ゴリアテの憂鬱さんの映画レビュー・感想・評価 - 12ページ目

ゴリアテの憂鬱

ゴリアテの憂鬱

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ピアノ・レッスン(1993年製作の映画)

4.1

浜辺に置き去りにされたままピアノなど、終始素晴らしい映像美と、マイケル・ナイマンによる叙情的なピアノの旋律もストーリーに華を添えていました。

内容は、言葉の発せない主人公と、その再婚相手になった夫、
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ミツバチのささやき(1973年製作の映画)

4.8

舞台は1940年、スペイン内戦が収束した直後のカスティーリャ地方の小さな村、姉イザベルと暮らす6歳の少女アナは、移動巡回映写で上映された『フランケンシュタイン』を観て怪物に興味を持ち、姉イザベルはアナ>>続きを読む

ライフ・ゴーズ・オン 彼女たちの選択(2016年製作の映画)

3.7

モンタナ州の小さな田舎町を舞台にした女性達の群衆劇。

登場人物の女性達と、それに関わる人物の間に存在する感覚の違いや感情の温度差の描き方がとても印象的でした。

特にラストの夜間学校の外部講師と牧場
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さよなら、人類(2014年製作の映画)

3.2

三部作とは知らずに最終章から観てしまいました。。
個人的にはそういうことは極力避けたかったです。

人間の生と死を扱った作品。

シュールなブラックコメディの世界観が独特で良かったです。

メイド・イン・USA(1967年製作の映画)

3.3

詩的でいて政治的でもあるゴダール流クライムサスペンス。

ドリス・ミゾグチとは何者ぞ

ひろしま(1953年製作の映画)

4.3

日本への原爆投下から8年後に撮影された作品。

あまりにも無慈悲な原爆、国民を鉄砲玉くらいにしか見ていない当時の大本営。

日本人だけでなく、世界中の多くの人に観てほしいと思う作品です。

自由の幻想(1974年製作の映画)

4.5

出だしのナポレオン兵が頭どつかれるシーンまでの一連の下りは、ごっつええ感じのコントよりも面白かったです。

本作以上に自由な映画が存在するのでしょうか?

夢から着想を得た、ブニュエルらしい不条理さと
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バグダッド・スキャンダル(2018年製作の映画)

2.5

国連の石油・食料交換プログラムの陰で行われていた莫大な金額の闇取引のスキャンダルを実話に基づいて描いた話。

なぜ権力を持った人間は、それを利用して更なる欲を求めるのか。。

そして、それができる人物
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パンケーキを毒見する(2021年製作の映画)

4.0

「パンケーキが好きな総理」というキャッチコピーだけで政治音痴の若者達の支持率さえ底上げしてしまっている今の時代。

菅政権は各省庁の官僚からNHKや大手報道機関,そして警察組織やお笑い芸人に至るまで、
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ジャック・ドゥミの少年期(1991年製作の映画)

4.3

アニエス・ヴァルダによる、夫ジャック・ドゥミの幼少期を描いた作品。

長年連れ添った夫への愛情と、ジャック・ドゥミの映画への底知れぬ愛に溢れた映画でした。

自分は捻くれた監督の作品をよく観ますが、純
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HEIMA 故郷(2007年製作の映画)

4.3

アイスランドのポストロックバンド, シガーロスのミュージック・ビデオ。

『heima』とはアイスランド語で「故郷」

本作は、世界一美しいミュージック・ビデオと言われています。

シガーロスの音楽は
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サスペリア PART2 完全版(1975年製作の映画)

3.4

アナザー・サスペリウム。
こちらはサスペンススリラー。

洒落た構図と色使いは、さすがはダリオ・アルジェントでした。

何回か「ビクッ」てなりました。

山椒大夫(1954年製作の映画)

4.6

森鴎外の小説を基にした文芸作品。

現代の日本人は、過去の日本の歴史の汚点にはあまり目を向けないが、そういった部分こそ目を逸らさずに同じ日本人として過去を受け止めて反省すべきだと思います。

不条理な
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美しき結婚(1981年製作の映画)

4.0

もうタイトルからしてロメールの皮肉が表れています。

ロメールの描く女性はいつも面白い。

シャイニング(1980年製作の映画)

4.0

これは本編も面白いですが、メイキングのキューブリックの熱血演技指導の様子と、そのレクチャーを聞きながら内心ドン引きしてる(むしろ態度に出てしまっている)主演女優の表情が非常に面白い。

存在のない子供たち(2018年製作の映画)

4.6

2018年に『万引き家族』がパルムドールを受賞したカンヌ映画祭において、審査員賞を受賞した作品。

万引き家族も素晴らしい作品でしたが、自分ならこちらをパルムドールに選んでいたかも知れません。

自分
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バウハウス 原形と神話(2009年製作の映画)

3.3

今や高齢となった卒業生達のインタビューを中心とするバウハウスのドキュメンタリー。

当時を知る者の生の声というのは、実態を理解しやすいですし、とても興味深いものでもあります。

いつかドイツにも行って
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彷徨える河(2015年製作の映画)

3.4

南米のジャングル奥地を舞台に、2人の異なる白人探検者と先住民カラマカテとの30年の時間を交錯して語られる実話に基づいた映画。

文明や文化、自然への考え方や捉え方というものを考えさせられる話でした。
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レヴェナント:蘇えりし者(2015年製作の映画)

3.7

迫力ある映像とディカプリオの怪演。
イニャリトゥ渾身の怪作。

工事中(2001年製作の映画)

4.6

ホセ・ルイス・ゲリン監督初観賞です。

スペインはバルセロナにあるエルラバル地区の大規模再構築の様子を18ヶ月、撮影時間120時間以上に及ぶフッテージから編集したドキュメンタリー映画。

ただの解体現
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最後にして最初の人類(2020年製作の映画)

4.3

2018年にこの世を去ったアイスランドの音楽家ヨハン・ヨハンソンが監督したSF作品。

旧ユーゴスラビアのモニュメントのモノクロ映像に、ヨハンの美しい音楽。
そして、20億年の未来の人類からのメッセー
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ブロンテ姉妹(1979年製作の映画)

3.6

「ジェーン・エア」「嵐が丘」などの小説が有名な19世紀イギリスのヴィクトリア時代を代表する小説家姉妹を題材にした作品。

まるで絵画のような格調高い様式美が素晴らしい映画でした。

ぼくの小さな恋人たち(1974年製作の映画)

5.0

42歳で自殺したポスト・ヌーヴェルバーグの旗手と称されたジャン・ユスターシュによる長編2作目(最後の長編)。

タイトルは、アルチュール・ランボーの詩から採られています。

本作の主人公の13歳の少年
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博士と彼女のセオリー(2014年製作の映画)

3.0

理論物理学者スティーヴン・ホーキングの半生を描いた作品。

「誰も知らなかったものを発見するスリルに勝るものはない」

ホーキング博士の言葉ですが、これ程までに好奇心をそそられるものがあったからこそ、
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ロゼッタ(1999年製作の映画)

3.9

ダルデンヌ兄弟による、アルコール依存症の母と共にトレーラーハウスに暮らす貧困家庭の娘を描いた作品。

自分が家庭や仕事において、どれだけ恵まれた環境にいるのかを痛感しました。

普通の暮らしの中に、た
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アヴァ(2017年製作の映画)

4.0

13歳で夜盲の診断を受け、近い将来失明を言い渡される主人公アヴァ。

衝撃的な宣告を受けて寄り添ってくれる筈の片親の母は、赤ちゃんがいながらも、若い男との恋愛に溺れる。

そんな状況下での逃避行青春映
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美しき棘(2010年製作の映画)

3.3

母を亡くした17歳の少女の孤独感や、大人へと成長していく心の葛藤を退廃的なムードで描いた青春映画。

大人への階段は、あまりにも脆くて危なかしい。

今回、My FFFのことを初めて知りましたが、サブ
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小さな仕立て屋(2010年製作の映画)

3.4

フィリップ・ガレルの息子ルイ・ガレルによるモノクロ作品。

レアセドゥを最も美しく映した映画と言って過言ではないです。

ミスターX レオス・カラックス(2014年製作の映画)

3.7

レオス・カラックスはやはり凄い監督なのだということが、関係者のインタビューでありありと伝わってきました。

2020年代の現在において、カラックスが納得のいく映画を最後まで撮らせてくれる資金を出してく
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ソヴァージュ(2018年製作の映画)

3.6

my fffにて鑑賞。

〝ゲイ〟相手の男性娼婦を生業にする22歳の主人公。

自分も含めてほとんどの人が知らない、もし知っていても近付こうとしないであろう特殊な場所にスポットをあてた作品。

映像は
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ローズマリーの赤ちゃん(1968年製作の映画)

3.8

絶望的なまでの状況にいながらも、ようやく出会えた自分の子を眺める母親の表情の
、なんと美しいことか。

アメリカン・ユートピア(2020年製作の映画)

4.7

デヴィッド・バーンによる、同名のブロードウェイショーを、スパイク・リーが映像化した作品です。

コロナ禍でライブにも行けない中、映画の中とは言え本当に素晴らしいライブを観せてもらいました。

日本では
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隠された記憶(2005年製作の映画)

3.9

サスペンスなのに作中に大小様々なヒントを散りばめた(隠した)まま、ラストまで明確な答えを出さずに観るものに投げかけるという。。

しかし、これはサスペンス映画なのではなく、人間の〝罪〟と〝疚しさ〟の関
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