eulogist2001さんの映画レビュー・感想・評価 - 26ページ目

eulogist2001

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水の中のナイフ(1962年製作の映画)

3.8

1962年。夫婦のヨット遊びにヒッチハイクで拾った青年を乗せてひと夜を過ごす。そこには互いに歪んだ心情に紡ぎ出された奇妙な関係が生まれる。

男2人に女1人という構造の中で夫婦間の不信、嫉妬や羨望、性
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建築学概論(2012年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

学生時代のソヨン(ぺ・スジ)が健気で少しいたずらっぽくて、おまけに美人で可愛い。表情もなんとも言えずチャーミング。久しぶりに好みのタイプど真ん中の女優さんでした。笑。(KPOPのmissA)

年老い
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妻よ薔薇のように 家族はつらいよⅢ(2018年製作の映画)

3.2

「家族はつらいよ」シリーズ3作目。
史枝の夫、幸之助のあまりにひどい昭和な一言で妻は家出してしまう。
それでも弟や妹家族、祖父母の輪の中でまぁるく収まる。

ありきたりなストーリーだけれど、丁寧な台詞
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ハッシュ!(2001年製作の映画)

3.2

真面目な?ゲイのカップルと悩み多き元ヤリマンの物語。それぞれがそれぞれの言葉に出来ない悩みや痛みを抱えながらも、最期はうまく収まる。

橋口亮輔監督の映画らしくちょっと変わった人々が淡々と丁寧に描かれ
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キューポラのある街(1962年製作の映画)

3.2

想像していたのと違ってた。爽やかな青春ものかと思っていたら、意外と当時の貧困をリアルに描いていた。
ちょうど北朝鮮への帰国事業などとも重なり、その様子も分かる。
湿っぽかったり埃っぽい道路やまだまだバ
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恋する惑星(1994年製作の映画)

2.8

Blu-ray
ちょいウィットに富んだ会話があり、すれ違いがあり、シャイさがあり。そこそこ楽しめた。

太陽を盗んだ男(1979年製作の映画)

4.0

いや、面白かった。不条理と言えば不条理。奇妙な話と言えば奇妙。現実味がないと言えばその通り。

しかしリアリティはすごくある。ラストも無慈悲で予定調和に落ちないシュールな感じがサイコー。

ありきたり
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まったく同じ3人の他人/同じ遺伝子の3人の他人(2018年製作の映画)

4.2

偶然タイトルに惹かれて見始めたが、当初の想像を大きく越えていた。心理学、特に遺伝や環境が人生や才能にどの程度、影響するのかに関心がある向きには非常にエキサイティングな内容だ。またこの実験の実体や目的が>>続きを読む

ワイルド・スピード MAX(2009年製作の映画)

3.2

小気味の良いテンポとレースの醍醐味。気楽に楽しめた。ドミニクとプライアンの関係も良かった。

ぐるりのこと。(2008年製作の映画)

3.8

等身大などこにもある人生。ほんの少しひとよりはキチンと計画的にやっていきたい妻、翔子。その日その日を淡々と愉しく過ごしたい夫、カナオ。実は翔子の両親は離婚しており、カナオの父親は自死している。理由は今>>続きを読む

柄本家のゴドー(2018年製作の映画)

3.2

映画専門チャンネル
柄本明が2人の息子である佑と時生が演じる「ゴドーを待ちながら」の演出をする。そのドキュメンタリー。

噂に聞く柄本明の演劇に対する真摯さが非常によく分かる。今回、いろいろと編集して
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象は静かに座っている(2018年製作の映画)

4.5

234分がいつの間にか過ぎていた。そしてラストが近づくに連れて終わらないでくれと祈るような濃密な時間を体験する。数年に一度の傑作を観た。深くて優れた文学作品を読み終えたような複雑で強い余韻が残る。>>続きを読む

花咲くころ(2013年製作の映画)

4.0

エカとナディア。14歳のひと夏。1992年のグルジア。

国としては内戦の混乱でパンにも事欠き、それぞれの家庭でもかなり過酷な状況。そんな中でふたりの花咲くころ、青春と呼ぶにはまだ早い時期、少女から女
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ビジョン(2015年製作の映画)

3.8

家族と娘を守るために、知恵の限りを尽くして闘う物語。

娘が卑劣なストーカーから身を守るためとはいえ、不可抗力で犯人を殺してしまう。
それを知った父親は精緻なシナリオでアリバイ工作を図る。その後の警察
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ワンダーウォール 劇場版(2019年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

完全にツボにハマった。
物語が大きな起伏もなく淡々と進み、小さな謎やブロットが複合的に重なりあって一つにまとまる。いやあ、良かった。

京大学生寮である吉田寮をモデルにしているようだが、是非残して欲し
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早春(1970年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

Blu-ray
予備知識なしに見始めたが、想像を越えていた。70年の上映と考えると当時はかなりショッキングだったのではないか。

思春期の、いわば今で言うと中二病的に盲目の恋に落ちてしまうと「結果的に
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すばらしき映画音楽たち(2016年製作の映画)

4.0

映画音楽の歴史や作曲家の想いが丁寧に描かれている。この作品を観るまでもなく、音楽の力は分かってるつもりでいたが、さらにその威力を感じた。

この作品を観た後では。今まで映画の映像や物語に感動、感激して
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叫びとささやき(1972年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

大邸宅で暮らす三姉妹。そして若いメイドのアンナ。姉妹は上からカーリン、アグネス、マリア。

表面的に仲良くしている姉妹だが、互いに愛情はない。おまけにカーリンもマリアも夫との仲は最悪だ。打算と虚飾だけ
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スミス都へ行く(1939年製作の映画)

3.8

NHK BS 4K
骨太でシンプル。ラストも良かった。
正義の話にはやはり悪役がしっかりとして対比が明確になっていないと強いインパクトは出ない。その例証みたいな作品。

RBG 最強の85才(2018年製作の映画)

4.0

率直に言おう。控えめに表現して、めちゃくちゃ感動した。

ギンズバーグの生きる上での姿勢。控えめで謙虚で考えや立場が異なっても尊敬を持って相対する。簡単に見えてもっとも難しい行動習慣だ。夫婦の関係性が
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The Witch/魔女(2018年製作の映画)

3.8

面白い。エンタメとしてのSeek & Findの運びが素晴らしい。主人公の少女の演技が抜群。静と動。明と暗。どちらも上手い。シナリオもよく練られている。善と悪がいつ入れ替わるのか。彼女は悪なのか。第二>>続きを読む

眠る村(2019年製作の映画)

3.8

映画専門チャンネル

眠る村。それは「自白」証言に眠り続ける(けして目を覚まそうとしない)「村」社会である日本の司法や裁判所であり、事件が起きた葛尾の村民達でもある。

そしてその「眠り」は理不尽な冤
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光のノスタルジア(2010年製作の映画)

3.4

天文学において遠くを観るということは、より遠い過去を知るという事だ。その意味で遠くまで観る事が出来る土地は貴重な場所なのだ。そして空気が乾燥して高地にあるということで天体観測に適した南米のチリには天文>>続きを読む

サラは走る(2013年製作の映画)

3.0

フランス。20歳の学生女性ランナー。ただ走る事が唯一の生き甲斐。しかし家族の家計は苦しい。

奨学金を得る為、偽装結婚までしてカナダの大学に入学。そんな中、不整脈らしきものが出て、検査。医師から48時
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めまい(1958年製作の映画)

3.0

BSプレミアム

色彩は1959制作と考えたら驚くほど鮮やか。また当時のアメリカの豊かさにもビックリ。建物から車から生活からすべて今のアメリカの水準ととさほど変わらないだろう。

トリックもそれに気が
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TENET テネット(2020年製作の映画)

4.0

設定を理解するのに少し時間がかかるけれど、いつのまにか展開のスピード感とシーンの臨場感に圧倒されていた。ノーラン独特の黒が際立つ画面も見モノ。

時間軸を過去と未来の両方から描いているので、出来事のタ
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お母さん、いい加減あなたの顔は忘れてしまいました(2015年製作の映画)

3.6

日本映画専門チャンネル

完全に聴かない音楽の筆頭ジャンルであるザ・スターリンの遠藤ミチローのセルフドキュメンタリー。

しかし冒頭から大きくイメージを裏切られる。過激な歌詞やパフォーマンスとは真逆の
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アビス/完全版(1993年製作の映画)

3.6

壮大な話だ。まったく予備知識なしに観たが、こんな流れは予想していなかった。
まさにキャメロン監督らしい作品。

人類はほんとうにもっと大人にならないといけない。誰かを敵視して攻撃して喜ぶような子どもじ
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舞踏会の手帖(1937年製作の映画)

3.2

夫に先立たれた有閑マダムの未亡人。孤独を癒しに初舞踏会で口説いてきた男たちに昔の手帖を頼りに20年ぶりに訪ね歩く。それは16歳の自分の若き麗しき過去に出会う旅のはずだった。

しかしいざ訪ねてみると、
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ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス(2016年製作の映画)

3.8

ニューヨーク公共図書館をつづるドキュメンタリー。運営の目的や課題、経営的な事情。また日常の複数ある館内の情景などが淡々と描かれる。205分と長尺ではあるけれど、その分、図書館の業務や課題が多岐にわたっ>>続きを読む

ああ爆弾(1964年製作の映画)

4.0

斬新、をはるかに越えてる。五十年以上前にこんなにもユニークな作品があったとは。音楽と映像も互いに鼓舞するように引き立てあってる。しかも狂言、JAZZ、浪曲なんでもござれ。

ラストシーンもほんとうにお
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楢山節考(1983年製作の映画)

2.6

姥捨、棄老。民間伝承として残っていた話を深沢七郎が小説にし、後に今村昌平が監督。

鈍重なる展開、湿度の高い画面、因習に満ちた人間関係、愚かしい情念。少なからず虫唾が走った。嫌なものを観てしまったとい
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夏をゆく人々(2014年製作の映画)

3.2

特にこれといってストーリーがあるわけではなく、イタリアの片田舎の養蜂一家の頑固な父親と長女を中心としてひと夏を夢うつつのように描き出す。

それぞれが少しずつエキセントリックであったり、下品で暴力的で
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前田建設ファンタジー営業部(2020年製作の映画)

3.2

実話とファンタジーが映画作品としてうまくミックスされ、楽しめた。
マジンガーのファンではなかったのでその分、入り込めなかった。

おぎやはぎの小木もがんばっていたけれど、やはり役者を本業としてるひとと
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妻よ薔薇のやうに(1935年製作の映画)

3.0

お母さんの負けだわ。
娘とすれば悔しいかな、父の愛人を知るにつけ諦めのひとことだろう。

それにしても戦前の東京の暮らしの豊かなこと。

マリアンヌ(2016年製作の映画)

4.0

戦争の非情。2人の男女の関係から見事に描き出す。派手なドンパチがある「戦争映画」より、身にしみて戦争の虚しさや愚かしさを感じられる。

いざ戦争となれば国家という枠組みの中でそれぞれの立場であらゆるこ
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