papandaさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

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ミャンマー・ダイアリーズ(2022年製作の映画)

4.0

ウクライナやガザ地区の話題でつい忘れがちだけど、ミャンマーの軍部によるクーデターで市民がどんな目に遭っているか、忘れてはいけないことだ。こういう映画はできれば見たくない。でも、見ないふりして通りすぎる>>続きを読む

さらば、わが愛/覇王別姫 4K(1993年製作の映画)

4.4

名前は知っていたけどなかなか見る機会がなかった作品。先日見た「ラストエンペラー」とも時代が重なる部分も多く、興味深かった。1924年から1977年まで、まさに激動の時代。日本だと関東大震災の翌年から日>>続きを読む

法廷遊戯(2023年製作の映画)

3.5

予告やチラシを見て面白そうなミステリーだと思って見たのだが、なんだかいまいち乗れなかった。はじめの方のロースクールでの誰かを吊し上げて血祭りにあげるような雰囲気、隔離されたエリート集団って異様で怖い。>>続きを読む

サントメール ある被告(2022年製作の映画)

3.6

難しかった。若いアフリカ系女性の子殺しの裁判だけど、その陰にいっぱいあって、僕の頭では追いつかなかった。裁判記録をそのまま台詞にしているらしいので、作家のラマの視点で裁判の傍聴をしているみたいだった。>>続きを読む

658km、陽子の旅(2023年製作の映画)

3.6

ロードムービーでこんなに暗くて寒々しい映画は初めて。主人公の陽子はずっと暗い顔だし、天気はほとんど曇りか雪だし、見える景色は震災で避難区域になった廃屋のような町や積み上げられた除染土の山や高く続く津波>>続きを読む

宇宙探索編集部(2021年製作の映画)

3.8

中国映画でも珍しい分野の映画だ。セミドキュメンタリーっぽい感じの映像が面白かった。純粋にオタク道を歩む姿がなんかかわいい。そして何回か行ったことのある中国西部の四川省の風景。南部とも北部ともなにか違う>>続きを読む

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

4.5

これは怖い、そして熱い! 戦争を生き延び、戦後を必死に生き抜いた人達の思いがドラマとしてずっしりくる。まさかゴジラ映画で泣くとは思ってもみなかった。「生きろ、未来のために生きろ」とはあの戦争で犠牲とな>>続きを読む

私がやりました(2023年製作の映画)

4.0

女達のしたたかさ、男達の間抜け面。面白かった。本当は誰が犯人か、とか、まだ描かれていないウラがあるんじゃないか、とか思ったけど、事件の謎よりも登場人物達のわさわさ感に重きが行っていた。でも、1930年>>続きを読む

姿なき殺人者(1965年製作の映画)

3.5

アガサ・クリスティの「そして誰もいなくなった」の2度目の映画化。ルネ・クレール版から20年経ってファッションもそれっぽくなり、舞台も雪の中の絶壁の上に建つお屋敷になっている。イギリスの映画らしくサスペ>>続きを読む

ゴジラ対メガロ(1973年製作の映画)

3.0

昭和48年はこんな雰囲気だったなあ、と思いながら見た。ゴジラは目がパッチリして人間の味方でジェットジャガーとコミュニケーションもとれる。孤高の絶対的存在のゴジラとは似ても似つかない。やっぱりあれはミニ>>続きを読む

そして誰もいなくなった(1945年製作の映画)

4.0

何回も映像化されてるけど、このルネ・クレール版が一番好き。よく考えるとかなり陰惨な殺人でもクリスティはなんかホンワカとしたユーモアで包んで書いているけど、その雰囲気が一番近いと思うから。冒頭の船上の登>>続きを読む

キャロル・オブ・ザ・ベル 家族の絆を奏でる詩(2021年製作の映画)

4.2

こんなに苦しい映画だとは予想してなかった。1978年パートがあるからまだ救われるけど。ポーランドとウクライナの関係がよく分からなかったのではじめは戸惑ったが、ソ連やナチスによる非道さはよく分かった。は>>続きを読む

ザ・クリエイター/創造者(2023年製作の映画)

4.2

ものすごい映像体験だった。そしてアメリカが、西洋文化が嫌いになりそう。排除か共存か、ただ穏やかに暮らしたいだけなのに。AIと人間として描かれているけど、宗教、民族、思想、いろんなものに置き換えられる根>>続きを読む

極限境界線 救出までの18日間(2020年製作の映画)

4.3

全編に緊迫感が漂う面白い映画だった。タリバンに拉致された人質を奪還するために外交官や工作員が動くが、身代金を横取りしようとする詐欺師とか、国の名誉を優先させようとする国家とか、どんどん近づくタイムリミ>>続きを読む

僕らの千年と君が死ぬまでの30日間(2023年製作の映画)

3.3

人魚伝説、千年の不老不死、八百比丘尼など、柳田國男っぽい興味が湧いたので見た。千年生き続ける男達と100年ごとに転生を繰り返す女、それを見守る八百比丘尼、悪くない。けどけっこうアッサリした感じだった。>>続きを読む

ゴジラ×メカゴジラ(2002年製作の映画)

3.7

上映時間90分足らず。展開が速くコンパクトでいいけど、その分ドラマ部分は取って付けたよう。ミレニアムのゴジラは良くも悪くもゲーム感満載かな。冒頭の展開はとても面白い。昭和ゴジラ世代の僕にとっては旧作の>>続きを読む

愛にイナズマ(2023年製作の映画)

3.5

なんか周りの連中嫌なやつばっかし。助監督とプロデューサーとか、社長とか、自殺しようとするのを笑って見ているやつとか、自分の考えは絶対に正しくてそれに反する人は悪として罵りまくるやつとか。なんか胸くそ悪>>続きを読む

おまえの罪を自白しろ(2023年製作の映画)

3.7

幼児誘拐は決して許されない非道な犯罪。この映画では政治家の家族の幼子が誘拐されてその子と母親は気の毒だけど、それ以外の家族にはなんとも思わなかった。だって政治家だもん、どうせ陰で悪いことやってんでしょ>>続きを読む

裸足になって(2022年製作の映画)

4.0

なんの予備知識もなしに、アルジェリアがどこにあるのかさえ知らずに、予告編だけで見た。だから映画の中で出てくるテロも、密航のことも、歴史や文化も分からなかった。そういうことをきちんと予習していたらずっと>>続きを読む

ゴジラ(1984年製作の映画)

3.5

当時は「怖いゴジラ」のリアル路線回帰を狙っていたけど、あんまり面白くない。ゴジラが東京湾から上陸して銀座に来てるタイミングですぐ近くの東京駅から新幹線が出発するとか、ソ連の核ミサイル誤発射を受けて都民>>続きを読む

オレンジ・ランプ(2023年製作の映画)

3.8

これは認知症に対する正しい理解を促す啓発映画だった。認知症というと本人の絶望と不安、周囲の多大な負担をイメージしてしまう。この映画ははじめに現在の穏やかな暮らしを見せてくれるので、あまり悲観的にならず>>続きを読む

女子大小路の名探偵(2023年製作の映画)

3.6

これは名古屋と岐阜に住む人のための、名古屋と岐阜をPRするための映画。地元の人にとってはロケ場所を知っていればあれこれ盛り上がりそう。僕は全く無関係だけど、そこそこ面白かった。しっかり者の姉とどこまで>>続きを読む

わが生涯のかゞやける日(1948年製作の映画)

3.6

16㍉フィルムでの上映。戦後3年というまだまだ深い傷が残りながらも復興が目覚ましい時代の暗黒街的な物語だった。人物設定もストーリー展開もけっこう強引な感じがする。まともなのは宇野重吉さんくらいなものか>>続きを読む

ドロステのはてで僕ら(2019年製作の映画)

4.0

ヨーロッパ企画の映画は面白い。2分って微妙。2分後の未来と現在と2分前の過去とが入り交じって、とにかく混乱しながら映画に身を委ねた。たった2分、されど2分。撮影も長いワンショット(風)に繋いで、タイミ>>続きを読む

ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃(2001年製作の映画)

3.8

かなり久しぶりに見た。純粋に面白かった。公開当時抱いていた雑念(ハム太郎とか)が消えたからかもしれない。白目ゴジラの圧倒的に不気味で怖いこと、バラゴンの健気なこと、一般人立入り厳禁のところに勝手に入っ>>続きを読む

ゆれる(2006年製作の映画)

4.1

高圧的ですぐに怒鳴り散らす父親のもと、片方は家や両親を守り地元で地道に働き、もう片方は家を出て自分の好きな道を選び好きに生きている。この兄弟の思惑。兄弟ならではのわかり合うこと、妬み、肉親ならではの愛>>続きを読む

GO(2001年製作の映画)

4.1

もっとゴテゴテしたイメージがあったけど、意外とかなり爽やかなのに驚いた。ジュリエットの有名な台詞、「バラはバラという名前でなくてもその香りは同じ」の放つ意味を改めて感じた。何人だろうと、何民族だろうと>>続きを読む

愛を乞うひと(1998年製作の映画)

4.0

母親が娘に対する虐待のシーンは正視できない。見ていて辛すぎる。どうしてあんなにも娘に暴力を振るうのか。母の過去を想像してしまう。戦後の混乱と強いバイタリティーとか、台湾との繋がりや歴史とか、考えさせら>>続きを読む

アナログ(2023年製作の映画)

4.0

「原作 北野武」とあったので、あの北野武監督はどんな物語を紡ぐのだろうという興味。予告編を見たら生真面目な青年と謎めいた女性の悲恋ものっぽくて、あの北野監督に限ってそんなベタなはずは、と思っていたらベ>>続きを読む

ゾン100 ゾンビになるまでにしたい100のこと(2023年製作の映画)

3.6

気軽に楽しめた。輝の超ポジティブな発想は羨ましいくらい。出だしの展開が面白くそのあとどう続いていくかだけど、やっぱりコミュニティーを作っちゃうのね。足湯に浸かって寛ぐゾンビって、シュールな絵がおかしか>>続きを読む

幻の光(1995年製作の映画)

3.6

静かで繊細な映画だった。遠くから引いて固定したカメラで長い時間のワンショット映像と冬の日本海の風景が、無駄を省いた芯の強い静謐な雰囲気を作り出していたように思う。でも、もう一度見ないとわからないところ>>続きを読む

サマータイムマシン・ブルース(2005年製作の映画)

4.2

久しぶりに見たがとにかく痛快爽快。無償に面白い。大学生達のおバカっぷりがたまらなく可愛らしい。タイムマシンを使う理由が熱い真夏にエアコンのリモコンが壊れたので昨日に行って壊れる前のを取って来ようという>>続きを読む

コンフィデンシャル:国際共助捜査(2021年製作の映画)

4.0

面白かった。派手なアクションもすごいがちょっと控えめなユーモアとのバランスがよかった。何の予備知識もなく見たのだが、これは2作目だそうなので、1作目も見たくなった。チョンリョンとジャックというチョーイ>>続きを読む

喜劇 初詣列車(1968年製作の映画)

3.7

渥美清さんが実直でド真面目な車掌を演じるシリーズの3作目。そしてテレビで寅さんを演じる直前の映画だ。渥美さんの顔芸も出色だけど、意外と切れのある動きがまた笑わせてくれる。佐久間良子さんは今度は弟思いの>>続きを読む

渇水(2023年製作の映画)

3.7

育児放棄された姉妹には大人はどう見えているんだろう。姉は大人の世界が見えてくる頃だし、妹も薄々感づいてはいるんだろう。大人に助けを求めずふたりだけで母の帰りを待つ姿が切ない。「渇水」というのは水不足の>>続きを読む

喜劇 団体列車(1967年製作の映画)

3.6

それなりに面白かったけど、なんかややまとまりに欠ける気がする。渥美さんの顔芸はさすが。実に表情豊か。そして声は聴いていて実に心地いい。ミヤコ蝶々さんとの掛け合いは秀逸。笠智衆さんはやっぱりいい。小林稔>>続きを読む