MNRLAYさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

透明人間(2019年製作の映画)

3.5

透明人間の存在に追いつめられていく側の視点から描くことで、俄然ホラーっぽい演出が効いてくる。透明人間を題材にした現代的なサイコスリラーって印象。

透明人間がすぐ近くにいるとしか思えない出来事が頻発し
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その手に触れるまで(2019年製作の映画)

3.8

男の子は特になんだろうけど、思春期というのはとかく自分が特別な存在で、周囲が間違っている、汚れていると思い込んでしまうようだ。大なり小なり誰にでもあることなんだろうけど、それに宗教が絡んでくると、とて>>続きを読む

今日から俺は!! 劇場版(2020年製作の映画)

3.2

ヒットしたドラマ版を受けてのボーナス的な劇場版、といった感じで、スケールは大きくなっているもののコメディ要素はちょっと薄まっていてそこが残念だったところ。福田作品にしては物足りない感じ。

それでもと
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レ・ミゼラブル(2019年製作の映画)

3.3

ラストに引用される本家『レ・ミゼラブル』の言葉がこの映画の全てを表している。移民たちの貧困問題や治安問題、警察や住民間の対立など、色々と描かれ提示されているが、何といってもインパクトあるのは終盤に起こ>>続きを読む

ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語(2019年製作の映画)

3.5

若草物語は子供の頃に日曜夜のアニメで観てたなあ。過去回想のシーンではアニメでもこのシーン観たなあと記憶が蘇って懐かしくなり、もう一度アニメを見返したくなった。

本作は若草物語の捉える角度を変えたリメ
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ミッドナイト・スカイ(2020年製作の映画)

3.5

地球パートと宇宙船パートそれぞれでストーリーが展開するんだけど、特に宇宙船パートには余分なシーンが多かったように思う。宇宙船と通信するために奮闘する地球シーンに絞って、もっとコンパクトにまとまってたら>>続きを読む

かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~(2019年製作の映画)

2.8

頭脳戦、心理戦が好きなのでちょっと気になっていた作品だったけど、それっぽい展開は序盤だけ。原作未読、アニメも観てないなので何とも言えないけど、ちょっと期待しすぎてしまったか。

橋本環奈はともかく、中
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ステップ(2020年製作の映画)

4.5

娘の小学校卒業までの父子家庭の10年を描いた作品。とにかく父娘の周囲を取り巻く全ての登場人物が優しい。作品全体が優しさと慈愛に満ちていて、現実はこんなにうまくいくのかとかそんなことを考えるのは野暮に思>>続きを読む

ルース・エドガー(2019年製作の映画)

4.5

親や教師は、子供や生徒が自分達より、大人よりも劣っているものとして接するが、子供は思っている以上に賢いし、大人の欺瞞や矛盾を見抜いているものだ。優等生には裏の顔なんてないし、大人の期待を裏切るような行>>続きを読む

マリッジ・ストーリー(2019年製作の映画)

4.0

離婚に向けて動き出した夫婦、離婚後の生活を見据えて気持ちを切り替えつつある妻に対し、まだワンチャンやり直せるんじゃないかと淡い期待を抱いている夫。この辺りはよくあるお話といった感じなんだけど、離婚調停>>続きを読む

21世紀の資本(2017年製作の映画)

3.2

書籍は未読ながら、難しそうな内容を映像をうまく使って解りやすくまとめられている印象。講義を聞いてるみたいでちょっと睡魔との戦いになっちゃったけど。

共産主義の崩壊とともに資本主義が唯一解みたいになっ
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この世に私の居場所なんてない(2017年製作の映画)

3.5

普段と変わらない何気ない日常の中で自分を見つめ直す、自分がいる意味に気付く、的なストーリーかと思ってたけど、そんな生易しいものじゃなかった。

突如見舞われた災難に、神も私を見放したのか!って感じで半
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ポップスター(2018年製作の映画)

3.2

この作品の前に観た『ジュディ 虹の彼方に』が往年のスターの一人であるジュディの事情にフォーカスした具体的な内容だったのに対して、今回の『ポップスター』は脚光と批判を受けるトップアーティストの普遍的な光>>続きを読む

ジュディ 虹の彼方に(2019年製作の映画)

4.0

ジュディ・ガーランドのことをよくは知らなくても、悲哀に満ちた彼女の晩年の人生を描いた本作から目が離せなかった。彼女の境遇を知っている人が観れば全編涙なしでは観れないんじゃないか。

時代的な背景もあっ
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エジソンズ・ゲーム(2019年製作の映画)

3.5

展開から結末から、全然エジソンのゲームって感じじゃなく、まさに電流戦争。子供向けの伝記ではあまり描かれないエジソンの別の一面が前面に押し出され、悪役と言ってもいい展開。その構成が意外で新鮮だったし、ウ>>続きを読む

オールド・ガード(2020年製作の映画)

3.5

死なない傭兵っていう設定と、それを活かした闘い方は面白かったんだけど、それ以外はちょっと凡庸な展開に終始した印象。

それでも、カッコよくて美しくて強いシャーリーズ・セロンを観ることができるだけで満足
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氷菓(2017年製作の映画)

3.0

気になってはいたけど鑑賞するまでには至っていなかった本作。その予感そのままに、面白くないわけじゃないけどちょっと物足りない印象。

山﨑賢人の出演作とは知らなかったし、意外と知った顔が多く出ていること
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娘は戦場で生まれた(2019年製作の映画)

3.5

いつだって自分は世界を知らなすぎるし、知るのが遅すぎる。この作品でまたそれを痛感。シリア内戦、アサド政権、アレッポ空爆といった断片的にしか知らなかった状況がようやくひと繋がりとなって、圧倒的なリアリテ>>続きを読む

ジョン・F・ドノヴァンの死と生(2018年製作の映画)

3.2

ドラン監督の作品は核になるテーマは一貫していると思うけど、それを覆う幾重もの殻を剥がすのがいつも難作業。今作はさらにジョンとルパートの二人の境遇が対比しながらも重ねて描かれていることで、よりボヤケた印>>続きを読む

エイリアン:コヴェナント(2017年製作の映画)

3.5

エイリアンシリーズはあまりちゃんと観ていない、前作プロメテウスは観たけどあまり覚えていない、という状態だけどこれ単作でも普通に楽しめた。エイリアンは単なる武器、手段としての役割であって、それを産み出し>>続きを読む

架空OL日記(2020年製作の映画)

4.0

最初はドラマの編集版なのかな?と思うほど劇場版だからといっての特別感がない。これまで通りの安定的な面白さ。この映画だけでも充分楽しめるような作りになっていて、こちらからドラマ版に入ることもできる親切設>>続きを読む

グレタ GRETA(2018年製作の映画)

3.2

よくあるストーカーものといった感じで、目新しい展開はなかったものの、イザベル・ユペールの演技によって不穏さと怖さが増幅される。

ターゲットの探し方を思えば、彼女がなぜそこまでクロエちゃんに執着するの
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ヲタクに恋は難しい(2020年製作の映画)

3.5

原作未読だし、これだけガッツリとしたミュージカル映画だということも知らずに観たけど、それなりに楽しめた。でも福田組の俳優陣が多く出演してた割には、それほど爆発的な面白さはなかったかなあという印象。>>続きを読む

ナイチンゲール(2019年製作の映画)

3.5

『荒野の誓い』のような相容れない者同士のロードムービーをイメージしてたけど、もっと復讐劇寄りだった。さらに民族や男女の対立構図が何層にも描かれていて、奥深くはあるけどちょっと分かりにくい印象になってし>>続きを読む

マッドマックス 怒りのデス・ロード(2015年製作の映画)

4.0

旧作リアルタイム世代ではないし、それほど思い入れがあるわけじゃないけど、評価の高さから一度は観てみようと思っていた1本。ベスト級とはいかないまでも、終始テンションの高まる展開で何だか映画の原点を観た気>>続きを読む

1917 命をかけた伝令(2019年製作の映画)

4.5

これもまた一つの戦場体験映画と言えると思う。特に塹壕の中を移動するシーンなんてのは通常ならここまでじっくり見せることはしないだろうし、ここが一番当時の戦争の臨場感やリアリティを感じた。ワンカット風の撮>>続きを読む

TENET テネット(2020年製作の映画)

4.8

時間逆行の仕組みやルールをしっかり咀嚼しようとすると途端に置いて行かれる。そこはもうまさしく考えるより感じることに留めないと、時間の順行と逆行が入り乱れるアクションシーンの把握すらままならなくなる。>>続きを読む

アガサ・クリスティー ねじれた家(2017年製作の映画)

4.0

原作未読なので普通にミステリとして楽しめたし、終盤の展開、結末にも驚きだった。こんな作品が70年も前に発表されてるわけだから、そりゃあ最近のミステリはやることなくなってクオリティがイマイチになるよね。>>続きを読む

スキャンダル(2019年製作の映画)

4.2

会社のボスであり、強大な権力や影響力を持つ相手からのセクハラに対してどう闘って逆襲するのか、という痛快な展開かと思っていたが、違っていた。まだこの時代にどれだけセクハラが蔓延しているか、男性支配的な旧>>続きを読む

メメント(2000年製作の映画)

4.2

2回目鑑賞。だけど1回目がかなり前だったので、それこそ細かい記憶がない状態での鑑賞。10分しか記憶がもたないという状況を擬似体験させてくれる作品。観ている側は全部覚えていられるからストーリー進行ととも>>続きを読む

9人の翻訳家 囚われたベストセラー(2019年製作の映画)

3.2

ストーリー展開とか、次第に明らかになる事実とか、面白くはあったんだけど、なぜかあまり楽しめなかった。素材はいいんだけど、味付けや盛り付けがイマイチ、みたいな印象。

結末を知ってから振り返ると、あまり
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ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密(2019年製作の映画)

4.0

最初の30分、それぞれの人の視点から語られる虚実入り混じった証言の積み重ねも面白かったし、次の30分で明かされる事実も意外な展開。そこからどうやって着地させるのかとちょっと不安になった後半もしっかり練>>続きを読む

屋根裏の殺人鬼フリッツ・ホンカ(2019年製作の映画)

3.0

フリッツ・ホンカの殺人は極めて衝動的で短絡的。何が彼をそうさせるのか、何が彼をそういう人間にしてしまったのかは作中ではほとんど描かれないながらも、伝わってくるものがあるという、なんだか不思議な体験をし>>続きを読む

屍人荘の殺人(2019年製作の映画)

3.0

一言で言えば「フザケ過ぎ」。原作がそもそも奇想天外ながらも徹底的な本格ミステリという変化球なのだから、それを際立たせるためにももっと真面目テイストでやってほしかった。ストーリー構成と展開、キャラクター>>続きを読む

エクストリーム・ジョブ(2018年製作の映画)

3.5

韓国映画でこういうコメディらしいコメディを久々に観たような気がする。最初から最後まで深く考えずに楽しく観られる作品。

とは言え、うまくいかない本業と思いがけず繁盛した副業との間で思い悩むシーンなど、
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ハクソー・リッジ(2016年製作の映画)

4.5

戦闘のゴア描写がエグいと聞いていたので敬遠していたけど、そこまでドギツい感じではなかった。そして何より、それを理由に今まで観なかった自分を叱りたくなる、素晴らしい作品だった。

現実と闘い、悩み苦しむ
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