えいこさんの映画レビュー・感想・評価 - 6ページ目

チャーリーとチョコレート工場(2005年製作の映画)

4.4

はじまりから不気味なんだけど、すぐに世界観の虜になる。ティム・バートンらしさ全開の奇天烈映画。
出てくるキャラクター全部面白い。解明したくてロアルド・ダールの原作も読んだが、ほぼ忠実なのにまたビックリ
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シザーハンズ(1990年製作の映画)

4.6

初めて見たティム・バートンの作品。
奇抜だがポップな世界観が大好きになった。ありえない設定なのに、なぜかそれが当たり前に存在しているように思えてくる不思議。
物語もファンタジックで切なく、心優しいエド
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バットマン(1989年製作の映画)

3.4

ジョーカーを見る前にと初バットマン鑑賞。予習というより、ティム・バートンらしさ満載のエンタメ作品でした。
チャーミングでエレガントなニコルソンのジョーカーは、紫と緑がポップな完全なるティム・バートンの
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ピンポン(2002年製作の映画)

3.5

世界観、音楽、台詞、構図!漫画は読んでないけど、松本大洋のカットが見える。

とにかく窪塚洋介がキュートでよい。役者としての振れ幅が大きく、印象的な役を作る。夏木マリのオババもカッコよすぎ。表情、衣装
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アド・アストラ(2019年製作の映画)

3.5

IMAXで映像美と音響を堪能。
ほとんどがモノローグだが、音楽の効果で、内省的な語りにもわりとすっと入れる。展開を追うことで全く眠くはならず、宇宙の背景にもリアリティが感じられ興味深かった。

ブラッ
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(1974年製作の映画)

4.1

詩的なモノローグと映像美を堪能。ストーリーは追えないが、言葉と映像と音に促され内面へ降りていく感じがタルコフスキーらしさか。
随所に挟まれる戦争や革命の映像と詩的な言葉が、生と死を越える大きな時の流れ
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シンドラーのリスト(1993年製作の映画)

4.5

3時間という長さを全く感じさせない。
事実の重みが緊迫感とともに胸に迫ってきて、片時も目を離せない。

シュターンとの信頼関係、ゲートとの駆け引き、俗っぽいけど信念で突き進むシンドラーの人間としての魅
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レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ(1989年製作の映画)

3.4

何の説明もなしに始まる、とんがりヘアととんがり靴のバンドのロードムービー。
彼らもお金がないが、この映画もお金かかってない感が半端ない。
失笑につぐ失笑、なんじゃこりゃってツッコミながら、でもけなげに
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ベティ・ブルー 愛と激情の日々(1986年製作の映画)

5.0

学生の頃、何となく試写会に当たって鑑賞。映像美、音楽、ストーリー全てに圧倒された。以降の映画鑑賞の原点。
ベティとゾーグの激しい純愛、夕暮れの空の色は忘れられない。ガブリエル・ヤールの音楽を聞くたびに
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桜桃の味(1997年製作の映画)

3.0

うーん🤔キアロスタミ監督、初の鑑賞。
途中、眠りかけた。

主人公の身勝手な依頼に、おいおいと突っ込みながら、なんとなく付き合わされるロードムービー。

3人の同乗者の言葉がだんだん深くなっていき、ト
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海よりもまだ深く(2016年製作の映画)

4.1

是枝監督の映画は、本当に細部まで日常。タンスやひきだし、テーブルの上。インスタントコーヒーの紙の破り方…。そして母親の世話のやき方。息子はいい年になってもいつまでも子ども。特に大きな阿部寛が、無自覚に>>続きを読む

勝手にしやがれ(1960年製作の映画)

4.1

学生の頃に見た、私にとってフランス映画の象徴。構図、カメラワーク、台詞、雰囲気すべてが洒落てる。

ジーン・セバーグはとにかく可愛い。髪型、ファッション、仕草。ベルモンドの白い靴下とあのパンツ丈、煙草
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新聞記者(2019年製作の映画)

3.5

現実の事件を思わせる出来事が次々起きて、オーバーラップしてくる。合間に挟まれる望月記者や前川喜平さんの発言も興味深く、上手に作ってるなと感じた。

シム・ウンギョン、初めて見る役者さん。表情やまっすぐ
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カラーパープル(1985年製作の映画)

3.9

学生の頃、友人が感動して原書も読んでた。そうそう、と思い出して鑑賞。

まだDVなんて言葉も聞かなかったあの頃。白人は黒人に何をしてもお咎めなし、娘であろうが女であれば何をしてもいい。男の奴隷であり所
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オーバー・フェンス(2016年製作の映画)

3.3

オダギリジョーがはまり役。
白岩のように、流されて生きてる、けど無意識に優しい人が、関わる人を壊すのかもしれない。

職業訓練校の人たちは、それぞれが悩みややりきれなさを抱えて生きてるから、たまる不満
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映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ(2016年製作の映画)

3.3

社会の下層でやりきれなさを抱えながら生きる人々。理解しながらも、私自身を守るために直視しないように努めてきた現実に息苦しくなる。

「都会を好きになった瞬間、自殺したようなもんだよ」持てるものと持たざ
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海街diary(2015年製作の映画)

3.8

優しい気持ちになる映画。4人姉妹が1つ屋根の下に暮らしながらも、それぞれ自分なりの人生を生きてるのがいい。

長女の私としては、やっぱりさちねえに感情が寄ってしまうんだけど、次女の長澤まさみもとてもよ
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湯を沸かすほどの熱い愛(2016年製作の映画)

4.2

「長いお別れ」を見てから、皆さんのレビューを読み、早速DVD借りてきました。
脚本、キャスティング、演技力、総合力で泣かされっぱなしの2時間超。後半に次々と伏線が回収されていくにつれ、感情にドライブが
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戦争のはらわた(1977年製作の映画)

3.9

終わらない爆撃、血まみれの死体、小隊での束の間の休息。混乱と混沌の中で感情や思考が麻痺する戦線の状況が、映像と音全開で伝わる。その中にあり人間の尊厳を失わない伝説の隊長をジェームズ・コバーンが演じる。>>続きを読む

気狂いピエロ(1965年製作の映画)

4.2

フランス映画を見始めた頃、大人でお洒落な同級生が勧めてたので鑑賞。
それから映画館でもDVDでも何度か見た。

初めて見た時には、何が何だかわからず、ただただ洒落たフランスっぽさに憧れた。
アンナ・カ
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長いお別れ(2019年製作の映画)

4.3

予告編を見るたびに涙だったが、本編開始すぐの山崎努の表情アップで早々に涙腺崩壊。麻里のやりきれなさにも、芙美のもどかしさにも容易に感情移入して泣きっぱなしの2時間。

演技派揃いの俳優陣、脚本、セット
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惑星ソラリス(1972年製作の映画)

3.9

タルコフスキーらしい絵画的構図をこの作品でも堪能。水と火はやはり印象的。初めの水草は心地よさから始まったが、長回しの間に、触手のように見えてくる。スローで執拗なカメラワークは、深部へと思考を運ぶ手段な>>続きを読む

ハンナ・アーレント(2012年製作の映画)

3.9

静かに真摯に勇気をもって対象に向き合う姿勢に感銘を受けた。バルバラ・スコヴァの表情がよい。周囲の人々も知的で人間味があり、自立していて自身の考えに真っ直ぐだ。ハンナの師であるハイデガーは恋愛においても>>続きを読む

ノスタルジア(1983年製作の映画)

4.0

詩的な映像美と繰り返される水のモチーフ。ロシアもイタリアもアンドレイ自身の心象風景の投影として表れる。つまり、どこにいても故郷ロシアの空気感に満たされている。

モノクロとカラーの繰り返しが時に融合し
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エル・スール(1982年製作の映画)

4.0

本棚の古いパンフレットを整理していて昔見たことを思い出し、再び視聴。

30年ほど前に繰り返しスペインに行っていた。光と闇、夜明けと夕暮れ、空気や土、同じ国といっても、地域で全く違う顔を持つ国。そこが
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希望の灯り(2018年製作の映画)

4.5

静かなカメラワークと寡黙な主人公。
荒涼とした土地に立つ倉庫のような巨大スーパーマーケット。
触れてほしくない私生活には踏み込まず、でも、温かく受けとめ、しっかりと仕込んでいく同僚や上長。

殺風景な
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誰かがあなたを愛してる(1987年製作の映画)

4.0

香港ノワールにはまっていた頃に見た。
今思うと子どもっぽい二人だが、当時は切なくて涙した。NYの風景、街はずれな雰囲気、夕暮れ…カメラワークもよかった。チョウ・ユンファの無邪気な笑顔、寂しげな笑顔が大
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ミツバチのささやき(1973年製作の映画)

4.6

スペインに憧れていた若い頃に見た映画。
スペイン語は神と話す言葉と言われるが、少ない台詞と囁くような語りと美しい映像に引き込まれた。

荒涼とした風景と蜜蜂や風の音。暗い部屋の中とそこに射す光。空気感
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この世界の片隅に(2016年製作の映画)

4.6

おっとりした主人公が、与えられた場所で懸命に生きている。キツイことも言うけど、いざという時には助けてくれる周囲の人々。その関係を作ったのもすずの素直さと誠実さ。
地道に築いてきた普通の幸せを襲う戦争。
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青いパパイヤの香り(1993年製作の映画)

4.2

少ないセリフ。カメラワークで語る映画。
伏し目がちで淡々と落ち着いた声で話す姉妹。湿度の高い空気感が画面から伝わる。
画面を見つめる私の視線は少女の視線となる。大人の映画。

日日是好日(2018年製作の映画)

4.3

なかなか予定が立たず、原作を読んでからの鑑賞。原作に忠実なのに加え、俳優、脚本がより内容に深みを与えている。

お茶のお稽古を縦軸に進んでいくのだが、折々の季節や主人公のおかれた状況、心境によって感じ
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冒険者たち(1967年製作の映画)

4.0

鑑賞したのは随分昔。
でも、あのメロディ、3人の関係、海と錆びた鉄と要塞のイメージが、いつまでも残ってる。
ジョアンナ・シムカスは、この映画でしか見たことないけど、とにかくレティシアが可愛い。昔、留学
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ボヘミアン・ラプソディ(2018年製作の映画)

4.5

IMAXで鑑賞。ライブ会場にいるかのような臨場感!ずっとQueenの音楽に浸れる2時間13分。

メンバーで試行錯誤の製作過程、バンドの売れていく疾走感は痛快。フレディの才能、孤独。ボヘミアンラプソデ
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2001年宇宙の旅 新世紀特別版(1968年製作の映画)

4.8

IMAXで鑑賞。DVDで見て、途中意識を失ったところがあっただけに、気持ちよく寝にいくくらいの覚悟で映画館に…。

寝るどころか、映像美と音の迫力に圧倒され続け、成り行きがわかっているのにドキドキしな
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プーと大人になった僕(2018年製作の映画)

3.8

ウィニー・ザ・プーの私の大好きな場面。「ねぇプー、僕がいなくなっても、ひとりでここに来て、何にもしないってことをしてくれる?」100エーカーの森で、クリストファー・ロビンがプーに語りかけるラスト・シー>>続きを読む

馬を放つ(2017年製作の映画)

3.0

キルギスの素朴でおおらかな自然と躍動感のある馬の映像が印象に残る。
音楽や台詞も少なく、物語は淡々と進む。
人と馬とが互いに支え合うかつての文化伝統を忘れ、グローバル資本主義に傾いていく村の人々の心。
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