MNRLAYさんの映画レビュー・感想・評価

MNRLAY

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ザ・ホエール(2022年製作の映画)

4.0

もう少し解りやすい父娘の繋がりを取り戻すお話かと思ってたが、聖書や小説『白鯨』がモチーフとして散りばめられていて、理解へのハードルがちょっと高かった感じ。それでもそういうディテール抜きにしてもラストの>>続きを読む

THE FIRST SLAM DUNK(2022年製作の映画)

3.8

原作を当時毎週ジャンプで読んでいた身としては、あの絵がそのまま映像になって観られたことに感激。結末知ってるのに手に汗握った。

この試合は相手も含めて選手全員の抱えているもの、懸けているもののぶつかり
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マエストロ:その音楽と愛と(2023年製作の映画)

3.2

マエストロだし、バーンスタインだし、『TAR』を連想せずにはいられないけど、こちらは妻や子供たち、家族との関わりを中心に描かれていて、知られざる素顔を描く伝記的作品に相応しい丁寧で真摯な作り込み。
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ジョン・ウィック:コンセクエンス(2023年製作の映画)

3.8

ジョン・ウィックにとっては相変わらずの殺人組手とも言える苦行が全編通して続くんだけど、今回は逃げや守りと言うより攻めの闘いが多く、見応えがあった。さらに戦闘の合間に敵同士のヒリヒリするような会話ややり>>続きを読む

ワース 命の値段(2019年製作の映画)

3.5

題名に「命の値段」とついているが、これは正確に言えば遺族への補償というか損害賠償の話で、そういう意味では犠牲者それぞれの年齢や収入を基に賠償額を算出し、差がつきすぎないように、また政府が確保した予算で>>続きを読む

TAR/ター(2022年製作の映画)

4.0

音楽に真摯に取り組み、輝かしい経歴を残してきたクラシック史上でも最高の現役指揮者が、そのカリスマ性や権力を濫用したハラスメント行為が明るみに出て凋落していくという、現在の日本のお笑い界で起きていること>>続きを読む

M3GAN/ミーガン(2023年製作の映画)

3.5

期待していたほどの内容ではなかった、というのが正直なところ。ジェームズ・ワンのB級ホラーテイストの作品ということでは間違いなく面白いんだけど、AIアンドロイドの描かれ方にもう少し未来性を期待してしまっ>>続きを読む

スペンサー ダイアナの決意(2021年製作の映画)

2.8

彼女自身が本当にそうだったのか、この映画がそう見せたいのか定かではないけれど、「こんなに辛く苦しい状況でも最後には何とか前を向いて踏み出しました、そのメンタルを認めてほしい」みたいな展開になっていて、>>続きを読む

ベネデッタ(2021年製作の映画)

3.3

宗教でも信仰でも、人間が関わっている以上、どうしても信じる度合いにはバラツキがあるし、利己的な判断も乗っかってくる。そういったものを炙り出すような作品だった。
奇蹟というのは起こり得ない、あり得ないも
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フェイブルマンズ(2022年製作の映画)

3.8

スピルバーグの映画愛に満ちた自伝的映画、と思っていたが、自身のルーツを徹底的に曝け出した濃密な青春映画だった。映像というものは見たくないものまでも映し出してしまうし、また映し出したものの見せ方=印象も>>続きを読む

ヒトラーのための虐殺会議(2022年製作の映画)

4.0

扱われる議題を除けば、会議室が舞台のワンシチュエーション映画として見応えがあり、濃密な議論が繰り広げられる。「最終解決」のやり方はすでに実行側の上層部では固まっていて、あとはいかに関係省庁の同意を得て>>続きを読む

バイオハザード:デスアイランド(2023年製作の映画)

3.8

歴代主要キャラ大集合ながらも、帰還したジルのリスタートにフォーカスされた内容。何を信じて何を守るのか、自分にできることをやり仲間を信じて託す、そういうところがチームとしてバイオテロに対峙する彼らのあり>>続きを読む

SHE SAID/シー・セッド その名を暴け(2022年製作の映画)

4.0

MeTooムーブメント加速のきっかけとなった記事が報道されるまでの闘いを描いた作品。5年後に実名で映画化っていうスピード感も凄いし、その上で作品としての緻密さとか誠実さも含めて丁寧に作られてる印象。こ>>続きを読む

沈黙のパレード(2022年製作の映画)

3.8

このシリーズはやはり映画1作目が原作も映像化もクオリティが高かったがために、以降はそれに縛られてしまったような気がする。今作はそれを逆手に取ったように(というか原作がそうなんだけど)、真実を明らかにす>>続きを読む

赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。(2023年製作の映画)

3.2

原作があるにしても、福田監督作品としてはコメディ的におとなしい印象。Netflixだからなのか、違う路線を模索してるのか。ムロツヨシも佐藤二朗も控え目で、キムラ緑子がその代わりに暴れてた感じだけど。>>続きを読む

NOPE/ノープ(2022年製作の映画)

3.8

メイキングで言及されていたが、『未知との遭遇』テイストの『ジョーズ』といった感じで、そういう観方だけでも楽しめる作品にはなっていると思う。もっと深く観ようとするも、単純にこれまでのジョーダン・ピール作>>続きを読む

はい、泳げません(2022年製作の映画)

3.4

過去と向き合い克服する、再生と成長のストーリーを水泳の習得という題材でくるんだ作品。人それぞれ重さや大きさは異なりながらも抱えているものはある、人との関わりや過去と向き合うことでそれを受け入れ、前に進>>続きを読む

英雄の証明(2021年製作の映画)

4.0

善い行いをして称賛されるも、ちょっとした嘘や誤魔化し、盛った喋りなど、これまでの行いが明るみになることでその善行すらも信用されなくなるという、ある意味オオカミ少年パターンのお話。1つの許容されない行動>>続きを読む

オフィサー・アンド・スパイ(2019年製作の映画)

3.2

100年以上前の事件を描いているけど、現在の日本でも似たようなことは起きてるなあと思ったり。この映画の中では軍の情報部の隠蔽疑惑に対して一部の議員や新聞が憤慨して暴露しようと闘う場面があるけど、そんな>>続きを読む

劇場版 呪術廻戦 0(2021年製作の映画)

4.0

原作のストーリーを丁寧に踏襲しつつ、その後の本編で語られているような内容を織り込んだ補間もしっかりされていて、アニメで観ることの意味を十分に感じられる作品。最近のアニメってクオリティの基準ラインがメチ>>続きを読む

ベルファスト(2021年製作の映画)

3.8

昨日までの隣人が今日は敵になるという、争いの残酷さ、虚しさ。そしてそういう大人たちの事情や身勝手さに翻弄され、巻き込まれながらも日常を過ごす子供たち。争いの犠牲になるのはいつも子供たちだと、改めて気付>>続きを読む

スパイダーマン:スパイダーバース(2018年製作の映画)

3.5

スパイダーマンは気になりながらも今さらシリーズを追うには手を出しにくく敬遠してたけど、アニメ版も評価が高いと知り観てみることに。こういう状態なのでストーリー展開はそれほど思い入れもなく素晴らしいとまで>>続きを読む

さがす(2022年製作の映画)

4.4

姿を消した父親を探し、その先で父親の巻き込まれた事の顛末が明らかになる、というストーリーだが、その明らかになる内容が想像を超えて暗く、深く、重かった。その根底にあるのは貧困とか自殺とか尊厳死とか、エン>>続きを読む

グッド・ナース(2022年製作の映画)

3.4

テレビでよくある実際の事件の再現ドラマといった感じで可もなく不可もなく、といったところだが、主演二人の演技が緊迫感含めたクオリティを高めてる。

終盤、エディ・レッドメインがどんどんもう中学生に見えて
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燃えよ剣(2021年製作の映画)

4.5

文庫で上下巻のボリュームが1本の映画にどうまとまるのかと思っていたが、しっかり描く部分と大胆に削ぎ落とす部分のメリハリが効いていたし、真面目過ぎずにコミカルなテイストも適度に入っていて、とても面白かっ>>続きを読む

前科者(2022年製作の映画)

3.9

保護司の役割とは、存在意義とは。前科者は更生できるのか、罪は許されるべきか。簡単に答えの出ない、しかも正しい答えが1つではなかったり、状況によって異なるような問いかけが絶えず突きつけられるような作品。>>続きを読む

キル・ボクスン(2023年製作の映画)

3.8

仕事はできるが家庭では子供との向き合い方に悩むシングルマザーという目新しくはないお話だけど、母親の仕事が殺し屋というのがちょっと違うところ。アクションシーンは多くはないんだけどその分確実にボクスンや代>>続きを読む

大怪獣のあとしまつ(2022年製作の映画)

2.5

もう少し真面目寄りなテイストのお仕事ムービーかと思ってた。同じ題材でそっち系で作ってほしいと思うくらい。
後始末のフェーズをシン・ゴジラ的に描こうとしたのかな、というのは閣僚たちのやり取りのシーンで感
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ほの蒼き瞳(2022年製作の映画)

3.5

特に大きな盛り上がりもなく、淡々と進んでそのまま解決。しかしその後のラスト30分、このままでは終わらないもうひと展開が。個人的にはあまり好きではないというかもう見飽きた「主人公が過去の闇やトラウマを抱>>続きを読む

刑事ジョン・ルーサー: フォール ン・サン(2023年製作の映画)

3.0

すでにTVシリーズがあるとは知らず、予告編に惹かれて鑑賞。今作だけでもストーリーは概ね理解できたが、予告編で期待したほどの面白さではなかった。

SNSや様々なデジタルデバイスに依存している現代ならで
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シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)

4.0

冒頭からの思いがけない暴力描写を除けば、子供たちが難しく考えることなく楽しめていた往年の特撮ヒーローものが現代に蘇った、という印象。もちろん旧作へのオマージュや考察の必要な複雑な設定なんかもあるんだけ>>続きを読む

アンチャーテッド(2022年製作の映画)

3.0

ゲームは未プレイだからどこまで再現されているのかは不明だけど、ゲームなら面白いんだろうなあという印象。実写になるとよくあるトレジャーハントもの、といった感じで驚くような展開はあまりなし。空飛ぶ船のシー>>続きを読む

99.9-刑事専門弁護士‐ THE MOVIE(2021年製作の映画)

4.0

笑いどころを無意味に繰り返して押しつけてくるしつこさは本作でも多少は感じるけど、それでもこの監督が手掛ける作品の中では唯一と言っていいほどまともに観られるシリーズ。役者陣の演技力、表現力がうまくマッチ>>続きを読む

ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密(2022年製作の映画)

3.5

このシリーズはハリー・ポッターの前日譚というか補完の位置づけが強くて、そことの繋がりは薄くとも、もう少し魔法動物中心のドタバタ劇が観たいけどなあという気持ちになる。ファンが求めてるものがどこにあるのか>>続きを読む

ナイブズ・アウト:グラス・オニオン(2022年製作の映画)

3.9

勝手にこのシリーズは数十年ほど昔の時代設定だと思いこんでて、冒頭でコロナ禍が取り入れられてたり、スマホやハイテク御殿が出てきたりで、あっ現代の話だったんだと気づかされた。

前作同様に中盤でストーリー
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THE BATMAN-ザ・バットマンー(2022年製作の映画)

3.8

バットマン探偵篇みたいなテイストだけど、期待していたほどの頭脳戦ではなくてちょっと拍子抜け。これがオリジナルの設定なのかあまり詳しくは知らないけど、バットマンがリベンジャーとして活動し、まだアングラな>>続きを読む

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