cyphさんの映画レビュー・感想・評価 - 10ページ目

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遭難者(2009年製作の映画)

3.6

女っ気なしと舞台や登場人物を同じくするプロローグ的作品 女っ気なしがバカンスの日差しや期待に胸を膨らませて訪れた美しい女たちに明るく照らされた陽の作品だったのに対して本作は曇ってて寒そうでじめじめして>>続きを読む

フィツカラルド(1982年製作の映画)

4.6

どんな映画が好きなの?と友だちに聞いて最初に名前の挙がった映画 「狂気的な男が船で山を登るっていう狂気的な話なんだけど」という端的な説明がなにも盛らず損ねずその通りだったことに対する感服と畏怖と混乱で>>続きを読む

隣の女(1981年製作の映画)

3.7

悲惨な別れ方した元カノが隣に引っ越してくるの嫌すぎ…て思ってたら男の方がずっとヤバいやつだったので同情の余地なし!となった 隣の家同士での不倫ってだけで十分話は動かせるだろうに、不倫関係自体がトラウマ>>続きを読む

トリュフォーの思春期(1976年製作の映画)

3.5

転校生の男の子が妙にきれいでそわそわした 彼が流れるように無賃で映画を観るシーンなんかは賢しらでよかったけど、全体的に子どもって存在を無条件ではちゃめちゃに愛してないと楽しめない 10階から子どもが落>>続きを読む

恋愛日記(1977年製作の映画)

3.7

最初と最後のシーン(女狂いの男が死んで、男が愛した女たちだけが参列する葬儀が執り行われる)は美しくて馬鹿げてて厳かでめちゃよかったけど、全体としてさすがに弛緩しすぎ 私のように美しい娘のテンポにまとめ>>続きを読む

暗くなるまでこの恋を(1969年製作の映画)

4.3

夏休みトリュフォーマラソン トラウマボンド的恋愛を一度でも経験したことある人間なら問答無用で"わかり"になってしまうやつ、トリュフォーは恋愛の上澄み以外の部分をぜーんぶ知り尽くしててほんとにえらい、恋>>続きを読む

Helpless(1996年製作の映画)

3.7

二十歳そこらの浅野忠信の滴るような男っぷりにくらくらしてたら終わってしまった 北九州サーガ三部作の序章にして長編デビュー作 ケンジとゆりとアキヒコは馴染みの顔すぎて幼いころのみんなだね〜となる 父の自>>続きを読む

ハードエイト(1996年製作の映画)

3.6

PTA長編マラソンはとりあえずこれで終了 わかった気にさせる映画が基本好きじゃないのでPTAも最初はオチとか腑に落ちとかどんでん返しとかそういうタイプのやつから入っていってたんだな〜という冷める心地は>>続きを読む

ザ・マスター(2012年製作の映画)

4.0

ホアキンフェニックスという役者、フィリップシーモアホフマンという役者、ポールトーマスアンダーソンというカメラレンズの三位一体でずーっと糸が切れなくてぞわぞわが続いてよかった ゼアウィルビーブラッドに続>>続きを読む

ディーバ(1981年製作の映画)

3.6

ビビッドな赤青の色がきれいで雰囲気お洒落で闇が濃くて犯罪パートが急にチープなかんじが汚れた血みたいだな〜と思ったけど詩で喋らないから超すきとはならなかった 汚れた血は全員が詩で喋るからすきなんだった >>続きを読む

あの頃ペニー・レインと(2000年製作の映画)

3.5

この映画のフィリップシーモアホフマンいいんだよな〜ってBLACKHOLEリコリスピザ回で満場一致になってたからフィリップシーモアホフマンモクで観た 文化系隠キャの先輩兼守護神、最後の電話のやりとり汗染>>続きを読む

ブギーナイツ(1997年製作の映画)

4.4

読後感がリコリスピザとまんま一緒だった!つまりリコリスピザは綺麗に原点回帰を果たした作品だったんだな もう序盤から既にはちゃめちゃ映画がうまくて完全に"わかって"るのか…PTA先輩一生ついてきます!て>>続きを読む

麻雀放浪記(1984年製作の映画)

4.0

今日お誕生日の友だちが日が変わる前にいちばんすきな映画として挙げてたので観た 麻雀も出てくる俳優もぜんぜん知らないけどカットがいちいちかっこよくて男が情けなくてストーリーが多動で楽しかった オープニン>>続きを読む

WANDA/ワンダ(1970年製作の映画)

3.7

炭鉱の真っ黒な丘の合間をとぼとぼ歩くちいさなワンダのロングショットが悪夢みたいでよかった 歩行がぜんぶじいさんから小銭を借りるためなのもいい 境界知能の若い女性に多くを見出だすのはそれはそれでグロテス>>続きを読む

わたしは最悪。(2021年製作の映画)

3.5

北欧の夏の夜ってずっとマジックアワーで素敵だね〜となる、夜だけが素敵で人間はちゃんと最悪 フランシス・ハも好きと思わなかったし、こういうあけすけさをあんまり映画に求めてないのかも 新しい人が登場したか>>続きを読む

リコリス・ピザ(2021年製作の映画)

4.3

PTAさんまじで意味わからなくて支離滅裂で行き当たりばったりな映画をカメラと運動と音楽によるエモーションだけで成立させてくださりありがとうございます 映画なんてこんなんでええんですわってこころの土井善>>続きを読む

サッド ヴァケイション(2007年製作の映画)

4.8

これも5年ぶりに劇場で鑑賞 2年間福岡に住んだこと、北九州に何度も遊びに行ったこと、九州の男たちと友だちになったこと、この間やっとユリイカを観たことがぜんぶ画面に結実して同じものを観てるって思えないく>>続きを読む

終電車(1980年製作の映画)

3.7

ジャケットここなのめちゃお洒落で最高!ドヌーヴって顔でかいしごついしなのにフェミニンな格好させられがちで不思議だなって常々思ってたので本作の引っ詰めパワー系美女の格好が激似合っててよかった レズカップ>>続きを読む

PLAN 75(2022年製作の映画)

4.7

観てから一週間経っちゃったけどずっと思い出してる こういう悲鳴に耳を傾けたくて、想像できない人間でいることをやめたくて、わたしは本を読むんだよって何回も思った 社会的弱者を真綿で絞め殺す現代日本社会に>>続きを読む

恋のエチュード(1971年製作の映画)

3.6

5年ぶりに観ても欲望のエチュードに改名しろとは思った 以前はジャンピエールレオのこと知らなくてなんだこの甘えたことばっかり抜かすくそ男はって思いながら観た気がするけどジャンピエールレオと認知できた途端>>続きを読む

私のように美しい娘(1972年製作の映画)

4.2

ぴったり5年ぶりに観たっぽいけど見返してもやっぱりめちゃ構成が変でいい あとトリュフォーはずーっとモラルを揺らしてていい!やっぱりカーレースのレコードめちゃ笑ってしまったし、手錠つけてキラキラの衣装で>>続きを読む

野性の少年(1969年製作の映画)

3.5

アルメンドロス撮影の森の美しさはウオーとなるものの、映画として面白いかというと「…」てなる 実話が元なんだからつっこんだとて不毛なのはわかってるけど、イタール医師に『うまくやるための強化の原理-飼いネ>>続きを読む

突然炎のごとく(1961年製作の映画)

4.7

わたしの思う「恋愛」ってこれなんですけど…!!!の感激&衝撃で灰になってしまい、早く教えてよこんなの!て思いながらフォローしてる皆さんの感想読んだら低評価ばっかりで ?てなった 恋愛観の問題なのかな >>続きを読む

アデルの恋の物語(1975年製作の映画)

4.2

このタイトルで内容これなのとってもいいな トリュフォーはずーっと自分事として、興味と信念とに裏打ちされながらいろいろな愛を映画にしてて最高 「ひとりの女の生き方を裁くのでは愛する」って言葉を当ててたの>>続きを読む

大人は判ってくれない(1959年製作の映画)

4.8

4年前に観たときは印象的なシーンはいくつかありつつずいぶん散文的な映画だなうとうと てかんじだったのだけど、トリュフォーを知りジャンピエールレオを知りアントワーヌドワネルを知り改めて観たからか100点>>続きを読む

トップガン マーヴェリック(2022年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

なんにも知らずに誘われて観たけど楽し〜〜ってなった トムクルーズの最早ヒーロー自家中毒みたいになってるかんじウケるしずっと歯が白くて素敵だね〜〜ってなる F14しかない!てなってからの展開楽しかった、>>続きを読む

EUREKA ユリイカ(2000年製作の映画)

4.1

いつか観る日が来るだろうで放置してきたけど劇場で観れる日が来たんだから待っててよかった 舞台となってる福岡は甘木のすぐ近くに2年間住んでいたので、九州のもったりした閉塞感、安定の男尊女卑ファミリーズ、>>続きを読む

ドンバス(2018年製作の映画)

4.2

「ドンバスで何が起こっているのか」ってコピーだったけど、観た後「ドンバスで何が起こっているのか??、???」ってなってパンフレット買った フェイクニュース、略奪、検問、市民によるウクライナ捕虜のリンチ>>続きを読む

冬物語(1992年製作の映画)

4.4

5年前観たときはバランスに欠いた変な映画だな、ていうかそんな一途な女いるかよ腹立つなってもやもやした記憶しかなかったけど、改めて観たらバランスは確かに欠きまくりだけどぜんぜんまじの話じゃんってなった >>続きを読む

春のソナタ(1989年製作の映画)

4.4

久々に観たロメールだからだろうけどそんな喋ることある!?てくらいよく喋るからずっとうっすら微笑んでしまった じゃがいも剥いてるとこにカチコミに入るナターシャの攻撃性は一連のロメール作品の中でも群を抜い>>続きを読む

おもひでぽろぽろ(1991年製作の映画)

3.7

実家も学校もつらすぎる映画 ギリギリやりすごして蓋して忘れていたトラウマを次々と皿に乗せて差し出される地獄 ほんとうに幼少期って、家庭って、最悪だな…のきもちでいっぱいになった 現代パートだと特にだけ>>続きを読む

ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地、ジャンヌ・ディエルマン/ブリュッセル1080、コルメス3番街のジャンヌ・ディエルマン(1975年製作の映画)

3.9

ジャケットカフェオレなんだ、わかる あのシークエンスめちゃめちゃ怖かった 変な味するから一回捨てて、牛乳だけ味見して大丈夫そうだからもう一回つくって結局また捨てる 何も起こってないのにぜんぶが起こっち>>続きを読む

パリ、18区、夜。(1994年製作の映画)

4.6

「わかった気」アレルギーが年々激しさを増す昨今いちばん観たい映画ってこれだってなった 振り回すわけでも謎めかすわけでもなくただ当たり前のように「わからない」 なぜなら彼らはわたしでもあなたでもない他人>>続きを読む

囚われの女(2000年製作の映画)

4.3

地元のヤンキーみたいなままごとみたいな恋愛をもったいぶっておしゃれに撮る映画だいすき!叔母さん家行ってすぐ帰るくだりで場内やや沸いててよかった ヒロインマリアーヌのどこにも焦点のあってない不安定であど>>続きを読む

我等は楽しく地獄へ行く(1932年製作の映画)

4.9

このレビューはネタバレを含みます

俺氏大号泣不可避

最後の最後だけ不満、ハリウッドマジックをかけないで終わってほしかった

カモン カモン(2021年製作の映画)

4.3

マイクミルズのいいところが高濃度で析出されてそれがずーーっと続くっていう最高傑作だった 会話も編集も上手すぎるし各都市の子どもたちへのインタビューという企画も素晴らしい(あれは彼らの生の声を実際に採用>>続きを読む