ちんねんさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

ちんねん

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すばらしき世界(2021年製作の映画)

3.9

社会じゃなくて、世界なんやねぇ。

さして大きく感動する(ないし鑑賞を通して世界経験の変化する)わけではないけれど、「これは僕の映画だ」って映画に出会うことがあるが、本作は是枝裕和監督の『奇跡』に次い
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はんなり(2007年製作の映画)

3.5

花街について概観を掴まねばならなかったので視聴。
飛ばしながら見たが、割と情報量多く、コミュニティ内部の多様な人たちにインタビューしてるのでどんなプレイヤーがいるのかなどイメージしやすい。

うたうひと(2013年製作の映画)

3.8

小野さんの活動のドキュメントとして。
   語ることと聴くこと。
   行為としての民話…聴くものと語るものによって成立する行為

民話と口承に関する洞察として。   
   語ることの複声:語り継い
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禅と骨(2016年製作の映画)

3.6

本人、周囲の人の語り、資料、ナレーション、ドラマなどを元にコラージュのように構成されていく。
ドラマで回想・過去を再現するパートの多さは新鮮。
監督・撮影人との関係性、製作の経緯が前面に押し出されてい
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ゆきゆきて、神軍(1987年製作の映画)

4.2

ゆきゆきて、ゆく感じ。
ぐいぐいと。
戦争の傷、原動力、生命体。

個人についていってカメラを回すこと、
ぐいぐいと。

ちづる(2011年製作の映画)

3.6

自閉症的気質へのシンパシーを抑圧する青年の受容のプロセスとして見えた。
母と言い合うシーンは迫力というかよく撮れたな、と。
やはり主人公は監督であって、セルフドキュメンタリーやなぁと感じる。

一方、
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なみのおと(2011年製作の映画)

4.0

震災経験の生活史をまとめた分厚い本を読んだことがあるが、
文字媒体だと想像が膨らみきらないのと、やはり経験していない私からすると現実感が読んですぐに失われていってしまう感じがしていた。

それとの比較
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きみの鳥はうたえる(2018年製作の映画)

4.0

コンビニのシーンええわぁ、過去に友達とコンビニ行った記憶が一層愛おしいものに塗り替わる力。

同じようなことが他のシーンでも少しずつ当てはまる、
だからもう少し時間経ってからもう一度見直したい映画。
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希望の灯り(2018年製作の映画)

4.3

大好き。
演出も、画面も、題材も、物語も、全部僕のどストライクのところを刺してくれた感じ。
年上女性と自信ない青年の映画、ずっと探してたんや〜。

””
でも彼女がいた気配だけは
時々通路に残っていた
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幸福(しあわせ)(1964年製作の映画)

3.9

いきなり引いていくカメラやテレビの画像であったかのように変色しながら転換するカットは少し怖いが、
初めのひまわりの交互の転換が一番不安を煽る。

60年代のフランス地方都市の風景、
2年前にヨーロッパ
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夜と霧(1955年製作の映画)

4.3

衝撃。
これを30分で緊張したまま観終えられることの機能性。
濃縮されたイメージとして頭・身体に残る。
アド・キルーの言うように、「この地上に生きるものはすべて、この映画を見ねばならない。そうすれば、
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宮本から君へ(2019年製作の映画)

3.8

エンディングめっちゃいい!

何回か爆笑してしもた、
宮本の言動に関して理解しがたいところが多かったゆえ、
シビアでかつユーモラスな描写には、
わけわからなさにただただ爆笑してしもた。
「君へ」が僕に
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書を捨てよ町へ出よう(1971年製作の映画)

-

なんじゃこりゃ(笑)
通しては観れず、とばしとばし。

これ、ちょうど今から50年前に作られてる。
てか主人公の英明さん、僕の祖父の年齢2つ下か。
祖父は商業高校出ての自営業。同じ時代でもここを経由し
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選挙2(2013年製作の映画)

-

前作は選挙プロセスの解像度を上げるようだったが、
今作は選挙出馬なるものを問う面が気になった。
選挙の抜け穴。

ザ・ビッグハウス(2018年製作の映画)

3.9

これの色んな場所・営みバージョンを見たいとは思うけれど、
やっぱりこの場所は政治・宗教・経済、とテーマが詰まってるから作品としてすごい重厚になってんやねぇ。

寝ても覚めても(2018年製作の映画)

3.5

前半部、日常における演技性をえぐってくる感じはハッピーアワーに次いで好き。
しかし、ちょっと象徴的すぎてハマらなかったなぁ。

柴崎友香大好きだが、やっぱ社会との繋がりを描くところが、映画にはしづらい
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ハッピーアワー(2015年製作の映画)

4.5

ずっと大事にしたい映画。無人島に持っていく映画って言われたらこれ持っていくかも、っていう意味において。
 小津風の演出・絵が好き
 街を写し、周囲のノイズが入りまくるのが好き
 物語としてもしっかり好
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少女ムシェット(1967年製作の映画)

3.8

終わった後は虚脱感のような物を感じたが、
やっぱりバルタザールに続きなんか後味残るような。



受難。
難を受け続ける。四面楚歌で狙われるうさぎのように。

レイプされて帰ってきてからの家でのシーン
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六ヶ所村ラプソディー(2006年製作の映画)

-

すごい流し見してしまったが、
食に関するシーンを多用していたのが印象的。

監督失格(2011年製作の映画)

4.3

これはヤバい。
セルフドキュメンタリー 。
叫び声が”心”に突き刺さり、そして”私”はもんどり打ちながら、かろうじて前を向く。


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と感想を書いてから悶々とし、1時間後に改めて感想を書き
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ナージャの村(1997年製作の映画)

3.9

ナージャの川に石投げるの可愛すぎる。

音楽がすごく素敵で、”合ってる”と感じたのだが、
ドキュメンタリーであれだけ音楽が全面的に効果を及ぼすようなのは初めて見たかも。
(『アレクセイと泉』では坂本龍
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ライブテープ(2009年製作の映画)

4.0

これは大好き。

路上ライブがそもそも好きなので。
前野さんのあの感じで路上歩き回りながらってのもまたいいなって思えてくる。

あの少年に渡すべきだと思った、は愉快すぎる笑

総じて楽しそう、製作が、
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息子のまなざし(2002年製作の映画)

4.0

繰り返す中で、「身体がそこにあるように」(あるかのように)、ドキュメンタリーのような自然さに、なっていくのを待つ、なっていくように鍛える。
その発想は衝撃。

ドキュメンタリータッチだが、むしろドキュ
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フラッシュバックメモリーズ(2012年製作の映画)

3.8

いやぁ、これ3Dやったんかぁ!2Dでも、演奏圧巻過ぎて楽しめましたが、3Dみたいなぁ。

「GOMAはこれから上映される映像の全てを憶えているわけではない」

奥さんの手記(+インタビュー?)と奥さん
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顔たち、ところどころ(2017年製作の映画)

4.1

JRって初めて知ったけど、
やってることシンプルなようでもの凄い。
大型に引き伸ばされたポートレートの迫力は映像でもすごく伝わってくる。
その迫力は恥ずかしさにも誇りにも繋がるが、いずれにせよ人々の関
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万引き家族(2018年製作の映画)

4.2

一年ぶりに、鑑賞2回目。
捕まるまでの時間が、そのこんがらがって、それがゆえに豊かさも孕むような時間の、繊細でこだわりに抜いた演出・描写がたまらない。
(特に松岡茉優が刺さった)
工事現場のシーンや、
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阿賀の記憶(2004年製作の映画)

-

ラーメン食ってるシーンがやっぱりいい。

やや作品から離れるかも知らんが、
やっぱ水好きやわぁ、って。
かつて舟が浮かんだり、魚を釣ったり、水銀が流れ込んだり、田んぼから眺めた川。
それでいて今も流れ
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無頼(2020年製作の映画)

3.7

いとう組を中心にして、暴力団の戦後史を部分的に辿るような構成。
祖父母の浸っていた大阪ミナミの文化を思い出した。部屋の様子とか置いてる物の雰囲気とかに特に。
時代を吸い込んで膨らんだり縮んだり、独特の
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