shoooooさんの映画レビュー・感想・評価

shooooo

shooooo

映画(454)
ドラマ(0)
アニメ(0)

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.7

光のあたらない全ての美しく善き人への讃歌。

ヴェンダースがこの歳になって日本で撮ってくれたのは本当に嬉しい。
冒頭から体感20分くらいほとんどセリフがない。この時点で「生活」を映し出そうという強い意
>>続きを読む

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

3.9

嫌いではなかったし、宮崎駿作品を観ることができたのはうれしい。
ただ、洗練された作品とはいいにくい。

事前情報なしというのは面白い試みだけど、本作ではあまりプラスに機能しなかった気もする。
現実路線
>>続きを読む

怪物(2023年製作の映画)

4.3

「怪物」というタイトル=テーマが恐ろしく秀逸だった。
人間の「想像力」こそが怪物を作り上げるのだと、鑑賞後は強く思わされる。

1つの現実が切り取り方でこうも違って見えるのかと驚かされる描写に満ちてい
>>続きを読む

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

3.9

アカデミー賞っぽさはないけど、結構楽しめた。

マルチバースものは初鑑賞だけど、複数の世界線がリンクしつつ、ちょっとした気持ちのいい伏線回収などもあり、設定やシナリオは面白い点が多かった。

主人公の
>>続きを読む

白い馬(1952年製作の映画)

3.5

「赤い風船」とセットで入っていた映画。
こっちは普通かな。

赤い風船(1956年製作の映画)

4.0

フランスのショートムービー🎈
映像が鮮やかでかわいらしい、絵本のような映画。

最後のシーンなんかは、とても素敵で画としても完璧。

⚠️以下ネタバレ

ストーリーは普通だったかな…
人間、とりわけ子
>>続きを読む

THE FIRST SLAM DUNK(2022年製作の映画)

4.3

最高にカッコよかった。

試合の臨場感と人物の内面性へのフォーカスのバランスが絶妙。

原作は読んでいた方が楽しめると思う。
そして、一試合にこれだけ名場面を詰め込んだ原作の素晴らしさは言わずもがなだ
>>続きを読む

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)

4.1

新海誠もロードムービーも好きなので満足できた。
前半は道行きならではの好テンポな人情旅であり、後半は重みのある葛藤と再生の旅であって、どちらも良さがある。
イスになった草太はキャラクターとしても面白い
>>続きを読む

T2 トレインスポッティング(2017年製作の映画)

4.0

約20年の空白を上手く活かした、よく出来た続編だと思う。
個人的には1作目よりすき。

ユアン・マクレガーが、“choose life…”のくだりで、ふと20代の尖り方を取り戻すところが最高だった。
>>続きを読む

クローズ・アップ(1990年製作の映画)

4.3

嘘と真の、現実と演技の、微妙な臨界点上を、ずっと写し続けるような特異で素晴らしい映画。
題材、手法、構成がいずれも独創的。

ある男が有名映画監督になりすまして詐欺容疑で捕まった実際の事件が題材。だけ
>>続きを読む

君の名前で僕を呼んで(2017年製作の映画)

3.8

“君の名前で僕を呼んで”
直感的にはすごく印象的で美しいセリフとシーンだと思う。だけど、よくよく考えるとあんまりしっくりこないかも。

オリヴァーと別れたあとの父親が理解ある台詞を言うシーンは、一見蛇
>>続きを読む

アメリカの友人(1977年製作の映画)

3.7

ヴェンダースが撮ったクライム・サスペンス。映像が綺麗だなーと思うカットは時々あったけど、あまり個性のある映画には思えなかった。

デニス・ホッパーもブルーノ・ガンツもカッコいいし、スリルもあったけど、
>>続きを読む

ゼア・ウィル・ビー・ブラッド(2007年製作の映画)

3.8

演技は確かにすごい。
ストーリーも、観てる時は退屈しないけど、振り返るとそんなに好きではなかったな。

ダニエル・デイ=ルイスの出演作を観るのは初めてだったが、激昂した際の演技は鬼気迫るものだった。昂
>>続きを読む

東京ゴッドファーザーズ(2003年製作の映画)

3.8

好テンポのドタバタ劇で描くヒューマニズム。
個人的にはそこまでハマらなかったけど、普通にいい映画。

ホームレスのおっさんと性的マイノリティ、家出少女が、捨てられた赤ん坊を拾って、親探しの旅に出る。
>>続きを読む

ブリグズビー・ベア(2017年製作の映画)

4.5

全部の要素が好き。バカバカしさも優しさも含めてとても好きな映画。
良い映画はたくさんあるけど、本作はなかなか出会えない、愛おしいと思える映画だった。

幼い頃に誘拐され、誘拐犯自作の謎の教育番組=ブリ
>>続きを読む

夢の涯てまでも  ディレクターズカット版(1991年製作の映画)

4.0

ロードムービーの帝王ヴェンダースによる究極のロードムービー。
287分。約5時間。どうかしてるぜ。

何度か中断しながら完走。
長すぎる映画は、どうしても「長い」というのが第一の感想になってしまう。
>>続きを読む

ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ(1999年製作の映画)

4.0

キューバの古老ミュージシャン達の競演と生き様は渋くて最高。

ライ・クーダーがプロデュースしたキューバのベテラン音楽家のバンド「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」を、ヴェンダースが撮った上質なドキュメ
>>続きを読む

オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ(2013年製作の映画)

3.7

オシャレで艶やかな映画だった。

何百年も生きてる吸血鬼の夫婦ってだけでなんかクール。
ティルダ・スウィントンもトム・ヒドルストンも吸血鬼の役にすごくハマっていて、妖しく色っぽかった。

黒い長髪にサ
>>続きを読む

セルピコ(1973年製作の映画)

4.0

一匹狼の生き様。
アル・パチーノは孤独な戦いが似合うし、超カッコいい。

同僚の不正を暴いた実在の警官の苦難の道を描く。
これが実話というからアメリカの警官のダーティーさに引いてしまう。

人が死んだ
>>続きを読む

ノーカントリー(2007年製作の映画)

3.9

バビエル・バルデム演じる殺し屋シガーは、最恐の悪役の一人だろう。
ためらいなく人を殺しまくるのと、感情や思考が全く読めない独特の雰囲気が、すごく恐ろしい。
特にバルデムの他の役を知らなかったので、その
>>続きを読む

アンドリューNDR114(1999年製作の映画)

3.8

ロビン・ウィリアムズは人を見守るような温かい眼差しが本当に似合う人だった。

感情と感性を持ってしまったアンドロイドが、人間になっていく物語。
普通の映画なら長くとも1人の人間の一生くらいの時間が描か
>>続きを読む

ジャスティス(1979年製作の映画)

3.7

パチーノはやっぱりカッコいいな〜

パチーノが演じるのはスマートな弁護士というより、最善を尽くしてるのに色々うまくいかない弁護士で、刑事事件弁護のキツい部分ばっかり映し出されて、同情してしまう。

>>続きを読む

県警対組織暴力(1975年製作の映画)

4.2

「極道は顔でメシ食うとるで、顔でぇ!」

菅原文太と松方弘樹。
これほどの凄みと男気を兼ね揃えた名優の衝突が見られる時代は再びやってくるのだろうか…
顔と顔だけで勝負しているという感が凄まじい。

>>続きを読む

スウィート・ノベンバー(2001年製作の映画)

3.9

11月だけの恋人、ロマンチック。
軒並み評価は低いけど、割と好きだった。

シャーリーズ・セロンのぶっ飛んだ奔放さがいいね。キアヌ・リーブスもシャーリーズ・セロンも美しい。
エンヤの曲は色んなところで
>>続きを読む

霧の中の風景(1988年製作の映画)

3.9

アンゲロプロス特有の冷たさが伝わってくる映像は見応えがある。
空気が冴えわたる寂寞たる風景の中に、美しく悲しい詩的なヴィジョンが混ざり合い、なんとも芸術的。
同時にロードムービーには珍しい陰鬱たる息苦
>>続きを読む

カラー・オブ・ハート(1998年製作の映画)

3.7

現実と虚構の世界の境界線を越える物語は数あれど、モノクロの世界に迷い込んで、その世界の住人の心が動けば世界に色が生まれていくという発想は、面白いしロマンチック。

脚本自体は普通だったけど。
ロマンチ
>>続きを読む

ムーンライズ・キングダム(2012年製作の映画)

4.2

少年と少女の無軌道な逃避行というテーマ、童話チックな展開、絵本のようと形容されるウェス・アンダーソンの映像のハーモニーがけっこう好みで、ずっと楽しく観ていられた。

10代前半で駆け落ちというのが無謀
>>続きを読む

孤独なふりした世界で(2018年製作の映画)

3.9

「変人っていわれるでしょ」
「ああ、でもみんな死んだ」

キャラクターと世界設定はすごく好みだった。
ストーリーは普通だっかかな…
そもそもポスト-アポカリプスものって、雰囲気はいいけどストーリー構築
>>続きを読む

ジョゼと虎と魚たち(2020年製作の映画)

3.8

よかったけれど、どこか物足りなさもある。
とてもキレイな物語だし、キャラクターも魅力的なんだけど、実写版の絶妙な味わいと比べてしまうと、どうしても何かが足りないような気がする。
とはいえ、ちゃんと感動
>>続きを読む

孤狼の血 LEVEL2(2021年製作の映画)

3.7

おもしろかった、
けど渋さや狡猾さが衝突する任侠系映画というより、ハリウッド的なアクション映画という感じがあった。
その辺も一作目の方が好みだった。

鈴木亮平演じる上林は凶悪感で恐ろしかったが、同時
>>続きを読む

ウォーク・トゥ・リメンバー(2002年製作の映画)

3.5

いい話だしロマンチックだけど、徹頭徹尾ベタ過ぎるストーリーだった。

自分の世界を持ってる人って魅力的だけど、未熟な価値観の時にそういう人を集団で嘲笑ったりすることって、実際にも多々あるなと思う。
>>続きを読む

ベイビー・ブローカー(2022年製作の映画)

4.3

是枝監督らしさが詰まっていて、すごく良かった。
社会の周縁を生きる人々の疑似家族的な関係を描いていて、ロードムービー版「万引き家族」といった感じ。
ロードムービーならではの、関係が育まれていく「過程」
>>続きを読む

カリートの道(1993年製作の映画)

4.2

パチーノのクールさが最高だったし、ストーリーもスリリングでよかった。

カリート(パチーノ)自身はよく生きようとしてるのに血がどんどん流れていくのが切ないし、彼にすごく同情してしまう。
パチーノは黒の
>>続きを読む

LION ライオン 25年目のただいま(2015年製作の映画)

4.0

結末が完全に分かっていても、やっぱり感動してしまう。
この世の最も凄絶で悲惨な暗部から、さまざまな形の愛の美しさまで、人生が良くも悪くも劇的であることを描いた良作。

帰らぬ子を探し続ける母親の思慕と
>>続きを読む

Vフォー・ヴェンデッタ(2005年製作の映画)

4.2

“My turn”

これぞダークヒーロー!
好みは分かれそうだけど、ディストピア社会と独りで戦う謎の男の姿にシビレた。

割とリアリティあるディストピアという舞台もいいが、Vの戦いと民衆のうねりの波
>>続きを読む

ラスト・ムービースター(2017年製作の映画)

4.0

老優のロードムービーはやはりいい!

ストーリーは王道だけど、頑固な老人が旅を通して、自分の人生を振り返り、若者と絆を結び、今の人生を受け入れるという筋書きはドラマがあって好き。

お手製感満載の映画
>>続きを読む

>|