Tatsuさんの映画レビュー・感想・評価 - 28ページ目

アーミー・オブ・ザ・デッド(2021年製作の映画)

3.6

『ドーン・オブ・ザ・デッド』から17年経って、真面目腐った澄ました映画からこういうのにザックが帰ってきたのは嬉しい。近年の作品の中ではぶっちぎりで面白いし、なんならフィルモグラフィでも2番目に面白い。>>続きを読む

車夫遊侠伝 喧嘩辰(1964年製作の映画)

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あまりにも早い映画。2人が出会う、恋する、結婚、結婚破棄までの流れが序盤で一気に駆け抜ける。ラスト周辺もちゃんと泣ける。傑作。

うず潮(1975年製作の映画)

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最高のラブコメディ。追って追われの前半から、後半の島での生活は楽園のようで。

ハイティーン襲撃・恐怖の女子陸上競技部暴行事件(1979年製作の映画)

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タイトルが1番やばい。中身は70分くらいなのにやたらダラダラしている。やたら全体的にチャラいのは、イタリア映画ぽいが、凄惨さはあまりない。

ニューヨーク、ジャクソンハイツへようこそ(2015年製作の映画)

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見逃してたやつ。ワイズマンの中でもかなり好きかも。非常に鮮やかな映画。豊かな劇映画を見ているような感覚を、生のドキュメンタリーに宿らせる手腕は全く衰えない。

デッドロック(1970年製作の映画)

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世界の終末が来たとしたらBGMはCAN一択だな。だだっ広さと中々殺さない引き伸ばしが、寧ろ豊かになってるタイプ。居住地周りのディテールが80分あまりの尺で充分味わい尽くせる。退屈なほどの余裕っぷりがあ>>続きを読む

J=P・ベルモンドの エースの中のエース(1982年製作の映画)

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『大頭脳』とこれ見た限りでは、ジェラール・ウーリーって天才なんだなって思った。凄まじい娯楽活劇。かなりギリギリのラインで歴史を弄ってる。ヒトラーをこんなに人間味のある悪役にしてしまっていいのだろうか。>>続きを読む

ファーザー(2020年製作の映画)

4.0

今年の映画の中でも新しさっていう点ではかなり上位だと思う。今年1番見た後に人と話したくなる映画でも合った。一見舞台劇っぽいが、映画でしかできないシーン単位での省略をはじめとした、映画的な編集に満ちてい>>続きを読む

素晴らしき放浪者(1932年製作の映画)

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素晴らしきミシェル・モラン。発狂したようにキスを迫り、逆立ちをし、水に落ちる。こんなんだけど体力はめちゃあるんだな。残されたものたちのラストのやりとりいい。ミシェル・モランが消えたわけではなく、彼らが>>続きを読む

ラルジャン(1983年製作の映画)

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モンタージュの鬼。手や足元だけで表現する暴力、殺意。純然たるホラー映画であるとも思ってる。斧の振りかざしに至ってはスラッシャーぽい。

プラットフォーム(2019年製作の映画)

2.7

全編直喩!って感じで予想以上に何一つ乗れない。さらにつまらなくした『スノーピアサー』。ジャンル映画としての展開も新鮮味もなく、はっきりと作り手のアイデア不足だと思う。シンプルなのは、やりたいことはわか>>続きを読む

草の上の昼食(1959年製作の映画)

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登場人物がカジュアルにセックスの話してても居心地が悪くないこの感じ、小学生の時に『超能力学園Z』をテレビで初めて見た時の感覚を思い出す。要はエロティックコメディの決定版だと思った。爆笑した。

ウーマン・イン・ザ・ウィンドウ(2021年製作の映画)

3.4

前評判聞いて期待値低かったので割と楽しめた。ヒッチコックサンプリング映画。ジョー・ライトなので照明は力入ってたり、ダニー・エルフマンの音楽が良かったり。100分くらいのシンプルな構成で、クライマックス>>続きを読む

質屋(1964年製作の映画)

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ニューヨーク映画として傑作。日常的な満員電車が、収容列車のイメージと重なるショック。クインシー・ジョーンズの音楽が良すぎる。

スリーピー・ホロウ(1999年製作の映画)

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ATB再見。情けないデップと、一番美しいリッチの魅力。ディズニーアニメの方よりも、フィジカルな連続殺人もの、スラッシャーともジャーロとも言えるような要素に満ちていて、バートン史上最も露骨にマリオ・バー>>続きを読む

オキシジェン(2021年製作の映画)

3.5

これも6年ほどかけて作った念願の企画というところで、アジャって本当は結構真面目な人だよなって思ってしまった。『ヒルズ・ハヴ・アイズ』と『ピラニア3D』は真面目さと娯楽度が調和、またはそれぞれ技巧として>>続きを読む

ビーチ・バム まじめに不真面目(2019年製作の映画)

4.5

"Just Like Heaven"とともにぶち上がる花火。ずっと非現実的で、それは閉じられたファンタジー世界のようで、そこでは誰もが裸体を晒し、ハイになれる液体を流し込んで、ハイになれる煙を浴び、下>>続きを読む

ジェントルメン(2019年製作の映画)

3.2

原点回帰と言われてるけれども、所詮は『ロックンローラ』以降の作品だった。最初の2本が自分はかなり好きなので、流石にこれは物足りない。それを抜いても、近作の中でも語りは一番冴えてないと思った。役者は好演>>続きを読む

アワーミュージック(2004年製作の映画)

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悲惨な記憶と記録媒体としての映画。この映像浴びて生きていたい。

アパッチ(1954年製作の映画)

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ランカスターがトウモロコシ畑で笑みを浮かべるところとか、赤子の鳴き声を聞くところとか。泣かせる。

銃撃(1967年製作の映画)

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西部劇版『断絶』、または異様な『勇気ある追跡』。シンプルさと曖昧さを同居させてるが故に複雑という錯覚が起こる。『断絶』とおなじく、ひたすら冗長な退屈さが唐突な飛躍によって終了する。傑作。

サイコハウス 血を誘う家(2020年製作の映画)

3.0

デイヴ・フランコ、明らかに監督としての手際が悪すぎるんだけど、スワンバーグが参加してる脚本は所々で美点もあった気が。一晩みんなよりも早く寝ただけで生活リズムの中で孤立していくアリソン・ブリーに複数人数>>続きを読む

できごと(1967年製作の映画)

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ロージーの見せない美学が詰まってる。傑作。序盤と終盤の反復の異様さ。

情婦(1957年製作の映画)

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ワイルダーの室内劇の面白さが極に達した映画。役者が本当に魅力的だが、主人公の老弁護士まわりの生活のディテールが素晴らしくてそこを愛でる作品と言ってもいい。どんでん返しはめちゃめちゃに上手くて今見ても新>>続きを読む

ジャグラー/ニューヨーク25時(1980年製作の映画)

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英語字幕で。追走劇を通してのワンデイニューヨーク巡り。セントラルパークから性風俗、ライブ会場まで。クライマックスがフェス会場なのは本当に上がる。目玉焼きのオープニングや、終盤、娘が地下から登っていく姿>>続きを読む

断絶(1971年製作の映画)

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超鬱的。だだっ広いロードで車を走らせる。ショッキングな退屈さと退廃性が光る、ニューシネマ期の作品でも5本の指に入るフェイバリット。近年ではロウリーが引用していたことでお馴染みだが、セリフも『さらば愛し>>続きを読む

スリープレス・ナイト(2017年製作の映画)

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ワンナイトもの活劇で期待以上には面白い。フォックスとモナハンを対比させるキャラクターとして、傷のモチーフで引っ張るところも作劇としてよくできてるし、三つ巴をテンポよく混乱させない編集もよく出来てる。役>>続きを読む

女の香り(1968年製作の映画)

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歪な映画だけど傑作だと思う。死んだ女にそっくりのキム・ノヴァク、その投影、高所からの落下も明らかに『めまい』なんだけど、今作ではジェームズ・スチュワートの役割が、ハリウッドの映画制作者と取り巻く人々の>>続きを読む

キャビン・フィーバー2/キャビン・フィーバー スプリング・フィーバー(2009年製作の映画)

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タイ・ウエスト、制作会社と喧嘩したとは思えないほどに、散漫に、やりたい放題やってる気が。すごい色味の映像に、アニメーション表現。前作の方が数倍面白いと思うけど、急に差し込む光でビビるくらいカッコいい絵>>続きを読む

ペトラ・フォン・カントの苦い涙(1972年製作の映画)

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室内劇でファスビンダー中でもトップレベルで演劇度が高く、そういう映画はあまり好みではないはずなのに、凄いことが次々と起こって目が離せない。パワーワードの連続。

地獄のデビル・トラック(1986年製作の映画)

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サイドミラーで車が人を「見ている」ショット、カーペンターが『クリスティーン』でやってたから真似してみたのかな。トラックっていうより機械の暴走。缶ジュース当てて人殺す自販機面白かった。死人だらけの住宅街>>続きを読む

不安は魂を食いつくす/不安と魂(1974年製作の映画)

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みんなに見られている気がする。いや、確実にみんなが私を見ている。不安感情の具現化、映像化。外国人労働者に設定を置き換え、年齢差はそのままに、再映像化としてオリジナルの動線と色味で描いた超傑作。サークが>>続きを読む

シナのルーレット(1976年製作の映画)

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少女に銃を向けるところで主観ショットになる一瞬にぶっ飛んだ。序盤から徐々に人物が分けられていく様が怖い。傑作。

のど自慢(1999年製作の映画)

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井筒監督、はまれない映画はとことんハマれないけど、これは傑作だと思う。徹底して歌う人とそれを見つめる人のドラマにしてるのも、泣かせの場面で笑いを入れてくるのも、圧倒的に正しい。

散り行く花(1919年製作の映画)

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リリアン・ギッシュの顔を捉えて文化遺産になった映画。グリフィスの映画は意識的に今まで避けてたところもあるけど、映画の父と言われる人の映画世界がめちゃくちゃ厭でゲンナリする。

ウィークエンド・シャッフル(1982年製作の映画)

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破茶滅茶エグくて面白かった。住宅街の一軒を中心に起こるほぼカタストロフ。最後の泉谷しげるの飛び方怖い。