花俟良王さんの映画レビュー・感想・評価 - 13ページ目

花俟良王

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T-34 レジェンド・オブ・ウォー(2018年製作の映画)

4.5

局地的に盛り上がってる『T-34 レジェンド・オブ・ウォー』、凄い面白かったんですけど!

往年の「社会派ではない」戦争娯楽作の大復活。戦った!捕まった!逃げ出すぞ!くそ、戦うぞ!見せ場をうまく配置し
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チャーリー・セズ / マンソンの女たち(2018年製作の映画)

3.5

あの時何が起きていたのか。ワンハリのサブテキストとしても最適なのでは。

デニス・ウィルソン、テリー・メルチャーも出てきます。

火口のふたり(2019年製作の映画)

2.5

演者は魅力的だったけど個人的には時代錯誤な監督のセンスに辟易した。

キャリアに裏打ちされたプライドと前時代の価値観で延々俺は凄いんだぞと説教されてるような時間だった。

閉鎖病棟ーそれぞれの朝ー(2019年製作の映画)

3.5

超絶重々しくなりそうな題材を平山秀幸監督の職人手腕で上手く料理した胃もたれしない東映現代劇。

何人かキャストが被ることもあり、綾野剛が『楽園』とのねじれた時空に閉じ込められた感が凄いけど、院内転売し
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ロボット2.0(2018年製作の映画)

3.5

スマホが合体して怪鳥になり、オッサンロボが飛んだり増えたり小さくなったり、どう見ても観客死んでるはずのスタジアム対決だったり、前作でツッコミを入れていた自分が恥ずかしくなる景気良すぎの悪ノリ大暴走が痛>>続きを読む

ゴーストランドの惨劇(2018年製作の映画)

4.5

いやー、文句なしですよ。

ロジェがロジェのままロジェを超えてきました。

THE INFORMER/三秒間の死角(2019年製作の映画)

4.0

FBIの情報屋(元ロボコップ!)が尻尾切りにあい、孤立無援、敵だらけ思惑だらけの中、家族のために生き延びようとするハラハラ作品。

途中から刑務所モノの醍醐味が加わり大きく加点。なぜか日本版ポスターに
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イエスタデイ(2019年製作の映画)

4.0

予定調和でOK。楽しく夢を見させてもらいました。

で、ビートルズを愛したことがある人なら魂が救われるような素晴らしいシーンがあります。そこだけでも入場料の価値はありました。平日の映画館、シニアの皆さ
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ゾンビプーラ(2018年製作の映画)

3.5

規制が厳しいシンガポール初のゾンビ映画。

監督の悲願だったとのことで「グロくなくても面白くしてやろう」という熱意がヒシヒシと伝わってきます。回避方法がアレなら身近にあって助かるぞw

英語と中国語が
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蜜蜂と遠雷(2019年製作の映画)

4.5

素晴らしかった!

敷居を低くせず、媚びた笑いや恋愛要素を排し、ただひたすらに音楽の魔法に向き合うストイックさにしびれた。競争ではないのがいい。

大変な労力が伺われるスムーズな演奏シーンは日本映画ネ
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楽園(2019年製作の映画)

4.0

吉田修一原作、瀬々敬久監督、そして佐藤浩市と綾野剛…、観客が期待しているものがパンパンに詰まった田舎残酷ブルース。

柄本明とやり合う杉咲花はどんどん頼もしい女優になってる。

疑問だったシーンが最後
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クロール ー凶暴領域ー(2019年製作の映画)

4.0

面白かったー&疲れたー。

敷居を低くした分、アジャの活劇方面の才能がフルに発揮されてて誰もがハラハラできる娯楽作となってて大変満足です。

一軒の家ながら舞台の移行も気が利いてて、いい意味で「まだ続
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フリーソロ(2018年製作の映画)

4.0

凄い。命綱なしで断崖絶壁を登るフリーソロに取り憑かれた男のドキュメンタリー。

クライマーでもある気心の知れたカメラマンたちだから撮れた驚異の映像。

成功か死のどちらかしかない極限状況にスタッフすら
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アス(2019年製作の映画)

4.0

中盤以降からの展開に釘付けでトイレに行けず。

ジョーダン・ピール、ちゃんと世界観を構築してるけどそれが異常な世界、でも軸足は娯楽映画でユーモアも忘れない、というところがいいですよね。面白かったなー。

毒戦 BELIEVER(2017年製作の映画)

4.0

131分釘付け。トーさんのオリジナルも凄かったけど、韓国リメイクもヤバイ奴ら満載で負けてない。

麻薬取締官には絶対なりたくないと思ってしまう。物語をさらに練り込み、家族エッセンスを増したのが現代韓国
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ジョーカー(2019年製作の映画)

4.0

『JORKER』。辛かった。恐ろしかった。美しかった。

辛かったのは私の物語だから。恐ろしかったのも私の物語だから。美しかったのは映画は作り物だから。

SHADOW/影武者(2018年製作の映画)

4.0

色がない水墨画の世界でのアクションと駆け引き。静寂を切り裂く琴の音がエモい。

チャン・イーモウの完璧主義に付き合わされたスタッフ・キャストは難儀しただろうが見事に実を結んだ完成度。ダン・チャオが途中
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ハミングバード・プロジェクト 0.001 秒の男たち(2018年製作の映画)

3.5

時間と金に取り憑かれた人間なんてこちとら縁がないよ、と思ってたら「これって自分のことじゃん!」と倫理を重んじる着地に唸る。

ジェシーの憔悴は現代人を映し、元ターザンのスカルスガルドはハゲ熱演、素敵に
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ヘルボーイ(2019年製作の映画)

4.0

面白かった!

ギレルモ版に比べ軽やかに、残酷に、見せ場と軽口の連続でぶっ飛ばす印象。

監督はニール・マーシャルなんですね!超絶面白作『ディセント』の人ですよ!

パリに見出されたピアニスト(2018年製作の映画)

3.5

展開は分かっちゃいるけど、音楽と映像(特に編集と照明)の力で最後まで引き込まれた。

コンクール課題曲と主人公の心がシンクロする醍醐味を無理なく理解させる脚本もよかったな。

主人公演じるジュール・ベ
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ジョアン・ジルベルトを探して(2018年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

そもそもの「僕(そして死んだ著者)が好きなんだから会って欲しい。なんなら目の前で歌って欲しい」という考えがよく分からない。だからなのか、垣間見える自己陶酔的な演出も鼻に付く。マネージャーに会えるのなら>>続きを読む

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド(2019年製作の映画)

4.0

ワンシーンごと、いや、ワンカットごとに贅が尽くされた、なんて豊潤な時間でしょう。

タロウのバカ(2019年製作の映画)

3.5

軽い気持ちで観たことを後悔した問題作。

大森立嗣が時代への怒りと諦めを爆発させて光を差し込もうとする。

不穏で不快、確信犯的に観る者の心を揺さぶり続けるが決して目を離させない演出力。

主演三人は
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WEEKEND ウィークエンド(2011年製作の映画)

4.0

2011年の作品だけど色褪せてない。むしろこの国ではその空白が必要だったかも。

軽い気持ちで始まる週末の恋。身体と言葉でお互いの心の隙間を埋めていく2.5日がとてもリアル。

主演二人の素晴らしい演
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アド・アストラ(2019年製作の映画)

3.5

うーん。エンタメを求めた僕が悪いのか。

一昔前のアート系作品で嗅ぎ飽きたあの香りを感じたのは僕だけだろうか。そこに売るためのブツ切りのエンタメが挿入されてテンポはチグハグ。ブラピとジェームズ・グレイ
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魂のゆくえ(2017年製作の映画)

4.0

まずスタンダードサイズの荒涼とした画面がいい。ベルイマンやドライヤーの寒々しさをも思い出させる。

過酷な現実と精神はどうやって折り合いをつけるべきなのか。そもそも折り合いをつけなければいけないのか。
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ブラインドスポッティング(2018年製作の映画)

4.0

良かった。変貌を遂げるオークランド(ブラックパンサー党結成の地)を舞台に笑いと共に現代社会を告発する。

同じ境遇で育った黒人と白人、味が変わったバーガー屋、地元愛を語る新参者、黒人を撃つ警官、10ド
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感染家族(2018年製作の映画)

4.0

予想を超える面白さでした。

田舎のダメ家族が滋養強壮ゾンビ菌で一儲けを企むコメディ。

キャラは立ち笑いも上滑りせず、二転三転する物語に引き込まれました。

韓国お家芸の親子の涙に走らずドライな笑い
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永遠に僕のもの(2018年製作の映画)

4.5

とても良かった。ポップで洗練されてるがそれだけじゃない青春ノワール。

サイコパス風な言動の影に見えるBLの切なさ。70年代アルゼンチンへ誘う衣裳・美術の素晴らしさ。

そして当時のポップスに加え、随
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天気の子(2019年製作の映画)

4.5

新海誠は怒っていた。絶望寸前だった。

だけど、青臭いと言われようが、キモいと言われようが、タイアップやり過ぎと言われようが、悲しみと災いの果ての希望を見せた。かつてない程の男気だ。

宣戦布告のよう
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こはく(2019年製作の映画)

3.5

井浦新と大橋彰(アキラ100%)のポスターの表情が良かったので観た『こはく』。

音楽は元AIR、現Laika Came Backの車谷浩司!

長崎ご当地映画の側面もあるけど、実直な家族ドラマとして
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ホテル・ムンバイ(2018年製作の映画)

4.5

徹頭徹尾ひたすらに恐ろしい。…と感じさせる完成度。

短編で名を馳せたというものの初長編でここまでやってのけた監督アンソニー・マラスの名は覚えておこう(相当なリサーチをしたそう)。

実話だけど、映画
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アンダー・ハー・マウス(2016年製作の映画)

4.0

気になってた『アンダー・ハー・マウス』を。

観て良かった。全て女性だけで撮影された包み隠さぬ官能表現。愛を愛だけで済まさないリアリティ。女とか男とかではなく、自由の映画。

ザ・フォーリナー/復讐者(2017年製作の映画)

4.0

ジャッキーのしょんぼりなんて見たくないと思っていたが、朴訥なイメージを逆手に取ったストーカー紛いの執念が徐々に笑いすら産んでいき見事にはまった。

老境のジャッキーは適度にアクションも見せてくれてファ
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よこがお(2019年製作の映画)

4.5

監督、脚本、編集と、全てのリズムを司った深田晃司がジワリジワジワと人間の側面を炙り出していく様に目が離せない復讐譚。ああ、人間はあやうい。

当然演者への配慮も行き届いているが、やはり筒井真理子の演技
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工作 黒金星と呼ばれた男(2018年製作の映画)

4.0

予想通り良かった。核施設を暴く使命を帯びて北に潜入するスパイを、時の大統領選の裏工作が翻弄する。

ジョンミン兄貴が二つの表情を使い分ける功演。韓国エンタメらしい情感溢れる着地が心憎い。満足です。