Jumblesoulさんの映画レビュー・感想・評価 - 20ページ目

Jumblesoul

Jumblesoul

映画(3096)
ドラマ(35)
アニメ(0)

清作の妻(1965年製作の映画)

5.0

増村保造監督と若尾文子のコンビの作品の最高傑作。
女性の内側からメラメラと燃えるような情念を演じ、表現できるのは世界でも日本の女優が一番と思う。本作はその良い例で、無表情の奥底にある情念を若尾文子が見
>>続きを読む

暗殺者の家(1934年製作の映画)

3.5

ヒッチコック監督得意の巻き込まれ型サスペンスで、後の『知りすぎていた男』の原型。
暗殺団に関わりを持ってしまった夫婦と一人娘の災難をテンポ良く描いていく。クライマックスはヒッチコック作品には珍しい、西
>>続きを読む

女系家族(1963年製作の映画)

3.0

金持ちの遺産相続の泥試合を描いた、山崎豊子原作の映画化作品。
今なら弁護士等の代理人がやると思うが、当事者達がズラリと並んで故人の遺書を聞かせられるというのもある意味残酷である。
主役は三姉妹に妾の四
>>続きを読む

赤い天使(1966年製作の映画)

4.0

従軍看護師の目から見た戦場の地獄を描いた増村保造監督作品。
傷病兵の切断された手足がまとめてバケツに入れられているなど、カラーなら相当なスプラッター映像になるであろう場面の連続。
看護師を演じる若尾文
>>続きを読む

女の勲章(1961年製作の映画)

2.0

アパレル業界の成り上がりと転落話。
服屋の内情を知っていたら結構面白いのかもしれないが、興味が無いのでちんぷんかんぷん。
女たらしの悪人役の田宮二郎が関西人で、ペラペラと早口で喋りまくるけど意味が半分
>>続きを読む

さすらいのカウボーイ(1971年製作の映画)

3.0

大ヒットした『イージー・ライダー』の次にピーター・フォンダが出たのが、この地味な西部劇。監督も自身でやるという気合の入れよう。
エンタメ性を抜いたウェスタンというべきか、終始穏やかな雰囲気で中盤以降は
>>続きを読む

アウトローブルース(1977年製作の映画)

3.0

刑務所から保釈中のシンガー・ソングライターが傷害事故でお尋ね者になるが曲がヒットしてスターに、というアメリカン・ドリーム的なコメディ。
ピーター・フォンダの歌は上手くはないが、なかなか味がある。お約束
>>続きを読む

高校生ブルース(1970年製作の映画)

1.5

十代の妊娠をテーマにした関根恵子のデビュー作。
とにかく脚本が酷い。特に流産するため自分の腹を蹴らせるなんて、いくら16歳の子供でもそんな乱暴な発想は無いだろう。
美人だが本作の関根恵子はムスッとした
>>続きを読む

おさな妻(1970年製作の映画)

2.0

未成年の女子高生が結婚したら、という企画だけで一本作りましたというような作品。
話はどうでもいいようなものだが本作の最大の見どころは、可愛らしくも品のある色気を少し見せる、主演の関根恵子。役は17歳だ
>>続きを読む

日本のいちばん長い日(1967年製作の映画)

3.5

終戦の日に観るべき一本はこれしかない。タイトルと同じく尺が長いのでこれまで躊躇していたが、今回やっと鑑賞。
実録玉音放送なので、陛下が録音するまでの流れは本当に戦時中かと思われるほど淡々したもの。その
>>続きを読む

東海道四谷怪談(1959年製作の映画)

3.0

鶴屋南北の古典を、鬼才中川信夫監督が映像化したもの。
一応ホラー作品という括りとはいえ、あまりにも有名な原作なので怖さは全く無し。むしろ男尊女卑の極みみたいな話なので、お岩さんが可哀相すぎてホロリとす
>>続きを読む

氷点(1966年製作の映画)

4.0

家族間のドロドロ愛憎劇を描いた原作の映画化作品。
作者の三浦綾子がクリスチャンという事から、真のテーマは『原罪』らしい。ちなみに新珠三千代と内藤洋子が主演のテレビドラマの方は最終話の視聴率が40%以上
>>続きを読む

からっ風野郎(1960年製作の映画)

3.5

大作家三島由紀夫が主演の和製ノワールもの。邦画にパワーがあった時代だからこそ実現した作品である。
本来は企画ものみたいなものなのに、一流の監督と実力のある俳優が脇を固めたため実に面白かった。
徹底的に
>>続きを読む

妻は告白する(1961年製作の映画)

4.0

増村保造監督、若尾文子主演コンビの法廷ミステリー傑作。
男女間のドロドロを徹底的に描いたもので、幸せになりたいという女性の情念がここまで来ると怖いくらい。ラストの雨でずぶ濡れになった若尾文子の怖い美し
>>続きを読む

ファイトクラブ・レディズ(2016年製作の映画)

2.0

ドルフ・ラングレン出演のB級格闘アクションもの。もっともドルフは主役ではなく、その娘が主人公。
地下組織の女性格闘ギャンブルが舞台という設定は面白いけど、試合のシーンは少な目で後は良くある復讐もの。全
>>続きを読む

ヴェノム(2018年製作の映画)

2.5

アメコミ版『寄生獣』といったダークヒーローもの。監督が『ゾンビランド』の人なので少し期待したけど、やはりマーヴェルはこんなもんだなという印象。
コワモテ・キャラが多いトム・ハーディがダメ男役で、コミカ
>>続きを読む

チャイルド・プレイ(2019年製作の映画)

1.5

スマートスピーカー・ブームに乗っかって作られたような、リメイク作品。
オリジナル作はただの人形が少しずつ動き出す辺りが怖かったが、本作は最初から歩いたり喋ったりするので面白さ半減。
ストーリーも何だか
>>続きを読む

東京おにぎり娘(1961年製作の映画)

3.0

若尾文子の爽やか系作品で、実質的な主役は中村鴈治郎の父親。
大阪生まれの江戸っ子というワケの分からない設定の洋服仕立て屋役で、この方にしかできない芸風を堪能できる。ちなみに本作製作年の1960年前後は
>>続きを読む

処刑の部屋(1956年製作の映画)

1.5

市川崑監督、和田夏十の脚本の名コンビによる作品なのに今イチつまらないのは、石原慎太郎の原作がヘボだからか。
60年代のチンピラみたいな大学生達の、無軌道というよりはアホな生活を描いただけの話。主人公が
>>続きを読む

青空娘(1957年製作の映画)

4.0

源氏鶏太の原作を増村保造監督と若尾文子の初コンビで映画化した、邦画青春映画の金字塔ともいうべき傑作である。
昭和の少女マンガのようなベタな話なのに、名監督が演出するとこんなにもテンポが良くて面白い作品
>>続きを読む

虹男(1949年製作の映画)

2.5

エンタメ時代劇と本格推理の名手の角田喜久雄の原作による、ガチな本格ミステリー作品。タイトルがSFホラーっぽいけど、モンスターは出てこない。
パートカラーという触れ込みだが、モノクロ映像にたまに七色の色
>>続きを読む

続続十代の性典(1953年製作の映画)

2.0

性典シリーズ第3作目は山のキャンプ編。若尾文子がやっと南田洋子とW主演的な扱いで、ちょっとしたラブシーンもある。
内容は前2作を足してシャッフルしたような話。今回は若尾が庶民派、南田(またレイプされる
>>続きを読む

続十代の性典(1953年製作の映画)

2.0

一作目と同じ若尾文子と南田洋子が出演しているが、繋がりは全く無い続編。
今回も主演は南田で若尾は助演。豪邸に住む金持ちの娘の若尾と一版庶民の南田という設定は同じ。前作で魚屋だったチャコちゃん母の小田切
>>続きを読む

十代の性典(1953年製作の映画)

2.5

若尾文子出演の初期作品。実質的な主役は沢村晶子と南田洋子。
約70年前の女子高生達が主人公の、アイドル映画といっていいかも。
南田洋子は極貧家庭の娘役で一番美人。沢村晶子は下着姿になる場面が、なかなか
>>続きを読む

頭上の敵機(1949年製作の映画)

3.0

第二次大戦ものだが、殆どがイギリスの米空軍基地での人間ドラマで、空中戦シーンはラストだけ。実写映像を上手く挿入しているのでリアルな迫力がある。
メインテーマは組織の上司と部下の関係の人間模様。軍隊なの
>>続きを読む

おさな妻の告白 衝撃 ショック(1973年製作の映画)

3.5

ロマンポルノという体裁ではあるが、濡れ場が多い70年代青春映画の良作といっていい作品。
主演の片桐夕子がとにかく可愛い。殆どスッピンで通している程の若さが爽やかで白い肌の裸も実に綺麗。
助演女優が秋田
>>続きを読む

新聞記者(2019年製作の映画)

1.5

邦画の近作にしては珍しい社会派作品、という事で観たけど前半のリアルっぽい雰囲気が途中から作り話っぽくなってどんどん冷めてしまった。
結論から言えば新聞記者の勇み足に、真面目な官僚が巻き込まれたって話。
>>続きを読む

ロストガールズ(2020年製作の映画)

2.0

実話であるロングアイランド連続殺人事件を元にしたミステリー。
これもアメリカの田舎は怖いよ映画のジャンルに入れてもいいだろう。4人もの遺体が野ざらし同様に放置されても、白骨化するまで発見されないという
>>続きを読む

メリエスの素晴らしき映画魔術(2011年製作の映画)

3.0

SFXの開祖ジョルジュ・メリエスの生涯と、発見された『月世界旅行』着色版の大変な労作だった修復作業のドキュメンタリー。
上映時間が短いとはいえ、一コマずつ手作業で絵の具を塗っていたのは驚き。ちなみにメ
>>続きを読む

つばさ(1927年製作の映画)

3.5

2時間超えのサイレント戦争映画の名作。
90年以上前の製作だが、戦闘、空撮シーンに物語と良く作られている。俳優達もこの時代にしては表情豊かで演技力も充分。
米軍をヨイショした部分もあるが反戦の要素もあ
>>続きを読む

デッド・ガール(2015年製作の映画)

3.0

ゾンビものみたいな邦題だが、イジメ被害者の少女が自殺した後にお化けになって復讐鬼になる話。
自傷すると相手の同じ箇所が負傷するというのは新しく、いかにも自死したお化けらしくて面白かった。
取り憑かれた
>>続きを読む

ピンクリボン(2004年製作の映画)

3.0

2004年製作のピンク映画史を監督や配給会社スタッフが語るドキュメンタリー。ピンクでデビューした黒沢清監督も出演。
製作や上映サイドの証言は貴重で面白いが、やはり女優等出演者サイドの人達にもっと出て欲
>>続きを読む

不滅の女(1963年製作の映画)

2.0

アラン・ロブ=グリエ監督のデビュー作。
舞台となるイスタンブールの名所らしき場所が沢山出てくるので、劇映画よりも観光ビデオとしての需要が高そう。
同じようなシーンが何度も出てくる演出は好みではない。そ
>>続きを読む

我が道を往く(1944年製作の映画)

2.5

戦後のアメリカの良心的作品。悪人が一人も出てこないので、現実感が乏しいのは仕方ない。
主演のビング・クロスビーは神父が本業じゃないかと思うほど様になっている。貧乏教会の立て直し屋というキャラは実在のモ
>>続きを読む

天地創造(1966年製作の映画)

3.0

ジョン・ヒューストン監督の聖書もの大作。
前半の主役ノア役はヒューストン監督自身。後半の主役アブラハムはジョージ・C・スコットが演じる。
ノアの方舟は動物達の合成によるハメコミが目に付くが、これだけの
>>続きを読む

眼下の敵(1957年製作の映画)

4.5

テレビ・オンエアの機会があると、必ず観る戦争映画の名作中の名作である。
海上の駆逐艦と海底のUボートのタイマン勝負ということで、Uボートが4発の魚雷を発射するまでは何とも地味な攻防が続く。結局は痛み分
>>続きを読む