きねまっきいさんの映画レビュー・感想・評価 - 9ページ目

きねまっきい

きねまっきい

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呪詛(2022年製作の映画)

3.0

POVホラー秀作の中では発端?のBWプロジェクトの殆ど何も起こらない上品さと企画自体の洒落っ気が随一かな。
本作は下世話な露悪根性と終盤のダメ押し感を買うか。
時系列後半も彼女が撮り続けた必然性が弱い
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バズ・ライトイヤー(2022年製作の映画)

2.0

緩慢な割に捏ね過ぎでよく分からず。
規模小さく、冒険活劇でもなく、寧ろ変に本格SFもどき、という。
トイスト初作で主人公少年が好きな玩具を乗り換えるきっかけの映画がこんな凡作とは。
25年の時を経て満
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ルパン三世 バイバイ・リバティー・危機一発!(1989年製作の映画)

2.0

初見。
出崎統ゆえ見たが。
幾ら何でも子供騙し。
斬鉄剣、次元の早撃ちに出崎統節を見るも、緑川戦での岡のレシーブエースの切れに大きく劣る。
修行の為に見る類い。

Wの悲劇(1984年製作の映画)

4.0

何度見たか。
劇中劇の娘、を演る劇団練習生、を演る薬師丸、という三重構造を毎度楽しむ。
大女優を地で行き図太くか細く演る三田佳子(邦画史上の事件級の激演)、
濃密な脚本と演出、
これら全てが人気絶頂で
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性の劇薬(2020年製作の映画)

2.0

そんなことでそんなに絶望するか?
こんなにされて結果こうなるか?と思う時、
被虐の濡れ場を延々撮る事ありきで、
逆算で双方の動機を置きに行ったな、と感じた。
近頃の不出来で浅い漫画原作の典型。
だから
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ザ・ロストシティ(2022年製作の映画)

2.0

そう言えばIndiana JonesよりはRomancing the Stoneの方が面白かったな。
この筋を娯楽の王道と見て出世作スピードの90'以前の80'に土俵を戻そうとするサンブロ(浅丘ルリ子
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リコリス・ピザ(2021年製作の映画)

2.0

二世役者の瑞々しさで甘酸っぱいあの頃の空気を愛でる、のみ。
何を苦悩、挫折、自由、成功とする物語かが見えづらく、ゆえに乗れず。
気付けば新味無しか?これ、で幕。
ブギーナイツの強烈な分かり易さを想う。
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神は見返りを求める(2022年製作の映画)

3.0

外れ無き吉田恵輔、得意分野に還りまた代表作。
神は罪人に罰を与え苦難を求め赦し賜う、か。
神目線の脚本の冴え、撮る動機の強度。
世の負の側面と人間の暗部を執拗に気持ち悪く撮り(これが本当に巧い)、その
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キスより簡単(1989年製作の映画)

2.0

アマプラ初見。89年。

汚なかった懐かしの渋谷。

原田にこんなツマラン役をあろうことか若松が演らせたバブルという歴史資料的価値。

男と女は、世に金が溢れるなら、
性愛なる理不尽で無節操な事柄に一
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ベイビー・ブローカー(2022年製作の映画)

2.0

長いのは物語演技演出が題と配役からの想定内ゆえ。
単調な割に変な偶然が挟まり解りにくくも。
行程の障壁、進捗、追っ手の迫り加減が不明瞭でロードムービー書式が寧ろ仇に。
女刑事の話しは丸ごと余計。
是枝
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きさらぎ駅(2022年製作の映画)

3.0

ホラーゲームを映画に落とす手としては有効だなと案外楽しめた。
ビックリ演出も二回目は怖くないと言う為の一回目と許そう。
及第点の拾い物。

痛くない死に方(2019年製作の映画)

3.0

延命でない看取りが絶対に良いと決め付けつつ、
医師次第で成功失敗、上手下手、熟練未熟ありとしたバランス感は買う。
伴明と宇崎(TATTOOあり?と思わず探した)なら妻役は恵子を、と想う。
説教臭くゆえ
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フィッシュストーリー(2009年製作の映画)

2.0

短編挿話をそれっぽく繋げて、結果、だから何?で終わる凡打。
アルトマンをやる覚悟不足。

明日の食卓(2021年製作の映画)

3.0

いつの何が良かったか最早分からぬ瀬々敬久、何十年振りの快打。
一つ一つは凡庸な母子悲劇を三色盛ってやっと一本成立させる算段は成功。
ホラー(真行寺君枝降臨!)の塩梅良し。
三様の母の美しさに救われるか
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ハケンアニメ!(2022年製作の映画)

2.0

こういう話だから逆に静謐で通した上品さは買うが、
こういう話自体に新味無いゆえ及第点。
劇中アニメの超快作との二つをエヴァマギカもどきで表しそのあるある泣かせ系最終話サビだけチラ見せてスゴイの出来たよ
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バスカヴィル家の犬 シャーロック劇場版(2022年製作の映画)

1.0

猟奇的な程リアルとの風潮に背く動機偏重型かと期待するも、
幾ら何でも無理あり過ぎ。
何だか忙しい割にテンポ悪いのは脚本の散らかりゆえ。
もっと整理を。
主役他キャラ一人も立たず、古畑を想う。
西谷弘は
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少年の君(2019年製作の映画)

2.0

イジメと受験戦争に因果関係ありと言いたげだが、ホントにそうか?
その論点を匂わしてぼやかしたまま、
有りがちな話を当代一の美少女美少年で端正風に見せるベタで凡庸な一本。
アバンタイトルの話しの方が興味
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唐人街探偵 東京 MISSION(2020年製作の映画)

2.0

変に金かけた大味且つ低レベルなこれが中国で大ウケと聞き寧ろ安心した。
彼らが日本に抱くバカなイメージに閉口しつつ、もっとこうして安易に観光立国しちゃえとも。
本邦中堅以上の役者陣は本作に出て等しく名を
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喜劇 愛妻物語(2020年製作の映画)

3.0

切実な程に滑稽な男女の性の根本的行き違いを果敢に描いた成功作。
可愛い濵田と実は美しい水川だからこんな露悪も見られるが、
実際には世界の何億もの中年醜男と不美人と利発で無い子がこの有様と想うと哀しく恐
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アジアの天使(2021年製作の映画)

3.0

近距離小規模ロードムービーの心地好さ。
いこかもどろか、クレしん温泉わくわく、ブルーアワー、など快作の系譜。
オダジョの脱力演は既視感ありつつも新味ありと評す。
いい役だ。
最少人数登場人物らの成長と
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ある用務員(2020年製作の映画)

2.0

まず主役男女キャラの凡庸が残念。
そして殺し屋の過多。
少数精鋭殺し屋を気持ち悪く手際良くキャラ立てた劇場版ゴルゴ13出崎統を想う。
ベビわる女子二人で充分だった。
前野朋哉怪演のこういう悪にももう驚
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草の響き(2021年製作の映画)

3.0

カッコーの巣の上で、の前日譚と見るか。
病には見えないリアル(即ち怖さ)は新味。
予め露呈していたかの奈緒の対象への距離感は素直でいて予想外で、だからこそ爽快だ。
しかしあまりに地味だ。
映画芸術20
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れいこいるか(2019年製作の映画)

3.0

今更初見。
神戸の結界を撮れている。
だが本作が同年映画芸術ベスト1とは如何に?
ワースト点を付ける程は悪くはないからワンか?
同監督なら「川下さんは何度もやってくる」かな。

犬王(2021年製作の映画)

1.0

つまらん。
見せ場と触込みの音楽舞踏シーンの何たる扁平。
西洋音階と電気器材の無い室町時代ならこの程度でもそこそこヒットしたのに、という見方か。
時代を馬鹿にしては駄目だ。
今更宇崎竜童とMジャクソン
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死刑にいたる病(2022年製作の映画)

3.0

支持。サダヲ、レクター以後数多の知的殺人鬼の中で新味あり。
それでいてサダヲ的には何ら新演技法ではないのが何だか嬉しい。
近頃に珍しい全編の静かな印象が心地好いだけに、終盤の歪な捻りは余計か。
架空O
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流浪の月(2022年製作の映画)

2.0

性交渉の不在なる免罪符を主役男女に予め付与し、
その周囲を凡そ考え得る令和不幸アルアルで塗り固め、
もって普通人こそ悪、この世は生き難しと語って何になる。
天才子役の美しさと色気の描出を最も的確にして
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トップガン マーヴェリック(2022年製作の映画)

3.0

支持。
空戦ものは見る側演る側とも着座姿勢ゆえの没入感と気付いた。
反復練習で何処が如何に難所か客に覚えさせる親切も良し。
こんな世ゆえ反戦論無くただスポーツ感覚という浅さは正解。

サンダカン八番娼館 望郷(1974年製作の映画)

1.0

物語、脚本、演技、演出とも74年当時はこの程度で良かったという歴史資料的価値のみ。
これを名作と持ち上げると今の映画の為にならぬ。
凡庸、大味、大袈裟、そして浅い。

ローマンという名の男 信念の行方(2017年製作の映画)

3.0

正義を問うに新鮮で真っ当。
不正を暴くに疲弊する者と不正に甘んじる自分を許し続けるに疲弊する者。
この両者は一人の人間の内に半々で同居するという当たり前を物語で果敢に描き成功。
特に終盤の畳み掛けが良
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モンタナの目撃者(2021年製作の映画)

3.0

小さな目撃者系にハズレ無し。
ジャッカー、ジョンブック、依頼人、など。
こういうベタな手堅さが米映画の強み。
人質妊婦の方の展開の意外性で持った感も。
ところでアンジョリはより父に似てきたと思う時、
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先生、私の隣に座っていただけませんか?(2021年製作の映画)

3.0

事実、劇中漫画、夫の妄想の三重構造の適度な交錯を愉しんだ。
嘘をつくと丸出しになる演技の柄本と
嘘の有無が全く顔に出ない(そこが観客にとって最大のサスペンス)演技の黒木
という両極の対比。
見せ方の巧
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シン・ウルトラマン(2022年製作の映画)

2.0

非支持。
昭和少年向けSFに科学的風専門用語を上塗りして結果原典の子供騙しな浅さを浮き彫りにした。
たいしたSFではなかったのだなあ。
話しがコマ切れ散漫でエンタメとしても不出来。
二匹目のゴジラとい
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サイコキネシス 念力(2017年製作の映画)

2.0

物語選択ミス。
地上げ屋を悪の典型に据える古さでまず引き、
善とする無垢な住民が火炎瓶投げて暴徒と化した時、
付いていけず物語から離脱。
シム・ウンギョンは韓国映画ではあざとさが先んじる感で、
寧ろ邦
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男はつらいよ 私の寅さん(1973年製作の映画)

3.0

寅に背を押され男に庇護されぬ自立に踏み出す女性。
岸恵子のハマる勝気で知的な才女が寅に寄せる敬意と謝意の正しさが良い。
序盤のただ僻みっぽく五月蝿い寅のクドさが惜しい。
だから連作では中位。

SING/シング(2016年製作の映画)

3.0

楽しんだ。
同系快作の井筒和幸「のど自慢」を再見したい。