このレビューはネタバレを含みます
監督の住まいの近所ということで皆顔見知りなのか、自然な距離感で撮影していた。冒頭で語られる店員とお客の暇な時間をそのまま映すというのはアケルマンに受け継がれているんだなぁと思ったり。街の住人は個性的で>>続きを読む
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戦争前、戦争体験、戦争後の3部構成になっていて、かけがえのない日常と兵士の負った傷跡を丁寧に描いていた。他愛ない日常から幕を開け、仲間の結婚と希望に満ちた未来を表現したダンスの哀愁を帯びたロシア民謡が>>続きを読む
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この時代までの集大成、ほとんどの要素が入っているのではなかろうか。そこに記憶や新たな時代の幕開けといったテーマで、ラ・ジュテや2001年宇宙の旅を引用していたり。1999年という一つの時代の終わりから>>続きを読む
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写真家としてのヴァルダを強く感じた作品。漁師たちのネオレアリズモ的な作りかと思ったら一転、恋人達の心象風景のようなカットがあまりに強烈で引きずり込まれてしまった。この二人の歩く浜辺に映る工場や黒煙が海>>続きを読む
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この作品と暗殺のオペラは違った映画の見方を教えてくれた大切な作品。4K配信されてたので見返してみるとストーリーはさほど重要視しないので難解でも問題なく、約束された映像美によって終幕へ。ネオンライトに照>>続きを読む
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川の流れや滝の飛沫の勢い、断崖の迫力、木々の生命力、そしてそれらを征服しようとする人の力強さ。以前、低画質DVDで見た時よりも断然素晴らしく圧倒されてしまった。このような映像や演技を見せられては映画と>>続きを読む
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この作品の主人公フランソワは子供にも関わらず人間味はなく驚くほど不気味。子供はペットのように従順ではなく、可愛く無邪気な一面と意地悪で残酷な一面があって、この映画はその邪悪さを執拗なまでに見せつけてく>>続きを読む
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速射砲の如き会話劇が延々と続き、終盤にやっと本題へ、そして女性が狂っていくさまを描くというのはジョン・カサヴェテスのようだった。舞台は狭く局所的で、登場人物も多くない。ストーリーのようなものは感じられ>>続きを読む
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ヘビはネズミを喰らい、時にその身を差し出す。そんなイメージ映像がこの村で行われてきた悲しい風習のそれと重なる。ネズミ子が増えれば糧は減る、いくら煮ても豆は増えない、食べる物がなければ弱い者から減らして>>続きを読む
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映画を見始めた頃この作品に返り討ちに会い、もうこんな監督の作品なんか見ないと思っていたけど、今では最も好きな監督の一人になってしまった。
天使は守護者、観測者となり“神の視点”として世界の外側から歴>>続きを読む
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ミンストレル・ショーが見られる!
以前見た通常版ほど没入感はなかった。やはり言語による違和感が大きく、中国映画が好きになったことが大きいように思う。正直、溥儀や国の隆盛なんかどうでも良くて、主役は紫>>続きを読む
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劇薬と媚薬、慣れるということは恐ろしい。
愛という一字にどれだけの感情、欲望が絡み合っているのか、あまりに複雑怪奇で紐解く事はできないだろうと思う。愛なんてものは何かの集合体で不純が当たり前、純愛な>>続きを読む
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近未来的でありながら、古き良きアメリカ映画の雰囲気に包まれている不思議な世界。囚われたラウリーに罪状を告げる場面で、この映画を見ている者しか知らないであろう罪状を淀みなく告げる演出が、強制的に視聴者を>>続きを読む
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さすが香港の黒澤明、中華アクションの最高傑作…なんて生ぬるいほど群を抜いてる。幻想的で幽玄な前半と神秘的でサイケデリックな後半の二部構成、どうりで劇伴の雰囲気が変わった訳だ。寂れた中華風の家屋の趣と音>>続きを読む
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ヴァーホーヴェンが同性愛を繰り返し扱うのはキリスト教的な考えへのアンチテーゼなのだろう。マリア像に母性を見出していたベネデッタは神への信仰が成長と共に性欲へ変化し、痛みによって神と結ばれる。教会側や聖>>続きを読む
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指名手配犯がなかやまきんに君。
後に作られる松井良彦作品の断片が散らばっていて、きっとこの作品に多大な影響を受けたのだろうと想像する。ただこの作品は生々しい。追悼のざわめきよりずっと。追悼の…は美し>>続きを読む
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この日本にも守護天使が居たんだ。
この監督は探すためにドキュメンタリーを撮ってるんだなと思った。東京画は理想の東京を求めて今の東京へやって来た。今作も映画との向き合い方を軸に、映画とファッションの通>>続きを読む
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監督の亡き息子に捧げた作品らしく、愛と喪失の物語。オクタビオは愛する女、バレリアは美しい脚、エル・チーボは家族を失う。そして犬が暴力、不安、居場所、子供といったキーワードとして現れそれぞれに影響を及ぼ>>続きを読む
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まとめの章で仕方ないかもしれないけど、駆け足気味で視点が増え過ぎな気がした。ミレニアム編集部内での軋轢や、警察内のゴタゴタをもっと掘り下げて欲しかった。新体制対旧体制?という構図も新体制側が美化され過>>続きを読む
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こういうことには疎い私にも感じる安定した脚本のうまさ、対比と伏線(敗北)でしっかり映画内で完結してる。ただ若干展開に変化がないかなと思ったりも。パロディとして登場してたけど、黒幕と側近も007っぽいな>>続きを読む
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あーたまらない。
意味などわからずとも脳死で見ていられるキマった映像が大好き。どことなく韓国映画というより中国や台湾映画のような感じがする。見えない物、聞こえない音を感じさせてくれる映画の魔法、フィ>>続きを読む
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重厚で格調高い“黒”と凍てつく澄んだ“白”。この画作りの対比が上品で、全体的に上質。物語は前半の暗さから打って変わり、ミカエルと合流してからの女々しい男と雄々しい女二人の掛け合いが不釣り合いで楽しい。>>続きを読む
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「家からの手紙」での船出に通じる夜の摩天楼の景色で幕を開ける。灯りが浮かび上がるように輝くニューヨークの景色が綺麗。愛、女性、移民、家族、宗教をテーマに、自身に起きている出来事をワンカットで独白、その>>続きを読む
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映画の定義が“動き”であるとするなら、この作品は映画である事を否定したかのよう。次々映し出される写真一枚一枚は、撮影したフィルムの一瞬だとしたらとても贅沢。剥製のように男の時間も止まり、役目を果たした>>続きを読む
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ヨーロピアン・エロ・グロ・ナンセンス・ファンタジー・カルトな闇鍋映画。改めて見直すと思いの外コメディ。
成長を止めるというのは“侵略”、太鼓は“マーチ”、ガラスを割る能力は“水晶の夜”…オスカルの個>>続きを読む
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ニトラムと同じ監督と気づかずに視聴。思いの外低評価に困惑。行き過ぎた正義感の暴走、というより完全に私怨で出発点から常軌を逸している。正義を隠れ蓑にエゴを振りかざすというのは何も絵空事ではなく、身近なと>>続きを読む
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もはや彼の作る異形に恐怖心は抱かず、親しみすら感じる様になってしまった…つまるところカワイイ。中毒になりそうな程の毒気、皮肉や意味あり気な演出、非日常なおかしみは心を掴んで離さない。監督の食に対する強>>続きを読む
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「赤い淫画」にまとめてしまったがこれだけ残したく。作品自体は好みであったのだがモーテルでの場面、二人の距離が近付きつつある中でのハラスメント…いくらセツクスの前とはいえあれだけは萎えてしまった。
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暗黒名画座で以前紹介していた「赤い眩暈」が良かったのでこちらも見た次第。ロマンポルノは見た事が無いので他とは比較はできないけれど、悲しみの雨、欲望の赤とでも言いたくなるような叙情的な演出、目を引くよう>>続きを読む
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同監督の「4番目の男」リメイク?というのが素直な感想。“氷の微笑”と言うには人間臭くなるキャサリンは気になるけれど、やっぱり彼女が黒幕かな。ただ、あれほど賢く魅力的なキャサリンが自らの手を汚していたと>>続きを読む
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愛して止まないアキ・カウリスマキ監督作品。おじさんおばさんが顔をしかめ直立している姿が妙に可笑しく、年齢的に希望を抱くには絶妙に遅い夫婦の愛おしさ。赤いコートが微妙に似合うイロナと、軽妙に花束を持って>>続きを読む
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実相寺昭雄による変態紳士面目躍如。名探偵明智の活躍はあまり見られず、寧ろ燻る姿に衝撃。真田広之に劣らず嶋田久作の渋さに驚いた。監督の描く陰影、構図、絵作り総てが素晴らしく、倒錯する人々の美しさをも引き>>続きを読む
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【悪魔を殺せるものはただひとつ、愛だ】
映像表現がクールでドラッギー、複雑で見る度に違うものが見えてきそうな作品。歪なヒーロー像を作り上げるメディア批判と、国民食がジャンクフードとコーラというアメ>>続きを読む
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ロードムービーの趣で何処までも付いて回る孤独。主人公や家族の話など「家からの手紙」や「ノー・ホーム・ムーヴィー」で見たようなエピソードが有り自伝的要素が強いのでしょう。シンメトリーと横移動が印象的で、>>続きを読む
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開始早々尋常ならざる雰囲気に圧倒。恐怖し、涙をこぼし、恍惚とするジャンヌ。怒り、憤り、罵る司祭たち。そんな表情の重厚なアップ(もはや顔芸)と強力な重力を持ったカット、単調な繰り返しであるもののその推進>>続きを読む
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「こわれゆく女」
「チャイニーズ・ブッキーを殺した男」
に続き3作目。
若い女の死と老いた女を演じるうちに若さへの嫉妬と羨望、老いの恐怖と抵抗に取り憑かれてしまう。自分を模索、表現しようにも脚本に縛>>続きを読む