きねまっきいさんの映画レビュー・感想・評価 - 8ページ目

きねまっきい

きねまっきい

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こころ(1955年製作の映画)

2.0

初見。
森田の快作「それから」の印象ゆえか漱石映像化の白黒画には艶不足感あり。
優作薫藤谷程の妖気も本作には無し。
小説で謎めく程に魅惑的なKに名と顔を与えたのは野暮と感じる時、
これぞ最たる映像化不
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秒速5センチメートル(2007年製作の映画)

2.0

昭和な腐れ縁から性欲臭と都市腐臭を消した無菌のロマンポルノ。
神代ならどう撮ったろう。
エヴァからメカ戦闘を抜いて美少年少女らのポエムなボソボソ一人台詞だけ残して、だから何?
脚本の為の脚本、物語の為
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アイの歌声を聴かせて(2021年製作の映画)

2.0

美系JKがフラッシュモブ的にディズニーな曲を歌い踊りエレクトリカルな演出を添える。
妬み皆無の無垢な心情で他人の告りを盛るのが善良なAIの機能って。
なんじゃこりゃ。
母の仕事の不出来を娘が取り繕うの
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SHAME シェイム(2011年製作の映画)

3.0

初見。
地下鉄にて目線だけでド助平を演るファズベンを買う。
変にモテてエロサイト好きの美系エリートの蛇行幅の小ささが心地良い。
見え辛いが凡庸な妹の苦悩の邪魔が惜しい。
ウディアレンの深刻版パロと見る
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日本の夜と霧(1960年製作の映画)

2.0

初見。
全編台詞劇でいて台詞トチりをまんま使う。
だから緊張感増の意図らしいが、それが気になって主張が入って来ん。
寧ろ笑えるNG集な珍作。
にしても本編を全く表さぬ客寄せ下世話なポスター。
これをや
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JAWS/ジョーズ(1975年製作の映画)

5.0

再々…見。
鮫の主観に切り替わる瞬間、これぞ映画だ。
足元の鮫を観客にだけ明かして、襲う鮫側に感情移入させる高等テク。
落ち着いて考えると子供騙しで珍妙な題材だが、これを一級の名作に仕上げた若きスピル
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真夜中のカーボーイ(1969年製作の映画)

4.0

20年振りの再見。
こんなに良かったか。
小さい話がどんどん小さくなる。
だからラストには二人の細やかな演技から目が離せなくなる。
これが映画だ。
だが、中盤の都市の享楽猥雑の露悪描写の浅さゆえに、そ
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兵隊やくざ(1965年製作の映画)

3.0

初見。
田村高廣の代表作、いい役だ。
寅とリリーに触発されて、でも、だからこそ、日常側に戻る船越英二を想う。
敵も戦闘も出さず寧ろ喜劇な反戦。
フルメタルジャ〜の原典か。
階層毎に疲弊腐敗絶望する兵士
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パッション(2012年製作の映画)

2.0

デパルマは褒めたくなるが。
無臭トレンディな空間で憧憬と殺意、幻夢と現実が映画に折り畳まれて、まんま放り出されるデパルマ節の健在を祝しつつ、
殺しのドレス未満な不全感に嘆く。
下世話不足か。
MI-1
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気狂いピエロ(1965年製作の映画)

2.0

30年振りかの再見。
ま、初見当時同様に今見てもツマランもんはツマラン。
ヌーベルバーグでも何でも多感な青春期に同時代的に共有しないと、なのね。
北野の特に3-4Xの引用を今更発見したが、だから?と自
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(1954年製作の映画)

2.0

初見。
褒める前提で見て褒めないと駄目な空気だが、別に。
以上。

線は、僕を描く(2022年製作の映画)

3.0

ちはや、シコふん、から格闘と喜劇要素を抜いて成立させた腕を買う。
後に台詞とベタ演の印象が残らない心地良さ。
静かだが淡白ではない一本。
邦画凶作の今年に私的年テン入り。
拾い物。

生きものの記録(1955年製作の映画)

2.0

核軍備の恐怖、民衆の愚、狂気の淵、何れも印象が半端なのは、
この結末の原因は三船老人の怒鳴り一択のプレゼン下手ゆえじゃね?と見えるから。
核廃絶、でなく「年寄りも説明は上手く冷静に」映画。
黒澤がカッ
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夜逃げ屋本舗2(1993年製作の映画)

1.0

構成、脚本、演出、演技、全て60点、だから経年に耐えぬ凡作に。
エッジの効いたマルサ 2、ウシジマ2を想う。
中村、風間、細川何れもヘタ以前に配役ミス。
熱演らしきベタ演が事柄に終始噛み合わない空回り
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百花(2022年製作の映画)

3.0

30年を往還する原田美枝子、目を奪う驚愕の美貌が端正上質な脚本を寧ろ邪魔した感も。
にしても仲が良過ぎる美男美女の母子、そして嫁。
ロマンポルノな題材。
団地妻、完結編。

情婦(1957年製作の映画)

2.0

名作の誉れ今もゆえ30年振りに再見。
初見時より尚ツマラン。
台詞偏重で情感薄く、捻りの為の捻り、演技も映像も何処か扁平。
無駄が無いと言うより拙速。
年をとっても沁みんものは沁みん、と知ったのが収穫
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ニッポン無責任時代(1962年製作の映画)

2.0

楽しんだ。
会社員の仕事なんぞ今も昔も面白いわけがない。
だがら仕事以外をこそこぞって楽しんだ昭和。
その全てを禁じ手とし始めた平成、令和で完成。
何とつまらない令和。
歴史資料的価値。
そして植木等
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楢山節考(1958年製作の映画)

2.0

世界一嫌いだ、この婆さん。
古い価値にしがみ付き、悲劇の主人公然として恩着せがましく痛々しく、純粋被害者という甘美な立ち位置から、他者を黙々と責め続けて、露悪的に死ぬ。
そんな婆さんの話し。
名作らし
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お早よう(1959年製作の映画)

3.0

抜け感、が楽しい。
小津ゆえか、こんな映画企画が通った幸福な頃。
20年後にまた見るか。

フォロー・ミー(1972年製作の映画)

3.0

終わらせっぷりへの驚き、
それが本作特有の爽やかさの主因。
だから必見と言おう。
これが名匠の腕か。

ヘルドッグス(2022年製作の映画)

2.0

格闘アクションには新味あるが、
潜入系に肝心な「死相」が、開巻からバレそうで殺されそうなインファナルア〜より格段に薄い。

香港の下世話と濃厚、韓国(アジョシなど)の熱量とサービス精神に及ばず。

沈黙のパレード(2022年製作の映画)

2.0

前作「真夏の方程式」の成功は旅情、郷愁、主人公の微かな成長が肝、
それらが不思議な程全く無かったから本作は凡作。
火サス的捻りの為の捻りは人を描けずすっぽ抜け。
常連だらけの飯屋(私は大嫌い)に馴染む
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神田川淫乱戦争(1983年製作の映画)

2.0

初見。
黒沢清初監督作。
らしさは無い、面白くは無い。
周防正行や万田邦敏らが一堂に会した歴史的価値のみ、かな。
だから修行の為に見る類い。
森達也、か。

丑三つの村(1983年製作の映画)

2.0

昭和、こんな雑で浅かった?
濡れ場と残虐で客寄せの露骨。
つまらん。

コンビニエンス・ストーリー(2022年製作の映画)

2.0

バートンフィンクのホテルよろしくコンビニに死を嗅ぎ取る着想は買うが。
コーエン黒沢清未満に着地。
迷宮だからこそリアル側に踏み留まり、捏ね過ぎない塩梅が肝心なのに。
三木聡、またも岩松了らの余計な失笑
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雨を告げる漂流団地(2022年製作の映画)

2.0

うる星2の中盤を無理に引き伸ばし
決裂と和解を繰り返す延々打合せ映画。
疾走と飛翔が持味の石田祐康、巧い作品選びを。
快作アオシグレの20分尺が適切か。
同空間に居続けるアスカ系女子の五月蝿さ、
落し
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異動辞令は音楽隊!(2022年製作の映画)

2.0

まんま「その男凶暴につき令和版」な序盤は画の陰影奥行きもあり乗れたが、
中盤以降の脚本の脇甘く納得感低く鼻白んで半端に幕。
ベタだからでなく下手だから駄目なのだ。
Shallweダ…とその男凶…を混ぜ
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さかなのこ(2022年製作の映画)

3.0

普通人として生きる他ない夏帆柳楽らの寡黙且つ雄弁な好演は評すが、
のんのイノセント演は新味なし。
役選びを。
無垢な主役が名を上げたから結果オーライとする本作より、
市井の人のまま数人の記憶に残るだけ
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ブレット・トレイン(2022年製作の映画)

3.0

正しく誤解された日本は楽しんだ。
タラ風だが只々無駄口な台詞過多で雑にコネる序盤9割を整理出来たら(原型留めぬが)快作だったろう。
たそがれから20年ツマラン真田よ、帰還して新宿鮫Ⅱを。

NOPE/ノープ(2022年製作の映画)

3.0

ピールのシャマ化を祝す。
超えるか?
構成から細部の意匠までを撮り手の癖で塗り固める映画的高密度を楽しんだ。
スピに引導を渡すアレ、使徒的造形、アキラなど旧作引用の洒落っ気も好調。
説教臭いテーマを前
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プアン/友だちと呼ばせて(2021年製作の映画)

2.0

ビターな青春譚に見えて激甘口。
お坊ちゃま故の苦悩に同調できず幕。
そんなに苦悩でもなくね?
美女を数人渡り歩けた痩せ型モテ男、
難病罹患の後に本気でしたと泣き言言われても
何だかなあ。
こうなると泣
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魔女の宅急便(2014年製作の映画)

1.0

宮崎版は飛行シーンの巧みさが味噌だった(この成長譚は寧ろ凡庸だ)と本作の下手さを見て改めて気付いた。
CG合成の稚拙より演技演出の稚拙がイタい。
日本の瀬戸内に魔女を置く違和を撮る意志は酌むが、だから
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魔女見習いをさがして(2020年製作の映画)

1.0

テレビで見聞きしただけの今の女性の生きづらさアルアルを三人に割り振った浅さの時点で負けが決まった凡作。
撮り手の撮る動機の浅さ丸出し。
会話毎にお茶目な媚びで無理に明るさを保つなら、
初めからこんな猛
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ALWAYS 三丁目の夕日’64(2012年製作の映画)

2.0

茶川らは1で未来を夢見て2で振り返り3で子に未来を託す。
3の大団円を喜べぬのは一平ら団塊世代が経済成長やバブルを甘受し食い潰すだろうからだ。
カッコいい車や職業だけを志向する一平のキャラにそれを予見
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哀愁しんでれら(2021年製作の映画)

1.0

幾ら何でもエグ過ぎる。
何処まで世に絶望すれば、こんな映画を撮り公開できるのか。
撮り手送り手がそこまで絶望している筈もなく、ただエグさを追い露悪の先迄行くのを誰も止められなかっただけだろ。
こういう
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Red(2020年製作の映画)

3.0

夏帆が子を愛せていないかもな表現は新味。
元彼との性交や仕事への愛着に比して子への情愛は格段に薄い。一応は泣くが。
観客がこの子を可愛いとは思わぬように巧妙に撮られている。
母性本能なる非科学的なマス
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