ギャスさんの映画レビュー・感想・評価 - 23ページ目

2番目のキス(2005年製作の映画)

3.5


マジの野球オタクと恋をしたら。

久々に観たが、面白さは倍増していた。それは前回(約15年前)に観た時からレッドソックスについて少しだが詳しくなったため。そして女性がバリキャリである世界を当然のよう
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燃ゆる女の肖像(2019年製作の映画)

3.5

数回のみの音楽があるシーンに、情動が溢れ出る。

一つ一つのシーンが絵画のよう。
肖像画を描くということの意味が、さりげない会話で語られるのだが、非常に哲学的で深い。
「枠」(額としても、社会的にも)
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フリーダム・ライターズ(2007年製作の映画)

3.5

銃撃が身近にありすぎる環境。
人種の壁が完全に目に見える形で存在する学校。
融合政策で混沌とした教室に、
熱血新米教師。
彼女は徐々に生徒の厳しすぎる現実を目の当たりにし、どうにか彼らに教育だけでなく
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his(2020年製作の映画)

3.2

我慢してきた感情がほとばしったシーンがとてもよかった。同性愛の恋愛感情を中心に描いた映画かと思っていたが、それよりは"子供を軸とした"同性愛カップルの家族の、ひとつの在り方の模索の映画。

子供がいる
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ラストレター(2020年製作の映画)

3.2

広瀬すずと森七菜の2人の存在感に尽きると言ってもいい。
広瀬のりんとした寂しさ。
松たか子の少し陽気な感じは森七菜としっかり繋がっていて、とても自然。

淡々とした描写はドラマチックではないが確かにこ
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ヲタクに恋は難しい(2020年製作の映画)

3.1

妙に楽しいヲタク語り。
好きなことを熱く語るのを見てるのが好き、という気持ちがとてもわかる。
ハイテンションで語る高畑の演技力が素晴らしく、目や口の漫画のような表現力から目が離せなかった。

ただ、そ
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1917 命をかけた伝令(2019年製作の映画)

3.3

評判通りの迫力。一応テレビの大画面でかぶりつきで見たが、これは映画館で見るべきだった。都合が合わず見逃したのが悔やまれる。

リアルな戦場に没入させるというメンデス監督の意図にしっかりとはまり、
緊張
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ヒルビリー・エレジー -郷愁の哀歌-(2020年製作の映画)

3.2


これだけだとある白人貧困家族の物語の映画だが、
ヒルビリーエレジーは、映画の中でも差別用語として言及された「レッドネック」(白人貧困層)の現状とそこから抜け出した過程を
"当事者"の青年が客観的に分
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ホワイト・ボイス(2018年製作の映画)

3.4

予想外に面白かった。

陽気な悪夢?毒毒なギャグ?チープなSFで過剰にデコレイトされた異色な社会派ムービー。

資本主義における人種と階級と権力のグロテスクさをモリモリに詰め込んでいるが、
労働組合と
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アイネクライネナハトムジーク(2019年製作の映画)

3.3

よくあるような些細なエピソードと、
なかなか起こらないドラマチックなエピソード、
その混ざり具合がちょうど良い。
そしてその中に、これまたよくある出会いと別れと、なかなかないドラマチックな出会いと別れ
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LUCY/ルーシー(2014年製作の映画)

3.2

たまたまチャンネルを合わせてそのまま久々2度目。
突っ込みどころはたくさんあるが、人間としての考えつく限りのぶっ飛んだ進化を楽しめた。漫画的に。
今後、人間進化のまだまだこれを超えてくるだろうアイデア
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影踏み(2019年製作の映画)

3.2

事件と双子の心理が絡んだりもつれたり。
双子の気持ちのありようとは、本当にこんな感じなのだろうか。
2人でいることを選んだり、1人の個人であることも捨てきれない。

誰が何のために何を選ぶのか、人のた
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バーバラと心の巨人(2017年製作の映画)

3.2

子どもたちが大変なのはもちろんのこと、
周りの人々の理解が大変だし大切。

しかし、この巨人の恐怖を理解できる人は、同じような恐怖を経験した人なのではないだろうか。
その経験がない人はこの映画で少しは
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犬鳴村(2020年製作の映画)

3.0

何かが惜しい。なかなか面白かったのだが。
もっと因縁の血の原因やその現代への繋がりにしっかりした背景が作れたはず。


ネタバレ
おどろおどろしい村の設定や美しく深い山奥の地に、電力会社の暴力的な事件
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鈴木家の嘘(2018年製作の映画)

3.4

タイトルに嘘という言葉はあるが、
演者もストーリーもとても自然でまるで嘘がなく、気持ちを削ぐような引っかかる点や演出もなく(なかなかレア)、
とても胸に迫る作品だった。

なんといっても原が包丁を手に
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パンとバスと2度目のハツコイ(2017年製作の映画)

3.2

続けることと、やめること。



ネタバレ
続けることはできる、例えば緑内障の目薬。失明に関わるから。でも、好きであり続けることは?やめ時は一番雑にとはいうものの、でもずっと終われないままズルズルとと
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メランコリック(2018年製作の映画)

3.1

仕事に貴賎はあるのだろうか、幸せとは何なのだろうとか、
殺しが背景にはあるが、
物語は意外にシンプルでなぜかあたたかい。

少しシンプルすぎるとも思えるが。


ネタバレ?
なぜメランコリックなのだろ
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カーライル ニューヨークが恋したホテル(2018年製作の映画)

3.2

伝説のホテルは、つまりそこに勤めていた伝説の人たちのことだった。
そこに泊まったセレブなど有名人たちはその二次的伝説だ。

吃音のコンシェルジュの人柄に素直に感動。そして彼を雇った判断に拍手。もっとそ
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荒野にて(2017年製作の映画)

3.4

社会は、1人で生きようとする子供にはまさに荒野だ。
成長物語はいろいろあるが、こんなふうに大人になっていくのは辛すぎる、と途中で悲しくなった。

後味は、もう少し穏やか。


ネタバレ
最後に抱きしめ
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ウルフウォーカー(2020年製作の映画)

3.3


絵が美しい。
音楽が美しい。

自然との共存を探り、
勇気と自立を知る物語にもなっていて、全ての子供に見せたい内容。特にシスターフッドが素晴らしい。
ストーリーは少々うまくいきすぎるが、そこは子供が
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プロジェクト・グーテンベルク 贋札王(2018年製作の映画)

3.3

B級ぽさもありつつのなかなかのエンタメ。
ポップさもシビアさも切なさもぎっしり詰め込んで、意外な展開が次々と。
最後の最後まで楽しめた。

偽札は作るのがこんなに大変だとは。さすが簡単には手が出せない
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雨月物語(1953年製作の映画)

3.3

4Kデジタル修復版で鑑賞。
戦の世の不条理、男の身勝手な野望のはかなさ、虐げられる女性の苦しみ切なさなど、わかりやすいよくある話ではある。
画の光と影の美しさや、特に妖艶で幽玄な京マチ子を堪能。

ヴィランズ(2019年製作の映画)

3.2

サスペンスコメディ、、なのだろう。
のんびりとハラハラ?
独特の安堵感?
なんとなく全ての登場人物を"愛せる"感じになる不思議な後味。

あなたの名前を呼べたなら(2018年製作の映画)

3.3

都会と田舎、雇い主と召使い、その格差をかなりリアルに感じられた。
その中で生まれる感情も自然な演出で、「最後の台詞」にしっかり繋がった。

フォードvsフェラーリ(2019年製作の映画)

3.2

良い話だった。実話ベース。
これは映画にしたくなる、しておかなきゃいけないという気持ちになると納得。

「ピュアすぎるドライバー」の心意気や、
車の中でのセリフとそのリズムも楽しめる。
クリスチャンベ
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ジョン・ウィック:パラベラム(2019年製作の映画)

3.2

カタルシス!笑

"これでもか"の後に、
それをねじ伏せる"これでもか"を繰り出す!力と量と「アイデア」のマシンガン。
少年ジャンプか。どんだけーと痛快で笑えてくる。

大仰なルール、
切れたり戻った
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ゲキ×シネ「偽義経冥界歌」(2020年製作の映画)

3.5

舞台を観たが、ゲキシネは期待以上にうまく映画化されていた。

そもそも隅々までよくできている舞台だが、
カメラワークで、注目すべき場面や表情などがクローズアップされたりで話がよりクリアに。

その分、
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カツベン!(2019年製作の映画)

3.2

無声映画の時代について、知らなかったことがたくさんあって面白かった。
なかなかいい加減なところなど、肩の力が抜けた。テンポはもう少し早いといいと思ったがこれも昔風か。
まさにドタバタの活劇。楽しいノス
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悪魔はいつもそこに(2020年製作の映画)

3.3


歪んだ欲望はもちろん、行き過ぎた信仰、ふと訪れる不条理、それもまた悪魔。



ネタバレ
遠回りの因果応報に決着すれども心が休まるというわけでもなく、
彼の行末に幸せがあるようにと祈るが、あの道はお
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チャーリーズ・エンジェル(2019年製作の映画)

3.2

とにかくガールズパワーな華やかで陽気な映画。
たまに悲惨な現状を忘れさせる痛快ものが見たくなる時にGOOD。

男性ヒーローをカッコよく見せるために女性がひどい目にあわされる、という定番がない映画は、
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ブルーアワーにぶっ飛ばす(2019年製作の映画)

3.2

自分の感情の根っこがグラグラになった時、田舎のダサいむき出しの感情や生と死に触れ、何かを思い出して、全力で去る。

ずっと何も考えてないようで、整理してくれサポートしてくれるようなシムウンギョンの笑顔
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108~海馬五郎の復讐と冒険~(2019年製作の映画)

2.9

ひたすら気持ち悪かった。
女も無邪気だけど、
男はもっと無邪気だな(バカな意味で)。

幼い依頼人(2019年製作の映画)

3.1

児童虐待についてえぐるような演出がさすが韓国。
さらに、いまだ増えているのだと告発するエンディングも。

ネタバレ
偽ママが「なんで私を責めるの?」と叫ぶところは、このような連鎖が続いているのだろうと
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