最初の5分で、素晴らしい作品の予感。
実写のようにリアルで、でも幻想的で美しい現代の東京。静かに降る雪と夜の灯り。鈴木慶一の音楽もぴったり。
次々と伏線を回収しながらテンポよく進む脚本がとにかく素晴>>続きを読む
攻殻機動隊からの流れで続編とも言える本作を初観賞。相変わらずの哲学的な台詞と渋めの音楽で大人向け。少佐の消えた後のバトーの物語なので、より漢っぽい。
ただCGによる乗物や建造物が、どうもしっくりこな>>続きを読む
何度も観ている作品だが初めてのIMAX。
1995年製作だが、世界観は普遍的で、観るたびに新たな気づきがある。絵はもちろんのこと、音楽、脚本も流石の完成度。
記憶、意識、身体…自分を自分たらしめてい>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
公開時に観た時とはまた違った感慨。当時は、青年の純粋な夢と、限られた命を削るような少女の恋を見ていた。
時代が進んだからかしら、今回感じたのは男のエゴイズムと女の献身。もちろん、二人が心から惹かれあ>>続きを読む
半藤一利の著作によって知った終戦の裏側。三船敏郎の阿南惟幾を見るべく観賞。脚本、俳優陣、重厚感ある作品。
知られざる史実への興味と、並行して進む事態の緊迫度合に、あっという間の2時間半。閣僚会議や内>>続きを読む
オダギリジョー見たさで手にとったが、思いのほか素敵な作品だった。語りすぎない絶妙な脚本は渡辺あや。画面の質感や背景、音楽と静けさのバランスも好き。
オダギリジョーのとらえどころのない美しさは予想通り>>続きを読む
子どもの小さい頃に本を読んだ記憶がうっすら甦る。
あかり役の子の笑顔に既視感あるなぁと思ったら、スカーレットに出ていた福田麻由子。笑顔が子役の頃から印象的。高島礼子のお母さんもトヨエツのお父さんも良>>続きを読む
あの分厚い書籍を読む気概はなかったが、映画版ならと観賞。
中世からの資本の集中と格差の拡大の経緯について、映画やニュース映像、識者の解説を挟みながら、テンポよく展開されていく。言説は巷で聞いている内>>続きを読む
夢と現実の曖昧さ、描ききらない難解さ含めて、宮澤賢治らしさはとても感じた。スチームパンクっぽい絵や自然の描き方も好き。ただ、ストーリー、ブドリの感情など、物足りなさは残る。そうした鑑賞者に委ねるところ>>続きを読む
歌とダンスがとにかく圧巻。舞台を観ているような、サーカステントにいるようなカメラワークとゴージャスな演出。まさに浴びている感覚。映画館で観たい作品。
少々テンポの良すぎる展開とご都合主義のストーリー>>続きを読む
切なくて、やりきれなくて、でもそればかりでもない、名づけようのない感情が沸き起こる。田辺聖子の原作も好きだが、また少し違う感傷。どこか昔の話ではなく、私たちの物語としてのリアル。
「こわれもの」とい>>続きを読む
プレーム兄貴が、愛すべきいい奴すぎる。王女様は華やかな美人すぎる。衣装もミュージカルシーンも絢爛豪華すぎる。インド映画らしい「すぎる」盛り盛りのハートウォーミングな作品。ストーリーはベタで、展開も読め>>続きを読む
佐藤二朗の拗らせぶりにもすっかり慣れた2作目。オヨヨ、待ってました。
二郎ちゃんは、相変わらず二郎ちゃんだが、今回はベーちゃんに加えておじさんまで二郎ちゃんに付き合ってくれてる。二人とも神がかり的に>>続きを読む
題材としては面白いが、脚本や画面の感じは昔のTVドラマっぽいチープさ。設定や構成をシンプルにして、ちほちゃんの存在感をとことんクローズアップした意図はわかるが、心情が見えなさすぎ。
ガラの悪い言葉に>>続きを読む
天分の才は人を幸せにも不幸にもする。辛い幼少期を経て成長したウィルの周りに、幸せな出会いがあってよかった。生い立ちの酷い部分をあまり描かずに、ウィルの現在に絞って、脚本も映像も美しく仕上げている。若い>>続きを読む
ただただ佐藤二朗を愛でる作品。この中年ニートキャラを愛おしく思えるかどうかが評価の分かれ目。ほとんど目を合わせないで喋るのに、時々ガン見する時のあの小さな目よ。とことん斜に構えた早口と語尾の「うん」。>>続きを読む
湖面や波に象徴される詩的な映像が美しい。「自分は光をにぎっている」山村暮鳥の詩のフレーズが繰り返される。主人公の澪の口数は少なく、音楽もほとんどない。ナレーションもないとにかく静かな作品。
再開発でな>>続きを読む
ドラマ「コントに始まる」にはまった流れで観賞。菅田将暉×桐谷健太、大阪弁ネイティブの掛け合い良き。そして菅田くんのモノローグはさらに沁みる。
10年やっても売れないまま散っていく芸人達は数多いる。で>>続きを読む
気になる監督ではあったが、これが初テリー・ギリアム。情報剥奪局の建物やレトロフューチャーなモチーフは好みだが、ライティングやセットの安っぽさがコントのよう。ストーリーにも世界観にも今一歩入り込めずに何>>続きを読む
なんかシュールで無茶苦茶だけど、嫌いじゃない世界観。歌舞伎、能、ミュージカル、お伽話…音楽も含めて、ありとあらゆる芸能を絢爛豪華にごった煮にしてる。この時空を超えたカオスに耐えられるのは、チャン・ツィ>>続きを読む
最近、唐沢版を通しで再視聴し堪能したばかり。つながりで田宮版も初鑑賞。
いきなりのモノクロ手術シーンから、ザ・リアリズム。ビジュアルは印象にあったが
私の生まれる前の作品。病院の建物や白衣、医療機器>>続きを読む
黒澤現代劇初鑑賞。トレンチコートやスーツ姿の三船敏郎の格好良さはもちろん、複雑に絡み合う脚本が素晴らしい。音楽やカメラワークの効果もあってか、映像にリズムがある。緊迫感の途切れない2時間半。
物語は>>続きを読む
木村佳乃ってこんなヘンな役もよく似合う。美人なのに不幸感があって果てしなく不器用なあかり。
荒川良々はいつもながらの良々だし、蟹江敬三も岡田義徳もまともなようでどこかバランスを崩している。よく考えれ>>続きを読む
冒頭から背景となる自然の美しさに圧倒される。アニメーションの域を超えてもはや絵画。男鹿和雄美術監督の力量。季節の移ろいを繊細に描いたこの美しさが、物語の説得力として効いてくる。
リアルな動物としての>>続きを読む
冒頭から、何もかも持て余している一子の表情のアップに圧倒される。登場人物のほとんどが、自分にも生活にもウンザリしながら、殺伐とした毎日をやり過ごしている。
目を逸らしたくなる日常なのに、一子を演じる>>続きを読む
西成を舞台にしたドキュメンタリーと思って見たのだが、全くドキュメンタリーではない。
ロケをしてリアルな映像をとってはいるので、空気感は伝わる。ただ物語も役者も素人臭く、もがいているのはわかるが響かな>>続きを読む
パトレイバーの設定だが、人物の画が1とは随分異なり、より大人のための作品になっている。
本作には特車二課のメンバーはあまり登場せず、おもに後藤と南雲の物語。主軸となる物語は、ポリティカルサスペンス。>>続きを読む
2を観るための前段。若い頃に観てハマった攻殻機動隊の世界観の片鱗が見える。
導入部のインパクト、廃墟と未来が混在するような独特な風景、実写のようなカメラワークはさすが。聖書のモチーフ、モノローグ多用>>続きを読む
12人の服装に、バブルの頃を思い出して懐かしくなる。服装や髪型、注文する飲み物にも、12人それぞれのキャラクターが表れている。細部まで徹底したペルソナ設定。
そんな細部にニヤニヤしているうちに、怒涛の>>続きを読む
予備知識なく観たら、思いのほか泣いてしまった。
ダメ夫のトヨエツも奥さんの薬師丸ひろ子もとてもハマっていて愛らしい。コミカルでチャーミングでちょっと切ない薬師丸ひろ子がとにかく魅力的。脇を固める石橋>>続きを読む
1、2から間が空いてしまったが、3作目観賞。家族愛に寄せた今作が一番好きかも。
ストーリーは、前半と後半がどうもしっくり繋がらないが、イップ師匠のアクションをあまねく堪能できたので良し。
アクション>>続きを読む
ビートルズの曲がベースに流れ、後半ジャックの人生にもシンクロしていくあたりが見どころ。
エリー役のリリー・ジェームスがとてもチャーミング。ジャックがさえないだけに、なんでここまで献身的に待つのか、ラ>>続きを読む
いつものメンバーで三木聡ワールド全開。上野樹里のゆるゆる不思議感がぴったり。蒼井優のぶっ飛び加減もまた初々しさがあって可愛い。
三木聡監督は、いつも「フツウ」に潜む異次元の世界を描くのが上手い。スー>>続きを読む
風の吹き荒ぶ荒野、霧の立ちこめる森の光景と音楽の効果で、序盤から不穏な空気感。三船敏郎と千秋実、志村喬はいつもの安定感なのだが、物の怪あたりからかなりのおどろおどろしさ。能の謡や囃子がさらに幽玄の世界>>続きを読む
真っ直ぐで美しい作品でした。それは偏にドリスの心根の健やかさ、そして、それを感じとるフィリップの繊細な感性と懐の深さによるもの。序盤のカーチェイスのシーンから私ももうドリスに魅せられている。
介助する>>続きを読む
以前に観たことはあるのだが、ストーリーをすっかり忘れてたので、初見のように楽しめた。まずテーマ曲にワクワクします。
プラハ、ロンドン、パリTGV、CIA本部と景色の美しさも堪能。
少しずつ思い出しな>>続きを読む