ひでぞうさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

ひでぞう

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群衆の中の一つの顔(1957年製作の映画)

4.6

「この国の連中は、羊の群れのようなもので、笛を吹いたら、すぐに飛び跳ねる」。メディアを通して、群衆を思いのままにコントロールできるという、主人公のロンサム・ローズの言葉である。ここには、大衆蔑視がある>>続きを読む

アメリカ アメリカ(1963年製作の映画)

4.6

 名匠エリア・カザンの出自に関わる、ギリシャ系移民の物語。トルコ支配域内で、弾圧されるアルメニア人とギリシャ人。そこから逃れるために、家族の期待を担いながら、ギリシャ人の青年スタヴロスは、首都コンスタ>>続きを読む

バルタザールどこへ行く(1964年製作の映画)

4.7

 どのような賛辞も及ばないほどの素晴らしい映画だ。最初は、ロバをめぐる童話、いつか、幼い頃に読んだ、西洋のグリム童話のように感じるかもしれない。しかし、ここに描かれているのは、牧歌的な世界ではない。ロ>>続きを読む

抵抗(レジスタンス)-死刑囚の手記より-(1956年製作の映画)

4.6

 素晴らしい。さすがブレッソンである。アンリ・ドヴィニ大佐の手記をもとに、映画化されたもの。ドヴィニ大佐が監修しただけでなく、彼が収容された刑務所で撮影され、ロープやフックも実際に使用されたものという>>続きを読む

白い肌の異常な夜(1971年製作の映画)

4.5

同じ原作のソフィア・コッポラ監督『The Beguiled ビガイルド 欲望のめざめ』(2017年)と比較する。まず、大きな違いは、黒人奴隷ハリーが描かれていること。『The Beguiled ビガイ>>続きを読む

The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ(2017年製作の映画)

1.0

同じ原作のドン・シーゲル監督、クリント・イーストウッド主演『白い肌の異常な夜』(1971年)と比較する。まず、大きな違いは、黒人奴隷ハリーを削除したこと。『白い肌~』では、彼女とジョン・マクバニー伍長>>続きを読む

都会のアリス(1973年製作の映画)

4.9

これは大事な映画。作家フィリップが、9歳の少女アリスを連れて、アムステルダム、そして、ヴッパタール、そして、ルール…と、祖母の家を捜して旅する。アリスの表情、しぐさ、その一つ一つが、9歳の少女の、そし>>続きを読む

兄とその妹(1939年製作の映画)

3.2

東京の俸給生活者:間宮敬介(佐分利信)、妻あき子(三宅邦子)、そして敬介の妹文子(桑野通子)の家庭が丁寧に描かれる。敬介は東京商科(現.一橋大)であり、文子に求婚する有田道夫(上原謙)はオックスフォー>>続きを読む

姉妹(1955年製作の映画)

4.2

 とても良い。人間の良心というものを考えさせられる。現在は、すでに「良心」という言葉は死語になっているのかもしれない。斜に構えて、冷笑することがネットの作法になっているとすれば、「良心」など、顧みるよ>>続きを読む

煙突の見える場所(1953年製作の映画)

4.0

 東京でも、こんなに人と人との距離が近かったのだ。壁は薄く、プライバシーなど少しもない。でも、この近さが、この時代なのだ。近いということは、お互いに迷惑をかけあうということだ。緒方隆吉(上原謙)と再婚>>続きを読む

有りがたうさん(1936年製作の映画)

4.4

さすが、清水監督である。バスという小さな車内から、当時の社会が見えてくる。穏やかな流れに身を任せていると、峠を越える白いチマ・チョゴリを着た朝鮮人の女性、そして労働者の男性。列を成している。

驚いた
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