eulogist2001さんの映画レビュー・感想・評価 - 23ページ目

eulogist2001

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友だちのうちはどこ?(1987年製作の映画)

3.0

Blu-ray
一昔前の日本のような厳格な長幼の序が観ていてもけっこうイタイ。ほとんど児童虐待かと思えたほど。しかしその国の文化や習慣なので、他国の人間が上から目線で良い悪いとは言えないのかも。

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デタッチメント 優しい無関心(2011年製作の映画)

4.1

魂の孤独。誰しもが抱える深い暗闇。優れた文学の多くも描いてきたものだ。

本作もそんな作品。映像を通して心の空洞を優しくなぞる。カミュやボーが引用されるが、一教師の心象風景と見事に同期する。

そして
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フード・インク(2008年製作の映画)

3.8

安心安全。持続可能。既にこんなにも前に映画になっていた。そしてフェイクニュースや新自由主義の危うさも。

まずは正しく知り、ひと口ずつ変える。これに尽きる。

O157は実は完全に人為的に作られた大腸
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ヴィタリナ(2019年製作の映画)

2.9

まるで中世の宗教画の中の静謐さをさまようような陰鬱さ。ノアール映画とはこの事か。

深い愛情や宗教心。言葉も極端に少ない。いや、ほとんどない。それがアフリカ女性によって体現されていた。

イサドラの子どもたち(2019年製作の映画)

1.8

久しぶりに寝落ち。
イサドラ・ダンカン。そのダンス芸術を信奉する3人の女性を描く。というよりドキュメンタリー風なタッチ。

失礼ながら後半にいくほど年齢が上がり、ダンスを踊るには厳しい身体となる。意図
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あのこは貴族(2021年製作の映画)

3.8

同じ世代の若者(といってもアラサー)の群像劇のようでもあり、日本にも隠然と存在する階層社会の戯画化のようでもあり、生きる意味は何なのか切なく悩める物語でもあり、既得権としての資産(不動産やコネクション>>続きを読む

子猫をお願い(2001年製作の映画)

2.8

ソウル郊外の商業高校を出た5人の女性たちの群像劇。卒業後の友人関係や韓国の格差なども絡み、リアルでもあり、なんとも不思議な物語。

その5人の誰にも上手くコミット出来ず仕舞いで観終わってしまった。

蟹の惑星(2019年製作の映画)

3.6

学ぶという事の楽しさや意味がよく分かる。新たな発見があり、それはまた新たな疑問や謎を生む。それを調べたり考えたりして、その結果、新たな発見があり、それがまた・・・。

もちろんそうした興味や関心を持て
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残酷ドラゴン 血斗竜門の宿(1967年製作の映画)

3.2

再見。
かなり前に映画館で観た記憶。
少しばかり単調な感じを受けたのは否めない。アクションもいささか物足りない。
ストーリーもとってつけたようでもある。

ただ俳優たちの演技は迫真的。そこは揺るぎない
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その手に触れるまで(2019年製作の映画)

2.8

結果的にアメッドには天罰が降ったのか?
それともやっと大切なモノに触れる幸運を得たのか?

ひとつの考えに固執して拗らせてしまうのは特に宗教に限らないだろう。その意味ではそこらじゅうにアメッドはいるし
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モルエラニの霧の中(2019年製作の映画)

3.6

久しぶりの長尺。休憩10分挟んでの3時間半。本日の岩波ホールの座席は2〜3%ほどの入りか。内容はともあれ、本作を映画館で落ち着いてみる時間を割こうという人がどれくらいいるのか。長尺モノの厳しさは映画以>>続きを読む

オアシス(2002年製作の映画)

4.0

韓国映画の情の描き方は時々ぶっ飛んでる。圧倒的な暴力、悪意に満ちた裏社会、権力者の悪どい倫理観、近親相姦や精神病、そして本作では脳性麻痺と発達障害の愛。

日本では確実に自主規制或いは倫理違反となりそ
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横道世之介(2013年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

世之助!しょうこ。はい。

・・・と呼び合うシーン。最高過ぎる。ひとを愛する原点。泣ける。ここを観るだけでも充分な価値あり。

(それとカーテンに隠れるシーンもどうしようもなく地団駄踏める!)

ふた
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トラッシュ!-この街が輝く日まで-(2014年製作の映画)

3.8

面白い。ブラジルの腐敗をスラム暮らしの3人の子どもが暴く。社会的な部分とエンタメが上手く融合している。

すばらしき世界(2021年製作の映画)

3.2

一度犯罪を犯した人たちの更生の難しさ。ドキュメンタリーやミニシアターなどで掛かる作品では時々、テーマになっていたが全国展開となるとあまり例を見ないように思う。日本では反社会的な勢力やその履歴には厳しい>>続きを読む

ロンドン・エディンバラ・ロンドン(2016年製作の映画)

3.6

イギリスはロンドンを出発してスコットランドのエディンバラで折り返し、再びロンドンに戻る。それを自転車で5日掛けて走る耐久レース。

出発時点、道中、ゴールの瞬間と参加者達をインタビューを交えながら追う
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宇宙でいちばんあかるい屋根(2020年製作の映画)

3.2

清原果耶と桃井かおりでしか成立しないようなファンタジー。まさにふたりをイメージしてシナリオを書いたのではないか。

じんわりと沁みる作品。ひとや家族に思いをいたしたい気分になれる。

廃市(1984年製作の映画)

3.8

Blu-ray
文学的な余韻。単純に好き嫌い、善悪、分かりやすい関係性。そんなお話ではない。

小さな誤解の上に確固たる真実や行為の重なり。相手を慮るがゆえの無言や無為。心の真ん中ではないところでの取
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花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

ファンタジーのようで実はかなりのシビアさに満ちた作品ではなかったか。やはり坂元裕二らしくありきたりの分かりやすさに満ちたハッピーエンドなシナリオではなかった。

なんとなくこうあって欲しいという「夢物
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メゾン・ド・ヒミコ(2005年製作の映画)

3.2

15年前にこの作品を作ってるのはなかなかすごい。今でこそある程度ゲイに関して認知されてきてはいるが、当時は完全に変態扱いが主流だろう。

設定も配役もユニーク。引退したゲイたちの老人ホーム。そこを創設
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暗殺・リトビネンコ事件(ケース)(2007年製作の映画)

3.8

ロシアのプーチン政権下での政敵と見做した者への傍若無人な犯罪行為についてのノンフィクションを何冊か読んでいたが、殺された本人が出ているドキュメンタリー作品。

なんとも痛ましい限り。しかもこのフイルム
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少年時代(1990年製作の映画)

2.8

原作は疎開先で味わう濃密で生々しい封建的で暴力的な子ども社会を描いていたが(それは当時の大人の社会の写し絵だろう)、本作ではその辺りが少しトーンダウンしてたように見えた。

テーマを広げ過ぎたのか、ピ
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フランクおじさん(2020年製作の映画)

3.6

文学的な作品だ。語り役でもあるベスの関わり方が複雑な人間関係の全体を束ねる錨のような役目を果たしている。キャラクター設定も配役との微妙な距離感を築いていて、ドラマを陰に陽にフォローする。

昨年、アメ
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パブリック 図書館の奇跡(2018年製作の映画)

4.0

パブリックとは何なのか?
市民の権利とは何なのか?
公権力とは何なのか?

守るべきは弱きものたちの命なのか、「法」を盾にした権力者(行政、司法、警察、マスコミも含む)の利益や体面、メンツ、都合なのか
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フューリー(2014年製作の映画)

3.7

UHD Disc
残酷さや惨たらしさがリアリティを持って迫り、息を抜けなかった。高画質で観たので迫力も満点。純粋に素晴らしい画像としても楽しめた。

戦争の悲惨さというよりもどこかヒロイックなところも
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トンマッコルへようこそ(2005年製作の映画)

4.0

ツボに入りました。
骨太のファンタジーはものすごくリアル。感動した。

大きな力を持ったものの暴力をどう防ぐのか。大量破壊兵器を発明し、所持してしまった人類という魔物の宿命だ。このまま魔物の蓋を閉じた
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弁護人(2013年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

正義とはなにか。その中身はともあれひとつには勇気だろう。自分の損得を越えた判断と行動。もちろん往々にして不利益になるのは明白だ。それでも前に進む気持ち。

そしてそれは少なくとも自分よりも弱い相手を守
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オールド・ボーイ(2003年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

凝りに凝ったシナリオと映像。ストーリーの圧倒的な悪どさに見合ったカット割や構図。
痺れる感じがあった。

日本では映倫やら自主規制やらなにやらで絶対に作れない作品だろう。血と暴力、憎しみと愛情。時間を
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ミッション:インポッシブル3(2006年製作の映画)

3.4

スリル満点。アクションが豊富でなにも考えずに楽しめた。ただ女性の扱いが単純なところなど細部には気になる点が多々あったかも。

大いなる西部(1958年製作の映画)

3.2

BSプレミアム
暴力や争いが嫌いな東部から来た新参者が西部のカウボーイの争いを諌めようとするが。

いろいろなブロットがあり楽しめた。

赤い闇 スターリンの冷たい大地で(2019年製作の映画)

3.8

ちょうどロシアのプーチンを扱ったノンフィクションを読み終わったばかりだが、本作を鑑賞してソビエト政権は連綿とスターリンの時代から秘密警察が大きな権力を持ち、自国民はおろかなんと外国人であろうと不都合な>>続きを読む

LIFE!(2013年製作の映画)

3.8

佳作。小品。すばらしい。

大げさなところはないけれど、確固たる信念がある。それは大きいとか小さいとか有名とか無名とかもちろん高価である事ではない。自慢したりひとに強制するものでもない。

ものごとの
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死闘の伝説(1963年製作の映画)

3.2

“ムックリ“の音が無常に響く。長引く戦争で鬱屈していた村びとたち。都会からの疎開者。

有事下でなければなにもなく平和に暮らしていたであろう人たちが、一つの悪意をキッカケに附和雷同して殺し合う。騒動に
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コロンバス(2017年製作の映画)

3.8

建築と映画は相性が良い。そんな気になる美しい作品だ。静謐で構造的でバランスが良い。そして癒しの効果もある。

そんな中に有名な建築家の息子と建築に憧れる学生を描く。ふたりの交わりは建築を通して深まり癒
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顔たち、ところどころ(2017年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

・ゴダールが最後に顔を見せなかったのは、逆に良かった気がする。2人の作品や関係性のイメージよりも巨匠ゴダールにフォーカスを取られる懸念は消えない。

・想像もしないところに何かが立ち現れる。芸術の一つ
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嘆きのピエタ(2012年製作の映画)

3.2

Blu-ray
韓国映画は想像を超えた鬼畜や暴力、情念の深さや執着といった気持ち悪さがあるけれど、本作もそうでした。そこが衝撃的でもあって怖いもの見たさを満足させてくれるのですが今回はちょい自分には合
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