映画男さんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

アナザーラウンド(2020年製作の映画)

4.0

血中のアルコール濃度を0.05%に保てば生産性向上して人生がうまくいくという仮説の下、男たちが昼酒をかまして仕事に励むその様子を描いた作品。毎日痛飲していれば当然いつか何かをやらかすわけで、そういう意>>続きを読む

老人Z(1991年製作の映画)

3.5

江口さん作の動くキャラは初めて見た。躍動感があって大変良い。目を描けるって、アニメの強みよな。真っ直ぐに見つめるピュアな目はそれだけでグッとくる。劇中の音楽もバチバチにきまってたし、設定もおもしろいし>>続きを読む

クライムズ・オブ・ザ・フューチャー(2022年製作の映画)

4.0

多少ついていけない場面はあったが、圧倒的な独自性の前では大したマイナスにはなるまい。アテネで撮影したという幻想的なロケーション、斬新な造形美術、ぶっ飛んだ世界観はそれだけで、人類の芸術的財産になるとお>>続きを読む

愛の残像(2008年製作の映画)

4.0

男が歩道を歩くなんの変哲も無いファーストカットから傑作の匂いがぷんぷんする。これはなんなのか。奇跡か。

エドワード・ヤンの恋愛時代 4K レストア版(1994年製作の映画)

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やっぱこの人はコメディ撮られへん人なんやなとおもった。エドワードヤンって男は、たぶんいや絶対に根暗で、人生の暗い面ばかり気にしちゃって、そうしていつも引きこもって、映画に救いを見出してきた人なんやとお>>続きを読む

ママと娼婦 4Kデジタルリマスター版(1973年製作の映画)

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倦怠絶望疲労虚無憂鬱退屈とにかく人生のやるせなさや乾き切って潤わない惨めな心に寄り添う悪魔の映画。深夜、雨に打たれながらぬかるみを一人とぼとぼ歩く時のような切なさがずっと続く。シャツはずぶ濡れで重たく>>続きを読む

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

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だいたいの場面は面白かった。ストーリーは多少断片的になっているが脳内補正で追いつける。積み木のシーンが特に印象に残った。今にも崩れそうな積み木が世界の秩序を保っているという。その積み木が、唐突に現れた>>続きを読む

カラビニエ(1963年製作の映画)

3.0

ゴダール版天才バカボン「戦争で大金を稼ぐのだ!」

怪物(2023年製作の映画)

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いや、良いけどさ、めちゃくちゃ良いけどさ、瑛太も安藤サクラも田中裕子も、チャプター毎に芝居の調子変えてるよな。是枝が演出の調子を変えていると言ってもいいけど。なんか、誘導尋問に引っかかったみたいで嫌に>>続きを読む

フリスコ・キッド(1979年製作の映画)

3.5

愛すべき低俗映画。嫌味じゃない。低俗こそ娯楽。低俗でこそ大衆映画。

嵐が丘(1988年製作の映画)

3.5

田中裕子の妖艶でうっとりする、きめ細やかな、白い肌。全てはこれを見せるための映画だったんじゃないかとおもえて仕方がない。陰鬱で暗い感じの美術設計、曇り空、どんよりとした重い展開。これら全ては田中裕子の>>続きを読む

甘い夜の果て(1961年製作の映画)

3.5

「わかったか!」オートバイビューン!「わかんない!」

現代やくざ 血桜三兄弟(1971年製作の映画)

3.5

良いなあ。菅原文太ちゅうより、渡瀬恒彦&荒木一郎がメイン。これから死にに行くって時の切なさ、やるせなさ、怒り、復讐、燃えたぎる情熱、そういういろんなもんが混じった後半が良かった。まあなんといっても、小>>続きを読む

事件(1978年製作の映画)

3.0

久しぶりに神保町シアターにて鑑賞。
事件の回想はつまんないけど(渡瀬恒彦は格別)、証人尋問のおもろさよな。名優たちの独壇場。森繁久彌、八百屋の婆さんなんか、特に良かったなあ。

いれずみ半太郎(1963年製作の映画)

3.0

マキノ雅弘の自伝を読むと、青年時代、家の借金を背負って借金取りから逃げ続け、金策に駆けずり回っていたことが書かれている。家族にも頼れなかったそうだ。それを踏まえて本作を観ると、やはり半太郎の背後にはマ>>続きを読む

ごんたくれ(1995年製作の映画)

2.5

こんな映画があったのか。もうコッテコテの、串カツソースを存分に塗りたくったようなナニワ映画。ウルフルズの「大阪ストラット」のMVの、あの感じが延々と続く。懐かしの芸人がたくさん観れるのと、昔のギラギラ>>続きを読む

赤い河(1948年製作の映画)

4.0

「キー・ラーゴ」的な密室劇の濃密さを保ちながら、壮大な大地を大量の牛と共に移動していく躍動感に酔いしれる。

ミスティック・リバー(2003年製作の映画)

3.5

ラストのパレードシーンが恐ろしい。旦那であるティムロビンスを密告したセレステには冷たく暗い影がさし、殺人を犯したショーンペンの顔には明るくて眩しい太陽光線が当てられている。あたかも家族を守るために犯す>>続きを読む

ミッドナイトスワン(2020年製作の映画)

2.5

そんなに良い映画じゃない。どこがダメだと思うのか、ずっと考えていたんだが、まだはっきりとはいえない。題材としては嫌いじゃないのだが。書きながら考えてみる。一果は育児放棄された母親から抜け出して、転校先>>続きを読む

逆転のトライアングル(2022年製作の映画)

3.5

『スクエア』の次は『トライアングル』。3部構成の本作はチャプター毎に登場人物の立場が入れ替わる。搾取する側が搾取される側になり、またその逆も生まれる。因果応報の映画。嘔吐シーンが(やりすぎ感もあるが)>>続きを読む

ザ・スクエア 思いやりの聖域(2017年製作の映画)

3.5

表現の自由の限界・そもそも芸術とは?を問いかけるような内容の作品。主人公の美術館オーナーはその命題に振り回されるわけだが、同じように観客である我々にもそれは問いかけられる。終始、自分ならどうするか?を>>続きを読む

ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書(2017年製作の映画)

3.5

今更野暮な感想やけど、スピルバーグの映像で伝えることの巧さに脱帽する。どの役者も感情表現の幅が求められる内容やけど、そのテンションは絶妙にコントロールされているし、顔に当たる影のバランスも良い(メリル>>続きを読む

マー ―サイコパスの狂気の地下室―(2019年製作の映画)

3.0

学生時代に虐げられた女が大人になって復讐するというのはわかるけど、マーの人間性がクソで、仕事サボるわ娘を邪険に扱うわ空気読まれへんし嘘つくし、こんな女にいくらなんでも共感できひん。せめて仕事くらいちゃ>>続きを読む

LUGINSKY(2020年製作の映画)

3.0

嫌いじゃない。画面素材はあと2倍は必要だったんじゃないかとおもう。静止画でじっと見せるのには耐えかねるし、テンポよく見せるにしては素材が少なかった。とはいえ、少人数でここまでの映像を築き上げるのは相当>>続きを読む

ヴァイブレータ(2003年製作の映画)

4.0

廣木隆一は嫌いだがこの作品に関しては素晴らしいと認めざるを得ない。

侠骨一代(1967年製作の映画)

4.0

深作欣二の血しぶき盛りだくさんの隠れた名作かと想起させる題名であるが、マキノ節がたっぷり効いた、情緒溢れる、上質な任侠映画。日本侠客伝ではまだデビューして間もなく、大根を愛嬌で誤魔化している感もあるの>>続きを読む

日本侠客伝 浪花篇(1965年製作の映画)

3.9

大阪弁警察であるゆえエセ大阪弁は徹底的に非難したいところだが、幸い高倉健は横浜から訪ねてきた設定なので、逮捕を免れた。俺も、健さんが懸命に大阪弁を話す姿なんて見たくないし、逮捕もしたくなかったので、マ>>続きを読む

日本侠客伝(1964年製作の映画)

4.5

画面の奥行きに注目。どのカットをみても、奥で人が動き、絵になっている。チャンバラシーンだけじゃない。ドカタ仕事、家屋での会話、道を歩くといったなんともないような場面でも奥の奥まで演出が行き届いている。>>続きを読む

大学の山賊たち(1960年製作の映画)

2.5

このレビューはネタバレを含みます

これは良くない。逃走ギャングの扱いかたが、あまりにも平和主義すぎる。いや、平和であることは結構だが、理にかなっていないというか、違和感が拭えない。山岳部の大学生たちは、二人組のギャングに山小屋を占拠さ>>続きを読む

結婚のすべて(1958年製作の映画)

4.0

超痛快。主人公演じる雪村いづみの活発でキャピキャピした感じが個人的に苦手だったのでやや減点したのだが、それにしても物語として、おもしろさは抜群である。素晴らしい。ちょい役で、佐藤允、三船敏郎、田崎潤ら>>続きを読む

血は渇いてる(1960年製作の映画)

3.5

吉田喜重の二作目。ここでも拳銃が出てくる。まるで、「ろくでなし」で登場した若者たちが大人になったような繋がりを感じる。制作年をみると、同年に撮られたぽい。間違いなく「ろくでなし」の続きだろう。マスコミ>>続きを読む

ろくでなし(1960年製作の映画)

4.0

松竹ヌーヴェルバーグの青春傑作といえば大島渚の「青春残酷物語」がずば抜けているという認識だったが、私は非常に浅はかで、無知だった。この「ろくでなし」という映画。傑作である。現在にも通ずる若者の不変の鬱>>続きを読む

オーディション(2000年製作の映画)

3.5

面白かった。やっぱ見どころといえば最後のアレよね。あんなにも、映像で痛みを感じさせるってなかなかの手腕だと思う。「いや、これはフィクションやから大丈夫」って頭の中で唱えるけど、それでも怖い。痛い。辛い>>続きを読む