eulogist2001さんの映画レビュー・感想・評価 - 25ページ目

eulogist2001

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真実の行方(1996年製作の映画)

3.4

このレビューはネタバレを含みます

どんでん返し。である事が分かっていて観ても、やはり驚かされた。おお、そう来たか!

統合失調症ものは、ダニエル・キースの有名なノン・フィクションを読んでから、いろいろ興味をもっていたが、本作はそれらで
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喜びも悲しみも幾歳月(1957年製作の映画)

3.6

高峰秀子の若い時から老け役までの演技を楽しめた。木下恵介監督作品の常連だけれど、毎回、素晴らしい。ところで、これだけ年齢の幅が広い役を演じてきたせいで彼女のエッセイは素晴らしいのか。ふとそう思った。>>続きを読む

大丈夫であるように ─Cocco 終らない旅─(2008年製作の映画)

2.8

このレビューはネタバレを含みます

ある種の若い女性の典型。つまり私にとって苦手なタイプ。病的なナルシズム。とでも呼ぶべきなのか。自分自身の何かに度を越して落ち込んでいき、どころかその落ち込みそのものを愛し、囚われからも抜け出せない呪縛>>続きを読む

二十歳(2015年製作の映画)

3.4

二十歳の頃って、おとなになった気恥ずかしさと少しの不安を抱えながら、本当に自覚も無しにバカで単純でくだらない事に悩んで、でもやっぱり楽しかったな。大学もバイトもサークルも麻雀もコンパも乱読した本も見ま>>続きを読む

日の名残り(1993年製作の映画)

4.0

実に名作、いや傑作。英国の頑固で仕事一筋な執事と一緒に人生を振り返った。濃密に、冷徹に、少しばかり感情的に。

この物語を穿って解釈するなら、仕事においてその立場や役割を全うする事の主観性と、同時に仕
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もみの家(2019年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

ほっこり。まったく邪心なく癒される作品。
学校でうまくいかないこころの痛みを抱えた16歳JK、コメ作りを通じた共同生活、美しき田舎の風景、地元の人との祭りを通した交流、モンスターのいない仲間たち、見守
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さようならCP(1972年製作の映画)

3.6

原一男監督4本目。
障害者への視線や差別意識という概念がまだまだ関係者や一部の進歩的な知識人の中だけでしか「流通」していなかった70年代の初め。そもそもおそらく精神病患者や身体障害者たちは家族や親族た
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笛吹川(1960年製作の映画)

3.0

木下恵介監督。3作目。
彼のテーマは一貫しているように思う。男は戦いに行きたがり、母親は子どもの命をなにより大事に思う。理念の男(理念に流されがちの男)とお腹を痛めた我が子を愛する母(命をつなぐ女)。
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運命じゃない人(2004年製作の映画)

3.9

シナリオが非常に手が込んでいて、面白い。「カメ止め」以前にこんな映画があったなんて知らなかった。

微妙なズレがいろんな伏線となり、それがまた別の何かと交錯する。

二十四の瞳(1954年製作の映画)

3.6

昨日に続いて連日の木下恵介監督。
本作は新米女性教師の昭和3年から21年までのおよそ18年を描く。

想像していた内容とはかなり違っていた。先生と小さな子どもたちの交流の心温まる話かなと勝手にイメージ
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陸軍(1944年製作の映画)

3.2

忠君愛国の時代。男子は天子(天皇)に捧げるものと教えられ、社会や家族も信じていた(あるいは信じたふりをせざるを得なかった)。

そんな窮屈な世の中でのプロパガンダ映画のはずだが、男たちの硬直した競争意
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ラヴソング(1996年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

運命に導かれたのかそれとも翻弄されたのか。ひと組の男女の10年の軌跡を描く。
冒頭とラストの列車のシーンが円環を閉じる鍵であった事が分かる。

それにしてもなぜか懐かしさと郷愁に満たされる。香港の政治
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秘密の花園(1993年製作の映画)

4.0

泣ける。文句なしにグッド・ストーリー。痛快、爽快、そして癒される。

荒れ果てて放置されていた花園が再び生まれ変わるのと一緒に周りのすへての人々も再生する。

子役の3人も素晴らしい。それぞれのキャラ
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パルプ・フィクション(1994年製作の映画)

3.8

タランティーノ!シナリオも台詞も練られていて、「らしさ」を楽しめた。オムニバス風なのも150分を乗り切るには良かったかもしれない。

ただ君だけ(2011年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

Blu-ray Disc
昨日観た作品がカタルシスを与えずに作品の余白による余韻で終わるものだったので、本作は完全に満喫できた。充分にハッピーエンド。

とはいえ本作だけ観れぱ、久しぶりに再会して背中
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天国はまだ遠く(2008年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

読んでいないので分からないけれど、原作が良いのかシナリオが良いのか、余韻がじわりじわりと滲みてくる良い作品。

ラストシーンがまた非常に象徴的。帰るときに千鶴に渡したお土産に潜ませたマッチ箱がものすご
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犯罪都市(2017年製作の映画)

2.9

血と暴力。なかなか韓国映画は生々しい。拷問そのものの痛み。凶々しい残忍さ。その辺りが苦手なわたしにはキツかった。

だってしょうがないじゃない(2019年製作の映画)

3.8

日本映画専門チャンネル
いろんな事を考えさせられる。

・老いることはある意味、障害を抱える事なんだな。しかも障害があって老いることは本人にも周りにとってもなおさら負担が大きいことなんだな。そしてこの
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(1951年製作の映画)

3.6

インドの大河の流れのように人生を語る。監督はあのルノワールの次男だという。

1951年作だが細かな文化的な差異はあれど、死生観は現代とさほど変わらない気がする。人生は河の流れのように絶え間なく流れ、
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フリーダム・ライターズ(2007年製作の映画)

4.2

素晴らしい!実話を元にしていたって事でさらに驚いた。

子供たちやそして大人になっても、現状を既定の事実として当たり前と認識するのはある意味敗北だろう。目の前の事を少し変えるだけで、大きな変化が立ち現
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レザボア・ドッグス(1992年製作の映画)

3.0

なかなかのエグさ。さすがタランティーノ。無闇な血と乾いた暴力。好みではないけれど。

レスラー(2008年製作の映画)

2.0

設定もストーリーもシナリオも私にはマッチしていなかった。ずっと惨めな感じを拭いきれない。

奇跡のシンフォニー(2007年製作の映画)

4.0

まさにツボに入る作品。素晴らしい音楽、無垢な天才、様々な苦難を乗り越えて大団円のハッピーエンド。悪役というスパイスの効き具合もちょうどいい。

好きなものが上手く調理されていて、大満足。分かってはいて
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映画「立候補」(2013年製作の映画)

3.8

日本で政治家になる難しさを感じた。やはりいくつかのパターンを踏襲していないと、政策や人柄だけでは厳しい。

そもそも一票を戦うので、どういう選挙民がどういう理由で選んだかなど無関係。理由を問わず、たく
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アイアンマン(2008年製作の映画)

3.6

「アイアンマン」シリーズは何作か観ているがその始まりを初めて知った。

映像やSFXが既に完成されている。展開もシンプルで悩まずに楽しめた。

世界でいちばん貧しい大統領 愛と闘争の男、ホセ・ムヒカ(2018年製作の映画)

3.8

ウルグアイの大統領、ムヒカ。イメージとは違い単なるひとの良い好好爺ではない事がよく分かる。

軍事独裁政権を倒し、共和政を実現するために武力闘争を行い、13年も投獄と脱獄を繰り返した不屈の闘士なのだ。
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娘は戦場で生まれた(2019年製作の映画)

4.0

シリアのアレッポ。独裁者アサド政権への反政府運動で半年近く包囲された街でのドキュメンタリー。撮影したジャーナリストが当事者でもあるので当然だけれど、非常に生々しい。戦場で生きて生活するということがどう>>続きを読む

天使にラブ・ソングを…(1992年製作の映画)

3.6

奇想天外な設定だけれど、聖と俗との対比がコミカルに昇華されたようで晴れ晴れとした気分になれた。もちろん音楽や歌の効果が大きいのは差し引いても。

当時のアメリカで黒人女性を主役に据えた作品が作られてい
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エクストリーム・ジョブ(2018年製作の映画)

4.1

痛快。愉快。爽快。肉体的に楽しめた。
カット割、テンポ、台詞回しも練りに練られていて隙がない。

エンタメとして最高!

カルテル・ランド(2015年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

骨太のドキュメンタリー作品。メキシコとアメリカの自警組織を描く。

メキシコでは麻薬を作り略奪や不法行為を働くカルテルを撲滅しようとする自警団。ホセ・ミレレス医師がリーダーとなって2013年に組織が出
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ニュースの真相(2016年製作の映画)

4.0

真実を見つけ、伝えるには勇気が必要だ。それは人間が社会を作り上げてから、ずっと変わらないだろう。そして勇気を出して闘った者たちのおかげで少しずつ少しずつ生きやすい社会へと改善されてきた。

権力者(そ
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聖なる泉の少女(2017年製作の映画)

3.6

幻想的な風景。山深い村で聖なる泉を守る年老いた神父と娘。その水で村人の治療も代々行ってきた。しかし開発の波はここにもやってきてその影響で遂には泉を枯らす。

静かで宗教的、詩的な世界がいつしか科学偏重
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水の中のナイフ(1962年製作の映画)

3.8

1962年。夫婦のヨット遊びにヒッチハイクで拾った青年を乗せてひと夜を過ごす。そこには互いに歪んだ心情に紡ぎ出された奇妙な関係が生まれる。

男2人に女1人という構造の中で夫婦間の不信、嫉妬や羨望、性
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建築学概論(2012年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

学生時代のソヨン(ぺ・スジ)が健気で少しいたずらっぽくて、おまけに美人で可愛い。表情もなんとも言えずチャーミング。久しぶりに好みのタイプど真ん中の女優さんでした。笑。(KPOPのmissA)

年老い
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妻よ薔薇のように 家族はつらいよⅢ(2018年製作の映画)

3.2

「家族はつらいよ」シリーズ3作目。
史枝の夫、幸之助のあまりにひどい昭和な一言で妻は家出してしまう。
それでも弟や妹家族、祖父母の輪の中でまぁるく収まる。

ありきたりなストーリーだけれど、丁寧な台詞
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