがありすぎて心が痛いw
あんまり
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浜の朝日の嘘つきどもと(2021年製作の映画)

3.5

大久保佳代子さんが演じてる先生の最後の言葉が、私が思い浮かべた言葉と一字一句違わぬ台詞で笑えた

まあまあ強引な展開のお話ではあるけど嫌いじゃない
震災がありコロナがあり、皆んな大変で、映画なんかは腹
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ホロコーストの罪人(2020年製作の映画)

4.0

ホロコーストにノルウェー警察が加担していた事実が基になった作品

差別とは何か?
心の隅にある小さな憎悪の芽が何かのきっかけで膨らんでいくのか?
自分の鬱憤を晴らすために何かに乗っかり誰かを貶めるのか
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鳩の撃退法(2021年製作の映画)

3.5

リリー・フランキーさんが演じる床屋の主人のちょっとした言動、情報通ぶりに彼の過去を想像してしまう
坂井真紀さんが二役やってるのは、どんな意図なんだろう?
面白かったけど、どういう解釈をすればよいか分か
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MINAMATAーミナマター(2020年製作の映画)

4.0

報道写真家ユージン、時に酒に溺れ金の誘惑に心揺れる
その人間らしさ、正義のヒーローとして描かれていないのが良い
後に妻となるアイリーン、彼を目で諭し導く姿が素敵
暗室の赤いライトにくゆるタバコの映像美
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由宇子の天秤(2020年製作の映画)

4.5

一言で言えば度肝を抜かれた
まさに由宇子の正義が揺れ動くさまが安定しない天秤のようで、自分の事のように感じられる

皆んな自分は正義の側にいると信じている
でも、それは他人事で外から見ているから
自分
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君は永遠にそいつらより若い(2021年製作の映画)

4.0

「君は永遠にそいつらより若い」
このタイトルが誰に向けて、どういう状況の言葉なのか…まずはそれを確かめてほしい
これは不器用なエール
かなり重いテーマを含んでいるのに全体のトーンは暗くなりすぎないのが
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ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

3.5

ロードムービーかと思いきや、そういう訳でもなく…
物語が始まって、おそらく30分以上経ってからキャストの名前が、つらつらと出てくる
「ここまでがプロローグ?」とビビるw
嫌なモノは見ないように生きてき
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サマーフィルムにのって(2020年製作の映画)

3.0

それぞれのキャラがたってるし設定も面白い
強引に同級生を仲間に引き入れる場面にも笑いがこぼれる
これイイかも!
段々と雲行きが怪しくなり…最後は消化不良
映画って言ってみれば『嘘』なんだけど、それが受
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