cyphさんの映画レビュー・感想・評価 - 6ページ目

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雁の寺(1962年製作の映画)

3.1

駆け込み若尾文子マラソン⑤ 耐えるようにして観た 中村鴈治郎がお坊さんだったらまだ楽しく観れたかも エロ坊主のリアルな嫌さと若坊主自然の不気味さに終始ぐったり ラストなんやねん

女は二度生まれる(1961年製作の映画)

4.3

駆け込み若尾文子マラソン④ この作品がなぜこんなにも胸を揺さぶるのかうまく説明できない、できないけどはちゃめちゃ好きだということだけわかる 若尾文子の女としての魅力が生搾りで絶えず供給され続けて失神し>>続きを読む

季節のはざまで デジタルリマスター版(1992年製作の映画)

4.4

こんなのフェリーニやないかい(涙)って思いながらぐすぐすと観ていってラストの完璧さに無事落涙 シュミットは一族が経営する歴史ある四つ星ホテルを住居として成長期を過ごしていたそうで、この作品はまさにその>>続きを読む

デ ジャ ヴュ デジタルリマスター版(1987年製作の映画)

4.0

スクリーンにかかるオープニングクレジットと梱包材の降り注ぐエンドクレジットのミニマルな完璧さ 過去と現在が同時に存在する、なんてミラクルを魔法の域に留めたまま(学芸会や時代劇の白けを完璧に排した状態で>>続きを読む

デジレ(1937年製作の映画)

3.9

濱口竜介がベスト言うのも納得 とにかく喋る、そして欲望が人物を動かし関係を混乱させ最後に途方もない奇跡があっけらかんとすべての欲望を飲み込み天に返す、その晴れ晴れとした読後感 ギトリと女主人(この人は>>続きを読む

あなたの目になりたい(1943年製作の映画)

4.3

3本目のギトリ、やっぱりこの人の作品は映画を観に行くというより稀代のモテ男の美技に酔いに行く、に近い それぞれの時代にヒロインとして登場する妻たちはみんな美しいけど本作で30近く歳下の恋人として登場す>>続きを読む

卍 まんじ(1964年製作の映画)

3.2

駆け込み若尾文子マラソン③ これはあんまり面白くなかった、谷崎の原作を読んだこともないけどあっちこっちの迷宮入りを辛抱強く追わされる感覚が強くてドライブ感に欠ける 女二人の強烈なパッションに終始たじた>>続きを読む

赤い天使(1966年製作の映画)

3.9

駆け込み若尾文子マラソン② やっぱり群衆を描かせたらピカイチの増村 野戦病院の仕事ぶり、負傷兵を山盛り乗せたトラックが到着したらまず死体(あるいは準「死体」)とそれ以外とに分類し、それ以外の方は片っ端>>続きを読む

清作の妻(1965年製作の映画)

4.0

U-NEXT配信終了前の駆け込み若尾文子マラソン① 陰の増村作品の中だといちばん好きかも ホス狂の話やアルコール依存患者家族の話ってつい読み耽っちゃうけど愛と依存が複雑骨折してる関係っていつでも他人事>>続きを読む

片袖の魚(2021年製作の映画)

4.0

エセナおおたでの特別上映会(イシヅカユウさんのシネマトークつき)にて鑑賞 公開から3年が経つ作品だけど、今日あの場所で集まった市民の皆さんと観ることができて、イシヅカユウさんの凛とした・と同時にチャー>>続きを読む

アタラント号(1934年製作の映画)

4.6

須藤健太郎著『作家主義以後 映画批評を再定義する』刊行記念イベントにて 5年ぶりに観てやっぱり何度でもびっくりする 良さに ていうかミシェルシモンだったんだ、ミシェルシモンを認知してから観るとさらに味>>続きを読む

アセラ、または魔女の踊り(1972年製作の映画)

3.5

須藤健太郎著『作家主義以後 映画批評を再定義する』刊行記念イベント :ジャン・パンルヴェ短編集上映

踊ってるところが延々続くところで無事入眠 たしかに布地みたいな部位がふわっと膨らむのバレエっぽい
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タコの性生活(1967年製作の映画)

3.6

須藤健太郎著『作家主義以後 映画批評を再定義する』刊行記念イベント :ジャン・パンルヴェ短編集上映

ウルトラマンとかファンタスティックプラネットみたいなきゅるんきゅるんのSF風電子音楽がいい タコの
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吸血コウモリ(1945年製作の映画)

3.6

須藤健太郎著『作家主義以後 映画批評を再定義する』刊行記念イベント :ジャン・パンルヴェ短編集上映

吸血鬼ノスフェラトゥの引用やデュークエリントンのおどろおどろしい音楽のお茶目さとアンバランスに吸血
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タツノオトシゴ(1934年製作の映画)

3.8

須藤健太郎著『作家主義以後 映画批評を再定義する』刊行記念イベント :ジャン・パンルヴェ短編集上映

観た中では圧倒的に観やすくかわいくポップでワンダーがあって楽しかった 重力の哀れなる犠牲者であるわ
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ウニ(1958年製作の映画)

3.5

須藤健太郎著『作家主義以後 映画批評を再定義する』刊行記念イベント :ジャン・パンルヴェ短編集上映

モノクロ無声はさすがにぽやぽや眠くなるもののウニの殻の森を拡大して映して建築映画と言い切るのはかっ
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ジャン=リュック・ゴダール/遺言 奇妙な戦争(2023年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

20分の映画を観るために劇場に座るという体験の面白さ 観る前の自分と観た後の自分との距離が近い分、残された爪痕を生々しく感じられる コラージュの静止画に音声が被さるばかりの中に挟まるほんの数カットの美>>続きを読む

孤狼の血(2018年製作の映画)

3.0

社交のために観た(お世話になった広島弁のヤクザみたいな支店長と以前仁義なき戦い面白いですね〜って話したときにならこれも観といたらええよと薦められてたので支店長の送別会に向けて観ないとになった) 仁義な>>続きを読む

ローズマリーの赤ちゃん(1968年製作の映画)

3.8

さすがに面白かった、ヘレディタリーきっかけで観たけど派手さのないじわじわ滲みよる心理的な嫌さや悪夢描写で魅せてくる古典的な感じからこっちの方がずっと好み うきうき弾けるような新妻のミアファローは顔もフ>>続きを読む

ヘレディタリー/継承(2018年製作の映画)

3.6

ちゃんと怖かった 首なし死体や生首って怖い、幽霊って怖い、部屋の隅に死んだひとが立ってたら怖い、裸の大人って怖い、知らない呪文って怖い、火が燃え上がったら怖い、などわりと普遍的な恐怖しか出てこないのも>>続きを読む

好人好日(1961年製作の映画)

3.0

酔っぱらい天国から 笠智衆の代表作のひとつとして挙げられるのを見るなと思って観たけど、単純にこの監督が生理的に合わないのだと確信 脚本がとにかく支離滅裂で、たとえばペットのウサギが逃げたと追いかけてい>>続きを読む

酔っぱらい天国(1962年製作の映画)

3.5

タイトルからしてポップなコメディ(せいぜいブラックコメディ)かな?と思ったら類を稀に見ない胸糞最悪映画でかなり落ち込んでしまった…妻を早くに病気で亡くし溺愛する息子と甲斐甲斐しくお世話するカナリアたち>>続きを読む

カリガリ博士(1920年製作の映画)

3.6

フランケンシュタイン観たらサジェストされたので観てみた 平衡感覚を根こそぎ狂わすイカれたセット美術がすごい 養老天命反転地じゃん?て思ったら同じことを書いてる方がいらっしゃってにっこり 創造主を模倣す>>続きを読む

フランケンシュタイン(1931年製作の映画)

3.8

ミツバチのささやき&ビューティフルドリーマーの元ネタこれか〜となった 怪物のキャラ造形はまさしくその醜さ・おどろおどろしさ・哀れさを思う存分表現しててさすが!となったし有名な少女とお花で遊ぶシーンのサ>>続きを読む

夜明けのすべて(2024年製作の映画)

3.9

秘密の多い映画で、それがよかった 別の映画であれば「余白」と呼んでしまい得るようなそれらが、この作品の中だと既に可能性は一意に収束し固有なものとして存在していて、ただそれは観客をはじめとする第三者には>>続きを読む

うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー(1984年製作の映画)

4.2

東京に雪が降った日思いきって午後半にしちゃって好きなひとのウォッチリストにあったこれ一緒に観てすっごくよかった 10年以上ぶり(!)に観たけど記憶の何倍も面白い アニメ映画に実現できるおもしろの最高峰>>続きを読む

ゴースト・トロピック(2019年製作の映画)

3.8

画面はhereの方が完成されていたけど、プロットとしてはこちらのほうが好み 企業の清掃員として働く移民女性が寝過ごして歩いて自宅へ帰る一晩もの 見知らぬ夜道を歩く寄るべなさが世界全体への不安感と通じて>>続きを読む

Here(2023年製作の映画)

3.8

静けさの際立つ映画であるが故に映画館隣の客ガチャの影響も大きい…ちゃんと静かな環境でもう一度観たい 色や構図がずっとおしゃれで写真集みたい エリセを観た後だったこともあってカメラの動かなさに物足りなさ>>続きを読む

瞳をとじて(2023年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

なんのネタバレも踏まずに観たので序盤でまた1940年代のことをこの美しい陰影でやるのか…!執念すぎて最高だな、でもこれで3時間はちょっと不安だな、などまんまと思わされてからの現代パート(『未解決事件』>>続きを読む

哀れなるものたち(2023年製作の映画)

3.7

全体的にディズニーランドみたいだった ディズニーランドって確かにゴージャスでよく出来てるって思うけどみんなが夢中になるほどいいと思ったことがなくて、本作にもそういうひんやりとした熱狂を薄皮越しに感じた>>続きを読む

エル・スール(1982年製作の映画)

4.8

最高だ 原作モノとしてなぞりたいプロットが存在することでその光の美しさ・構図の気持ちよさ・時間の流れの捉え方の妙が際立つ 謎めいた父のすべてを慕い愛する気持ち、父のまなざしを独占するよろこび、よぎる陰>>続きを読む

ミツバチのささやき(1973年製作の映画)

4.1

以前うちで観たときはあまりピンとこなかったのだけど、劇場で静けさに息を潜めながら観て、帰りの電車でこの映画が撮影された背景について読んで、ぐっと身体に入ってきた でもやっぱり映画のディテールとしてぐっ>>続きを読む

王国(あるいはその家について)(2018年製作の映画)

2.9

このレビューはネタバレを含みます

64分版を鑑賞

言葉と声ありきの作品なのに言葉がぜんぜんいいと思えなくてスンとしてしまった 「濱口竜介の映画の端材でつくった廃材アート」って一言だけの感想を書いてるひとがいてうなづきすぎて首もげてし
>>続きを読む

美しき冒険旅行(1971年製作の映画)

4.5

一体何を見てるんだ…?の気持ちになる映画だいすき オーストラリアの広大な大地をひたすら歩く制服ミニスカ白タイツの少女(フェチすぎる)と同じく制服半ズボンの弟、そして彼らの前に現れるwalkabout(>>続きを読む

理由なき反抗(1955年製作の映画)

3.6

『夜の人々』からニコラス・レイ繋がりで 理由なきというわりにしっかり理由ある 親子関係にアイデンティティを揺らがす問題を抱える若者たち三者三様の苦悩、というテーマを深掘りする暇もなく単純に治安がおしま>>続きを読む

ひまわり(1970年製作の映画)

3.7

前半は『昨日・今日・明日』のふたりを下敷きに見ればニコニコ 浜辺でイチャイチャしてたら金のイヤリング飲み込んじゃって「こなれてくるかなぁ」「あんたかわいいわね!」のくだりなんやねん(ちゃんと伏線になっ>>続きを読む