Longsleeperさんの映画レビュー・感想・評価 - 10ページ目

ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅(2016年製作の映画)

4.4

投稿し忘れ。
世界観は本編を引き継ぎつつ、本編と全く別の面白さがある。
バチバチに世界観を作り込む想像力と、盤石のキャラクター造形力があれば、一つの世界でいくつも物語を作れるんだと実感。
そんな必要が
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アメリカン・ビューティー(1999年製作の映画)

4.0

毎日顔を合わせるからこそ、少しのすれ違い、少しの狂気の蓄積が、どうしようもない不和や束縛を生んでしまう。
アメリカの理想の家族の崩壊は、父の失業というわかりやすい形で始まったり、外からは見えない歪さの
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LION ライオン 25年目のただいま(2015年製作の映画)

4.1

インドって小さな子どもが生き抜くにはハードな環境すぎませんか。
偶然と幸運に助けられて、壮大な迷子になっても生き抜き、優しい里親に巡り会ったサルーは、本当に本当にラッキーだと思うくらいにはハードな環境
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オペラ座の怪人 25周年記念公演 in ロンドン(2011年製作の映画)

4.3

ファントムがクリスティーヌに触れたいけど触れられたくない、見たいけど見られたくない序盤の演技が凄かった。
セリフなしにあれを表現してしまうスーパープレー。
クリスティーヌの人物像もこの映像観て初めてわ
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ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア(1997年製作の映画)

4.7

ドイツ映画を観た女子がこぞって絶賛するティル・シュヴァイガーはここから生まれたんですね。納得。
脚本のスタイリッシュさと爽快感と疾走感がすごい。
結末も忘れられない。
とにかくいろんなことが起こってテ
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フォレスト・ガンプ/一期一会(1994年製作の映画)

4.5

フォレストが演説に引っ張り出されるリンカーンメモリアルに昨日行ったので記念に。
観ているうちにじわじわ元気が出てくる映画シリーズ。
フォレストが戦後アメリカ史の光を、ジェニーが陰を象徴していると聞いて
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シャーロット・グレイ(2001年製作の映画)

4.2

ナチス占領下のフランスの田舎で、スパイとして活躍するイギリス人女性がヒロイン。
『ブラックブック』と同じく、ヒロインの強い意志と行動力に夢中になってるうちに映画が終わる。
フランスの田舎町という一見穏
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ブラックブック(2006年製作の映画)

4.4

力のある戦争映画でもあり、勇気をくれる一大活劇でもあり、とにかく面白い飽きさせない映画でもある。
主人公を困らせ続けるという脚本の基本に、これほど忠実な映画は他にない。。。笑
でも全部乗り越えていくヒ
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スタンド・バイ・ミー(1986年製作の映画)

4.1

むかし原作を読んだ時には理解できなかったことが、少しはわかるようになったかも。
バーンってここまでアホな子だったっけ笑
ゴーディとクリスの絆がやっと詳細に掴めた。
原作真面目に読んでなかった疑惑…十年
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ヴィクトリア女王 世紀の愛(2009年製作の映画)

4.3

出会いは政略結婚でも、こんなに満ち足りた結婚生活があったなら、ヴィクトリアはとても幸せな人だなとしみじみする。
アルバートの抱擁力が偉大すぎて、ヴィクトリアの若さも意志の強さも全部受け止めているところ
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アニー・ホール(1977年製作の映画)

4.4

テンポが良くてあっという間に終わってしまう。
すべてのシーンが違和感なく連なるからなのか時間を感じさせない。
ダイアン・キートンが美しすぎて彼女を目で追ってる間に映画が終わった。
にわとりは飼えないけ
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セックス・アンド・ザ・シティ2(2010年製作の映画)

3.5

相変わらずのキラキラ感はありつつ、主題が前作より地味なせいか、盛り上がりは今ひとつ。
アブダビでの描写が現地の人々(特に男性)に対して失礼なんじゃないかと。。。
ドラマ本編でのパリにおけるキャリー然り
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セックス・アンド・ザ・シティ(2008年製作の映画)

4.2

夢中になったドラマのあのメンバーが帰ってきて嬉しかった。
答えのない人生の決断に迷ったり、それに周りが翻弄されるのはいつの時代も、何歳になっても変わらないんだな、と思った。
ライターのキャリーがメール
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ミセス・ダウト(1993年製作の映画)

4.3

夫として見切りをつけられた主人公が、保護者として挽回を期すべく奮闘する姿が、ありえないんだけど面白すぎて見入ってしまう。
子どもたちを大切に思ってることが、大切にするやり方の軌道修正を図るところから伝
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私の中のあなた(2009年製作の映画)

4.3

家族がお互いを思い合う気持ちに涙が止まらない。。。
子どもたちが演じる子役の演技が完璧なフィット感。
ほとんどずっと泣いてたけど、特に失読症の弟が全寮制の学校へ行くことになって黙って泣く場面が一番やり
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ビッグ・フィッシュ(2003年製作の映画)

4.2

肩の力を抜いてゆっくり見るお伽噺という感じ。
どうせ嘘つきだと思っていた父親の物語が、ところどころ本当だったと辿っていく主人公。
実体験はないけど、誰かの人生をトレースするってこういうことかもと思う。
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ガス燈(1944年製作の映画)

3.9

だんだんと精神の平衡を失っていく主人公の様子がリアル。
イングリッド・バーグマンの変貌ぶりに心が痛くなり、「どうかその男から逃げてええ」と観客に思わせる。
人の心を支配するのは、相手を孤立させれば暴力
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スクール・オブ・ロック(2003年製作の映画)

4.1

ダメな大人の典型だった主人公が成長してる。
子どもたちが楽しそうに音楽をやってるのも応援したくなるし、一つのステージができていく過程を見守るのが楽しい。
保護者たちはあんなに簡単に変わらないと思うけど
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ゴッドファーザー(1972年製作の映画)

4.3

最初の結婚式の場面でガツンと天地人、特にドンの人柄を伝えてくるところにやられる。
終始緊張感が漲る映像なのに、ファミリーの絆の概念が根底に流れていて、それがそこはかとない温かさで全体を支えている。
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最高の人生の見つけ方(2007年製作の映画)

4.1

どんな人の人生でも、最後に人に優しくしたらそれまでの悪行意地汚さ全部チャラというのは虫が良い。
でもやらないよりマシ。笑
自分のための時間が持てなかった人が、最後の駆け込みとしてやりたいことやるのも、
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シンドラーのリスト(1993年製作の映画)

4.1

人を助けるにはこんな方法があるんだと思った。
経営という冷徹な論理を一貫させ、主義主張関係なく利益のためにこの人たちが要るんだと伝えることで結果的に安全な場所へ導けた。
最初は商売のためにユダヤ人を利
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ペルセポリス(2007年製作の映画)

4.4

十年くらい前に留学先の授業で鑑賞。イスラム教徒の人が作った映画を観たのが初めてだった。
普段全然情報に触れることのないイランという国について、今まで一番多くを教えてくれた情報源。
西洋社会になかなか馴
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セールスマン(2016年製作の映画)

4.1

主人公の奥さんのダメージの受け方に終始悲しくなる。
警察に行きたくないなら忘れるしかない、という言葉もかなり突き放してしまってるけど、主人公のいっぱいいっぱいさも伝わってきてしんどい。
マンション崩落
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アメリ(2001年製作の映画)

4.3

大昔に観たけど備忘。
現代のお伽噺。あとから改めて聴くと音楽がアメリ観に忠実すぎて素敵。

レオン(1994年製作の映画)

4.5

こんな悲しい美しさがあるのか!と衝撃的だった。
ニキータも観たけど、こっちのがより普遍的に泣かせにくる。
ナタリー・ポートマンが可愛い。
色味は渋いんだけど、マチルダの帽子の赤が妙に映えたり、絶妙なバ
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カメラを止めるな!(2017年製作の映画)

4.4

発想の勝利って凄い。
映画を見慣れてる人なら冒頭から感じるたくさんの違和感が、後半でぜーんぶ一つ一つ種明かしされてめっちゃスッキリする。笑
前半の長回しはとにかくストレスフルだから、映画館じゃなくスト
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コンフィデンスマンJP ロマンス編(2019年製作の映画)

4.3

古沢亮太さんの脚本が好きなので、ドラマは観てなかったけど映画だけ。
ドラマを知らなくても充分楽しかった!
終盤、何となく結末を予測しながら観てて、読み切れてるかなと思ったけど見事にどんでん返された。
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アラビアのロレンス(1962年製作の映画)

4.5

初めて砂漠を美しいと本気で思った映像作品。
脚色はあるんだろうけど、アラブを愛したロレンスが如何に彼らを奮い立たせ、その後失望し去っていったかがよくわかるストーリーだった。
砂漠を美しいと言った彼が「
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カサブランカ(1942年製作の映画)

3.5

ストーリーの展開は単純で、驚かされるポイントは特になし。
理屈じゃなく、ハンフリー・ボガートがどうしてもかっこいいと思えないので、『麗しのサブリナ』同様世界観に浸れず。
ラ・マルセイエーズを歌う場面は
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ウォーターボーイズ(2001年製作の映画)

4.2

埼玉県が誇る進学校・川越高校がこんなことをやってたという歴史への爪痕。
あとから川越の名門度を知って二度驚いた。
出てる人がみんな出世してるし、若手実力派が結集+脚本よし+題材よしと三拍子揃っている。
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世界にひとつのプレイブック(2012年製作の映画)

4.3

傷だらけの二人の等身大の再起のおはなし。
奮闘したり激昂したりもがいたりする様子が、どんなに等身大を売りにしてる映画でも心の平衡がある人間ってかっこつけてるんだなと思う。
最後の手紙読む場面でティファ
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最強のふたり(2011年製作の映画)

4.3

豪邸の緊張感ある美しさの中で、筋骨たくましいアフリカ系の若者が、端から緊張感をぶち壊していくのが凄く痛快だった笑
コメディとしての面白さは譲らず、でも本物の友情を築いていくヒューマンドラマの完成度も譲
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わたしは、ダニエル・ブレイク(2016年製作の映画)

4.2

全体的にとても静かだけど、全然飽きなくて登場人物を目で追ってしまう。
自然な演技を追求する監督だからこそ、目の前に人がいるみたいに感じて、身構えずに注視できるのかもしれない。
パソコンの一通りの操作も
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天気の子(2019年製作の映画)

4.1

展開の密度は前作のが高いけど、メッセージ的にはこちらの方が好き。
『バック・トゥ・ザ・フューチャー3』のドクを彷彿とさせる。
反出生主義に対する強力なアンチテーゼでもある。
気候は変動するし、年金は返
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レ・ミゼラブル(2012年製作の映画)

4.2

正直、ロンドンのミュージカルを観て生の迫力にやられたので少し霞んでしまってるが、レミゼを初めて知る人に間違いなく勧めたい映画。
エディ・レッドメインのマリユスが頼りなさすぎて、ファンタビのニュートだっ
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万引き家族(2018年製作の映画)

4.4

すべてのセリフや行動にすべからく意味があって、登場人物たちがどんな生物学上の家族から逃れて此処に来たか、それとなくずっと説明している。
そういう意味では隅々まで論理的なので、有機的な勢いとかストーリー
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