僕にとっての完璧な映画——ただひとつの映画は『ミツバチのささやき』だった。
この映画を初めて観たとき、打ちのめされ、2〜3日は口もきけないほどだった。
誇張じゃない。
これから、まともなことは喋れなく>>続きを読む
戦国版アウトレイジかと思いきや戦国版おっさんずラブ。それもかなり生々しい。
いや、それっぽいことを書いてお茶を濁すのはやめよう。
『首』は、確かに脂ぎったおっさんたちの愛欲を描くのだけれども、そこ>>続きを読む
書いたやつが悪いのか撮ったやつが悪いのか、出来はしょーもなかった。
一から十までくだらん映画だった。
なんで最後まで観ちゃったんだろう…宮崎あおいが可愛かったからかな。
ほんとに可愛いよな。
驚異的>>続きを読む
予告編を見た感じ、ベンアフの『ザ・コンサルタント』のオシャレ版みたいなのをイメージしていた。
精神面にちょっと難があって、殺しの仕事に異常なこだわりを持つプロのキラーが何やかんやシステマティックにス>>続きを読む
これまでの長いようで短い人生を振り返ると、山崎貴の映画で感心したのは延べ30分くらいだ。
何作品か観たうち、細切れにこのカットが良かった、このシーンが良かったという集積に過ぎぬ。
たとえば『アルキ>>続きを読む
まずは、とにかくたいへん面白い映画だったので★4を進呈する。
0.5は駿の次回作に期待しておまけだ。
(どうせまた何か作るんだろ!)
僕は青サギがどんどんキモくなっていくところで、これは面白くなると>>続きを読む
昼間、『峠』をボロクソに書いちゃったついでに……。
おそらく『関ヶ原』を最後に、最近の時代劇大作はひどい映画ばかりです。
時代劇大好きな僕としてはクソが!となることも多いのですが(まあ昔は昔で『真田幸>>続きを読む
僕が劇場で初めて観た(というのは、ゴールデン洋画劇場とかビデオとか地元の文化会館の催しとかではなくちゃんと映画館で)映画は『インデペンデンス・デイ』で、それは映画との幸福な出会いだったけれども、2回目>>続きを読む
なぐり描きみたいな赤いルージュに縁どられた、深宇宙のように真っ暗なミリアム・ルーセルの口腔のアップで映画が――いつものように映画なんかどこで終わったって構うもんかい!という勢いで終わって、劇場の電気が>>続きを読む
こないだの夜中、遺言状を読むシーンまで観ようとして、結局おしまいまで観てしまいました。
『犬神家の一族(2006)』の遺言状を読むシーンが、僕は大好きなのです。
そもそもこの映画は、市川崑による『犬>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
この映画に、「一筋の光が…」とか何とか、のんきに希望を見出している人がチラホラ見られることに驚く。
ほんとうにのんきだ。
この映画に描かれた我々の世界の、どこに希望があったか。
映画のラスト。
光>>続きを読む
YouTubeで見れる三島の動画でいちばん印象に残っているのは、三島が居合い抜きの型か何かを披露している動画である。
体に不釣り合いな、いやに長い刀を腰にした稽古着すがたの三島が、その刀を抜き、振り回>>続きを読む
笑える映画が観たいと妻が言うのでNetflixで何となく気になっていたコレをチョイス。
悪い映画じゃなかった。
しかし僕自身、埼玉とは縁もゆかりもないし面白みのある演出も特にないので終始、微笑(微苦笑>>続きを読む
しかし何故これほどまでに動揺しなければならないのか、91歳の老人の死に。
そもそも、公表されている情報によるとスイス国籍を持っていたゴダールは、スイスの法 律にのっとって安楽死による最期を選んだという>>続きを読む
宮崎駿の描く少年少女がきらいだ。
昔からそうだった。
彼らはあまりにも溌剌としすぎだ。
常に前のめりで、ひたむきに夢を求め、何かあるとすぐ走り出す。
天空の城の、階段の突端に立つ。
あと半歩で宙空に>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
僕は最初、この映画を観終わった時は何だか不快を感じた。死んじまったらおしまいじゃないかと思ったからだ。
最後の最後に訪れるドンデン返しで男たちがオロオロする姿を、主人公カサンドラは見ることがない。彼>>続きを読む
こないだ俺は大藪春彦の「野獣都市」を読んだのだが何となくヌルく、今となってはもう話のスジもまともに覚えちゃいない。
しかしそのあとで久しぶりに読み返した「蘇える金狼」が、これはもうおそるべき面白さで>>続きを読む
ちょっと前に、Netflixでキングヌーの髭パーマを追ったドキュメンタリーを観た。
言動から何からおそろしくカッコいい野郎で、番組内で完成した楽曲もカッコよかったのだが、一緒に観ていた妻が「カッコイイ>>続きを読む
子どもの頃に観た記憶では、ヒッチコックの『北北西に進路を取れ』は主人公の拳銃自殺で終わるはずだった。
打たれ弱そうで神経症的な面構えのナヨナヨした罪もないおっさんが殺人事件の犯人に仕立てられ、世間様>>続きを読む
正月に妻と『犬神家の一族』を観に行って以来のシネリーブル梅田。
毎度のことながら、梅田駅から右往左往してようやく行き着く。
夏日の大阪はクソ暑く、涙を拭くために持ってきたハンカチは早くも汗を拭き取るの>>続きを読む
昨日?おととい?カンヌ映画祭で4Kレストア版の『ママと娼婦』が公開されたという。
偉大な映画だ。
スタンディングオベーションに応えるジャン=ピエール・レオが元気そうだったことにも感動した。
というわ>>続きを読む
このあいだ僕は溜まりに溜まった仕事を徹夜で片付けようと四苦八苦していたが、なかなか捗らず、すぐに立っては換気扇の下までタバコを吸いに行った。
ただキッチンの壁を見ながらタバコを吸うことなんかできない。>>続きを読む
最近、映画監督村川透の評伝をちょこちょこ読んでいてなかなか面白いので何か観たくなり、コレをチョイス。野獣も金狼も、こないだ大藪春彦ブームが来たときに観たしな。
主演は松田優作、それに、りりィさんが出>>続きを読む
足早にこっちに歩いてきた豊原功補は、背後に匕首を隠している。
キョロキョロ見渡して「ケンジ!」と大声で呼び、その相手がすでに"中国人のガキ"を連れて逃げたと気づいて笑いだす。
一転して、一生懸命ペダ>>続きを読む
このあいだ久しぶりに会った友達と一緒に『スパイダーマン』を観に行ったあと、大いに感動しつつ結末が気にくわんと言いながら酒を飲み、いろんな映画をたたえたりけなしたりしていたのだが、そいつが急にオレは時代>>続きを読む
ちょっと前、YouTubeがやたらと『その男、凶暴につき』『3-4x10月』のクリップ映像をおすすめしてきていたのでちょこちょこ見ていたのですが、みればみるほど魅力的で、ついにある夜、ちょっとした弾み>>続きを読む
オレは『ディパーテッド』を先に観ちゃったので、本家は初めて観たとき(当時は無間道だけ観た)あまりノレなかったんだよな。
あの乾いた空気に領された120%退廃的なノワールのあとには、『インファナル・アフ>>続きを読む
最近の僕は三島の本ばかり読んでいるので、何を血迷ったかこの映画を観てしまった。
・三島が大根
・三島が痛々しい
・そこそこ良い作品なのに三島のせいで…
などなど、前評判はさんざんだった。
ネット上に>>続きを読む
今も思い出す。
この映画を初めて観たのは高校生の頃で、今では名前も忘れちまった駅前のビデオ屋で、VHSを借りたのである。
その後、DVDを買って何度か観たし、あるいは大島渚が死去したときに開催された追>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
つねづね、Netflixオリジナル作品の邦題はビミョーなものが多いと思っていた。
たとえば、『ジョンベネ殺害事件の謎』ってのはやっつけ感のある邦題で映画の内容には合っていない。
この邦題から期待され>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
エヴァンゲリオンが、終わった。
実は公開初日に観たんだが(満員の劇場を久しぶりに見た)、今になって感傷的な気分になってきた。
ちょっとばかり長くなるが、書いてみたいと思う。
そもそも僕とエバーの付>>続きを読む
動乱の1968年。
ところはパリのシネマテーク・フランセーズ。
館長のアンリ・ラングロワが国家権力によってその座を追われたことで、若いシネフィルたちが反乱を起こす。アジテーターはジャン=ピエール・レオ>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
前編は傑作である。
映画監督・成島出の名は『ソロモンの偽証 前編・事件』によって、僕が死ぬときまで生き続けるだろう。
見事なサスペンス劇だ。
シナリオは気持ちよく歩みを進め、意外性を持ち、謎そのもの>>続きを読む
桃李くんの『新聞記者』とセットで観た。
この映画の舞台は、2010年代の後半に入って以降、腐った内臓をげろげろ吐瀉するみたいに醜悪な政治的状況をあらわにしたニッポン。
国民を舐めくさった為政者がふ>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
チャーリー・カウフマンといえば、僕にとっては、あの奇跡のような『エターナル・サンシャイン』のシナリオを書いた人である。あの映画は、恋愛の苦みを完璧な筋立てと台詞で表現した。
そして『もう終わりにしよう>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
なにこれ、クソ?
久しぶりに映画を観て鼻で笑ったわ!
そしてそのあと怒りが込み上げてきましたわ!
呪いと憎しみですわ!
僕がハルオでオメーがゴジラだわ!
オメーの顔めがけて特攻すんぞバカ。
ほんとね>>続きを読む