MNRLAYさんの映画レビュー・感想・評価

MNRLAY

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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

3.8

カラーの聴聞会のパートと、白黒の公聴会のパートの議題や時系列順がイマイチ掴めなくてちょっとモヤモヤしながら観ていた。後で調べると聴聞会は1954年でオッペンハイマーのスパイ疑惑について、公聴会は195>>続きを読む

MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない(2022年製作の映画)

4.0

これほどバカバカしくも真剣に、真正面からタイムループと対峙する作品は初めて観た。タイムループものであり得る展開は全て詰め込まれていながら、単調な同じ場面の繰り返しにはなっていなくて、なのにタイムループ>>続きを読む

翔んで埼玉 ~琵琶湖より愛をこめて~(2023年製作の映画)

3.0

舞台は関西へと移ったけどテイストは前作と変わらずといった内容で、相変わらずの面白さもありながら、前作の域を超えない物足りなさもあり。
地元の自虐ネタも変わらず満載なんだけど、それがあまり笑えなくなった
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search/#サーチ2(2023年製作の映画)

3.8

PC画面上で目まぐるしく展開されるデジタルネイティヴのツール駆使っぷりに観ているこっちは付いていくのがやっと。何をやってるのかイマイチ理解できない場面もあったけど、ストーリー把握には大きな影響なし。>>続きを読む

落下の解剖学(2023年製作の映画)

4.0

何が本当で、実際に何が起こったのかは当事者にしか分からない。新しい事実が明るみになるたびに心証は二転三転する。裁判で、人が人を裁くことの重さや難しさを丁寧に描いた作品。
あと、とても演技とは思えない犬
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デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

3.2

映像は綺麗だし、音楽も迫力あるし、壮大なスケールの物語なんだけど、1作目と同様でちょっと自分には合わないというかそれほど入り込めないというか。元の話を知らない初見というのがマズい気がする。大河ドラマを>>続きを読む

市子(2023年製作の映画)

3.8

作中で市子のおかれた境遇や起こしてしまったことというのは、これまでにも描かれたことがなかったわけではないけれど、その背景にある社会問題に特にフォーカスするということではなく、それに翻弄されたが故に只々>>続きを読む

デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 後章(2024年製作の映画)

3.5

異星人に対する排斥運動や擁護論、デモの衝突や実力行使、暗躍する企業やいいように使われる政治家等々・・・、異星人を別の何かに置き換えればこれから起こりそうな、あるいはすでに起きているような光景が繰り広げ>>続きを読む

デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章(2024年製作の映画)

3.2

後章まで観た状態で書いているが、原作未読のため前章だけ観た時点では話がよく掴めず。特に前章の半分くらいを費やす小学生編と現在パートの辻褄の合わなさに混乱しつつも惹きつけられてそのまま後章へ突入。非日常>>続きを読む

スイート・マイホーム(2023年製作の映画)

3.2

原作がそもそもそうなんだけど、ホラーであり、サスペンスであり、家族にまつわる話でもあるという、てんこ盛りだけどどれにも特化していないという内容なので、映像化にあたってどれにフォーカスするのかは難しかっ>>続きを読む

宇宙人のあいつ(2023年製作の映画)

3.2

23年間一緒に過ごしてきた家族の一人に血の繋がりがない、というか全くの他人、さらに言えば正体は宇宙人だと知った時に、それでも家族として受け入れられるのか。家族を形作るものは血の繋がりなのか、それとも共>>続きを読む

喪う(2023年製作の映画)

3.5

家族だからこそお互いのことで有耶無耶にしていること、分かったつもりでいることというのはあるよなーと思ったり。それがこういう家族の一大事に直面したときに露わになるというのはこれまでにも作品としてあったと>>続きを読む

ミステリと言う勿れ(2023年製作の映画)

3.5

細かな内容までは覚えてないけど、概ね原作通りだったんじゃないかな、という印象。前半と後半で2つのミステリに分けられていて、複雑な展開も把握しやすかった。
それにしてもフジテレビ映画は相変わらず俳優陣の
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カラオケ行こ!(2024年製作の映画)

4.0

とにかくXの『紅』に尽きる作品。歌う人とシーンによって呼び起こされる感情が全く違う。エンドロールを含め、これを聴くだけでも観る価値のある作品。

中学生のありがちな日常に入り込んできたヤクザの世界とい
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ゴールデンカムイ(2024年製作の映画)

4.5

原作未読だし、アニメも未見で、原作は何なら硬派な作品だと思ってたけど、この実写作品を観る限りはかなりコミカルな描写も多くて意外だった。加えて主人公にもかなり人間味があり、色んな勢力との争奪戦という展開>>続きを読む

シティーハンター(2024年製作の映画)

4.0

数年前のフランス版実写化の方が原作再現度は高かったように思うけど、今作は何と言っても鈴木亮平の冴羽獠に脱帽。もっと色んなストーリーをやってほしい。
時代のせいか実写のせいか、冴羽が女性を追い回したり言
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ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー(2023年製作の映画)

3.8

仕事が殺し屋ってことを除けば、若者の日常をゆるく切り取った等身大ムービーといった感じが1作目よりも色濃かったように思う。
殺し屋界隈の仕事という大人の世界と、そこに関わる主役2人のすり減っていない、素
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べイビーわるきゅーれ(2021年製作の映画)

4.3

遅ればせながらようやく観たけど、期待していた以上に面白かった。日常生活のグダグダっぷりと仕事(殺し)でのキレキレっぷりの絶妙なバランスというか、緊張と緩和のリズムが絶妙な感じで、掛け合いや台詞回しも含>>続きを読む

聖闘士星矢 The Beginning(2023年製作の映画)

3.0

今の時代に映像化するならこういう舞台設定になるのは仕方ないかもしれないが、ファンタジーっぽさを感じさせる原作の世界とは少しズレてたように思えたし、いかにBeginningとはいえ、物語の範囲が狭すぎた>>続きを読む

エスター ファースト・キル(2022年製作の映画)

3.5

今さら前日譚やるの?って感じで、ストーリーや設定的に前作の焼き直しのような内容になる気がしてあまり期待せずに見始めたし、前半の展開はその予想を裏切らないんだけど、中盤でヒネりの効いた設定が加わり、そこ>>続きを読む

ケイコ 目を澄ませて(2022年製作の映画)

3.8

音の無い世界で生きるボクサーが主人公ではあるが、その日常の中で相対するやり場のない苦悩や不満、不安、恐怖、怒りといったものは程度の差こそはあれ誰もが直面して抱えるものだ。それに気付いたからこそ最後に彼>>続きを読む

Winny(2023年製作の映画)

3.8

開発者が逮捕された当時の騒ぎやニュースは何となく覚えているけど、今になって改めてこの出来事を眺めると、自分はもちろんだし警察や司法も含めて世の中がIT技術の負の面をどのように捉えて扱うか、がまだまだ未>>続きを読む

ザ・ホエール(2022年製作の映画)

4.0

もう少し解りやすい父娘の繋がりを取り戻すお話かと思ってたが、聖書や小説『白鯨』がモチーフとして散りばめられていて、理解へのハードルがちょっと高かった感じ。それでもそういうディテール抜きにしてもラストの>>続きを読む

THE FIRST SLAM DUNK(2022年製作の映画)

3.8

原作を当時毎週ジャンプで読んでいた身としては、あの絵がそのまま映像になって観られたことに感激。結末知ってるのに手に汗握った。

この試合は相手も含めて選手全員の抱えているもの、懸けているもののぶつかり
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マエストロ:その音楽と愛と(2023年製作の映画)

3.2

マエストロだし、バーンスタインだし、『TAR』を連想せずにはいられないけど、こちらは妻や子供たち、家族との関わりを中心に描かれていて、知られざる素顔を描く伝記的作品に相応しい丁寧で真摯な作り込み。
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ジョン・ウィック:コンセクエンス(2023年製作の映画)

3.8

ジョン・ウィックにとっては相変わらずの殺人組手とも言える苦行が全編通して続くんだけど、今回は逃げや守りと言うより攻めの闘いが多く、見応えがあった。さらに戦闘の合間に敵同士のヒリヒリするような会話ややり>>続きを読む

ワース 命の値段(2019年製作の映画)

3.5

題名に「命の値段」とついているが、これは正確に言えば遺族への補償というか損害賠償の話で、そういう意味では犠牲者それぞれの年齢や収入を基に賠償額を算出し、差がつきすぎないように、また政府が確保した予算で>>続きを読む

TAR/ター(2022年製作の映画)

4.0

音楽に真摯に取り組み、輝かしい経歴を残してきたクラシック史上でも最高の現役指揮者が、そのカリスマ性や権力を濫用したハラスメント行為が明るみに出て凋落していくという、現在の日本のお笑い界で起きていること>>続きを読む

M3GAN/ミーガン(2023年製作の映画)

3.5

期待していたほどの内容ではなかった、というのが正直なところ。ジェームズ・ワンのB級ホラーテイストの作品ということでは間違いなく面白いんだけど、AIアンドロイドの描かれ方にもう少し未来性を期待してしまっ>>続きを読む

スペンサー ダイアナの決意(2021年製作の映画)

2.8

彼女自身が本当にそうだったのか、この映画がそう見せたいのか定かではないけれど、「こんなに辛く苦しい状況でも最後には何とか前を向いて踏み出しました、そのメンタルを認めてほしい」みたいな展開になっていて、>>続きを読む

ベネデッタ(2021年製作の映画)

3.3

宗教でも信仰でも、人間が関わっている以上、どうしても信じる度合いにはバラツキがあるし、利己的な判断も乗っかってくる。そういったものを炙り出すような作品だった。
奇蹟というのは起こり得ない、あり得ないも
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フェイブルマンズ(2022年製作の映画)

3.8

スピルバーグの映画愛に満ちた自伝的映画、と思っていたが、自身のルーツを徹底的に曝け出した濃密な青春映画だった。映像というものは見たくないものまでも映し出してしまうし、また映し出したものの見せ方=印象も>>続きを読む

ヒトラーのための虐殺会議(2022年製作の映画)

4.0

扱われる議題を除けば、会議室が舞台のワンシチュエーション映画として見応えがあり、濃密な議論が繰り広げられる。「最終解決」のやり方はすでに実行側の上層部では固まっていて、あとはいかに関係省庁の同意を得て>>続きを読む

バイオハザード:デスアイランド(2023年製作の映画)

3.8

歴代主要キャラ大集合ながらも、帰還したジルのリスタートにフォーカスされた内容。何を信じて何を守るのか、自分にできることをやり仲間を信じて託す、そういうところがチームとしてバイオテロに対峙する彼らのあり>>続きを読む

SHE SAID/シー・セッド その名を暴け(2022年製作の映画)

4.0

MeTooムーブメント加速のきっかけとなった記事が報道されるまでの闘いを描いた作品。5年後に実名で映画化っていうスピード感も凄いし、その上で作品としての緻密さとか誠実さも含めて丁寧に作られてる印象。こ>>続きを読む

沈黙のパレード(2022年製作の映画)

3.8

このシリーズはやはり映画1作目が原作も映像化もクオリティが高かったがために、以降はそれに縛られてしまったような気がする。今作はそれを逆手に取ったように(というか原作がそうなんだけど)、真実を明らかにす>>続きを読む